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雑記ノート


■カテゴリ別表

■雑文
2009.12.17「LED照明れびゅ」
 [照明]
2009.9.25「謎のオブジェの使い途」
 [文具]
2009.9.22「スーパー耐久ロードコース 国道9号線320km」
 [車]
2009.7.8「蛍光灯の色の違い」
 [照明]
2009.6.4「宗教屋との立ち会い」
2009.4.6「デイドリーム水族図書館」
 [夢]
2009.3.29「朝の料理実験教室」

 [料理 漫画]
2009.1.24「憲法にまつわる皮肉」
 [星新一 日本共産党]
■時事
2009.12.16「普天間基地移設問題」
2009.8.3「ともだちなのに、おいしそう」
2009.8.2「幸福実現党の宣伝カー」
2009.7.30「2009年ボートマッチ」
2009.7.17「大学にディオゲネス・クラブを」
2009.5.12「時事:小沢氏がいまごろ辞任」
2009.3.29「鳩山幹事長が漢を見せた!?」
2009.3.19「総理を巡るメディア権力抗争」
2009.3.17「定額給付金に見る幸せな社会の図
2009.3.8「久しぶりに政治家らしい事件」
2009.2.16「東洋の神秘」
2009.2.15「小泉元首相の執念」
2009.2.7「円天と資本主義」
2009.2.4「退職金をめぐる問題」

■文学
2009.12.9「ダメ小説改善マニュアル草案」

■本

2009.8.24「S・シン『暗号解読』」
2009.7.31「名探偵涼格(アガサ・クリスティ『エッジウェア卿の死』)」
2009.2.26「安部公房『砂の女』」
2009.2.19「井伏鱒二『山椒魚』」
2009.1.30「星新一『人民は弱し 官吏は強し』」
2009.1.29「世にも珍妙な物語」
2009.1.29「世にも奇妙な真実」
2009.1.9「間違いやすい記号論」

■SUPER GT
2009.1.17「:メーカーオーダーの行方」
■パソコン
2009.9.28「最後の悪あがき? HDD換装」
2009.9.8「パソコン:マウス故障」
2009.6.14「マウスの持ち方について」
2009.6.13「Google Chrome使用3ヶ月」
2009.3.26「ブラウザを乗り換える」
2009.1.7「スタートメニューを使いこなしてみる」

■音楽
2009.12.7「音楽ジャンルの表記法」
2009.9.13「ビートルズ・デジタルリマスター盤発売」
2009.7.10「ASIO2.0のある生活」
■ギター
2009.3.6「弦を張り替えるぜ!」
2009.1.27「ギター音を録音してみる」
2009.1.15「ピックを買うぜ!」
2009.1.13「Guitar Hero Type-R」

■ゲーム
2009.12.24「遅延ハンデ」
 [COD mw2]
2009.10.4「ゲーム:りり Xbox360版」
 [GhostBusters:The Video Game]
2009.6.21「バル戦闘パターンの見直し」
 [オラタン]
2009.6.19「Xbox360版"MTG"〜デッキ組めない謎ゲーム〜」
2009.5.18「『オラタン』対人戦プレイ中」
 [オラタン]
2009.4.9「皿洗いの頂点(暫定)」
 [The Dishwasher]
2009.3.3「コヴナントの青い巨星」
 [Halo Wars]
■ギタドラ
2009.8.19「利き足の問題」
2009.6.11「赤ネーム復帰」
2009.6.3「V6スキル表作成」
2009.4.10「シーズンV6開幕」



2009.12.24「ゲーム:遅延ハンデ」

『コールオブデューティー モダンウォーフェア2』を買いまして、約2年振りにモダンウォーフェア戦線に復帰しました。思えば、前作"COD4"のオンライン対戦をプレイするためにゴールドメンバー(有料会員)になったわけで、個人的にはなんとなく原点回帰した気分です。

 あれからいろいろFPSをプレイしましたが、このシリーズはFPSのオンライン対戦としては群を抜いて出来が良いみたいですね。"Halo"シリーズの対戦はしたことがないので、あれとは比べられませんが。マイクロソフトのFPSの仕様は、個人的に馴染めなくて敬遠しているところがあります。

