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ボールペン覚え書き

[最終更新 2017.10.7]
 エラベルノ追加

主力ボールペン

 参考までに、私が現在、主に使っているボールペンを紹介。

■5mm方眼ノートその他、机上での主な筆記
 Juice up 0.4mm(ブラウン・ブルーブラック・赤・緑)
 シグノRT1 0.28mm(ブルーブラック・赤・青・緑)

■葉書の宛名書き、書類など
 エナージェル フィログラフィ軸+UMR-83E 0.38mm
 シグノ307 0.5/0.7mm
 アクロボール 0.5mm

■外出先での筆記全般
 パワータンク スマートシリーズ 細軸 0.7mm
 パワータンク スマートシリーズ 0.7mm

目次

リフィル一覧表
ボールペンのインクの分類
耐水/耐アルコール実験
上向き筆記について
修正液・修正テープについて
ボールペン復活法
低粘度油性インクの経年劣化について

油性ボールペン ゼブラ ラバー80
ゼブラ ジムニー
ゼブラ ジムニーライト
ゼブラ ジムノック
ゼブラ ジムニースティック
ゼブラ フォルティアSTキャップ
ゼブラ クリップオンスリム
三菱鉛筆 VERY楽ノック
ぺんてる ローリー ノック式
低粘度油性ボールペン ゼブラ Z-1
ゼブラ スラリ
ゼブラ スラリ300
三菱鉛筆 ジェットストリーム
三菱鉛筆 ジェットストリーム ディズニー
PILOT アクロボール
ぺんてる ビクーニャ
トンボ鉛筆 リポータースマート
セーラー万年筆 G-FREE
加圧油性ボールペン 三菱鉛筆 パワータンクスタンダード ノック式
三菱鉛筆 パワータンクスマート
三菱鉛筆 パワータンクスマート 細軸
PILOT ダウンフォース
トンボ鉛筆 エアプレス
水性顔料
ゲルインクボールペン
ゼブラ サラサクリップ
ゼブラ サラサスティック
三菱鉛筆 シグノ307
三菱鉛筆 シグノRT1
三菱鉛筆 シグノRT
三菱鉛筆 シグノ極細(UM-151)
三菱鉛筆 シグノbit
PILOT Juice up
PILOT Juice
ぺんてる ハイブリッドテクニカ
ぺんてる ハイパーG
サクラクレパス ボールサイン ノック
水性染料
ゲルインクボールペン
ゼブラ サラサドライ
PILOT G-Knock
PILOT G-3
PILOT HI-TEC-C maica
PILOT HI-TEC-C
ぺんてる ノック式エナージェル
ぺんてる エナージェル エックス
ぺんてる エナージェル フィログラフィ
ぺんてる エナージェル ユーロ
ぺんてる エナージェル トラディオ
ぺんてる スリッチ
軸とリフィルを選ぶ
ボールペン
ゼブラ プレフィール
三菱鉛筆 スタイルフィット
PILOT ハイテックCコレト
ぺんてる アイプラス
コクヨ エラベルノ

リフィル一覧表

※H芯やJF芯といった分類は、サイズの近いものを便宜上まとめただけで、互換性を保証するものではない。実際の互換状況については各ボールペンの項目を参照のこと。

名称 全長 軸径 主要な使用ペン 備考
H芯
ゼブラ H芯 139.0mm 3.0mm ニューハード
ジムニー
ゼブラ ZA芯 139.0mm 4.0mm Z-1 リフィルの販売無し
K芯
ゼブラ K芯 98.0mm 3.0mm ジムノック
ゼブラ UK-0.7/1.0 98.2mm 3.0mm ジムノックUK
ゼブラ UK-1.2/1.6 98.2mm 3.0mm ジムニースティック バネ留め無し
ゼブラ プレフィール 98.0〜98.2mm 3.0mm プレフィール
スラリ3C/4C
スラリ2+S/3+S
三菱鉛筆 スタイルフィット 98.6mm 3.0mm スタイルフィット
woodnote
ぺんてる スリッチーズ
アイプラス
98.0mm 3.0mm スリッチーズ
アイプラス
ぺんてる BPS 98.0mm 3.0mm ローリーノック式
PILOT BKRF 98.5mm 3.1mm ダウンフォース
PILOT BSRF 98.5mm 3.1mm REXGRIP
PILOT BVRF 98.5mm 3.1mm アクロボール3
ぺんてる BXM 116.5mm 3.0mm ビクーニャ
SA
三菱鉛筆 SA-5/7/10/14CN 143.5mm 3.0mm VERY楽ノック
SJ-7
三菱鉛筆 SJ-7 108.0mm
(栓を外すと90.6mm)
4.8mm ピュアモルト
三菱鉛筆 SJP 90.6mm 4.8mm パワータンクスマートシリーズ 細軸
低粘度油性
ゼブラ EQ芯 111.0mm 4.4mm スラリ
PILOT BRFV 115.0mm 4.0mm アクロボール
JF芯
ゼブラ JF芯 111.1mm 6.1mm サラサ
三菱鉛筆 SXR 111.5mm 4.4mm
(バネ留め径6.0mm)
ジェットストリーム
三菱鉛筆 UMR-8 112.0mm 6.0mm シグノRT
シグノRT1
PILOT LP2RF 110.5mm 6.2mm Juice 他社の軸に入らないようにする細工あり
PILOT LG2RF 110.5mm 6.2mm G-knock 他社の軸に入らないようにする細工あり
ぺんてる LR/LRN 112.0mm 6.0mm エナージェル
ぺんてる KFRN 112.0mm 6.0mm ハイブリッドテクニカノック
ぺんてる KLR 112.0mm 6.0mm ハイパーG
パワータンク
三菱鉛筆 SNP 111.5mm 7.95mm パワータンクスタンダード
パワータンクスマートシリーズ
UMR-1
三菱鉛筆 UMR-1 119.0mm 6.0mm ジグノ極細
PILOT LGRF 128.0mm 6.5mm G-3
PILOT LPRF 123.7mm 6.2mm チューズ
ハイブリッド
ぺんてる KF 138.0mm 4.0mm ハイブリッド
ぺんてる KFGN 127.5mm 4.0mm ハイブリッドテクニカ
ぺんてる スリッチ 113.0mm 4.0mm スリッチ リフィルの別売り無し
ハイテックC
PILOT ハイテックC 116.0mm 6.0mm ハイテックC リフィルの別売り無し

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ボールペンのインクの分類

 ボールペンの分類は、主にインクの種類によって成されている。

●油性/水性
 使用している溶剤によって決まり、有機溶剤を使用しているものを油性、水を使用しているものを水性という。
 エマルジョンインクは、水性インクと油性インクを混ぜ合わせた(乳化させた)インクで、油性でも水性でもあるのだが、本ページでは油性ボールペンに分類している。
 油性インクは粘度が高いのが特徴だが、粘度を低くしたものを俗に「低粘度油性」「新油性」などと呼ぶ。

●染料/顔料
 使用している塗料による分類で、水溶性で繊維の中に入り込み、染めることで発色するものを染料と呼び、不溶性で、対象の表面に塗りつけて定着することで発色するものを顔料と呼ぶ。
 染料は発色がいいものの、定着するのに時間がかかり、定着した後でも水がかかると裏抜けしたりすることも多い。顔料は定着が早く、経年劣化に強いが、不溶性のためにインク詰まりやかすれ等を起こしやすい。

●ゲルインク
 インクをゲル状にしたものを指す。「中性」と呼ぶこともあるが、油性/水性の区別とは全く関係ないので注意。ゲルインクの多くは水性だが、油性ゲルインクを使ったボールペンも少数ながら存在する。


耐水/耐アルコール実験

●筆記後24時間後の耐水実験

 リヒトラブのツイストリングノートのリフィル(この紙は、たいがいのボールペンで普通に筆記する分にはほとんど裏抜けしないが、コクヨのキャンパスやモレスキンの紙よりも若干裏抜けしやすい)に各ボールペンで筆記後、24時間放置し、その後水で紙をよく濡らしてこすった結果。左が実験前、中央が実験後表、右が実験後裏。
 油性ボールペンは0.7mm黒、ゲルインクボールペンは0.5mm黒を用いているが、ジュースはコーヒーブラウン、エナージェルユーロは0.35mm、スリッチは0.4mm、Hi-TEC-Cは0.3mmのブルーブラックを用いている(手持ちにないため)。

 滲みや退色が見られたのは、ジェットストリーム、ビクーニャ、G-3、G-Knock、エナージェルユーロ、スリッチ、ハイテックC。
 やや裏抜けしたのはジェットストリーム、ビクーニャ、ハイテックC。この三銘柄の裏抜け具合は、実用上はさほど問題ないレベル。裏抜けしたのはG-3、G-knock、エナージェルユーロ、スリッチ。

 なお、ジュースは水性顔料だが保湿成分のせいで定着が遅く、放置時間12時間での実験では水性染料のような裏抜けが起きている。
 スリッチ、ハイテックCは、12時間の放置では字が定着せず、水をかけるとインクが流れてしまい、書いた字が消えてしまう。

●筆記後24時間後の耐アルコール実験

 リヒトラブのツイストリングノートのリフィルに各ボールペンで筆記後、24時間放置し、その後、アルコール除菌スプレー(フマキラーのキッチン用アルコール除菌)を吹いてこすった結果。純粋なアルコールではない点に留意。左が実験前、中央が実験後表、右が実験後裏。
 油性ボールペンは0.7mm黒、ゲルインクボールペンは0.5mm黒を用いているが、ジュースはコーヒーブラウン、エナージェルユーロは0.35mm、スリッチは0.4mm、Hi-TEC-Cは0.3mmのブルーブラックを用いている(手持ちにないため)。 

 若干色が紫がかったのは、REX GRIP、アクロボール。
 滲みや退色が見られたのは、Z-1、パワータンクスマート、ジェットストリーム、スラリ、ビクーニャ、G-3、G-Knock、エナージェルユーロ、スリッチ、ハイテックC。

 裏抜けしたのはZ-1、パワータンクスマート、ジェットストリーム、スラリ、ビクーニャ、アクロボール、G-3、G-knock、エナージェルユーロ、スリッチ、ハイテックC。

 アルコール実験は、実際にアルコールなどがかかった場合の耐久性や、インクが付いてしまったときにアルコールで落とせるかどうかを試す目的もあるが、油性ボールペンが、どの程度経年劣化しやすいかを擬似的に確認するという目的もある。
 油性ボールペンは、時間が経つと字が滲んだり、裏抜けすることがある(黎明期のボールペンによく起きた現象で、そのためしばらくの間、公文書への使用が認められなかった。現代の国産油性ボールペンではまず起きないが、低粘度油性ボールペンでは起きることがある。おそらく低粘度にする過程で有機溶剤が揮発しにくくなるなどの理由があるものと思われる)。これは油性ボールペンに使われている有機溶剤が原因なので、アルコールを吹くことで、擬似的に「最悪の状況」を作り出すことができるわけである。

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上向き筆記について

 上向き筆記とは、ペン先が重力に対して水平以上の角度で筆記することを指すもので、たとえば、壁に掛かっているカレンダーに対して筆記するのも「上向き筆記」となるし、手に持った手帳などに書き込むときも、ちょっとした加減でペン先が水平以上になることはよくある。

 ボールペンは、ペン先が何かと触れているときだけインクが流れる構造になっている。そのため、筆記中にペン先を水平以上の角度にすると、リフィル内に空気が入り込んでインクが出なくなったり、芯の中でインクが分離したり、インクが渇いたりする原因となる。
 インクが残っているボールペンが途中で使えなくなる最大の原因はこれで、次がキャップの閉め忘れ(ノック式の場合はペン先のしまい忘れ)。ボールペンは構造上、キャップをしなくても長期間インク詰まりしないが、ペン先にホコリその他が付くことでインクが流れ出し、それが固まってインク詰まりの原因になる。あとは、筆記以外に使用するなどしてペン先を壊すケースもありがち。保管方法がしっかりしていれば、わりと長期間保管していてもインクはちゃんと出る。

 というわけで、ボールペンは基本的に机の上でのみ使用するようにし、壁掛けカレンダーに何か書き込んだり、手に持った紙に何か書いたりする場面では、上向き筆記できる筆記具を使うようにした方がいい。シャーペンとボールペンを両方持ち歩くなどすると、状況に応じて使い分けられて便利だし、ボールペンの寿命を無駄に縮めなくても済むようになる。

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修正液・修正テープについて

 意外と「修正液」のワードで検索されることが多いので、それ用に項目を作ることにした。

 修正液や修正テープは、1.0mmや0.7mmの油性ボールペンが主流だった頃はほぼ問題なく使用できたが、0.5mm以下のペンが好まれるようになってきた現代においては、使用に注意を要する文具となっている。修正した上から細いペン先のボールペンで筆記すると、ペン先が尖っているため固体化した修正液を削りやすく、それがボールに付着し、詰まってしまうからである。

 修正した部分に筆記し直す際は、0.7mm以上のボールペンを使用するのが好ましい。どうしても細字で書き直したい場合は、書けなくなることを覚悟した上で、よく乾かした上で力を入れずに書けば壊さずに済むかもしれない。

 私は修正後の筆記に0.4mm以下のボールペンを使用して3本ダメにしたため、今では修正後には必ず油性の0.7mmを使うようにしている。

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ボールペン復活法

 買った直後からすでにインクが出ない、もしくは長時間放置して出なくなったボールペンは、基本的に復活させようと努力するよりはリフィルを買って入れたほうがてっとり早い。ペン先が壊れているかインクが劣化しているかしている可能性が高く、無理に復活させても調子が悪く、すぐに出なくなるのが目に見えているからである(特に、変に筆記感がカリカリしていて、かつインクの出が悪いボールペンは、ペン先が壊れていることが多い)。
 そもそも長期間放置していたボールペンは、今後も使わない可能性が高いのだから、手間を掛けるだけ無駄とも言える。今後本気で使う気があるのなら、リフィル代くらいケチるべきではない。
 また、製造年から3〜5年経過したリフィルはすでに寿命であることが多く、書けなくなった場合はやはり新品リフィルに交換したほうがてっとり早い。

 ただし、普段使っているものが突然出なくなった場合や、キャップの締め忘れ等に早期に気付いた場合などは、以下の方法で復活する可能性がある。

●リフィル内に空気が入った
 キャップ式ならキャップを締めて、振る(ボールペンはペン先に何かが触れていないとインクが出ることはないので、ペン先が壊れていなければインクが飛び散ることはないはずだが、いちおう注意すること)。粘度の低いボールペンの場合は復活しやすいが、油性は諦めたほうがいいかもしれない。
 そもそも上向き筆記や、ペン先にゴミが付くような保管方法はすべきではない。
 なお、キャップ式ボールペンの場合、キャップに不具合があったり、非純正リフィルを使っていたり、純正リフィルでも入れ方等に問題があると、キャップとペン先が触れて空気が入ることがある。

●ペン先にゴミが詰まった・インクが固まった
 ティッシュで拭く。ペンを垂直に立てて、折ったティッシュに試し書きしてみる。ペンを垂直に立てて、紙の上で試し書きする。ペンを垂直に立てて、軽く濡らした紙の上で試し書きしてみる。
 濡らした紙の上で書くのは、HI-TEC-Cやフリクションなど、すぐインク詰まりする一部のPILOT製ボールペンには特に有効。
 修正液や修正テープを使った後に0.4mm以下の細いペンで上書きすると詰まりやすいので、なるべく修正後の筆記には0.7mm以上を使用する。どうしても細字を使用するなら、壊すことを覚悟した上で、修正液はなるべく薄く塗り、液やテープがしっかり乾いて定着したことを確認した上、なるべく力を入れずに書くことを推奨する。そして使い終わったら必ずペン先を拭いておく。
 その他予防策としては、ゴミっぽい、ほこりっぽい紙面は書く前に手で拭くなどする。ペン先にインクやゴミが付いた場合、早めにペン先を拭く。

●手で暖める
 この方法で復活することもたまにある。

●その他
 紙質が合っていない、書くときにペンを寝かせすぎている、細いペンで大きい字を書こうとしすぎている(ペン先を早く走らせすぎている)など、ボールペン自体は壊れていないが、別の原因で不調になることもある。

 なお、ライターやはんだごてでペン先を熱するとか、熱湯に漬けるといった方法は、ペン先やインクを痛める可能性が高く、とどめを刺すだけのことが多いので、推奨しない。

 私としては、復活方法を考える以前に、ボールペンが壊れないように使用し、保管する方法を考えたほうがいいと思う。
 使用法については、なるべく筆圧をかけないようにする。なるべくペン先を素早く動かしすぎずに書く(ペンを素早く動かしすぎたためにボールを壊してダメにするケースは意外とある。特に0.5mm以下の極細ボールペンは注意)。加圧式ボールペン以外はペンを水平以上に傾けて筆記しないようにする。修正ペンなどで消した上に書く際はなるべく0.7mm以上のペンを使用し、ちゃんと乾いていることを確認し、筆圧をかけないように書く(修正ペンの液やカスがボールに絡まってダメにしてしまうケースは結構ある)。紙やペン先のホコリやゴミを取ってから書く。
 保管については、高温多湿を避け、ペン先にゴミなどが付かないようにすること。キャップ式のキャップは、乾燥を防ぐためというよりは、落としてペン先を壊したり、ゴミが付いたりペン先が何かに触れることでインクが流出し、それが固まることでボールが動かなくなったりすることを防ぐためにある。いずれにしても、使い終わったらちゃんとペン先をしまい、キャップ式ならキャップを閉める。落とすのはどの文房具にしても厳禁。

 また、購入するときはなるべくリフィルの製造年を確認し(見えない場合は店の人に頼んでリフィルを取り出してもらうといい。勝手に分解しないように)、試し書きができるなら必ず試し書きすること。また、試し書きする際は、メモ帳などを持参するのがおすすめ(店によってはインクののりの悪い、つるつるした紙を試し書き用として提供しており、紙が悪いだけなのかペンが悪いのか判断できないことがある)。

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低粘度油性インクの経年劣化について

 低粘度油性につきまとう問題として、経年劣化による裏抜けや滲みというのがある。筆記してしばらく経つと、染料と有機溶剤が分離して、ひどい時には判別不能になるほどの裏抜けと滲みが発生するのである。
 これは初期のジェットストリームでしばしば起きた問題で、そのため低粘度油性自体が、本当に信用して使っていいものかどうか、未だに疑いがもたれている。