 前作に比べると、今作は回り込んで側面を取りやすくなっており、同じ場所で待機し続けて陣地構築する戦い方はあまり有効ではないようです。ひっきりなしに動き回って、臨機応変に対処する戦術が基本。状況に応じて接近戦から狙撃までこなさなければならないので、自然とアサルトライフルを愛用することになります。
 私が主に使用しているのはSCAR-H。アメリカの次期制式突撃銃ではないかと言われているやつですね。カラーリングがえらくカッコイイです。アイアンサイトが使いやすく、安定した性能で、カスタマイズに融通が利くので非常に便利。唯一問題なのは、装弾数が20発しかないこと(他のアサルトライフルは30発)。
 このゲームは2〜3発の命中弾で敵を倒せる仕様なので、本来なら20発もあれば3〜4人くらいは対処できるはずなのですが、なぜか10発以上撃ちまくらないと敵が倒せないのです(後述するが、これは通信の遅延のせい)。結局、2人倒すのがようやくで、続けざまに3人以上と戦うことになると、弾切れを起こして悲惨な目に遭いがち。おかげでハンドガンが手放せません(笑)

 遭遇戦の多くなった今作では、道ばたでバッタリ敵と出遭ったときに先を取れるかどうかが生き残りの明暗を分けます。が、取ったつもりが逆に蜂の巣というシチュエーションが妙に多い。最初は単に私が下手なだけかと思っていたのですが、どうも遅延のせいらしいことがわかってきました。体感的には0.5秒〜1秒くらい、私の発砲は遅れているらしい。つまり、相手が0.5〜1秒ほどモタモタしてくれて、はじめてイーブンの戦いができるという。このハンデはでかいです。0.5秒もあれば、ゴルゴ13なら拳銃抜いて振り向いて3人くらいは射殺しているでしょう(笑) よっぽどヘタレなFNGでない限り、私と撃ち合って負けるマヌケはいません。
 仕方ないので、常に不意を突くことばかり考えて戦うことに。敵のクリアリングの隙を突いたり、定番スナイプポイントでぼーっとしている狙撃手を射殺したり(敵が点にしか見えない超遠距離から、アイアンサイトでスナイパーの頭を射貫くのは快感ですね。シモ・ヘイヘになった気分)、冷血プロを付けて道ばたに伏せて、死体のフリをしてみたり(笑) とにかく、なるべく味方のサポートに徹して、味方を射殺しようとしている敵を射殺するとか、そういう形での戦い方を中心に組み立てています。正々堂々は厳禁。絶対死ぬる。

 そういうわけで、チームデスマッチでは成績が振るわず、お荷物っぽい雰囲気が漂っててなんだか居心地が悪いので、ドミネーション(陣地取りゲーム)を中心にプレイしているのですが、そんな折、一度だけ奇蹟が舞い降りました。
 最大18人でプレイするグランド・ウォーをプレイ中、途中でホストが抜けて、私がホストになってしまったのです。私だけ4本、あとはみんな1〜2本。いつもとは真逆の状況。
 いやー、楽しかったですよ! あんなに真っ正面からバンバン敵を撃ち殺して、自動機銃やらハリアーやら呼びまくれる展開なんて、今までありえなかったですからねえ。もちろん、こんな機会にサポートとか引き籠もり作戦なんて勿体なすぎます。積極的に動き回って、片っ端から出会い頭に殺しまくり。キッチリ2〜3発で敵が死ぬからリロードする必要もほとんどなく、制圧地点のど真ん中に陣取って、ぐるぐる回りながら続けざまに6人の守備兵を射殺した時は脳汁が出まくりました。
 ドミネーションだったので、死ぬのが分かっていても突っ込まないといけないシチュエーションもあり、連続キル自体は最大10までしか行きませんでしたが、終わってみればキル数51、死亡数9。その上最多制圧数。ヒドすぎる(笑)
 2本アンテナがいかにでかいハンデなのか、よくわかりました。

 できればイーブンな状況で戦ってみたいものですが、現状でそれを望むのは難しいですね。どこかの仲間に入れば可能なのでしょうけど、あんまり気が進まないし。そう考えると、野良でそういう状況が作りやすい北米の人は恵まれているよなあと思います。