 油性ボールペンがこの問題に直面したのは初めてのことでなく、黎明期に同じ症状を起こしていた。そのため、ボールペンは信用できないということで、公文書への使用が認められなかったのである。その後メーカーの開発によりボールペンの信頼性が向上し、公文書への使用が認められるようになる。
 しかし、ボールペンに使われる油性インクは高粘度ゆえにダマやボタ落ちが起きやすく、筆跡が汚くなるという欠点があった。それを改良したのが低粘度油性だったのだが、この新技術の投入が、油性ボールペン黎明期に起きていた問題をぶり返してしまったわけである。

 そこで私は2012年以降、どういう条件で筆記し、保管すればこうした劣化が起きるのかを調べている。数種類の紙に筆記し、普段使いのノートと一緒に置いてみたり、風通しの悪い部屋のガラス戸付き本棚に保管したり、洗面所のカゴに入れてみたりなどしてみたのだが、最長で2年経過した今のところ、経年劣化はまったく起きていない。

 ボールペンが特にニュースリリースもなく、いつの間にか改良されていることは実際あって、たとえば初期のゼブラのUK芯(ジムニースティック)は、裏抜けが酷すぎて使い物にならず、買って数日で捨てたくらい話にならない製品だったのだが、数年してから再び購入して使ってみると、全く裏抜けが発生しないようになっていた。PILOTのアクロボールも、初期のものはダマボタ裏抜けで話にならなかったが、0.5mmが発売された際に再び購入してみると、嘘のようにまともな筆記具に生まれ変わっていた。

 そうした経験と、2年間の実験の結果から、ジェットストリームをはじめとする現行の低粘度油性は、初期にあった油分と染料の分離問題を解消したと判断していいのではないかと考えている。

 ただ、耐水性、耐アルコール性が従来の油性に比べると低いことは実験結果から明らかなので、極力トラブルを起こして欲しくないのであれば、顔料インクか、ゼブラのH芯、K芯や三菱鉛筆のSAなどの信用できる油性染料ボールペンを使用した方がいい。

[2014.11.17 追記]
 2014年11月8日に筆跡の確認をしたところ、2014年1月8日に低粘度油性ボールペン各種で筆記し、北側の物置部屋の本棚に保管していたものの一部で、若干ながら筆跡の劣化が見られた。9月に確認した際には劣化は認められなかった。
 ダイスキン・ダイアリーに筆記したものにジェットストリームの筆跡に黄色染料の分離があり、コクヨ・キャンパスノートに筆記したジェットストリームの筆跡が若干裏抜けしていた(もともと裏移りはしていたものの、裏面にインクが滲んでいる感じはなかったのが、わずかに滲んだ感じになっていた)。
 同じ日に同じ筆記具で筆記し、同じ方法で管理していたモレスキンでは劣化は見られず、同じ日に筆記し、普段使っている部屋の棚に保管してあったツイストリング・ノートの筆跡でも劣化は見られなかった。
 また、同じ管理方法(北側の部屋の本棚)でそれぞれのノートに筆記し保管していた2013年、2012年、2011年に筆記した筆跡に関しては劣化は認められていない。
 一番劣化しそうと考えていた、脱衣所のかごに放置してあるコクヨ・キャンパスノートについても筆跡の劣化は見られなかった。

 今回の劣化の度合いは深刻なものではなく、キャンパスノートではもともと裏移りしていたのがわずかに濃くなった程度のもので、ダイスキン・ダイアリーについては明らかに劣化したことがわかるものの、わずかに黄色の染料が滲んだだけなので、実用上の問題にはならない。そもそもダイスキン・ダイアリーの紙はかなり薄いので、もう少し厚めの紙質ならほとんど気にならない程度に収まっているものと思われる。

 今回劣化が確認できたのはジェットストリームの筆跡のみで、アクロボール、ビクーニャ、スラリの筆跡は劣化していなかった。だからこれらのボールペンが劣化しないとは言い切れないが、ジェットストリームは低粘度油性の中でも劣化しやすいボールペンなのかもしれない。 


(クリックで拡大画像が表示されます)
 2014.1.8にコクヨ・キャンパスノートに筆記したもの。写真だとわかりにくいが、ジェットストリームのみ、若干裏抜けが進行している。比較として一番下に、2014.11.10に同じジェットストリームで筆記したものを掲載している。
 リポータースマートが同等程度に抜けているように見えるのは最初からで、時間経過によって変化したわけではない。このボールペンのインクの色は濃いので、裏移りしやすいが、抜けやすいということはない。ただ、私の手持ちの個体はダマができやすく、そこは抜けるのだが。
 アクロボール1.0mmは裏移りしているだけで、抜けたり劣化したりといった感じではない。


(クリックで拡大画像が表示されます)
 2014.1.8にダイスキン・ダイアリーに筆記したもの。ダイスキン・ダイアリーはダイスキンよりも紙が薄く、もともと容易に裏移り・裏抜けする。
 写真だと、ジェットストリームがじんわりと裏抜けしているのは確認できると思うが、これが黄色がかっているところまでは確認しづらいかもしれない。実際は若干黄色染料がにじみ出た感じになっている。こちらも一番下に比較の筆跡を載せている。
 こちらも、リポータースマートはダマの部分以外は裏移りしているだけで、劣化したわけではない。劣化したジェットストリーム並みに裏移りしてはいるのだが。

[2015.11.1 追記]
 試験の結果から実用上問題ないと判断し、1年ほど各種低粘度油性ボールペンを日常的に使用することにしたのだが、いずれの筆跡についても劣化は認められていない。2014年11月に報告した劣化についても、実用上問題になるほど深刻ではなかったし、ああした症状も他に確認されていない。
 私は経年劣化についてはもう、神経質になる必要はないと判断している。

[2016.12.22 追記]
 2012年以降から保管してきたノートの筆跡に変化無し。また、各メーカーの低粘度ボールペンを順繰りに使った普段使いのノートに関しても、1〜2年経過後も劣化はみられなかった。ノートを普通に保管している限り、低粘度油性の経年劣化問題は起きないものと判断する。

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油性ボールペン

 粘度の高い油性インクを使用したボールペン。その多くは染料を使用しているが、ぺんてるローリーなど、顔料を使用したものもある。
 水性染料インクに比べると、耐水性が高い、滲まないためより細い字が書ける(油性の0.7mmでゲルインクの0.5mm程度)、乾きが速い、といった利点がある。
 黎明期の油性ボールペンは油分と染料が分離し、数年で滲んだり裏抜けしたりして字が読めなくなってしまうことがあったが、近年のメーカー品の多くはその点も改良され、顔料インク並に保存性のいい筆記具へと進化した(ただし、海外産の超安物ボールペンや、国産でもなめらかインク、濃く書ける、などと謳っているボールペンの中には、染料と油分が分離するものもある)。
 紙質の良し悪しにあまり影響を受けないのも利点のひとつ。また、多少筆圧をかけても問題ない筆記具であることから、カーボン紙を用いた転写に使われる。

 欠点は、粘度が高いせいで起こるダマやかすれ。これらのせいで、油性ボールペンの筆跡は汚くなりがち。油性ボールペンを使って字が汚くて悩んでいる人は、ゲルインクボールペンに変えるなどするだけでもずいぶん改善されたりする。

 ゲルインクボールペンの進化に伴い、油性ボールペンの活躍場所は減ってきてはいるが、仕事の現場ではまだ現役である。

ゼブラ ラバー80

[種別]キャップ式油性染料ボールペン
[芯径]0.7mm(全3色)
[純正芯]
 H-0.7芯(全長139mm 軸径3.0mm)
[互換芯]
 ゼブラ ZA芯(全長139mm 軸径4.0mm Z-1の芯。リフィルの販売無し)

[コメント]
 ラバー軸を採用したキャップ式油性ボールペン。ラバーグリップを採用した最初期のボールペンで、プラスチック軸に比べると手が痛くなりにくく、滑りにくい。今となってはラバーグリップは珍しくなく、多様に進化した現代のボールペンからするといかにも原始的ではあるが、シンプルな細軸丸型のボールペンでラバー軸という組み合わせは意外と他になく、細軸が好みの人にとっては今でも唯一無二のボールペンであり得る。

 軸が不透明なためにインク残量がわからない点と、ラバー軸はプラスチックに比べると痛みやすく、特に芯を何度も入れ替えて使っていると、ペン先や頭の部品と軸との接合部に亀裂が入り、壊れてしまうことがあるのが欠点。あまり意味なく分解したり、強くねじを締めたりしないほうがいい。

 リフィルはゼブラ伝統のH芯。油性ボールペンとしてはダマやかすれが少なく、きれいな筆跡で安定して書き続けられるが、ゲルインクや低粘度油性と比べると筆跡は汚い。字の汚い人は油性ボールペンからゲルインクに変えるだけで劇的に変わる。ただし、耐水、耐アルコール、耐候性は申し分なく、顔料インク並みに経年劣化には強い。
 キャンドゥで売られているZ-1のリフィルを入れることで低粘度油性化することもできるが、あまり意味のない行為ではある。リフィルは単品で売られていないので、結局軸ごと購入する必要があり、それだったら素直にZ-1をそのまま使ったほうがいいだろう。

 余談だが、ラバー80は私が中学の頃、初めて自分の小遣いで買った文具であり、初めて芯を入れ替えたボールペンでもある。以来10年以上、私はH芯を使い続けることになる。

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ゼブラ ジムニー ※廃番

[種別]キャップ式油性染料ボールペン
[芯径]0.5/0.7/1.0mm(全3色)
[純正芯]
 SH-0.5芯、H-0.7芯(全長139mm 軸径3.0mm)
[互換芯]
 ゼブラ ZA芯(全長139mm 軸径4.0mm Z-1の芯。リフィルの販売無し)

[コメント]
 万年筆のような形状とラバーグリップ、そして透明軸を組み合わせたボールペン。
 低価格であること、軸が透明であること、そしてドクターグリップなどが隆盛して太めの軸が流行していた頃に、太すぎない絶妙なサイズで繰り出してきた「事務用ボールペン」は画期的な商品だった。今でも充分通用するデザインだと思うが、キャップ式がマイノリティになったこともあり、現在は廃番している。

 グリップ部のラバーが白濁の半透明なため、ジムニーライトと比べるとインク残量が分かりやすいというメリットがあったが、ラバーに手垢が付いて汚れやすく、また、ライトのラバーと比べると耐久性も若干低めで、替え芯を2〜3回入れ替える頃にはラバーがぶかぶかになって持ち味が悪くなったり、キャップが閉まらなくなったりする欠点があった。

「事務にイイ」からジムニーなのだが、スズキのクルマと同じ名前であるため紛らわしい。たまにクルマの情報を求めて私のサイトに紛れ込む人がいる(笑)

 余談だが、ラバー80を愛用していた私にとって、このボールペンの登場は衝撃的だった。ラバー80と同じ芯で、持ちやすくて、しかも透明軸、かつ安い。
 当時ドクターグリップ等を買ってみたものの、高いくせにインク性能はイマイチだし軸は太すぎるしインク残量は見えないし……と不満に思っていた点を全てクリアした奇蹟のボールペンだったのである。

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ゼブラ ジムニーライト ※廃番

[種別]キャップ式油性染料ボールペン
[芯径]0.7mm(全3色)
[純正芯]
 LH-0.7芯(全長139mm 軸径3.0mm)
[互換芯]
 ゼブラ H芯(全長139mm 軸径3.0mm)
 ゼブラ ZA芯(全長139mm 軸径4.0mm Z-1の芯。リフィルの販売無し)

[コメント]
 ジムニーのバージョンアップ版。オリジナルとの違いは、グリップのラバーが黒くなったことと、専用のなめらかインクを使用したLH芯を搭載していること。
 ラバーが黒くなったことにより若干インク残量が確認しづらくなったが、手垢汚れが目立たなくなり、ラバーの耐久性が向上している。LH芯については、正直H芯との違いはよくわからない。

 もともと完成度の高いジムニーが改良され、最強のキャップ式油性ボールペンと言っても過言ではない完全性を誇っていたが、ジムニースティックが発売した前後で廃番となっている。ゼブラ最大の失策である。

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ゼブラ ジムノック

[種別]ノック式油性染料ボールペン
[芯径]0.7mm(全3色)
[純正芯]
 K芯(全長98mm 軸径3.0mm)
[互換芯]
 ゼブラ UK-0.7/1.0(全長98.2mm 軸径3.0mm 1.2と1.6はバネ留めがないのでそのままでは使用不可)
 PILOT BSRF(全長98.5mm 軸径3.1mm)
 ぺんてる BPS(全長98.0mm 軸径3.0mm)
[問題有り]
 ゼブラ EQ芯(全長111.0mm 軸径4.4mm 適切な長さに切れば入る)
 ゼブラ プレフィールのリフィル(全長98.0〜98.2mm 軸径3.0mm バネ留めがない)

[コメント]
 ノック式のジムニー。ジムニーライトは廃番になったが、こちらは現役。軸の使い勝手はジムニーライトとほとんど差はないが、少しだけラバーグリップからペン先までが遠いため、若干使い辛い感じもする。

 リフィルのK芯はゼブラのノック式油性ボールペンとしては標準的なリフィルのひとつ。油性としては比較的安定して使え、耐水、耐アルコール、経年劣化については顔料インク並みに信頼できる。ただし、ゲルインクや低粘度油性と比べると筆跡は汚くなりがち。また、UK芯に比べると若干インクが薄め。
 かつてのUK芯はインクが出過ぎて裏抜けやダマが酷かったが、現在ではそういうこともないので、替芯を入れるならUK芯の方がお勧め。ただし、そこまで大きな差はない。
 また、EQ芯を適切な長さに切って移植すれば、エマルジョンインクを搭載することも可能。

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ゼブラ ジムニースティック ※廃番

[種別]キャップ式油性染料ボールペン
[芯径]0.5/0.7/1.0/1.2/1.6mm(全3色)
[純正芯]
 UK芯(全長98.2mm 軸径3.0mm)
[互換芯]
 ゼブラ K芯(全長98.0mm 軸径3.0mm)
 ゼブラ プレフィールのリフィル(全長98.0〜98.2mm 軸径3.0mm)
 三菱鉛筆 スタイルフィット(全長98.6mm 軸径3.0mm)
 PILOT BSRF(全長98.5mm 軸径3.1mm)

[コメント]
 LH芯よりも、さらになめらかさを追求して登場した「新油性」ボールペン。0.5、0.7、1.0、1.2,1.6mmと、豊富な芯径を揃えているのが特徴。
 UK芯は、発売当初はコクヨのキャンパスノートで思いっきり裏抜けした上、0.7mmでもすぐボタ落ちしたため使い物にならず、買って速攻捨てたという、私としては苦い思い出のあるボールペンである。
 その後どうやらUK芯は改良されたらしく、現在では裏抜けもしないし、ボタ落ちもしない。性能としてはK芯よりちょっとだけ濃い程度だが、K芯の上位互換として安心して使えるものになっている。

 この軸の存在がにわかに重要になってきたのは、ゼブラがホルダーとリフィルを選べる「プレフィール」というシリーズを発売したためである。これで使われているリフィルはK芯と全く同じサイズなのだが、バネ留めがないためジムノックシリーズにはそのままでは使えない。ジムニースティックならバネ留め無しで使えるので、つまりこの軸は、プレフィールの単色ホルダーとしての役割を果たせるわけである。ゲルインクもエマルジョンインクも使い放題。
 せっかく活路が見出されたというのに、このボールペンは現在廃番している。

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ゼブラ フォルティアSTキャップ

[種別]キャップ式油性染料ボールペン
[芯径]0.7mm(黒)
[純正芯]
 F-0.7芯(全長88.9mm 軸径5.3mm)
[互換芯]
 ゼブラ F-1.0芯(全長88.9mm 軸径5.3mm)

[コメント]
 万年筆に似た形状をした、格好付け油性ボールペン。フォルティアシリーズは手帳使いを意識しており、コンパクトなラインナップが多いのだが、これは高級感を重視したデザインとなっている。

 リフィルはF-0.7芯で、標準的なゼブラの油性リフィル。油性としては比較的きれいな筆跡で、劣化に対しては顔料インク並みの信頼性を誇るが、ゲルインクや低粘度油性に比べると筆跡は薄くて汚くなりがち。

 軸は、適度な太さで扱いやすい。特に、あんまり太いグリップは苦手という人には最適。キャップ式なのは、胸ポケットに入れて大惨事が起きたりしない点では優位なものの、外で使うには邪魔に感じるシーンはあるかもしれない。また、お尻にキャップをはめ込みにくい感じがする。そういう使い方を前提としていない作りなのかもしれない。ちなみに私は重心が高くなるのが嫌で、万年筆でもジムニーライトでも、キャップをお尻にはめて使うことはない。

 このボールペン最大のウリである高級感については、500円とは思えない外観で良好。筆記具の外見を気にしなければならない職種で、でも、油性ボールペンに何千円も出すのは馬鹿げていると考える生粋のボールペンマニアにとっては嬉しいモデルと言える。

 ボールペンに高級感を求めること自体どうかと思わないではないが、格好付けボールペンとしては破格のコストパフォーマンスなので、変な海外製品を買うくらいだったらこちらをおすすめする。

 なお、私が購入した理由は、値段のわりに高級感があるという点も確かにあったが、この価格帯で丈夫な軸が買える、という点もあった。プラスチック軸のペンは胸ポケットやカバンに挿して持ち歩くと割れることがままあるので、こうした用途に金属軸のペンを使うのは、実用的に理に適った面もあるわけである。

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ゼブラ クリップオンスリム

[種別]ノック式多色油性染料ボールペン(2色・3色・4色)
[芯径]0.7mm(黒・青・赤・緑)
[純正芯]
 SK-0.7芯(全長89.8mm 軸径3.0mm)
[互換芯]
 ゼブラ SK-0.4芯(全長89.8mm 軸径3.0mm)
[備考]
 スタイルフィットやプレフィールのリフィルは、切って長さを調整すれば入る。ただし、スタイルフィットのリフィルは若干太めらしく、リフィルがスプリングに引っかかってノックを壊してしまう可能性がある。

[コメント]
 バインダークリップ採用&ノック式なのにジムノックと大差ない太さのラバーグリップという仕様の軸で、多色ボールペンは使いたいけどグリップが太いのは嫌という人にとっては待望の油性多色ボールペン。回転式だとこのくらい細い多色軸もあるが、ノック式となるとなかなか貴重。
 おそらく単色ノックボールペンを使っている人の多くは、多色ペンの太い軸を嫌ってのことだと思うのだが(経済性重視や、複数の色を必要としないなどの理由もあるだろうが)、そういう人にとっては非常に有り難い一品となる。
 ただ、純正で入るリフィルが油性のみというのが、もったいないと言えばもったいない。無加工でプレフィールが入るとなれば素晴らしかったのだが。

 純正リフィルはSK-0.7芯。ゲルインクや低粘度油性に比べると筆跡は汚くなりがちだが、信頼性は高い。SK-0.4芯が入るので、細字にすることも可能。
 そして、このボールペンの一番の注目点は、カッターなどで切って長さを調整すれば、プレフィールのリフィルが入るという点である。プレフィールの軸はグリップが太すぎたり、造りが安臭かったりするので、このくらいしっかりとした軸を使えるとなると、なかなかに夢の広がるところではある。もっとも、本来はメーカーの方で、このくらいちゃんとした軸をプレフィール用に作るべきだとは思うのだが。
 その他のリフィルも、軸径さえ同じであれば、長を調整すれば入るわけだが、カタログ上は同じ軸径3.0mmでも、微妙に太かったり細かったりすることがあり、使えない場合があるので注意。スタイルフィットのリフィルは若干太いらしく、入ることは入るが、リフィルを填める際に内部のスプリングに引っかかり、壊してしまう可能性がある。

 なお、数量限定発売されたフロリスタの正体は、クリップオンスリムのカラーバリエーションである。

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三菱鉛筆 VERY楽ノック

[種別]ノック式油性染料ボールペン
[芯径]0.5/0.7/1.0/1.4mm(全3色)
[純正芯]
 SA-5/7/10/14CN(全長143.5mm 軸径3.0mm)

[コメント]
 ラインナップに1.4mmがあるのが特徴のノック式ボールペン。性能としてはジムノックと大差ないが、ジムノックよりインク量が多いという利点がある。また、ジムノックに比べると、ややダマができにくいように感じる。

 ジムノックやタプリクリップよりも軸がひとまわり太い(グリップ部で細くなるため、筆記時の体感としては同等)が、サラサクリップやジェットストリームよりは細く、ちょうどいい感じではある。
 また、グリップからペン先までの距離が短いため、ペン先に近いところを握りたい人にとっては、ゼブラのジムノックやタプリよりも扱いやすく感じるだろう。

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ぺんてる ローリー ノック式

[種別]ノック式油性顔料ボールペン
[芯径]0.7/1.0mm(全3色)
[純正芯]
 BPS(全長98.0mm 軸径3.0mm)
[互換芯]
 ゼブラ K芯(全長98.0mm 軸径3.0mm)
 ゼブラ UK-0.7/1.0芯(全長98.2mm 軸径3.0mm 1.2と1.6はバネ留めがない)

[コメント]
 顔料インクを使用した珍しい油性ボールペン。ジェットストリームなども「顔料インク使用」を謳っているが、耐アルコール実験の結果から、おそらく染料も併用しているとみられる。そのせいで、裏抜けや字の滲みなどが生じることがあり、信頼性に欠けるわけだが、ローリーは本当に顔料インクのみを使用しているようで、水はもちろん、アルコールを吹いても滲みも裏抜けもほとんどない。
 顔料インクなので油性染料よりも濃く、この点は低粘度油性とほぼ同格。ただし、ダマは普通の旧油性と同等に生じるため、筆跡はさほどきれいとは言えない。もちろん低粘度油性のような滑らかな筆記感も望めない。字が薄くならないので、気持ちとして、あまり力を入れて書かなくて済むという効果はあるかもしれない。

 このボールペンは、低粘度油性は信頼性に欠けるから使いたくないけど、普通の油性よりはマシな筆跡の油性ボールペンが欲しい、という人にとっては、唯一と言っていい選択肢となる。ジムノックや楽ノックなどから乗り換えたからといって、さほど劇的に改善されるわけでもないが、筆跡の薄さに悩まされていたのであれば、それは改善されるし、顔料インクなので信頼性については文句ない。

 軸は、ひょうたん型グリップが特徴的なデザインだが、見た目よりは使用感は普通。ジムノックよりもペン先からグリップまでの長さが短いので(楽ノックと同じくらい)、短めに持ちたい人には嬉しいところ。
 K芯と互換性があるので、ジムノックにローリーのリフィルを入れて使うこともできるし、その逆も可能。

 なお、ローリーにはキャップ式と多色ボールペンもあるようなのだが、私は店頭で見かけたことがない。

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低粘度油性ボールペン

 油性ボールペンの弱点である、粘度が高いことによるかすれやダマを軽減し、なめらかな書き味と比較的きれいな筆跡を実現した油性ボールペン。ただし低粘度化した代償として若干信頼性を損なっており、耐水性や耐アルコール性が低くなっている。

 また、筆記後しばらくすると溶剤と染料が分離してインクが盛大に滲むことがある。これは特にジェットストリームで報告されている現象だが、どういう条件で起きるのかはよくわからない。起きない人には全く起きない現象で、リフィルの個体差や保存環境に関係がありそうだが、ともかく、表裏使用するノートや、長期保存したい文章に使用する場合は注意を要する。
 ただ、私が実際に使った経験から言うと、低粘度油性が登場した初期は、たしかに経年劣化が酷かったが、最近になってそうした問題が起きたことは一度もないので、そろそろ低粘度油性も技術的に安定して、安心して使えるようになったのではないかと考えている。

 経年劣化やその他トラブルでどの程度滲みや裏抜けが発生する可能性があるか確かめたい場合は、筆跡の上からアルコールを吹くといい。起こりうる最悪の状況を擬似的に作り出すことができる。

ゼブラ Z-1

[種別]キャップ式低粘度油性ボールペン
[芯径]0.5/0.7/1.0mm(全3色)
[純正芯]
 ZA芯(全長139mm 軸径4.0mm リフィルの販売無し)
[使用不可]
 ゼブラH芯、LH芯(軸径が3.0mmと細いため、固定できない)

[コメント]
 海外(日本では一部の100円ショップ。キャンドゥで見かける)でのみ販売されている、使い捨て安物油性ボールペン。リフィルは販売されていない。
 ラバーグリップであるものの、見るからに安物臭さの漂うボールペンなのだが、これに入っているインクは、なぜかジェットストリームに匹敵する性能を誇っている。

 筆跡は濃く、書き味は、ジェットストリームほどでないにしろなめらか。適度な筆記抵抗がある分、ジェットストリームより好みという人もいるかもしれない。そのくせあまりダマが出ない。かすれは書き始め以外は無縁。
 ただ、インクが濃すぎるために裏移りしやすく、また、ジェットストリームと同等かそれ以上に耐水性や耐アルコール性能は低い。

 裏表使うノートや、長期保存したい文章の筆記に使用するのは推奨しないが、この価格でこの性能は驚異といえる。 

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ゼブラ スラリ

[種別]ノック式エマルジョンインクボールペン
[芯径]0.5/0.7/1.0mm(全3色+0.7mmのみ蛍光6色)
[純正芯]
 EQ芯(全長111.0mm 軸径4.4mm)
[使用不可]
 三菱鉛筆 SXR(リフィルのカタログサイズだけ見ると入りそうだが、バネ留めのせいで軸に入らない)

[コメント]
 ゼブラの対ジェットストリームボールペン。エマルジョンインクという、水性インクと油性インクを混ぜ合わせたインクを使用している。

 ゼブラの油性ボールペンインクは全般に、書き始めから出が良く、かすれが少ない代わりに、インクが出過ぎて糸を引いたり、ダマができやすい傾向がある。スラリのエマルジョンインクもほぼ同じような特性を引き継いでおり、かすれの心配はない代わりにインクの出過ぎによるダマや糸引きによって、筆跡がやや汚くなりがちなこともある。特に1.0mmはダマが多く、酷い場合はボタ落ちが発生することもあるので、1.0mmは他社のを勧めたい。

 筆記抵抗は、1.0mmや0.7mmに関してはジェットストリームよりややある程度。0.5mmはややカリカリ気味。

 軸は無難なデザインで、クセはない。ただ、グリップが若干太め(サラサクリップと同じくらい)で、太めの軸が嫌いな人にとっては微妙に使いにくい。

 リフィルの互換性はほとんどなく、この軸に別のリフィルを入れたり、このリフィルを別の軸に入れることは基本的にはできないと考えた方がいい。
 ただ、リフィルを適切な長さに切ることでジムノック等に入れることはできるので、どうしても軸が気に入らない場合は一考の余地はある。

 劣化に関しては、耐水性については問題ないが、耐アルコール性は弱い。
 低粘度油性インクに付きまとう、経年劣化によるインクの浸透などの問題に関しては、少なくとも私が3年ほど使った限りにおいては起きていない。

 ライバルとの比較に関しては、低粘度油性の中では耐水性に問題がない部類なので、そこを必要とするなら候補に挙がるだろう。ジェットストリーム以下アクロボール以上の滑らかさを求める場合も。ただし、1.0mmはインクが出過ぎの傾向があり、0.5mmは結構カリカリするので、使うなら0.7mmを勧めたいところ。

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ゼブラ スラリ300

[種別]ノック式エマルジョンインクボールペン
[芯径]0.5/0.7mm(黒)
[純正芯]
 EQ芯(全長111.0mm 軸径4.4mm)
[使用不可]
 三菱鉛筆 SXR(リフィルのカタログサイズだけ見ると入りそうだが、バネ留めのせいで軸に入らない)

[コメント]
 スラリのビジネスシーン用モデル。300円+税と安価なわりには高級感があり、かつ、この手の軸にしては珍しくラバーグリップを採用している。
 このボールペンの本来のコンセプトは、ビジネスシーンでスラリを使いたいが、安っぽい透明プラスチック軸だと困るという人向けのものだが、実用的にも大きなメリットがある。それは、スラリ軸よりもグリップが細い、ということ。

 スラリを使う上で最大のネックだったのは、エマルジョンインクの入る軸がことごとく太いものばかり、ということだった(めちゃくちゃ細いプレフィールの単色軸や、廃番したジムニースティック軸にプレフィールリフィルを入れるという選択肢もあるが)。EQ芯を適切な長さに切ることでジムノック軸に入ったりはするのだが、長さ調整はそれなりに繊細で、少し間違うとペン先が飛び出たり引っ込みすぎたりしてなかなか難しい。しかし、このスラリ300の登場によって、その問題が解消したわけである。

 それ以外の点でも、クリップや口金は金属製で耐久性も申し分なく、ラバーグリップはややつるつる気味だが、この手の高級軸はそもそもラバーグリップすらないことも多いことを考えると充分実用的と言える。高級感と実用性を両立した、優れた軸だろう。欠点はインク残量が見た目ではわからないことくらい。これで300円は破格といっていい。こうなると逆に、EQ芯専用軸というのが惜しいくらいである。JF芯の入るサラサ300も欲しいところ。

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三菱鉛筆 ジェットストリーム スタンダード

[種別]ノック式低粘度油性ボールペン
[芯径]0.38/0.5/0.7/1.0mm(全3色)
[純正芯]
 SXR(全長111.5mm 軸径4.4mm バネ留め径6.0mm)
[互換芯]
 三菱鉛筆 UMR-8(全長112.0mm 軸径6.0mm)
 ぺんてる KFRN、LR/LRN、KLR(全長112.0mm 軸径6.0mm)
 ゼブラ JF芯(全長111.1mm 軸径6.1mm)
 サクラクレパス R-GBP(全長112.0mm 軸径5.0mm)

[使用不可]
 PILOT LG2RF、LP2RF(全長110.5mm 軸径6.2mm 他社の軸で使えなくする細工が施されている)

[コメント]
 各ボールペンメーカーが競って低粘度なめらか油性インクを開発していた中でも、一線を画していたのがこのジェットストリーム。ゲルと油性の中間のような、旧来の油性とは明らかに異なるインクと滑らかな書き味で、まさしく「新油性」と名乗るにふさわしいボールペンであった。現行の低粘度油性ボールペンは、全てジェットストリームを意識して作られていると言っても過言ではない。
 各社が対ジェットストリームの低粘度油性ボールペンを出してきたことで優位性が少なくなってきていたが、2013年に0.38mmの芯径がリリースされたことで、なめらか極細ボールペンという新たな境地を得た。

 軸は、ラバーグリップのところで少し太くなっていて、細めの軸が好みの人にとっては辛い。ただし、リフィルのSXRは多くの軸と互換性があるので、細めの軸に入れて使えば問題ない。この軸自身の互換性も高めで、UMR-8やJF芯といったメジャーなゲルインクリフィルが入る。

 書き味は、筆記抵抗が少なく、滑らかなのが特徴。未だにジェットストリーム以上に滑らかな書き味を実現しているのはビクーニャだけである。ただ、滑りすぎて扱いづらいと感じる人もいる。今となってはさほどアドバンテージはないが、当時0.5mmでこれだけカリカリせずに書けるボールペンは他になかった。

 筆跡は、書き始めのみかすれが発生するが、ほぼダマが発生せず、ゲルインクのようにきれい。ただ、新品リフィルは初期の頃にインクの出方が安定しないことがあり、若干の慣らし運転が必要になる場合がある。

 新登場した0.38mmは、極細筆跡をほとんどカリカリせずに書くことができる。ダマが出ると極細なだけに目立つという難点はあるが、この字の細さでこの滑らかさは他にはない。

 ジェットストリームの最大の問題点は経年劣化で、時間経過によりインクの油分が分離して、字の滲みと裏抜けが発生する場合がある。
 私の経験だと、2006年発売初期のものは字が判読できないくらい滲みと裏抜けが発生し、それ以後長らくジェットストリームは使わなかった。2011年以後の製品については、そのような問題は起きていない。ただ、2014年に筆記したものの一部にわずかな裏抜けの進行が見られたので、この問題が全く解消されたわけでもないらしい。発生する条件はよくわからない。個体差なのか、保管方法の問題なのか。
 耐水性能については、水で黄色の染料が滲み、若干裏抜けが進行する。大きな問題ではないが、従来の油性ほど信頼性があるわけでない点は注意。耐アルコール性は弱く、深刻な裏抜けが発生する。

 ライバルとの比較については、耐水性の弱さと経年劣化問題をどう考えるかが最大の焦点と言える。その点を措くなら、1.0mmから0.38mmまで、それぞれ扱いやすい性能で、カリカリせず滑らかな筆記感が得られる利点は大きい。

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三菱鉛筆 ジェットストリーム ディズニー(数量限定)

[種別]ノック式低粘度油性ボールペン
[芯径]0.5mm(黒)
[純正芯]
 SXR-5(全長111.5mm 軸径4.4mm バネ留め径6.0mm)

[コメント]
 2015年にリリースされた、軸にディズニーキャラクターのシルエットがあしらわれた数量限定版。インクや書き味などはジェットストリーム スタンダードと同等なのでそちらを参照のこと。軸の互換性についてはシグノRTを参照。

 一見、単なるカラーバリエーションのひとつと見せかけて、実はこの軸はスタンダート軸と少し形状が異なる。これはシグノRT(RT1ではない)と同じ軸なのである。つまりはメーカー公認のシグノRT軸+SXR-5の改造ボールペンということになる。価格はスタンダードと同じく150円+税。

 簡単に自作できる組み合わせではあるものの、純正軸があるに越したことはないので、普段からシグノRTにSXRを入れて使っている人にとっては嬉しいかもしれない。

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PILOT アクロボール

[種別]ノック式低粘度油性ボールペン
[芯径]0.5/0.7/1.0mm(全3色)
[純正芯]
 BRFV-10EF/F/M(全長115.0mm 軸径4.0mm)

[コメント]
 PILOTが対ジェットストリームとして発売した低粘度油性ボールペン。150円の普及版のほか、クリップと口金に金属を使用した高級軸もある。
 昔のアクロボールはボタ落ちが酷かったような気がするのだが(たまたま私がハズレを掴んだのかもしれないが)、現行品はそんなこともなく、ずいぶん使いやすくなったような印象を受けた。

 低粘度油性の中ではあまり滑らない書き味が特徴で、ジェットストリームが滑りすぎるという人にとっては使いやすい。軸も変な個性がなく、無難に使いやすい。ラバーグリップは少し硬めだがグリップ力は充分で、ホコリが付きにくい利点がある。
 筆跡は、ダマはほとんどできないが、かすれは若干あり。このかすれは使い続けていく内に改善されてくる。長期間放置したり、リフィルが古くなってくるとかすれが再発してくることがあるが、この場合はリフィルの寿命なので、変に復活法を試したりするよりは、素直にリフィルを買い換えるのを勧める。

 このボールペンの真価はラインナップに追加された0.5mmで、これが油性、低粘度油性の0.5mmの中では圧倒的に使いやすい。カリカリせず、滑り過ぎもせず、ジェットストリームのようにインクの出が不安定だったり、ビクーニャのようにダマができたりすることもなく、使い始めから終わりまで安定して使いやすい(ただし、アクロボールの特徴である、初期に起きる若干のかすれはこの0.5mmにもある)。

 低粘度油性の中では地味なボールペンだが、その地味さのおかげで、油性からの乗り換えや、ゲルインクボールペン使いが何らかの理由で油性を使わなければならない場合などには使い勝手がいい。特に低粘度油性の0.5mmを使うなら、アクロボールの素直な性能は頼りになるだろう。

 インクは、低粘度油性ボールペンの中では、比較的水やアルコールによる滲みや裏抜けが少ない。全くないわけではないので、その点は注意。
 経年劣化による滲みや裏抜けの進行に関しては、私は確認したことはない。

 ライバルとの比較については、耐水性能と、低粘度油性の中では比較的マシな耐アルコール性能(仮に油分と塗料の分離現象が起きても、他のものよりは被害が少ない可能性がある)を求めるなら候補に挙がるだろう。また、あまり滑らない低粘度油性を求める場合も。

[よく使っている理由]
 アクロボール 0.5/0.7mmは現在、低粘度油性ボールペンでは最も使用頻度が高い。発売当時に買ったものはすぐ捨ててしまったことを思うと、信じられないことではある。
 数ある低粘度油性ボールペンからアクロボールを選んでいるのは、筆跡がきれいで、あまり滑らないから。私は下敷きを使うので、ジェットストリームは滑りすぎてあまり良くない。
 スラリとアクロボールは筆記感としては似ており、かつ、スラリ300は軸が優秀なので、もし問題が無ければスラリ300を使いたかったのだが、スラリはインクが出過ぎの傾向があり、インクが糸を引くことがある。これはゼブラの油性全般にある特徴なのだが、これにより筆跡が汚くなることがあるので、結局、アクロボールを使うようになった。