 日付確認して気付きましたが、それにしてもクリスマス・イブにふさわしい、血生臭い話題だったなあ。

[追記 2009.12.31]
 接近戦であるほど遅延ハンデは大きくなるようで、特にショットガンの射程内はかなり危険。なので、常に距離を取れるように位置取りすることで、だいぶ戦績もマシになってきました。あと、命中判定が遅れる関係で無駄弾を撃たざるを得ないので、主力武器をアサルトライフルから軽機関銃へと変更。残弾を気にせずバリバリ撃ちまくれるので非常に助かります。
 今作の軽機関銃はかなり性能が良いみたいで、グリップさえ付けていれば反動も少なく、狙撃も楽々こなせます。接近戦には弱いですが、そもそも遅延のせいで何を使っても接近戦はダメなので、そういう点からしても相性が良い。

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2009.12.17「雑文:LED照明れびゅ」

 面倒臭い話ばかりだとなんなので、明るい話題も。
 LED照明を購入しました。Panasonicの電球型E17口金昼光色のLDA6DE17A1D(5.5W)と、オーム電器のレフ型E17口金昼白色のLL-251N/E17(3W)。値段は、前者が4980円、後者が1980円です。

 家で間接照明用にミニレフランプ用のクリップライトを使っているのですが、これに電球型蛍光灯を付けると電球が大きくはみ出てしまうという問題がありました。レフ型のE17口金蛍光灯はないものかと探していたところに、PanasonicがE17口金のLED照明を発売したのでした。
 えらく高い上、昼白色がないのでものすごく悩んだのですが、結局は必要なものなので仕方なく購入。

 で、実際使ってみた感じですが、思っていたより良かったです。想像以上に明るい。謳い文句は電球25W相当となっていますが、40Wミニレフ電球より明るい感じがします。60W相当の明るさはあるんじゃないでしょうか。レフ電球の代わりとしては充分すぎる性能です。高いけど。
 では、玄関などのシーリングライトとしてはどうでしょう? 試しに洗面所や階段の照明と付け替えてみましたが、これまた40Wクラスの電球として、意外なほど普通に使えます。光源がやたら眩しいことだけが欠点でしょうか。カバーがあれば全然気になりません。
 LEDの光は直進性が強いので、レフとしては使えても普通の光源としては難しいんじゃないかと思っていましたが、あっけないほど問題なく使えますね。すぐに明るくなる分、頻繁に付けたり消したりする場面で電球代わりに付けるなら、蛍光灯より適役だと言えます。問題は価格ですね。1個4000〜5000円という値段をどう考えるか。紫外線の照射が少ないので、美術品などへの間接照明としては値段分の価値はあると思いますが、玄関の電球に何万もかけるとなると……ね。
 色合いは、昼光色なので青みがありますが、思ったよりは気になりません。もっと寒々しい光であることを覚悟して買ったのですが。これはちょっと嬉しい誤算でした。

 で、お次はオーム電器のLL-251N/E17。これは最近ケイヨーD2で見かけたもので、あまりに安かったのと、待望のE17口金昼白色LED照明だったのでお試し購入(実際は、東芝かどこかからか実用レベルのE17口金レフ型LED照明は発売されているらしいのですが、ネットを含めて売っているのを見たことがありません)。
 謳い文句では25W相当となっていますが、実際は40Wレフ型電球と遜色ない明るさです。ただし、普通の電球として扱った場合の、周囲の明るさは25W程度。付けた直後の蛍光灯くらいの明るさで、夜間に足元を照らすくらいなら充分使えます。
 色合いも結構昼白色してます。LEDの光は青白いイメージが強いですが、さすがに昼白色を名乗るだけのことはある。若干黄色寄りですが、緑っぽくはないので問題ないのではないかと。

 実用上の問題はわりあいクリアされつつあるようなので、あとはやはり価格の問題ですね。2980円、できれば2000円前半くらいまで価格が下がれば、普及するようになるのではないでしょうか。
 ……とりあえず東芝には、早いこと普及型のE17口金LED電球を作って欲しいです。

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2009.12.16「時事:普天間基地移設問題」

 読売新聞を見ていると、ハルマゲドンでも始まるかのような終世感が漂っている昨今ですが、他の新聞を取っている方々はいかがなものでしょうか。朝日なんかは喜んでいるのかな。読んでないのでわかりませんが。