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ぺんてる ビクーニャ

[種別]ノック式低粘度油性ボールペン
[芯径]0.5/0.7mm(全8色 0.5mmのみ3色)
[純正芯]
 BXM5/7(全長116.5mm 軸径3.0mm)

[コメント]
 ぺんてるの対ジェットストリームに位置付けされる低粘度油性ボールペン。

 軸のデザインがかなり独特で、硬めのラバーでコーティングされたものになっている。好みが分かれそうな外見。
 一般的なラバーグリップよりも硬めの持ち味になるが、それでも筆記負担はプラスチックよりは低減される。このラバーの利点は、ホコリなどのゴミがほぼ付かないこと。一般的にラバーグリップはホコリなどが付着しやすいが、ビクーニャに関してはその心配はない。また、持ち手の位置が自由に選べるようになっており、特に短く持ちたい人には持ちやすい。

 インクは、書き始めや長期間放置したときに、うまくインクが乗らずに変なかすれ方をすることがあるが、多少慣らし運転をしてやることで解消される。
 ダマができやすいという評判を聞くことがあるが、ジェットストリームよりややできやすい程度で、油性としてはほとんど問題ないレベル(ややインクが出過ぎなのは、ゼブラのスラリと似た傾向といえる)。筆跡はゲルインクほどでないにしろジェットストリームに迫る綺麗さ。ボタ落ちした経験も今のところ無し。
 書き味は、おそらく現行のボールペンの中では最も筆記抵抗が少なく、ジェットストリーム以上に滑らかな書き味となっている。滑りすぎて扱い辛いと感じる人もあるかもしれない。
 特に0.5mmの書き味の滑らかさは驚異的で、油性の0.7mmとほぼ同等の感覚で使える(その分やや字は太めにはなるが)。油性の0.7mmに慣れており、カリカリした書き味が嫌で細字を使えないという人なら、この0.5mmは一度試してみる価値があると思う。ただし、0.5mmは0.7mmに比べるとダマができやすい傾向が見受けられる。

 互換性に関しては、バネ留めの位置が独特なので、この軸に他のリフィルを入れることも、ビクーニャリフィルを他の軸に移植することも難しい。
 無印良品の「なめらか油性ボールペン」の正体はビクーニャ。また、廉価版のビクーニャエックスが発売されているので、オリジナルの軸に不満がある場合はこれらを使用する手がある。
 また、新しく発売されたフィールも、中身はビクーニャで無難なデザインの軸になっている。こうも立て続けに軸のデザインだけ変更した商品をリリースしているということは、ぺんてるもたぶん、この軸のデザインは攻めすぎたと思っているのだろう。

 耐水性は若干問題があり、少し赤色染料が滲んで裏抜けする可能性がある。ジェットストリームよりは抜け具合は少ないが、従来の油性のように全く問題がないわけでない点は注意。耐アルコール性能は低く、にじみや裏抜けが発生する。
 経年劣化で油分の分離が起きるかどうかについては、私が3年使い続けた限りでは起きていない。

 ライバルとの比較に関しては、ジェットストリームを凌駕する滑らかな筆記感を買うかどうかの一点に尽きる。

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トンボ鉛筆 リポータースマート

[種別]ノック式多色低粘度油性ボールペン
[芯径]0.5/0.7mm(全4色 黒、赤、青、緑)
[純正芯]
 BR-CL(0.7mm), BR-CLE(0.5mm) (全長88mm 軸径3.0mm)
[互換芯]
 セーラー 18-1067(全長88mm 軸径3.0mm)
[備考]
 プレフィールのリフィルは長さを調整すれば入る。
 スタイルフィットのリフィルも長さ調整で入るが、若干太いため、填める際にノック部のスプリングに引っかかって破損させる可能性があるため非推奨。

[コメント]
 主要国産メーカーでは最後に登場した、トンボ鉛筆の繰り出す対ジェットストリーム低粘度油性ボールペン。多色ボールペンのみのリリースという点が特殊。2色、3色、4色とあり、軸の形状については全て共通。芯径は0.7mmと0.5mm。
 名前の「スマート」はトンボの低粘度インクである「スマートインク」から来ており、軸がスマートという意味ではない。つまり、旧来のリポーターは油性インク使用で、リポータースマートは低粘度油性インク使用、ということ。

 このボールペンの特徴は、インクよりは軸のほうにあって、金属クリップ、色ごとに形状の異なるノック(目で確認しなくても目的の色を出せる)、安価な多色軸にしては細めで持ちやすい類に入るグリップと、軸の完成度は他社の追従を許さない上に安い。機能面に限って言えば、変な高級軸を買うくらいなら、これを買って芯を入れ替えた方がよっぽど良かったりする。
 理屈の上では、軸径さえ合えば、長さ調整することでどんなリフィルでも入るのだが、カタログ上では同じ軸径3.0mmでも微妙にサイズが異なることがあり、細すぎて填まらなかったり、太すぎてノック機構のスプリングにリフィルが引っかかり、破損させてしまう可能性があるので注意。私が試した中では、スタイルフィットはスプリングを破損させる可能性があるため非推奨。

 一方、インクについては、あまり滑らかではないアクロボールよりも硬めで、旧油性より少し低粘度といった程度のもの。0.7mmはこれでもなかなか快適だが、0.5mmだと少し抵抗が気になる人も出てくるかと思う。旧油性のカリカリ0.5mmよりはこれでもマシな方とは言えるのだが。
 筆跡は濃くてはっきりしている。この点はアクロボールよりも優れており、ジェットストリームなどと同等となる。ただしその分、裏写りしやすいので、薄い紙に両面使って筆記するには注意を要する。コクヨのキャンパスノートくらいの紙質で、気になる人には気になる程度には筆跡が裏からでも見える。
 また、低粘度と言うわりにさほど低粘度でないこともあり、ダマは普通に生じる。それ以上に問題なのはインクが糸を引くことがある点。ゼブラのスラリもインクの出過ぎ傾向があるが、リポーターはよりこの傾向が強い。かすれは書き始めに若干起きる(これは仕方ない)以外はほとんどない。

 耐水、耐アルコール性能は良好。耐アルコール性能がこの程度ということは、仮に経年劣化で油分と塗料(メーカーでは顔料と言っているが、染料も入っているような気がする)が分離しても、さほど酷いことにはならないだろうとも言えるわけである。ただ、劣化しなくても裏移りしがちなので、薄い紙を両面使う際には適していない。

 画像は耐アルコールの実験結果。他のボールペンの実験と同じく、リヒトラブのツイストリングノートの紙に筆記したものを24時間放置した後、アルコールをつけて軽くこすった結果。
 わずかな滲み(ほとんど気にならない)と、若干の裏抜けがあった。裏抜けの具合はアクロボールやパワータンクよりもやや良好。全く裏抜けしないわけではないが、まともな紙質のノートなら気にならないレベル。


 ライバルとの比較については、基本的にはこの軸を使いたいかどうかの一点にかかってくるように思う。スマートインクの性能は他社の低粘度油性と比べるとあまり見るべき点がないが、リポーター軸の純正芯というだけで充分な価値があると考える人もいるだろう。

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セーラー万年筆 G-FREE

[種別]ノック式低粘度油性ボールペン
[芯径]0.7mm(黒)
[純正芯]
 18-1067(全長88mm 軸径3.0mm)
[使用不可]
 トンボ鉛筆 BR-CL(0.7mm), BR-CLE(0.5mm) (全長88mm 軸径3.0mm バネ留めがない)

[コメント]
 スプリングが仕込まれ、8段階に弾力を変更できることが特徴の低粘度油性ボールペン。軸のカラーは多様だが、芯自体は0.7mmの黒のみのラインナップ。

 軸はクリップがバインダー式になっている。ノックでペン先を出して、バインダークリップを開くとペン先が引っ込む仕様。
 グリップ部は三角形っぽいラバーになっており、これは持ちやすい。ただ、さすがは万年筆メーカーと言うべきか、持ち手からペン先までがやや遠目で、立てて使うボールペンとしては扱い辛い印象がある。あと2ミリ短いだけでも全然違うと思うのだが、この辺は好みもあるかもしれない。いずれにしろ、購入する前にこの点はチェックしておきたい。

 最も特徴的であるスプリングについては、軸の頭が回せるようになっており、それで硬さを調整できる。好みの硬さを見つけることができれば、確かに筆記負担が低減している感じはある。ただ、ペン先が沈むのを嫌う人もいるはずで、判断としては微妙ではある。そんなにぐにゃぐにゃするわけでもないし、普通、ボールペンは筆圧をかけて筆記するものではないので、そこまで気になるわけではないが、筆圧の高い人だと影響があるかもしれない。

 インクは、ジェットストリームより少し抵抗がある感じ。かといってアクロボールほど抵抗があるわけでもない。
 色の濃さは充分で、ジェットストリームに匹敵する。特徴的なのは、他メーカーが赤っぽい黒なのに対し、セーラーは紺色っぽい黒であること。これは本当に微差なので、よほど条件が重ならないとわからない程度の違いではあるが、アルコールを吹くと一目瞭然で、他メーカーは紫色に滲むのに対し、セーラーは紺色に滲む。
 ダマは結構発生する。インクが濃い分、旧油性よりも筆記はきれいに見えるが、ダマが多い分、ジェットストリームやアクロボールあたりと比べると汚くなりがちではある。

 リフィルの互換性については、同じ88mmの軸径3.0mmでも、バネ留めが同じ位置になければならないので、サイズが同じだからそのまま使えるというわけでもない。たとえばリポータースマートのBR-CLはバネ留めがないため、バネ留めを自作しない限りG-FREE軸では使えない。逆に、バネ留めの有無が関係ない軸に、このリフィル(18-1067)を入れることは可能。つまり、リポータースマート軸にG-FREEリフィルを入れることはできる。

 耐水性については全く問題なく、筆記直後に水を吹いても滲んだり抜けたりはしない。ただ、耐アルコール性は他の低粘度油性と同程度に弱い模様。つまりは経年劣化で油分が分離し、裏抜けが発生する因子を抱えてはいる、ということである。実際起きるかどうかはわからないが。

 ライバルとの比較については、インクについては特にアドバンテージがあるわけではないので、この独特の仕組みを搭載した軸を使いたいかどうかの一点に掛かってくるだろう。あとは、紺色系黒の発色が気に入って使いたいという人も、いるかもしれない。

[耐アルコール実験]
 ツイストリングノートの紙に筆記し、24時間放置した後、アルコール除菌スプレーを吹いて軽く擦った結果。
 上から吹く前の表、吹いた後の表、吹いた後の裏、となっている。
 表の滲みは若干あり。裏抜け具合はジェットストリームと同等で、アクロボールよりも抜ける。

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加圧油性ボールペン

 リフィル内部を加圧することにより、上向き筆記を可能にした油性ボールペン。ボールペンをダメにする最大の原因である上向き筆記時に空気が入るという弱点を解消した加圧油性ボールペンは、シャーペンやサインペン並に、どんな状況でも安心して使える筆記具となった。
 中途半端な性能の新油性よりも、こちらの方が油性ボールペンの活動領域を広げ、ゲルインクとの棲み分けを確立したように思う。

三菱鉛筆 パワータンク スタンダード ノック式

[種別]ノック式加圧油性染料ボールペン
[芯径]0.5/0.7/1.0mm(全2色 0.7mmのみ3色)
[純正芯]
 SNP-5/7/10(全長111.5mm 軸径7.95mm)

[コメント]
 加圧リフィルのおかげで上向き筆記ができる油性ボールペン。上向き筆記をする機会は意外に多いもので、どんなときにも安定して使えるこのボールペンは非常に心強い。
 インクの色(低粘度油性に比べれば薄め)や書き味は従来の油性ボールペンと同等。加圧しているのでかすれず、加圧したインクが漏れないようにする仕組みの副作用でダマが少ない。つまり、低粘度油性の利点をほとんど兼ね備えているボールペンでもある。むしろ、低粘度油性独特の滑らかな筆記感触がない分、旧来の油性ボールペンの愛用者にとってはこちらの方が使い勝手がいいように感じるかもしれない。
 0.5mm、1.0mmは赤・黒の二色、0.7mmは赤・青・黒の三色のラインナップがある。
 軸は太め。太い軸が苦手な人は、スマートシリーズを選択するといいだろう。

 なお、宣伝文句にマイナス20度の環境でも使えるとあったので、試しに冷凍庫で1日冷やしてから使ってみたところ、最初だけはインクが出にくかったが、すぐに出るようになった。寒いところでボールペンを使いたい人には便利。

 インクの出方が安定していて、かすれやダマもなく使い勝手がいいが、使い始めだけはかすれることがあるので、その点は注意。
 インクは染料を多めに使っているらしく、アルコールにより滲みや裏抜けが発生する(程度としてはジェットストリーム以下、アクロボール以上)。これは楽ノックやジムノックなど現行の油性ボールペンには起こらない、低粘度油性特有の現象である。おそらくジェットストリームのような油分の分離は起きないと思われるが、一応注意しておいたほうがいい。 

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三菱鉛筆 パワータンク スマートシリーズ

[種別]ノック式加圧油性染料ボールペン
[芯径]0.7mm(黒色インクのみ)
[純正芯]
 SNP-7(全長111.5mm 軸径7.95mm)
[互換芯]
 三菱鉛筆 SNP-5/10(全長111.5mm 軸径7.95mm)

[コメント]
 パワータンクのスマート版。当初は「パワータンク スマートシリーズ エントリーモデル」という名称だったが、改称されて「エントリーモデル」の文字が無くなった。
 発売当時は0.5mmがラインナップされていたが、現在は0.7mmの黒のみのラインナップ。ただし、パワータンクスタンダードのリフィルが使えるので、リフィルを入れ替えることで0.5mm、1.0mmや赤・青色インクを使用可能。書き味などはスタンダードと同等。

 スタンダードに比べると軸が細めになり、だいぶ使いやすくなっている。ただし、ノック部分のプラスチックの耐久性がイマイチで意外と割れやすいので、落としたりしそうな場面では若干脆い面もある。
 グリップ部はプラスチックで、多少滑り止めパターンががあるものの、やや滑りやすい感がある。

 クツワがColemanブランドとして出している加圧式ボールペンの正体はパワータンクスマート。軸のデザインは全く同じで、uniのロゴも付いたまま。ただし、三菱鉛筆のボールペンにColemanのロゴを付けてクツワが売るというややこしいことをしているために価格は倍近くなっている。普通の人は素直にパワータンクスマートを買った方がいい。こんな無駄に高いのを買うのはパワータンクスマートの存在を知らない人か、Colemanロゴでなんとなくアウトドア気分を味わいたい人か、レアカラーの軸が欲しい文具マニアくらいだろう。私は「Colemanロゴでパワータンクがますますパワーアップ!」とかいう馬鹿な理由で4種とも購入した。

[よく使っている理由]
 このボールペンはアクロボールと併用して、出先で使うことが多い。その理由はたったひとつ。上向き筆記できるからである。
 普通に机で何か書くならアクロボールでいいのだが、歩きながらとか、壁に紙を押し当てながら何か書くとなると、パワータンクの出番である。
 あと、加圧式の特性として、まあまあ筆跡がきれいという利点もある。低粘度油性ほどではないが、普通に使う分には充分な性能と言える。

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三菱鉛筆 パワータンク スマートシリーズ 細軸 ※廃番

[種別]ノック式加圧油性染料ボールペン
[芯径]0.7mm(黒色インクのみ)
[純正芯]
 SJP-7/10(全長90.6mm 軸径4.8mm)
[互換芯]
 三菱鉛筆 SJ-7(全長108.0mm 軸径4.8mm 栓を外すと全長90.6mm)
[使用不可]
 三菱鉛筆 SNP(全長111.5mm 軸径7.95mm 見るからに入らないが、念のため)

[コメント]
 真・パワータンクスマート。鉛筆並に細い。スマートでも太すぎると感じてしまう人は、多少高くてもこちらを買おう。
 発売当初は「パワータンク スマートシリーズ ハイグレードモデル」という名称だったが、現在の名前に改称された。
 1000円もする割には安っぽい軸で、元の名称である「ハイグレード」は名前負けしている雰囲気が若干あった。ただ、無駄の一切無い軽量ボディで、超実用重視の軸とも言える。耐久性も、少なくともエントリーよりは高い。
 この超実用軸に組み合わされるリフィルがこれまた超実用的な加圧油性ということで、このボールペンを懐に忍ばせておけば、どんな時でも安定して筆記できる心強い味方となるだろう。軸もリフィルも若干高いが、それだけの価値は充分にある。
 ただ、さほど軸が細くなくてもいいとか、軸が多少割れやすくても構わない(割れるような使い方をしないから)、ということなら、スタンダードや通常版スマートの方がコストパフォーマンスはいい。

 2014年現在、廃番している。リフィルのSJP-7/10はまだ販売しているよう。
 SJPは、SJ-7の栓を外した状態と同じ形状で、SJ-7の栓を外して使うボールペンには入るが、栓を挿して使うボールペンには入らない。つまり、SJ-7を使っている、もしくはSJ-7と互換性があるボールペンでも、SJPが使えるものと使えないものがあるので注意。

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PILOT ダウンフォース

[種別]ノック式加圧油性染料ボールペン
[芯径]0.7mm(黒色インクのみ)
[純正芯]
 BKRF-6F(全長98.5mm 軸径3.1mm)
[互換芯]
 PILOT BSRF(全長98.5mm 軸径3.1mm)
 PILOT BVRF(全長98.5mm 軸径3.1mm インクが出過ぎるので取扱注意)
[問題有り]
 ぺんてる BXM5/7(全長116.5mm 軸径3.0mm 少し切れば入る。インクが出過ぎるので取扱注意)
 ぺんてる XBGRN(全長98.0mm 軸径3.0mm 滲むくらいインクが出る)
 ゼブラ K芯、UK芯(全長98.0〜98.2mm 軸径3.0mm 芯径が若干細いため、しっかりはまらない。セロテープを巻くなどする必要あり)
[使用不可]
 ゼブラ EQ芯(芯径が太すぎて入らない)
 三菱鉛筆 SXR(芯径が太すぎて入らない)

[コメント]
 ノックすることでインクを加圧するタイプのボールペン。リフィル内部を加圧しているわけではないので、ノックしたままにしていると加圧効果が薄れてくるなどの不安要素はあるものの、特殊なリフィルを使用しなくていい分、ランニングコストが安いという利点がある。
 特にダウンフォースはリフィルの互換性が高く、いろんなリフィルが使用できる。アクロボール3や、リフィルの長さを調節すれば入るビクーニャのリフィルに交換すれば、新油性で上向き筆記できる加圧式ボールペンのできあがり。ただし、これら粘度の低いインクを使用したボールペンを加圧すると、インクが出過ぎて大変なことになる場合も多いので注意。

 軸はパワータンクスタンダードよりも太め。現在販売されている国産の加圧油性ボールペンの中では最も太い。クリップはバインダー式で使いやすく、また、バインダーを押すことでペン先が引っ込む構造になっているので、ペン先を出したまま胸ポケットに入れて大惨事、といったことにならない設計になっている。全体的にパワータンクシリーズよりも丈夫で、現場で使うにも適していそう。

 ダウンフォースの魅力は、なんといってもいろんなリフィルが試せるところにあるだろう。旧弊でお疲れ気味の退役リフィルを現役として使えるのは、なかなかマニア心をくすぐるものがある。

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トンボ鉛筆 エアプレス

[種別]ノック式加圧油性染料ボールペン
[芯径]0.7mm(黒色インクのみ)
[純正芯]
 BR-SF33(全長58.0mm 軸径3.0mm)

[コメント]
 ノックすることでインクを加圧するタイプのボールペン。もちろん上向き筆記可能。仕組みとしてはPILOTのダウンフォースと同じだが、こちらは軸が短く、ポケットなどに忍ばせやすいのが特徴。
 軸やクリップは丈夫にできている。バインダー式のクリップの方がいいならエアプレス・エプロという製品があるので選ぶ際の参考に。

 軸の持ち手は太めだが、見た目の割には意外と持ちやすい。パワータンクスタンダードよりは持ちやすいが、若干なんとなく筆記していると不安定な印象も。あまり長時間筆記したくない感じではある。
 ノックによって加圧する方式なので、パワータンクに比べるとインクの出は若干不安定で、ダマが出やすい印象。これはリフィルの個体差などもあるかもしれないが、なんとなくダウンフォースの方が筆跡はきれいな気がする。リフィルはかなり短めでインク量が少ないが、軸を短くするためには仕方のない仕様ではある。

 エアプレスの利点は短い軸と丈夫なクリップに尽きる。コンセプトがはっきりしているので、購入の際にライバル製品と迷うことはないだろう。

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水性顔料ゲルインクボールペン

 普段は高粘度だが、力を加えると低粘度になるゲルの特性を利用して開発されたゲルインクボールペン。
 出始めの頃は欠点だらけで使い物にならなかったが、めざましい進化によって、今や油性ボールペンよりも太字や細字が書け、かつ筆跡がきれいになり、もはや油性ボールペンを使う理由がほとんどなくなってしまった。
 ただし、油性ボールペンよりも細いペン先を使うことになることとインク特性の関係から、紙質の良し悪しに対して神経質なペンで、ざらざらした紙質にゲルインクボールペンで筆記するのは辛いものがある。

 水性顔料ゲルインクボールペンは、ボールペンのインクの中では最も経年劣化に強いインクで、文章の長期保存に適している。また、顔料は紙の上に定着することで発色する塗料のため、染料に比べると裏抜けしにくいという利点もある。ただし、油性と比べると乾くまでに若干の時間を要するので注意が必要なのと、水性染料に比べるとインク詰まりやかすれが起きやすい点に難がある。
 現行のシグノやサラサはだいぶ改良を重ねていて、詰まりやかすれ、書き味は、水性染料ゲルインクに迫るものになっているが、0.4mm以下の黒インク(経験的に黒インクはカラーインクより詰まりやすい)や0.3mm以下の細字になると、水性染料に比べて気難しい特性が出がちである。

 キャップ式の方がノック式に比べるとインクフローがいい傾向があるので、細字を使うならキャップ式を選ぶ方がおすすめではある(メーカーや製品にもよるが、ノック式とキャップ式ではインクやペン先の構造に差があり、同じブランドでもノック式の方がインクフローを抑えるように作られていることが多い)。

ゼブラ サラサクリップ

[種別]ノック式水性顔料ゲルインクボールペン
[芯径]0.3/0.4/0.5/0.7/1.0mm(全20色 1.0mmのみ13色)
[純正芯]
 JF芯(全長111.1mm 軸径6.1mm)
[互換芯]
 三菱鉛筆 SXR(全長111.5mm 軸径4.4mm バネ留め径6.0mm)
 ゼブラ EQ芯(全長111.0mm 軸径4.4mm 少しだけノックに違和感)
 サクラクレパス R-GBP(全長112.0mm 軸径5.0mm)

[問題有り]
 三菱鉛筆 UMR-8(全長112.0mm 軸径6.0mm ノックが硬い。約1mm切れば問題なし)
 ぺんてる KFRN、LR/LRN、KLR(全長112.0mm 軸径6.0mm ノックが硬い。約1mm切れば問題なし)

[使用不可]
 PILOT LG2RF、LP2RF(全長110.5mm 軸径6.2mm 他社の軸で使えなくする細工が施されている)
 ゼブラ JT芯(JF芯と同じ形状のため問題なく入るが、キャップ式用のリフィルのためインクが乾燥して使えなくなる可能性がある)

[コメント]
 クリップがバインダー式に改良されたサラサ。旧型のサラサは0.4mmのみ細身の軸でJK芯を使用していたが、サラサクリップは全てJF芯を使用する同じ軸に統一されている。軸の太さはサラサの0.5mm以上と同じ。そのため、太い軸が苦手な人には辛い。シグノRTや、既に廃番ではあるもののサラサスティックなら、JF芯が使えて、かつもう少し持ち手が細いので、検討してみるといいだろう。

 リフィルのJF芯は、三菱鉛筆のUMRと双璧を成す耐水性、耐光性を誇っており、インクの出や筆跡、書き味などもほぼ同格。インクの発色の好みで使い分けることになるだろう。私はJF芯のブルーブラックが好き。

 最近0.3mmのペン先がラインナップに追加された。ライバルであるシグノシリーズの0.28mmに比べると、ややかすれやすいように感じる。ただ、このかすれは大き目の字を書こうとしたり、ペン先を素早く動かしたときに起きるもので、小さい字を書く分には問題なく使える。

 直接のライバルはシグノで、性能は拮抗している。あとは、軸の好みや発色の好みで選ぶことになるだろう。また、シグノはインクの発色が安定しない個体があるので、安定性を取るならサラサ、という考え方もある。シグノRT1がカリカリを低減した新型リフィルを投入しており、0.4mm以下でサラサのカリカリが気になる場合にシグノRT1に乗り換える余地が生じてきたのが、ゼブラユーザーにとっては若干不利な要素となっている。
 ジュースとの比較は、基本的には発色の好み。あとは、ジュースは全体に若干カリカリ気味なのをどう考えるかとなる。
 スリッチやハイテックCなどの染料組との比較だと、耐水性を取るか取らないかの問題になる。 

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ゼブラ サラサスティック ※廃番

[種別]キャップ式水性顔料ゲルインクボールペン(0.3/0.4mmのみニードルチップ)
[芯径]0.3/0.4/0.5/0.7/1.0mm(全10色 1.0mmのみ4色)
[純正芯]
 JF-0.5/0.7/1.0芯(全長111.1mm 軸径6.1mm)
 JT-0.3/0.4芯(全長111.4mm 軸径6.1mm ニードルチップ)
[互換芯]
 サラサクリップと同じ

[コメント]
 サラサのキャップバージョン。0.3mmと0.4mmのみニードルチップのJT芯が使われており、0.5mm以上はサラサと同じJF芯となっている。既に廃番している。
 JF芯とJT芯は、ペン先の違いだけで、寸法等は同じ。つまり、サラサクリップ軸にJT芯を入れることもできるし、サラサスティック0.3/0.4mmにJF芯を入れることもできる。ただし、JT芯はおそらくキャップ式専用のペン先になっているため、ノック式の軸に入れて使っていると、インクが乾燥して使い物にならなくなると思われる。

 この軸はサラサより細いため、サラサやサラサクリップが微妙に太すぎると思っている人にとっては使い易い。あと、キャップ式にこだわりのある人にも。リフィルの汎用性も高く、使い勝手のいい貴重なキャップ式軸だっただけに、早々に廃番になってしまったのは残念。
 ニードルチップのJT芯は、0.4mmはハイブリッドテクニカより細い字が書けて、インクの出も良く、ニードルチップにしては神経質さが少なくて書きやすい。筆跡はシグノbitと同等だが、使い勝手はサラサスティックの方が若干上。ただし黒インクは、インクの出の安定性がイマイチで、たまに機嫌を損ねてインクが出なくなったりする(ニードルチップにはよくある現象)。黒以外のインクだと、この症状はほとんど無い。ただ、性能としてはJF-0.4と大差ない(JT芯はキャップ式専用のため、JFに比べて少しだけインクフローはいい)ので、よほどニードルチップにこだわりがあるわけでないなら、替え芯は安価で入手しやすいJF-0.4を使えばいいと思う。

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三菱鉛筆 シグノ307

[種別]ノック式水性顔料ゲルインクボールペン
[芯径]0.38/0.5/0.7mm(全3色)
[純正芯]
 UMR-83E/85E/87E(全長112.0mm 軸径6.0mm)
[互換芯]
 三菱鉛筆 UMR-8(全長112.0mm 軸径6.0mm)
 三菱鉛筆 SXR(全長111.5mm 軸径4.4mm バネ留め径6.0mm)
 ゼブラ JF芯(全長111.1mm 軸径6.1mm)
 ぺんてる KFRN、LR/LRN、KLR(全長112.0mm 軸径6.0mm)
 サクラクレパス R-GBP(全長112.0mm 軸径5.0mm)

[使用不可]
 PILOT LG2RF、LP2RF(全長110.5mm 軸径6.2mm 他社の軸で使えなくする細工が施されている)
 ゼブラ EQ芯(全長111.0mm 軸径4.4mm 長さが足りない)

[コメント]
 新素材のセルロースナノファイバーを配合したインクを使用しているのが特徴の水性顔料ボールペン。このインクはエナージェルを越える滑らかさと、エナージェル並の速乾性を誇り、その上顔料インクのために耐水性にも優れているという、とんでもない性能を誇る。

 このペンの筆記抵抗の少なさはすさまじく、筆記抵抗を低減したことがウリだったRT1とは別次元で、スリッチやエナージェルをも凌ぐ。
 これはメリットとも言えるが、デメリットとも言えるかもしれない。滑りすぎて書きにくい、という場合もあり得る。
 また、速記対応ということで、速記してもかすれないことがウリだが、その副作用として速乾性も有している。速乾性については、エナージェルに比べると少し遅い。充分速乾と言えるが、左利きだとこの乾き速度では物足りないのかもしれない。

 このペンの最大の利点は、エナージェル並みの性能を、顔料インクで実現した、ということだろう。エナージェルやサラサドライは、速乾性という点では優れているものの、染料インクのために耐水性に難があった。しかしこのペンのインクは顔料インクなので、汗や雨などで裏抜けが発生しない点に優位性がある。耐水・耐アルコール実験の結果については後述。

 インクの色は3色。0.5mmと0.7mmのみのラインナップだが、筆記抵抗の少なさは極細ペンの方が恩恵が大きいので、0.38mmや0.28mmが出てくると驚異的な性能になるだろう。
 また、このリフィルはUMR-8と同じ形状で、つまり、ジェットストリームやシグノRTをはじめ、多くの軸と互換性を持っている。

 軸は無骨な見た目で、ジェットストリームやパワータンク(スタンダード)と似ている。持った感じなどもジェットストリームと似ていて、やや持ち手が太め。ただ、リフィルの互換性が高いので、軸が気に入らなければ好きなものと入れ替えればいいだけだろう。特にエナージェル フィログラフィの替え芯候補としては最有力のひとつ。

 このペンの最大の欠点は、名前だろう。シグノ207の中身はUMR-8、要するに中身はシグノRTで、軸のデザインが異なるペンでしかなかった。そのため「シグノ307」という名前では「またシグノの派生品か」という印象しか残らず、試し書きすらする気にならない。せめて新型インクを使用していることがわかるネーミングにすればいいのにと思う。

 滑りすぎることをどう評価するかがポイントになりそうだが、ありそうで無かった速乾顔料インクというだけでも貴重。名前だけが本当に惜しい。

 2016年11月に、ついに0.38mmが登場。0.5mmでは滑りすぎる筆記抵抗の少なさが、この芯径になるとちょうど良くなり、速乾性も向上する(0.5mmよりも出すインクが少なくなるので)。色数が少ないことを除けば、0.38mmゲルインクボールペンの最高峰だろう。

[耐水・耐アルコール実験]
 ツイストリングノートの紙にシグノ307 0.38mmで筆記し、10分後にアルコール、水に漬けて軽くこすった結果。一番下は、10時間後に水に漬けてこすった結果。いずれも、上がアルコール、水に漬ける前で、下が漬けた後に乾かしたもの。

 耐アルコール性能については文句なく、にじみも裏抜けもない。一方で耐水性については、シグノやサラサなどの顔料ゲルインクほどではないらしく、書いてすぐだとにじみと裏抜けが出てしまう(シグノやサラサなどの一般的な顔料ゲルインクなら、10分も放置すれば完全な耐水性を得る)。ただし、10時間経過時にはほとんどにじみはなくなり、抜けも多少あるものの、気になるほどではない程度まで落ち着いた。これはPILOTのジュースの特性と似ている。ジュースも顔料インク使用だが、保湿成分を混ぜている影響か、完全に定着するまでに24時間程度かかる。

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三菱鉛筆 シグノRT1

[種別]ノック式水性顔料ゲルインクボールペン
[芯径]0.28/0.38/0.5mm(全10色)
[純正芯]
 UMR-82/83/85N(全長112.0mm 軸径6.0mm)
[互換芯]
 三菱鉛筆 UMR-80/87(全長112.0mm 軸径6.0mm)
 三菱鉛筆 SXR(全長111.5mm 軸径4.4mm バネ留め径6.0mm)
 ゼブラ JF芯(全長111.1mm 軸径6.1mm)
 ぺんてる KFRN、LR/LRN、KLR(全長112.0mm 軸径6.0mm)
 サクラクレパス R-GBP(全長112.0mm 軸径5.0mm)

[使用不可]
 PILOT LG2RF、LP2RF(全長110.5mm 軸径6.2mm 他社の軸で使えなくする細工が施されている)
 ゼブラ EQ芯(全長111.0mm 軸径4.4mm 長さが足りない)

[コメント]
 ラインナップが多くてややこしいシグノシリーズに新たに加わった、シグノRTの新型。
 新たに0.28mmがラインナップされている点と、ラバーグリップが軸の先端ぎりぎりまであるのが特徴。また、ペン先が改良されており、ペン先が紙に引っかかることがほとんどない。

 軸はシグノRTに比べると若干太くなったが、さほど使用感は変わらない。ラバーは少しだけグリップが増したが、つるつる気味でRTと大差なし。ただ、ペン先ぎりぎりまでラバーグリップがあるため、短く持ちたい人にも対応できるようになった。リフィルの互換性についてはRTと同様。

 改良された新型UMR-8の書き心地については、従来のシグノRTのような引っかかりがなくなり、かなり書きやすくなった印象。この恩恵は特に0.28mmでは大きい。
 また、これはリフィルが新鮮だからかもしれないが、かすれも少なくなっている。特に0.28mmのインクフローは、水性染料組とほぼ変わらないくらいいい。
 ただ、この新型リフィルの型番はUMR-8のままなので、替芯を買うときは注意する必要がある。新型UMR-8のパッケージには、シグノRT1(UMN-155)に対応している旨が記されているので、それを確認するといい。

 カリカリした筆記感が嫌いだけど、ニードルチップは合わない。でも細い字は書きたいという人にとって、このシグノRT1は救世主となり得るかもしれない。軸が気に入らなかったら入れ替えやすいのも利点。

 気になるのは、0.38mmのブルーブラックの色が安定しないことがある点。これはシグノRTの頃からそうだったのだが、薄くなったり濃くなったりすることがある。
 以前のRTで起きたときは、単にインクが古かったからだと思っていたのだが、今回新鮮なはずのRT1を買っても起きたので、これはUMR-83特有の問題なのかもしれない。不思議なことに、0.5mmや0.28mmでこの症状が出たことはない。たまたまハズレを掴んだだけなのかもしれないが、他のボールペンでは起こったことのない問題でもあるので、一応記しておく。

 直接のライバルはサラサで、サラサはインクの発色が安定している点に利点があり、シグノはRT1でカリカリを抑えた筆記感を実現した点にアドバンテージがある。とはいえ、基本的にはほぼ互角で、発色の好みで選ぶことになりそうである。
 ジュースとの比較については、全体にジュースはカリカリ気味なので、それをどう評価するかがポイント。ただ、結局はインクの色の好みで選ぶことになりそうな気はする。
 スリッチやハイテックCとの比較については、耐水性や耐経年劣化性能を取るなら断然顔料インク組となる。その辺を捨てていいなら、発色や筆記感での比較になるだろう。

 なお、スタイルフィットのシグノリフィルは今のところ旧来のペン先のままで、シグノRT1のような筆記感は得られないので注意。

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三菱鉛筆 シグノRT

[種別]ノック式水性顔料ゲルインクボールペン
[芯径]0.38/0.5mm(全16色 0.38mmのみ18色)
[純正芯]
 UMR-83/85N(全長112.0mm 軸径6.0mm)
[互換芯]
 シグノRT1と同じ

[コメント]
 シグノはいろんなバリエーションがあって非常にややこしいのだが、このRTはノック式。グリップのラバーの感触はつるつる気味でイマイチだが、軸の太さが標準的で使い勝手が良い上に、いろんなリフィルと互換性があるのが利点。特にジェットストリームやサラサクリップの軸が太すぎると感じる人にとっては、おあつらえ向きの互換軸となる。

 シグノRT自体はRT1の発売以後、あまり見かけなくなってきたが、RTの軸はジェットストリームの限定版でよく使われている。

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三菱鉛筆 シグノ極細(UM-151)