 普天間基地の移設問題は、もともと米兵のレイプ事件への批判をかわすために提案されたものでした。単なる隠れ蓑の意味合いしかなかったのです。それに、とっとと基地が無くなって欲しい普天間基地周辺住民、少なくとも自分達の近くには来て欲しくない、むしろ沖縄から出て行って欲しい沖縄住民、豪勢な基地を建てて一儲けしたい自民党族議員、これを機に米軍基地を国外に追い出したい日本共産党・社民党・民主党(一部。たぶん党内でも意見一致はみない)などなど、様々な欲望が乗っかったため、非常にドス黒いものになったのでした。この問題にはコモンセンスというものがないのです。

 どうせみんな好き勝手なことを言っているのだから、鳩山首相が己の実権を振りかざして、好き勝手にやることは問題ないのです。「海兵隊など国外追放してくれるわ!」と言うなら、それはそれでいい。
 しかし、オバマ大統領に「大丈夫。信じて」と言いながら、その信用を損ねる行動を繰り返したり、自分の意見をはっきり言わずに「再検討する」と言い出すのは問題です。はっきり言ってやればいいのです。「お前のクソはいい迷惑だ」と。その方が交渉はスムーズに進むと思うのですけど、どうでしょう。

 今のように、意図を隠したまま保留し続けることでアメリカを追い詰める策は、ある程度のところまでは効くでしょう。しかしそのままでは、臨界点を迎えた時にアメリカがどう動くかが予測できません。時機を見てこちらの都合の良いようにレールに乗っけてやる必要があるのですが、そういった青写真が用意できているのかどうか、わからないところが不安です。そこまで鳩山首相を信じていいものかどうか。そんな高度な外交策を披露できる人材が、この日本に存在するのか?(笑)

 読売新聞の論調を見ていると、いかにも「アメリカ様に楯突いたら大変な事になるべ!」といった感じですが、むしろ米軍基地の問題は、日本が強気に出てもいい案件です。より基地を置きたがっているのはアメリカ側ですから。「アメリカ様の友達だから安心」といった寄らば大樹の陰的恩恵も、最近のアメリカの弱体化により旨味がなくなりつつありますしね。アメリカが北朝鮮に何をできたと言うのでしょう。
 だから、単刀直入に条件を突きつけてやれば、あっさりと呑むんじゃないかと思うのですが、こんな回りくどいことをやる必要があるんでしょうかね?

 いずれ、この外交問題の行方を見れば、鳩山政権が信じるに足る政権なのか、単なるスットコ集団なのかがはっきりするでしょう。
 まあ、もし仮に単なるスットコ集団だったとしても、そのお馬鹿軍団に振り回されてアメリカがうろたえる姿が見れただけでも良かった、としておきましょう(笑) いずれ、こんなことで日米同盟が悪化することはありえません。今、アメリカに切れるカードはないのですから。ブラフで脅す以外には。

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2009.12.9「文学:ダメ小説改善マニュアル草案」

 ここ最近、ネット上の小説を読み漁って、たまには感想なども付けたりしていました。匿名で、ですが。
 なぜそんなことをしているかというと、つまらない作品のサンプルを集めて共通の問題を探すためで、最終的には解決法をマニュアル化できればいいなと思っております。

 今のところレポート化できるほどまとまっていませんが、いくつかわかってきたこともあるので、少しまとめておこうかと。

 ダメな作品に共通して言えるのは、場面効果を考えていない、ということです。どうでもいい会話やどうでもいい描写、あるいはどうでもいい設定の説明が延々と続く。
 映画で喩えればわかりやすいのですが、途中で眠くなる映画というのは、たいがい、無駄なシーンが大量に入っています。ストーリーにほとんど関係ないラブシーンや酒場でダンスしたりするシーンにイライラした覚えは、誰しもあるでしょう。「オレはアクション映画が観たいんだ! お前らの日常生活なんか観たくねえ! はやく殴り合えよ!」とか(笑) あのかったるさこそがダメ小説をダメにしている諸悪の根源なのです。

 ここで問題になるのは、なぜ、どうでもいいシーンは「どうでもいい」のか? ということです。どうでもいいシーンとそうでないシーンの差は何なのでしょう?
 これは端的に言えば、ストーリーの進行に寄与しているか否か、です。同じ陳腐なラブシーンでも、ストーリー上特に意味のない場合と、女が実はスパイで、男から情報を聞き出そうとしている、というストーリー進行がある場合では、観客の反応は全く変わります。つまり、最初から最後まで、ずっとストーリーが進行し続けるようにシーン構成を練ることが、「どうでもいい小説」脱却のカギだと言えるわけです。