[種別]キャップ式水性顔料ゲルインクボールペン
[芯径]0.28/0.38/0.5mm(全8色 0.5mmは4色)
[純正芯]
 UMR-1(全長119.0mm 軸径6.0mm)

[コメント]
 ラインナップに0.28mmがあるのが特徴のキャップ式シグノ。0.28mmの黒は擦れやすくて辛いが、その他のカラーインクならインクフローも良くて使い易い。水性顔料の0.3mm(0.28mm)ゲルインクボールペンを探しているならこれはお薦め。カラーバリエーションが豊富で、キャップ式の分、ノック式よりかすれが出にくい(同じシグノシリーズでも、ノック式0.28mmよりキャップ式のシグノ極細0.28mmの方がインクのかすれが少ない)。
 0.38mmの書き味は、他のシグノシリーズと大差なし。

 軸は、ラバーグリップの位置がペン先から遠すぎて使いづらい気がする。というわけで、私はボルドーブラックとブラウンブラックのリフィルをPILOTのG-3に入れて使用している。

 水性染料のスリッチやエナージェル、バイオポリマーインクのハイテックCに比べるとインクフローが若干劣るが、耐光性、耐水性が高い。字の細さは、スリッチよりは細く、ハイテックCとは同等(インクの色によっては、ハイテックCより滲んで太くなるものもある)。
 書きやすさを取るならスリッチ、エナージェル、ハイテックCだが、字の保存を重視するならシグノ極細の方が優れているといえる。

 ノック式で0.28mmを実現したシグノRT1が発売されたことで、このボールペンの存在意義は薄れた感はあるのだが、キャップ式にこだわりがある人にとっては貴重なボールペンだと言える。

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三菱鉛筆 シグノbit  ※廃番

[種別]キャップ式水性顔料ゲルインクボールペン(ニードルチップ)
[芯径]0.18/0.28/0.38mm(全2色)
[純正芯]
 UMR-121(全長119.5mm 軸径6.0mm)

[コメント]
 世界初の水性顔料ゲルインクでの0.18mm極細ペン先をリリースしたシリーズ。
 軸は非常に使い勝手がいい。キャップ式シグノはみんなこれにして欲しいくらい。
 ペン先はニードルチップらしくやや神経質で、かつインクが水性顔料ということもあり、突然インクが出なくなったり、あまりペン先を素早く動かしすぎると(つまり大きい字を書こうとすると)擦れたりする。0.38mmや0.28mmを使うなら、シグノ極細を使った方がいいような気がする。このボールペンの真価は、やはり0.18mmで超細かい字を書く時に発揮されるだろう。 

 なお、このペンのリフィルであるUMR-121は、UMR-8のお尻に丈増しの栓を付けたもので、この栓を外すとシグノRTなどに入れることができる。逆にUMR-8に部品をくっつけることで、シグノbitで使用することも可能。シグノbitが廃番した今、どうしてもこの極細ペンのリフィルを使いたいなら、栓を外して他の軸に入れて使うという手もある。ただし、栓を外すのは少し大変なことと、キャップ式のリフィルをノック式で使うと何か不具合が起きるかもしれない(インクが出なくなりやすいかもしれない)点は注意。

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PILOT Juice up

[種別]ノック式水性顔料ゲルインクボールペン(ニードルチップ)
[芯径]0.3/0.4mm 全22色
[純正芯]
 LP3RF12S3/S4(全長111mm 軸径6.0mm)
[互換芯]
 Juice軸と同じ

[コメント]
 新型ペン先の「シナジーチップ」を採用し、細字に特化したジュース。位置付けとしてはハイテックCの顔料インクバージョンといった感じで、他社のライバル商品は三菱鉛筆のシグノRT1となる。細字での筆記感の滑らかさという点ではスリッチも比較対象となるが、こちらは染料インクという点に注意。

 軸は不透明になり、製図ペンかシャーペンのような外観になっている。高級というよりは、仕事用のペン、といった印象。私はしばらく、これがゲルインクボールペンだとは気付かなかった。
 ジュースの軸と比べると、口金が金属になっている点は良くなっているが、バインダークリップが廃止されて標準的なプラスチックのクリップになっている点は、人によってはマイナス点と言えるかもしれない。
 見た目の印象は大きく変わったが、使用感はジュースとほぼ同じ。リフィルの互換性もジュース軸と全く同じ。リフィルはジュースアップがいいけど軸はジュースの方がいい、というような人は、交換するという選択肢もある。

 インクは、ジュースとほぼ同じラインナップで、黒い紙に書くためのパステルカラー、メタリックカラーがあるのも似ている(0.4mmのみ)。メーカーの説明によるとインクもジュースから改良されて、よりなめらかな書き味を実現しているとのこと。
 インクカラーは全22色と豊富だが、30色あったジュースに比べると若干整理されている。ジュースは白い紙に書くと読みづらい色がいくつかあったが、ジュースアップのインクは、ライトブルーやオレンジなども、やや暗めの判読しやすい色が採用されている。
 なお、私の愛用しているコーヒーブラウンが無くなっていたので「何考えてるんだ」と思ったのだが、実はジュースアップの「ブラウン」のインクはジュースの「コーヒーブラウン」で、実際に無くなったのはジュースの「ブラウン」の方だった。

 書き味については、パイロットのボールペンと言えば、引っかかるようなカリカリした書き味が良くも悪くも特徴的だが、新型チップのおかげで、0.4mmに関してはカリカリせずにスムーズな書き味になっている。この書き味はシグノRT1にも匹敵する。
 一方、0.3mmについては、紙質が良かったり、下敷きを敷いていたりなど、環境がいい場合はスリッチやシグノRT1と同等の書き味を出せるのだが、環境が悪くなると、カリカリしたり、インクのノリが悪くなったり、といった面が出てきやすい。もともとゲルインクボールペンは紙質の良し悪しに敏感な筆記具ではあるのだが、パイロットのペンは他社に比べてより神経質なところがあって、ジュースアップはその点をかなり改良してきてはいるものの、0.3mmという極細になると、そういうところが顔を覗かせてくる。
 また、フリクションやハイテックCなどのパイロット製ボールペンを使っている人にはおなじみの、書き始めにインクが出ないことがある不具合は、このボールペンにも度々起きる。たいがいの場合、少し試し書きしてやれば出るようになるが、この点もシグノRT1の方が優れている点と言える。

 シグノRT1並の筆記感を実現したジュース、ということで、それを待ち望んでいた人にとっては嬉しいボールペン。0.4mmに関してはほぼ文句のないデキ(たまにインクが出なくなるのだけは問題だが、パイロットのボールペン使いなら慣れているだろうから些細な点だといえる)。
 0.3mmも悪くはないが、使い勝手の良さはややシグノRT1やスリッチに分があるか。

[よく使っている理由]
 普段の筆記で一番使っているのが、Juice up 0.4mmのブラウン。理由は主に2つで、ひとつは水性顔料なので耐水性がある、ということ。もうひとつはインクの色の好み。本文にも書いたように、ジュースアップのブラウンは、ジュースでは「コーヒーブラウン」と呼ばれていた色で、絶妙なセピア系のインクカラーとなっている。コーヒーブラウンのままの方が売れ行きも良かったと思うのに、なぜ素っ気ない名前に変更したのかは解せない。
 ジュース 0.38mmのコーヒーブラウンを使っていたとき、これでカリカリしなければ文句ないのに、と思っていたのだが、ジュースアップはまさしく私が望んだとおりの改良を施してきたペンだった。

 ジュースにあった、ペン先が壊れやすい問題(インクを使い切る前にペン先が寿命を迎えてインクが出なくなる)がクリアされているかどうかは今後使ってみないとわからないが、仮にその点が改良されていなくても、このペンは私にとってベストな0.4mm水性顔料ゲルインクボールペンである。ただ、0.3mm(0.28mm)については、やはりシグノRT1の方が使いやすいと思う。

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PILOT Juice

[種別]ノック式水性顔料ゲルインクボールペン
[芯径]0.38/0.5/0.7/1.0mm(全30色 0.38/0.7mmは26色 1.0mmは8色)
[純正芯]
 LP2RF(全長110.5mm 軸径6.2mm)
[互換芯]
 PILOT LG2RF(全長110.5mm 軸径6.2mm)
[問題あり]
 ゼブラ JF芯(全長111.1mm 軸径6.1mm 概ね問題ないが、少しガタつく)
 三菱鉛筆 UMR-8(全長112.0mm 軸径6.0mm 同上)
 三菱鉛筆 SXR(全長111.5mm 軸径4.4mm バネ留め径6.0mm 同上)
 ぺんてる KFRN、LR/LRN、KLR(全長112.0mm 軸径6.0mm 同上)
 サクラクレパス R-GBP(全長112.0mm 軸径5.0mm 若干ペン先が飛び出るが、ガタつきはなし)

[コメント]
 保湿成分を配合することで書き出しのかすれを低減していることが特徴の、水性顔料ゲルインクボールペン。
 保湿成分の効果は確かにあって、顔料インクなのに染料インクのような書き味で非常に書きやすい。ただしそのせいで、完全にインクが乾くまでに時間がかかる。私が調べた結果では、筆記から12時間程度ではエナージェルやG-Knockといった水性染料並の退色と裏抜けが見られるが、24時間経過すると退色も裏抜けも起きなくなった。この乾きの遅さは他の顔料インクでは見られない現象なので注意(他の顔料インクボールペンは、筆記から1時間以内でも十分定着する)。

 ペン先は、0.38mmはPILOTのボールペン特有の引っかかりがあって、ざらざらした紙だと破いてしまいそうな感じだが、その割にはインクフローは良くて、かすれたりはほとんどしない。
 0.7mm以上の書き味は、サラサよりはインクの出が落ち着いていて筆跡は綺麗だが(シグノと同等)、あまり素早くペン先を動かすと筆跡の中央にインクがいまいち乗らないことがあるので、大きな字で豪快に書くには若干不向きな印象がある。

 軸はサラサクリップのクリップとシグノRTのグリップを足していいとこ取りをしたような感じ。さすがに後発だけあって絶妙の仕様。
 サラサクリップよりも軸が細めなので、太い軸が苦手な人にとっては握りやすいだろう。また、シグノRTよりはラバーグリップのグリップ感は高い。ただし、そのためラバーグリップにホコリなどの汚れが付きやすいという欠点もある。
 G-knockの軸は意外と汎用性が低く、他社メーカーの芯が入れ辛かったが、この軸は比較的素直にJF芯互換のものはなんでも入る。ただ、JF互換の他社のリフィルは、PILOTに比べるとペン先のサイズがわずかに細いらしく、Juice軸に入れると少しだけ隙間ができ、そのせいでガタつく。0.7mm以上ならほとんど問題にならないはずだが、0.4mm(0.38mm)で細かい字を書くときには扱いづらい。
 また、G-knockやJuiceのリフィルは、他社の軸に移植できないようにするため、バネ留めの手前で一段太くなる細工が施されている。そのため、一見入りそうな軸にも入らないので注意。

 水性染料のように書ける水性顔料ゲルインクボールペンということで、シグノ、サラサとはまた違った使い方のできるボールペンだといえる。水性染料の利点だけでなく、欠点も若干引き継いでしまってはいるが、特性を理解してうまく使えば、使い勝手のいいボールペンだといえるだろう。

 ライバルとの比較については、直接のライバルは同じ顔料インクのシグノ、サラサとなる。ジュースは全体的にカリカリ気味なので、筆記感が気に入らないなら他社のを使うことになりそう。ただ、基本的にはインクの発色の好みで選ぶことになりそうではある。
 スリッチやハイテックCなどとの比較は、耐水性を取るなら顔料インクで、それを捨てていいなら発色や筆記感での比較になる。

[補足]
 0.38mm コーヒーブラウンで、インクを半分くらい使用したところで色が薄くなりだし、3分の1残したところで使用に耐えなくなる問題が起きた。
 こうなる原因はおそらくペン先のボールの寿命で、ボールが変形するなどの理由でインクが出にくくなるもの。
 ゲールインクボールペンは油性よりも繊細なのか、こうした問題はよく起きるが、Juiceは他のペンと比較しても、ボールの耐久性が低いのかもしれない。
 今まで5本使用し、2本でこの問題が起き、残り3本は問題なくインクをほぼ使い切れた。

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ぺんてる ハイブリッドテクニカ

[種別]キャップ式水性顔料ゲルインクボールペン(ニードルチップ)
[芯径]0.3/0.4/0.5mm(全3色)
[純正芯]
 KFGN(全長127.5mm 軸径4.0mm)
[互換芯]
 ぺんてる スリッチ(全長113.0mm 軸径4.0mm)
[問題有り]
 ぺんてる KF(全長138.0mm 軸径4.0mm 切れば入る)
[使用不可]
 PILOT LGRF(全長128.0mm 軸径6.5mm 軸径が太すぎて入らない)
 三菱鉛筆 UMR-1(全長119.0mm 軸径6.0mm 同上)

[コメント]
 ニードルチップのゲルボールペンの中では書き味やインクフローに優れており、滑らかな書き味と擦れにくいのが特徴。ただ、インクが出すぎて少しにじみやすい(0.4mmの場合。0.3mmは使ったことがないのでわからない)のと、字の真ん中にインクが乗らないことがあって、それが気に入らなくて私はあまり好いていない(大き目の字を書こうとすると起きる。細かい字を書く分には問題ない)。特にニードルチップを必要とする理由がないなら、素直にシグノかサラサを使った方がいいような気がする。

 今となっては総合的にはエナージェルやスリッチの方が優れているが、エナージェル、スリッチは水性染料なので、耐水性のあるニードルチップのゲルボールペンを求めるなら、まだまだ選択肢には入るだろう。

 なお、この軸にはスリッチのリフィルを移植可能。スリッチの軸が細すぎるという人は試す価値があるかもしれない。ハイブリッドの軸にも移植できる。

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ぺんてる ハイパーG

[種別]ノック式水性顔料ゲルインクボールペン
[芯径]0.5/0.7mm(全3色)
[純正芯]
 KLR 5/7(全長112.0mm 軸径6.0mm)
[互換芯]
 三菱鉛筆 UMR-8(全長112.0mm 軸径6.0mm)
 三菱鉛筆 SXR(全長111.5mm 軸径4.4mm バネ留め径6.0mm)
 ゼブラ JF芯(全長111.1mm 軸径6.1mm)
 ぺんてる KFRN、LR/LRN(全長112.0mm 軸径6.0mm)
 サクラクレパス R-GBP(全長112.0mm 軸径5.0mm)
[使用不可]
 PILOT LG2RF、LP2RF(全長110.5mm 軸径6.2mm 他社の軸で使えなくする細工が施されている)
 ゼブラ EQ芯(全長111.0mm 軸径4.4mm 長さが足りない)

[コメント]
 ぺんてるでは珍しい、ニードルチップではないアロー型ペン先のノック式水性「顔料」ゲルインクボールペン。つまりはシグノRTやサラサクリップのライバル関係にあたる。同じぺんてるとしてはハイブリッドシリーズと競合関係になるが、ハイブリッドテクニカはニードルチップで0.3/0.4/0.5mmのキャップ式であるのに対し、こちらはアロー型の0.5/0.7mmのノック式となる。
 ハイブリッドシリーズが筆跡の中央にインクが乗らないことがあるのを反省してか、インクが中央に集まることを売り文句としている。

 書き味や筆跡は、ハイブリッドと似ている。他メーカーに比べると滑らかな書き味の代わりに、若干インクが滲んだような筆跡になる(気にならない人も多いかもしれない程度ではある)。売り文句通り中抜けが発生しないのはハイブリッドに比べると改良された点。もし0.4mm以下でこの書き味と筆跡を実現しているなら優れているのだが、0.5mm以上となると中抜けが気になるボールペンの方が少ないので、あまり特性が活かせていない感じがする。

 軸は妙なデザインで、太さはエナージェルとほぼ同等だが、グリップからペン先までが長く、若干扱いづらい印象がある。また、口金にデザインとして妙な突起がつけられているのだが、これがいろいろ邪魔くさい。実際この突起の部分が筆記に悪影響を与えることはないのだが(突起を避けて使えばいいだけなので)、ペン先に余計な意匠があるのは、筆記具としてはマイナスでしかない。
 ただし、ハイパーGのリフィルはハイブリッドテクニカノックやノック式エナージェルと同じ形状で、つまりはサラサクリップやシグノRT、ジェットストリームの軸などに移植できる。ハイパーGの書き味は好きだけど軸は嫌という場合は、移植を考えるといいだろう。

 悪いボールペンではないのだが、シグノ、サラサ、ジュースあたりと比べたとき、カラーバリエーションの貧弱さや0.4mmがない点などがどうしてもネックになってくる。書き味はぺんてるらしい滑らかさを誇るので、エナージェルっぽい書き味の水性顔料が欲しいという人にはいいかもしれない。要するに宛名書きなどには適していると言える。ただし速乾インクではない。

 なお、ぺんてるは後に「ゲルインクボールペン きらり」という、0.7mm黒のみの美文字ゲルインクボールペンなるものをリリースしたが、これはリフィルも軸のデザインの多くもそのまんまハイパーGの0.7mmで、どう考えても不評だったであろう口金の変な突起のみなくなっている。 

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サクラクレパス ボールサイン ノック

[種別]ノック式水性顔料ゲルインクボールペン
[芯径]
 0.4/0.5mm(全15色)
 0.6mm(全20色)
 0.8mm(全5色)
[純正芯]
 R-GBP(全長112.0mm 軸径5.0mm)
[使用不可]
 ゼブラ JF芯(軸に入らない)
 三菱鉛筆 UMR-8(軸に入らない)
 ぺんてる KFRN、LR/LRN(軸に入らない)
 PILOT LG2RF、LP2RF(軸に入らない)

[コメント]
 世界初のゲルインクボールペン、ボールサインのノック式。基本色15色は0.4mm、0.5mmで、残り25色は0.6mm、0.8mmのメタリックやラメ入り、黒背景用などの特殊なペンとなる。
 細めのプラスチック軸で豊富なインク色というラインナップから、見た目はスリッチやハイテックCのライバル商品に見えるが、顔料インクであることから、実際はサラサ、シグノ、ジュースのライバルとなる。

 軸は、スリッチっぽい細身の形状だが、グリップ部で太くなっているため、見た目よりも持ちやすい。ただ、ペン先に近いところまで太っており、実際に筆記していると目障りに感じる。グリップ部は一見プラスチックむき出しだが、実際は薄いラバーっぽいものが入っており、滑り止めや手への負担軽減効果のあるものになっている。クリップは小さくチャチで、あまり頼りにならない。

 リフィルの軸径は5.0mmのため、似たようなサイズで軸径6.0mmのJF芯やUMR-8などは入らない。逆に、リフィルのR-GBPはサラサクリップ、シグノRT1、エナージェル ノック式などに移植可能。つまり、軸が気に入らなければ他の軸と交換しやすい。
 エナージェル トラディオにはいちおう入り、とりあえず問題なく使えるようなのだが、リフィルの軸径が足りないため、内部できちんと固定されておらず、それが何らかの問題になる可能性はある。

 書き味は、シグノRT1と同等程度でサラサよりも良好。シグノRT1はペン先が改良されており、驚異的な滑らかさを誇るのだが、ボールサインノックはそれに迫る書き味を誇る。
 ただ、滑らかさが行きすぎることもあり、つるつるした紙質だと、ボールが滑ってインクの乗りが悪くなることがある。

 インクのカラーバリエーションはなかなか実用的で、発色もいいし滲みも問題なし。顔料なので、耐水、耐アルコール性も問題なし。
 特に、メタリックカラーやラメ入りカラーなど、落書きペン系統の特殊なインクが優秀。一般にメタリックカラーやラメ入りなどのペンは、インクのノリがイマイチだったり色味が微妙だったりといったことが多いが、このシリーズは使いやすい色合いが揃っており、インクのノリも比較的良く、なかなか使いやすい。……もっとも、こういうのはプリクラなどの写真に落書きするために使われることが多く、私にはほとんど縁が無いのだが。
 実用色で嬉しいのは、ブラウンブラックがあること。シグノRT1にはなく、サラサのブラウンは色がイマイチ、ジュースのコーヒーブラウンは発色はいいが書き味がカリカリ気味なので、書き味が良くて発色のいい、ブラウンブラックのノック式顔料インクボールペンの存在は有り難いところ。

 0.6mmや0.8mmのペンのインクの発色やノリは本当に良く、似たような商品展開をしているジュースよりもずっといい。また、似たような形状のペンとして、あえてスリッチやハイテックCと比較するなら、薄いラバーが入っていることによる軸の使い勝手の良さと、顔料インクという点が強みになるだろう。
 普段使いのペンとしては、見た目とクリップさえ気にしないならば意外と扱いやすいペンといえる。見た目や使用感が問題ならジェットストリーム軸などに入れる手もある。問題は、現状では取り扱っている店が少ないこと。使いたくても入手しづらいのでは、普段使いとしては辛いものがある。

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水性染料ゲルインクボールペン

 水性染料のインクを使用したゲルボールペン。顔料系に比べるとインクの発色が良く、カラフルなインクが多いのが特徴。また、かすれや詰まりが起きにくく、水性顔料が苦手とする0.3mm以下のペン先でも比較的快適に書ける。
 ただし、染料を使っているため顔料インクよりも滲みや裏抜けが発生しやすい点と、耐水性等は無きに等しい点は注意。書いた直後、もしくは乾燥が不十分で定着しきっていない段階で水がかかると字が消えてしまい、定着後は字は残るが裏抜けしてしまう。

ゼブラ サラサドライ

[種別]ノック式水性染料ゲルインクボールペン
[芯径]0.4/0.5mm(全3色)
[純正芯]
 JLV芯(全長111.1mm 軸径6.1mm)

[互換芯]
 JF芯(全長111.1mm 軸径6.1mm)

[コメント]
 速乾性インクをウリにした、ぺんてるのエナージェルの対抗馬となるボールペン。

 まず注意しなければならないのは、このボールペンのインクは水性染料だということ。従来のサラサシリーズは顔料を使用しており耐水性に優れていたが、このボールペンのインクは、水がかかると思いっきり裏抜けしてしまう。速乾性インクの特性か、インクが流れて字が消えたり、滲み過ぎて判読不能になることはないのだが、裏抜けの度合いは酷いので、紙を表裏両面使用する場合は注意。

 軸の見た目はスラリに似ているが、グリップの太さや使用感などはサラサクリップの軸と同等と考えていい。スラリよりもひとまわり太く、また、グリップからペン先までの距離も長い。
 リフィルの互換性もサラサクリップと同等。つまり、この軸にいろんなリフィルが入るし、このリフィルをいろんな軸に入れることもできる。互換芯の情報欄にはJF芯のみ記載しているが、より詳しい互換情報についてはサラサクリップを参照のこと。

 リフィルは、現状では0.4mmと0.5mm、それぞれ黒、青、赤の3色のみ。
 書き味については、同じの芯径のエナージェルよりも字が太めで、よりはっきりと濃い筆跡になる。ただし、染料かつゼブラらしくインクがたくさん出る傾向のあるこのペンは、やや裏抜けしやすい。
 速乾性に関してはエナージェルよりも若干優れているようで、紙質にもよるが、0.5mmだと筆記から1秒以内に擦っても滲まなくなり、0.4mmだと書いてすぐ擦っても問題ないくらい早く乾く。

 エナージェルとサラサドライの比較については、サラサドライはエナージェルよりも太めの筆跡になるものの、インクの出が多いわりには速乾性が高い点にアドバンテージがあると言える。つまり、より太い字を、速乾で書きたい場合にはサラサドライが有効となる。
 エナージェルには0.7mm以上の芯径があるが、この芯径になると速乾とは言いがたくなる。そのため、エナージェルの0.7mmクラスの字を速乾で書きたい場合は、サラサドライの0.5mmの出番となるだろう。
 あとはペン先の違いで、ニードルチップが好きならエナージェル、アローチップが好きならサラサドライ、ということになる。

 また、速乾インクという領域には、シグノ307という強力なライバルが存在する。シグノ307は顔料インク使用のために耐水性に優れ、しかも筆記抵抗が少ない。速乾性はサラサドライの方が少しだけ優位なので、そこを買うなら選ぶ余地はある。

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PILOT G-Knock

[種別]ノック式水性染料ゲルインクボールペン
[芯径]0.38/0.5/0.7/1.0mm(全3色)
[純正芯]
 LG2RF(全長110.5mm 軸径6.2mm)
[問題有り]
 ゼブラ EQ芯(全長111.0mm 軸径4.4mm スラリかサラサクリップのバネを移植する必要あり)
 ゼブラ JF芯(全長111.1mm 軸径6.1mm 少しペン先が飛び出る。少し切れば適切に)
 三菱鉛筆 SXR(全長111.5mm 軸径4.4mm バネ留め径6.0mm 少しペン先が飛び出る。少し切れば適切に)
 三菱鉛筆 UMR-8(全長112.0mm 軸径6.0mm ペン先が少しガタつく)
 ぺんてる KFRN、LR/LRN、KLR(全長112.0mm 軸径6.0mm ノックが少し硬い。少し切れば適切に)

[コメント]
 軸は見た目はゴツそうだが、ペン先の近くで細くなっているため、非常に使い易い形状になっている。リフィルの形状からすると広く互換性のありそうな軸に見えるのだが、その実他のリフィルを入れようとするといちいち問題が起きるので、素直に純正芯を使うのがおすすめ。
 また、リフィルのLG2RFは互換性が高そうな形状だが、バネ留めの手前で一段太くなっているため、他社の軸には移植できない。

 ペン先は、使い始めは若干カリカリする感じで、特に0.38mmは他社製に比べると引っかかりが強め。

 このボールペンの特徴は黒の発色の良さで、他のメーカーのものと比べるとより黒い。
 昔はブルーブラックがあったらしいという噂を聞いたが、現在は黒赤青しか販売していない。インクのカラーバリエーションが少ないのが、サラサやシグノと比べるとつまらない点ではある。

 Gシリーズのインクは乾きが早いらしく、比較的早い段階で耐水性を発揮するようになるが、字は消えなくても裏抜けはしてしまうので注意。

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PILOT G-3

[種別]キャップ式水性染料ゲルインクボールペン
[芯径]0.38/0.5/0.7mm(全8色 0.5mmは4色)
[純正芯]
 LGRF(全長128.0mm 軸径6.5mm)
[互換芯]
 三菱鉛筆 UMR-1(全長119.0mm 軸径6.0mm)

[コメント]
 基本的にはG-knockと同等の性能を持つボールペン。インクの発色や性質、ペン先の具合なども一緒。
 この軸には三菱鉛筆のUMR-1が入るのが大きな利点で、シグノ極細の軸の、ラバーグリップの位置が気に入らない人(つまり私)には嬉しいボールペンである。

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PILOT HI-TEC-C maica

[種別]キャップ式バイオポリマーゲルインクボールペン(ニードルチップ)
[芯径]0.3/0.4mm(全12色)
[純正芯]
 全長116.0mm 軸径6.0mm リフィルの別売り無し

[コメント]
 HI-TEC-Cのバリエーションモデル。以前の無骨なデザインから一転して、カラフルでオシャレな軸になった。カラーバリエーションは大幅に減り(必要充分の色数はある)、何かと扱いの難しかった0.25mmのラインナップが消えたが、価格が若干値下げされている。

 見た目は大きく変化したものの、軸の使用感はほぼ同じ。相変わらずグリップにはラバーなしだが持ちやすい。クリップがなくなったので、胸ポケットなどには差せない点は注意。
 ひもなどをくくりつけられる輪っかが付いているが、ストラップなどを付けてデコレーションするためのもので、逆にボールペンをストラップ代わりにして持ち歩くと、キャップが取れて本体を破損、紛失する可能性があるので推奨しない。

 書き心地については、公式サイトなどでは特に改良されたなどの謳い文句はないのだが、なんとなく従来のHI-TEC-Cより書きやすくなったような印象がある(インクが新鮮だからかもしれないが)。HI-TEC-C特有の、すぐ機嫌を損ねて書き始めにインクが出なくなることもなく、快適に極細文字が書ける。インクフロー自体も良くなっているように感じる。また、ペン先のしなりが少なくなり、しっかり書けるようになった印象。
 HI-TEC-Cにはいい印象があまり無かったのだが、信頼して使えるペンになったと言える。

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PILOT HI-TEC-C

[種別]キャップ式バイオポリマーゲルインクボールペン(ニードルチップ)
[芯径]
 0.25mm(全10色)
 0.3/0.4/0.5mm(全40色)
[純正芯]
 全長116.0mm 軸径6.0mm リフィルの別売り無し

[コメント]
 バイオポリマーインクを使用したキャップ式ニードルチップボールペン。使い捨てタイプで、リフィルは売っていない。
 軸はラバーなしで、標準的な太さとなっている。無難なデザインの軸の割に、意外と互換リフィルが見つからない。

 バイオポリマーインクの特性なのだろう、インクフローが良くてかすれにくい上にじみにくく、競合するゲルインクボールペンの中では最も細い字が書けるという、驚異的な性能を誇るボールペン。0.4mm以上ではほとんど差はないが、0.3mm以下での差は歴然。書きやすさと字の細さの両立を究極まで求めるなら、このボールペンが最適。

 欠点は、他のボールペンに比べるとインクが出なくなる頻度が高めなのと(使っている途中でかすれるのではなく、使い始めにインクが出てくれない)、ペン先がかなり繊細で、筆圧をかけるとペン先がしなること(当然壊れやすい、ということでもある)。このボールペンを使いこなすためには、メンテナンスや使い方にそれなりに気を遣ってやる必要がある。キャップ式でも神経質なので、ノック式は使う気になれない。

 バイオポリマーインクはスリッチのインクと似たような性質で、筆記から12時間程度で水がかかると字が消えてしまい、24時間程度では字は消えないものの、裏抜けしてしまう。

 なお、0.5mmは「ハイテック05」、0.25mmは「ハイテックC025」というのが正式名称。しかし、メーカーでもハイテックCのページにハイテック05を一緒に掲載しているくらいなので、さほど気にする必要はない。

 直接のライバルはスリッチ。スリッチはかなり頑丈で滑らかな筆記感を実現したペン先を使っているので、それを評価するならスリッチ。ハイテックCのウリは細字が書けることで、そこを取るならハイテックC。あとはインクの色の好みとなる。

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ぺんてる ノック式エナージェル

[種別]ノック式水性染料ゲルインクボールペン(0.5mm以下はニードルチップ)
[芯径]0.3/0.4/0.5/0.7/1.0mm(全3色)
[純正芯]
 LRN 3/4/5(全長112.0mm 軸径6.0mm)
 LR 7/10(全長112.0mm 軸径6.0mm)
[互換芯]
 三菱鉛筆 UMR-8(全長112.0mm 軸径6.0mm)
 三菱鉛筆 SXR(全長111.5mm 軸径4.4mm バネ留め径6.0mm)
 ゼブラ JF芯(全長111.1mm 軸径6.1mm)
 ぺんてる KFRN、KLR(全長112.0mm 軸径6.0mm)
 サクラクレパス R-GBP(全長112.0mm 軸径5.0mm)
[使用不可]
 PILOT LG2RF、LP2RF(全長110.5mm 軸径6.2mm 他社の軸で使えなくする細工が施されている)
 ゼブラ EQ芯(全長111.0mm 軸径4.4mm 長さが足りない)

[コメント]
 速乾性インクがウリの、エナージェルのノック式バージョン。リフィルはキャップ式エナージェルと同じものを使用している(エナージェルユーロは軸と芯が一体化しており、リフィルの交換ができない)。もとは0.5、0.7mmのみのラインナップだったが、2014年5月に0.3、0.4、1.0mmが追加された。

 今まではエナージェルの速乾性を最大限活かすなら、キャップ式かつ完全使い捨てのエナージェルユーロの0.35mm以外に選択肢が無かった(インク量が少ない方が乾きが早いので、速乾性を追求するなら0.5mmよりは0.35mmの方がいい)。しかし、0.3mm、0.4mmリフィルの追加により、ノック式でもユーロ並の細字と速乾性を実現させることができるようになったわけである。

 軸はクリップが金属になっており耐久性もそこそこあり、癖がなく使いやすい。ハイパーGやハイブリッドテクニカノックと見た目は似たような軸だが、グリップからペン先までが短く持てるようになっているため断然使いやすい。実際に使い比べてみれば差は歴然である。ボールペンはペンを立てて使う必要があるので、短く持てる軸の方が使いやすい。
 太さはエナージェルキャップ式とはほぼ同等だが、エナージェルユーロに比べると若干太い。細い軸が好みの方はシグノRT(RT1ではない)軸を使うか、もしくはキャップ式でいいならユーロかトラディオを使う手がある。ラバーグリップについては可も無く不可も無く。特に不満は無い。他メーカーのものに比べると、ホコリがくっつきにくい点は利点と言えるか。
 また、ジェットストリームやシグノ、サラサなど、多くのリフィルと互換性がある。ただし、PILOTのリフィルは使用できないので注意(要するにジュースやG-Knockリフィルなどは使えない)。

 書き味は、全体にはスリッチより若干抵抗がある感じ。スリッチほど滑らないが、カリカリもしないということで、なかなか絶妙の書き味と言える。
 特に0.5mmは滑りすぎずカリカリもせず素晴らしい。書き心地だけで選ぶなら、私はエナージェルの0.5mmがボールペンでは一番だと思っている。ただしこの芯径だと、期待するほど速乾性は得られない(紙質にもよるが)。
 0.4mmはエナージェルユーロの0.35mm並の書き味で、スリッチの0.4mmよりは滑らない感じ。速乾と書き味の両立という点では0.4mmがおすすめ。
 0.3mmの黒インクは、速乾性重視なら最高ではあるものの、さすがにカリカリ気味になって書き味は良いとは言えない。もっとも、ペン先を素早く動かしすぎない(小さい字を書く)ことや、紙質を選ぶことで消せる程度の欠点ではある。下敷きを敷くとだいぶ書きやすくなるので、特に0.3mmを使う場合は下敷きの使用を推奨したい。また、赤、青インクは黒に比べると滑らかなので、色に問題が無いのであれば、黒の代わりに青を使うという手もある。
 0.7mm以上はインクが出過ぎるため乾くのに時間がかかり、速乾インクの特徴を活かすには向いていない。ただ、書き味や筆跡そのものは悪くない。

 なお、速乾インクとはいえ水性染料は水性染料なので、雨や汗で滲んだりはするので注意。乾くのと定着するのとは別の話。

 このボールペンの対抗馬として、ゼブラからサラサドライが登場した。サラサドライは全体に太めの筆跡で、0.4mmでエナージェルの0.5mm、0.5mmで0.5mmと0.7mmの中間くらいの太さと考えるといい。細い字を書きたい場合はエナージェルの方が有効だが、太めの字を速乾で書きたい場合には、サラサドライの0.5mmにアドバンテージがあると言える。

 さらに強力なライバルとして、シグノ307が登場。名前は酷いが性能はすさまじく、エナージェル並みの速乾性(少しだけエナージェルの方が速乾性は上)を誇りながら、エナージェルよりも筆記抵抗が少なく、そしてなにより顔料インクを使用しているので耐水性に優れる。ただし、エナージェルにもアドバンテージは残っており、307は滑りすぎるから困る、ニードルチップじゃなきゃ嫌、307では速乾性が若干足りない、耐水性は特に必要ない、といった場合にはエナージェルを使用することになるだろう。 

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ぺんてる エナージェル エックス

[種別]ノック式水性染料ゲルインクボールペン(0.3/0.5mmはニードルチップ)
[芯径]0.3/0.5/0.7mm(全3色)
[純正芯]
 LRN 5(全長112.0mm 軸径6.0mm)
 LR 3/7(全長112.0mm 軸径6.0mm)
[互換芯]
 ノック式エナージェルと同じ

[コメント]
 ノック式エナージェルの廉価版。異なる点は、軸が透明なことと、クリップがプラスチックになっていること。耐久性は若干ノック式エナージェル軸の方が高いが、ラバーグリップやグリップの太さはほぼ同じ(わずかにエックスの方が細い気がするが、気のせいのような気もする)で、入っているリフィルは全く同じ。価格は半額(ノック式エナージェル200円、エックス100円)。比較すると、透明軸なのでインク残量が分かり易いのが利点で、クリップがプラスチックであることが欠点。今のところ0.4、1.0mmのラインナップはないが、リフィルは入る。
 基本的にはノック式エナージェルと同じものなので、価格と見た目、透明軸を取るか金属クリップを取るかで選べばいいだろう。