 特に注意したいのは、冒頭の運び方。登場人物の紹介や舞台の紹介、主人公の日常生活を延々と描写したりするのは愚の骨頂と言えます。主人公の名前や職業や性格や、なんたら学園だとかなんとかワールドなどというのは後回し。なぜなら、どういう話なのかわからないのに、そんなものに読者は興味を持たないからです。読者が一番興味があるのは、これからどんな話が展開するのか。物語に引き込まれて、初めてその物語の周辺設定に興味が沸いてくるのです。だからとにかく冒頭は、ストーリーを進行させることを第一に考える。

 ストーリー進行を念頭に置いて書くようになるだけでも、相当マシな作品になるのではないかと思うのですが、とすると次に問題になるのは、ストーリーについてです。ストーリーそのものが客の興味を惹かなければ、いくらそれを進めてもダメということになる。
 これについてはまだうまく文章でまとめられる段階にないのですが、ひとつ言えるのは、かなり陳腐なストーリーでも大丈夫、むしろ単純で陳腐な方がマシなのではないかと考えています。
 というのは、つまらない作品の多くは、陳腐なストーリーを回避しようとして工夫した結果、「つまらない上に陳腐なストーリー」になってしまっている場合が多いのです。
「正義の勇者が悪の魔道士からクリスタルを奪還し、魔王復活を阻止する物語」など、ド直球の王道ストーリーを徹底している方が、まだ読める。
 アクション映画に「正義とは、悪とは何か」などと変な哲学的テーマを持ち出すと、途端につまらなくなることがあるのと同じで、変にひねって脇道をこそこそ歩くよりは、堂々と王道の真ん中を歩いた方がマシということは多々あります。若葉マークはいらん知恵を絞って脇道に入って事故ったり迷ったりするより、わかりやすく広々とした安全な道路を走った方がマシ、というのと同じことなのかもしれません。余談ですが、若葉マークの頃って、なぜかかえって危険な道を通りたがりますよね。スレ違えない細道とか。慣れてくると、むしろそういう道を避けるようになる。


 ……と、この辺までまとめたのですが、問題は、以上の点を押さえて書けば、本当にそこそこの小説が書けるのか? ということです。私が書く分には役に立ちそうだと思うのですが、他人の役に立つかどうかがイマイチわからん。
 ストーリーの組み立て方や、細部の書き方などもフォローしないとダメのような気もしますし、しかしこの辺は書き手の個性に関わってくる部分なので、一般化しにくいところなんですよね。プロの作品を読んで盗んでこいと言うだけなら簡単なのですが(笑)

 で、始めの話に戻るわけですが、実際アドバイスして良くなりそうなのか試すために、たまに感想を書いて様子を見ているのですが、なんだか手応えがないんですよね。言葉ではわかったようなことを書いているのですが、本当にわかっているのかどうか。単に感想をもらって喜んでいるだけなんじゃないかと思えてならない(笑)
 まあ実際、私も含めてですが、物書きなんてやっている連中は、人の言うことを素直に聞くような精神構造をしてないんですよね。だから結局のところ、各々勝手にやればいいと思うし、それしかないとも思うのですが。


[2009.12.15 追記]
 それにしても、こういった雑記で読めないほどひどい文章にお目にかかることは少ないのに、なぜ小説は読むに耐えないものが溢れかえっているのでしょう。そこに何かあるような気もする。

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2009.12.7「音楽:音楽ジャンルの表記法」

 TOOLやTHE MARS VOLTAといったアメリカのプログレメタルバンドは、なぜかラウドロックやオルタナティヴとカテゴライズされます。オルタナティヴというと、私の感覚だとニルヴァーナを思い出してしまい、「ああいう音楽なのか」と勘違いしてスルーしてしまうことがある。
 結構同じように考えてしまう人も多いようで、プログレを聴きまくっていると見受けられるCDレビューサイトでも、現代アメリカンプログレメタルだけはフォローしていないということがままあります。逆の場合もありますが。

 欧州その他のプログレ系バンドは、比較的素直に「プログレ」というカテゴライズで紹介されるのに、なぜアメリカだけ「プログレ」でないのでしょう? ちょっと北にあるカナダのDREAM THEATERはちゃんとプログレメタルなのに。