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ぺんてる エナージェル フィログラフィ

[種別]回転式水性染料ゲルインクボールペン(ニードルチップ)
[芯径]0.5mm(黒のみ)
[純正芯]
 LRN 5(全長112.0mm 軸径6.0mm)

[互換芯]
 ノック式エナージェルと同じ

[コメント]
 エナージェルの高級モデル。金属軸で回転繰り出し式を採用している。
 このペンの最大の特徴は、ノック式エナージェルと同じ芯を採用している、ということ。エナージェルの全芯径が使えるのはもちろん、ハイパーG、ジェットストリーム、シグノ、サラサ、ボールサインノックなど、様々な芯と互換性がある。低粘度油性にも水性染料にも水性顔料にもなるわけである。例によってパイロットの芯とは互換性がないので注意。

 軸は金属製で、グリップにラバーや滑り止めパターンは無し。つるつるしていないのでものすごく滑るということはないが、ラバーグリップに比べると、どうしてもグリップ感に不安が残るのは仕方のないところ。表面の感触はパイロットのアクロドライブと似ている。
 持ち手はノック式エナージェルよりも細く、エナージェルトラディオと同等程度。重心は高め。欲を言えば低重心にしてほしかったところ。

 低粘度油性の高級軸モデルはすでに各メーカーから発売されているので、このペンにジェットストリームを入れるのはあまり意味がないと思うが、通常のノック式サイズのゲルインクリフィルを入れられるのが、このペンの最大の利点だろう。

 結局のところ、筆記のしやすさということであれば、ラバーグリップや滑り止めパターンを採用している安物軸の方がいいのだが(プラスチック軸のキャップ式でもいいなら、トラディオは見た目と実用性のバランスがいい)、ビジネスシーンでゲルインクを使いたい、といった場合の選択肢のひとつとしては有効な一本と言える。
 また、金属軸なので壊れにくく、回転式なのでポケットの中でペン先が飛び出て大惨事にならない、といった利点から、胸ポケットにさすペンとしてはいいかもしれない。

 なお、リフィルを入れ替えるとしてのおすすめはシグノ307のUMR-85E(0.5mm)。速乾顔料ゲルインクという万能インクを使用しており、この手のペンに入れるには最適。

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ぺんてる エナージェル ユーロ

[種別]キャップ式水性染料ゲルインクボールペン(0.35/0.5mmはニードルチップ)
[芯径]0.35/0.5/0.7/1.0mm(全3色)
軸と芯の分解不可

[コメント]
 軸と芯が一体化しているため芯の交換ができない、完全使い捨てタイプの水性染料ゲルインクボールペン(他のエナージェルシリーズは交換可能。ユーロのみ分解不可)。ペン先は0.35mmと0.5mmはニードルチップで、0.7mm、1.0mmは通常のアロー型となっている。
 インクのかすれは少なく、ストレス無く書ける。特に0.35mmは比較的安定して極細字が書ける。これだけの細字を安定して書けるのはコレとスリッチくらいなもの。ライバル製品の多くが耐水性などを考慮して水性顔料を使っているのに対し、水性染料を使っているのも影響しているのだろう。
 また、このボールペンは速乾性を謳っており、実際、書いた直後にこすってもほとんど滲まない。この乾きの速さは油性ボールペン以上で、とにかく早く乾いて欲しい場合(左利きの人や縦書きの時など)には重宝する。

 ユーロに限らず、エナージェルシリーズはカラーバリエーションが少ないのが難点といえる。ブルーブラックインクを使いたいとか、0.25mmを使いたい場合はスリッチを使おう。
 軸は従来のエナージェルに比べると少しだけ細くなっており、非常に使い易い。リフィルも交換できない使い捨て軸なのが本当に惜しい。

 エナージェルのインクはスリッチよりも定着が早く、早い段階で水がかかっても字は消えなくなるが、裏抜けはしてしまうので、両面に文字を書いた紙を水で濡らしてしまう事態は避けたい。

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ぺんてる エナージェル トラディオ

[種別]キャップ式水性染料ゲルインクボールペン(0.5mmのみニードルチップ)
[芯径]0.5/0.7mm(全3色)
[純正芯]
 LRN 5(全長112.0mm 軸径6.0mm)
 LR 7(全長112.0mm 軸径6.0mm)
[互換芯]
 三菱鉛筆 UMR-8(全長112.0mm 軸径6.0mm)
 ゼブラ JF芯(全長111.1mm 軸径6.1mm)
 ぺんてる KFRN、LR/LRN、KLR(全長112.0mm 軸径6.0mm)

[問題あり]
 サクラクレパス R-GBP(全長112.0mm 軸径5.0mm)
  一応問題なく使えるが、内部でリフィルがしっかりと固定されていない

[使用不可]
 三菱鉛筆 SXR(全長111.5mm 軸径4.4mm バネ留め径6.0mm 軸径が足りない)
 PILOT LG2RF、LP2RF(全長110.5mm 軸径6.2mm 他社の軸で使えなくする細工が施されている)
 ゼブラ EQ芯(全長111.0mm 軸径4.4mm 軸径が足りない)


[コメント]
 芯を交換できるエナージェルユーロみたいなもの。ユーロに比べると重く(ユーロは芯交換を不可にしてまで限界まで軽量化しているため、この差は仕方ない)、グリップがラバーではなくプラスチック(滑り止めのパターンはある)、クリップは金属でなくプラスチックで、そのくせユーロよりも高いが、値段のわりにはそこそこ高級感のある外見と、芯が交換できることがウリ。
 また、グリップがクリアスモークグレーになっており、外見を損なわずにインク残量が判別できるようになっている。これは地味だが大きな利点と言えるかもしれない。

 純正では0.5mmと0.7mmのみのラインナップだが、0.3mm、0.4mm、1.0mmのエナージェルリフィル(LR)が入る。UMR-8、JF芯なども入るため、特にサラサをキャップ軸で使いたい人にとっては嬉しい軸のひとつとなりそうである。例によってジュースやG-Knockなど、PILOTのリフィルは使えない。また、ジェットストリームのリフィル(SXR)も入らないので注意。ノック式のエナージェルはバネ留めなので問題ないのだが、キャップ式のトラディオは軸にリフィルを填めて使うため、軸径が細いSXRは填まらないのである。
 ボールサインノックのリフィルも軸径が細いため内部で固定できないが、一応ガタつくこともなく使用は可能。ただし、そのことで何らかの問題を起こす可能性はあるので、注意。

 芯交換できることをメリットと感じないのであれば、エナージェルユーロの方が全体的な性能は良いし安い。ただ、ユーロとほぼ同形状で芯交換可能な軸というだけで、キャップ派にとっては大きな価値があるだろう。待ち望んでいた人も結構いるはず。

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ぺんてる スリッチ

[種別]キャップ式水性染料ゲルインクボールペン(ニードルチップ)
[芯径]0.25/0.3/0.4/0.5mm(全3色)
[純正芯]
 全長113.0mm 軸径4.0mm リフィルの別売り無し

[コメント]
 ニードルチップのくせに神経質なところがなく、普通のペン先のように書けてしまう、非常に使い勝手のいいボールペン。シグノやサラサを超える書きやすさを誇る。特に0.4mmの書き味は感動モノ。ただしインクは水性染料なので、水性顔料のインクに比べて耐水性、耐光性などは劣る。
 リフィルは交換できるが売ってはいない。軸はめちゃくちゃ細いので、細い軸が苦手な人は、リフィルをハイブリッドやハイブリッドテクニカに入れて使うといいだろう。

 インクのカラーバリエーションは、以前は豊富だったのだが、現在では3色のみの販売になっている。他の色が使いたい場合、アイプラスのスリッチーズリフィルを使うしかなくなった。

 直接のライバルはPILOTのハイテックCだろう。筆跡の細さはハイテックCの方が勝っているが、ハイテックCはすぐにインクが出なくなるなど、神経質な面が多々ある。細字を極めるならハイテックCだが、気安さを取るならスリッチ、といったところ。
 また、最近はシグノ307という強力なライバルも現れた。スリッチを越える書き味に、速乾性と耐水性(顔料インク)を備えるという化け物ペンである。以前ならカラーバリエーションで勝負できたが、現在では307と同じ3色しかリリースされておらず、かなり辛いものがある。

 スリッチのインクはHI-TEC-Cと似たような性質で、筆記から12時間程度で水がかかると字が消えてしまい、24時間程度では字は消えないものの、裏抜けしてしまう。

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軸とリフィルを選ぶボールペン

 軸とリフィルを組み合わせて、自分の好きな多機能ボールペンが作れるシリーズ。おそらくこれの走りはゼブラのシャーボXだろうと思う。
 ボールペンが好きな人は、放っておいてもシグノRT軸にジェットストリーム芯を入れたりなどのカスタムをして、自分好みのボールペンを追求し出すものだが、芯を切ったりセロテープを巻いたりといった工作が必要だったり、合いそうで合わない組み合わせなどもあって、それなりに知識や経験、そしてリスクの伴う行為ではあったりする。
 そういう面倒を省くため、互換性をメーカーが保証することで、手軽にボールペンカスタマイズの楽しみを味わってもらおうということで、こういうシリーズが流行しだしたのだろう、と思う。

 なお、各メーカーのリフィルのサイズは似ているのだが、なぜかほとんど互換性がなく、あるホルダーに複数のメーカーのリフィルを入れて使うことは、基本的にできないと考えた方がいい。

ゼブラ プレフィール

[リフィル]
スラリ 0.3/0.5/0.7mm(全11色 0.3mmのみ4色)
サラサ 0.3/0.4/0.5mm(全10色 0.5mmのみ4色)
ジムノック 0.7mm(全4色)
シャープ 0.3/0.5/0.7mm
[備考]
 スタイルフィットの芯は一応入るが、若干太いらしく、不具合が起きる可能性あり。

[コメント]
 低粘度油性、水性顔料ゲルインク、油性、シャープと、多彩なリフィルが使用可能なシリーズ。スタイルフィットの直接のライバル関係となる。
 このシリーズの魅力は、0.3/0.7mmシャープが使える点と、スラリのカラーバリエーションが豊富なことだろう。また、旧式ではあるが信頼性の高いジムノック芯が使えるのも特徴。スラリの0.3mmがあるのも、細字新油性が欲しい人には嬉しいところ。
 もともとは多色軸しか存在しなかったが、後にスタイルフィットを意識してか、単色軸も追加された。

 軸はスタイルフィットと同等かやや太めで、細めの軸が好きな人には辛い。サラサクリップと同じくバインダークリップが採用されているのが特徴。

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三菱鉛筆 スタイルフィット

[リフィル]
ジェットストリーム 0.5/0.7/1.0mm(全3色)
シグノ 0.28/0.38/0.5mm(全16色)
シャープ 0.5mm
[備考]
 wooodnoteはスタイルフィットのリフィルを使用しているので、単色ホルダーとして使用可能。
 スタイルフィットのホルダーには、スリッチーズ、プレフィールの芯は使えない。太さが若干足りない?

[コメント]
 低粘度油性、水性顔料ゲルインク、シャープと、多彩なリフィルが使用可能なシリーズ。単色ホルダーがあるのも特徴的。この単色ホルダーはものすごくチャチそうだがなかなか侮れず、小さい字を書くときに非常に使い易かったりする。小さい字を書こうとすればするほど繊細な筆遣いが必要なのだが、そのためにはなるべく細い軸で、ペン先に近いところを持つ方がいい。その両者を何気なく満たしているのがこの単色ホルダーなのである。この単色ホルダーが細すぎるという人には、woodnoteという木製軸ペンがスタイルフィットのシグノリフィルを使用したもので、代わりに使える。

 このシリーズの欠点は多色軸のノック部のツメの引っかかりが甘く、ペン先を出し辛い点。また、全体になんとなく薄くて、他に比べると割れやすそうな感じがする。実際割ったことはないが。

 軸は基本的に太めだが、1000円の高級軸はスリッチーズ並に細く、かなり使いやすい。ただし、回してペン先を出すタイプなので、好みが分かれるかも知れない点と、インクの色が見える窓の部分が段差になっており、使用時に親指と人差し指の股の部分に触れて、その感触が気になる人もいるかもしれない。購入前にその点のチェックをした方がいい。

 なお、今のところ、スタイルフィットのシグノリフィルは、ジクノRT1で実現したカリカリを抑えた新型ペン先を導入していない。そのため、シグノRT1の筆記感を求めてスタイルフィットを購入するとがっかりすることになるので注意。

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PILOT ハイテックCコレト

[リフィル]
バイオポリマーゲルインク 0.3/0.4/0.5mm(全15色)
シャープ 0.5mm
タッチペン
消しゴム

[コメント]
 ラバーグリップホルダーがある点と、タッチペンや消しゴムが使える点が特徴のシリーズ。
 筆記具としてはシャーペンとバイオポリマーインクの二択で、以前はスリッチーズといい勝負だったのだが、スリッチーズにインクバリエーションが増えた今となってはラインナップが寂しい。もしジュースインクやアクロインキが追加されたら、スタイルフィットを越える魅力を誇るシリーズとなるだろう。というか私が欲しい。

 軸は無難なデザインだが、作りがしっかりしていて良好。3、4、5色軸は、スタイルフィット、プレフィールに比べると若干細い程度(要するに太い)が、2色軸は細めで、細めの多色ペンが使いたい人には嬉しい。

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ぺんてる アイプラス

[リフィル]
スリッチ 0.3/0.4/0.5mm(全15色)
エナージェル 0.5mm(全3色)
ビクーニャ 0.5mm(全3色)
シャーペン 0.3/0.5mm(アイプラスホルダー専用 スリッチーズホルダーには使えない)

[コメント]
 スリッチとエナージェル、二種類の水性染料インクがラインナップされているのが特徴のカスタマイズペン。スリッチは色数が豊富で、エナージェルは速乾インクなのが利点。ただし、どちらも染料インクなので、汗などで滲んだりする点は注意。

 もともとぺんてるは「スリッチーズ」という名前で、スリッチインクのみのカスタマイズペンシリーズを出していたが、アイプラスが登場したことによりスリッチーズは消滅した。
 アイプラスが発売して間もない頃はスリッチーズのホルダーも併売していたが(アイプラスと完全互換だった)、現在では無くなっている。スリッチーズホルダーはアイプラスのものよりも優秀だっただけに残念なところ。

 アイプラスホルダーは、ほとんどスタイルフィットの軸と同じような仕様になっている。軸の太さや、リフィルの判別方法(スリッチーズはノック部の窓で判別するが、アイプラスは透明になっているグリップで判別する)なども一緒。スタイルフィットもプレフィールと同様、クリップがペン出しノックを兼ねる方式になっているが、クリップが何のためにあるのかを考えると、動くのはあまり褒められた仕様とは言えない。
 異なるのは、ノックがやや固めでしっかりしている点。スタイルフィットのノックはあまりにも頼りないのに対し、アイプラスはかなりしっかりしている。

 できればエナージェルリフィルには、最近ノック式に登場した0.3mm、0.4mmが欲しいところである。また、せっかくだったらハイブリッドテクニカかハイパーGの0.3/0.4/0.5mm(要するに水性顔料インクリフィル)も追加すれば、結構需要があったろうと思う。

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コクヨ エラベルノ

[リフィル]
ゲル 0.5/0.7mm(全4色)
油性 0.5/0.7mm(全3色)

[互換芯]
三菱鉛筆 UMR-8(全長112.0mm 軸径6.0mm)
ゼブラ JF芯(全長111.1mm 軸径6.1mm)
サクラクレパス R-GBP(全長112.0mm 軸径5.0mm)

[問題あり]
ぺんてる KFRN、LR/LRN、KLR(全長112.0mm 軸径6.0mm)
 リフィルの軸径が太いため、やや出し入れしにくい。使用には問題なし

[使用不可]
三菱鉛筆 SXR(全長111.5mm 軸径4.4mm バネ留め径6.0mm)
 軸に入らない

[コメント]
 別売りの軸とリフィルを組み合わせるタイプのボールペンだが、インクのカラーバリエーションは少なく、軸も単色軸しか存在しない。その代わり、グリップが太め、標準、細めの三種類から選べる。

 グリップが選べるのは大きな利点ではあるものの、その他のバリエーションが少なく、一見地味なシリーズ。しかし、実はこの軸とリフィルは、サラサクリップやシグノRT1などと互換性がある。つまり、エラベルノ軸にUMR-8やJF芯を組み合わせたりすることができるわけである。
 サラサクリップやシグノRT1のグリップが太くて使いにくいという人にとっては、エラベルノ軸の登場は画期的だと言える。今までは移植用の軸を買う度に不要なリフィルが付いてきて処分に困っていたはずだが、そういう心配をせずに済むようになる。
 ただし、エラベルノの軸にジェットストリームのリフィル、SXRは入らない(ジェットストリームの軸にエラベルノのリフィルは入る)。また、ぺんてるのKFRN、KLRなどは、使用には問題ないものの、リフィルの軸径が入るぎりぎりで、若干出し入れがしにくい。

 純正リフィルは油性とゲルの二種類で、どちらも芯径は0.5mmと0.7mm。黒、青、赤の基本色に、ゲルインクのみブルーブラックがある。
「シルキー油性」「エアリーゲル」と自称しており、その正体は不明だが、耐水、耐アルコール実験の結果から、おそらくそれぞれ低粘度油性、水性染料ゲルだと思われる。
 書き味は滑らかで、この点はジェットストリーム、エナージェルに匹敵する。ただ、若干裏写りしやすい性質があるので、薄い紙に両面書く場合には注意。ゲルインクの速乾性については公式では特に言及されていないが、まあまあといったところ。

[耐水・耐アルコール実験]
 ツイストリングノートの紙にエラベルノのゲルインク、油性インクの0.5mmでそれぞれ筆記し、10分後にアルコール、水を吹いて指でこすった結果。



 耐アルコール性は、油性はにじみと裏抜けが発生し、ゲルインクはにじみは少ないものの、裏抜けが発生する。
 耐水性は、油性は問題なし。ゲルインクはにじみと退色、裏抜けが発生する。乾燥時間を長くすると退色はしなくなるものの、にじみと裏抜けは同様に発生する。
 油性の経年劣化については検証中。
 また、水、アルコールを吹く前の裏面の画像からわかるとおり、油性、ゲル共に、若干裏写りしている。紙質薄めのツイストリングノートでこの程度であれば、大概のノートで実用上ほとんど問題ないレベルだが、ほぼ日などの裏写りしやすい紙への使用は控えた方がいいかもしれない。

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