 この謎は長年私の中で疑問だったのですが、ようやく解ける日が来ました。アメリカの音楽業界はアメリカ独自にジャンル分けをしているのです。
 明らかにピンク・フロイドやキング・クリムゾンの影響下にありそうなバンドでも、欧州表記の「プログレ」とはならず、ひとまず「オルタナティヴ(ポップでない音楽)」にカテゴライズし、オルタナティヴの中でKORNっぽい音楽(重低音、サンプラーの多用、グルーヴ重視などが特徴)を「ラウドロック」と呼んでいるのです。ちなみに欧州表記での「ジャーマンメタル」や「デスメタル」みたいな音楽は、アメリカだと「メタルコア」に分類されるはず。

 日本では、ほとんどの国の音楽は欧州表記を基準にカテゴライズしていますが、アメリカの音楽だけはアメリカ表記のままなのです。おかげで、アメリカ表記に慣れていない人は目的の音楽を探しにくい。プログレコーナーのあるCD屋に行っても、TOOLやTHE MARS VOLTAがパンクコーナーにあったりしますし(笑)
 レーベル会社も、ラウドロック(プログレメタル)などと、欧州表記も併記しておけば売り上げに繋がると思うんですけどね。

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2009.10.4「ゲーム:りり Xbox360版」

 Xbox Liveにて、"GhostBusters:The Video Game"の体験版が配信されていたのでお試しプレイ。このゲームは国内発売予定無しで、体験版も完全英語版となっております。
 標準的なTPS(三人称視点シューティング)で、ゴーグルを付けてゴーストを探査しながら進め、ゴーストを見つけたらビームで弱らせ、トラップに追い込んで捕獲するという内容。ゲームそのものは際立って特徴があるわけではないですが、映画でのゴースト退治を実際に堪能できるだけで結構面白い感じです。
 しかし『ゴーストバスターズ』というと、私は映画よりもファミコン版のアレの印象がものすごく強いのです。子供の頃にプレイしたのが今でも変なトラウマになっているらしく、「すげえ! Aボタン連打しなくても歩けるよ!」とか「おおっ、建物の中なのにゴーストに攻撃できる!」とか、「メニュー画面からアイテムが買える! 変なカーレースしなくていいんだ! すげえ楽だよ!」とか、妙なところで感動してしまう(笑)
 最後のゴースト捕獲シーンも、ゲーム性は全然違うのに、なぜかあのファミコン版のアレがフラッシュバックして、無意識のうちに「せっかく金稼いでも、車に接触しすぎたらパーなんだよなあ。うまくショップまで辿り着かねば……」とか考えていたり。しまいにはあの、黄色いゴーストがいないと寂しいような気さえしてくる始末。

 ……邪念を祓うために、映画をレンタルして観てみようかな、という気になってきました(笑)


 ところで、参考のためにFC版『ゴーストバスターズ』の情報をネットで検索したのですが、それによるとゴーストアラームが2000で買って3000で売れるらしく、あの面倒くさいゴースト捕獲ミニゲームなんかしなくても簡単に金稼ぎできるそうなのです(もっぱら面倒臭いのは移動のためのカーレースの方だが)。つまり、あのクソカーレースを2回しかやらずにクリアできるらしい。
 となると、コントローラーを床に叩きつけ、悶え転がりながらも淡々とカーレースとゴースト捕獲を繰り返した私の苦労は何だったのでしょう。
 普通、無駄に苦労してゲームをクリアするのはゲーマーの勲章みたいなものであり、こういう時は誇らしい気持ちになるはずなのに、なぜか怒りばかりがこみ上げてきます(笑)

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2009.9.28「パソコン:最後の悪あがき? HDD換装」

 Cドライブの容量が厳しくなってきたので、HDDを買い換えることに。今まではSeagate ST3120026A(IDE 120GB)を使っていました。動画や音楽データは別ドライブに保存しているので、OSやアプリケーション用HDDは120GBもあれば問題ないだろうと思っていたのですが、いつの間にか残り20GBまで迫っておりました。一太郎などのビジネスソフトの大容量化もありますが、一番の要因はゲームソフトをアンインストールしないで置いたままにしていることでしょうね。やってないソフトは消しゃいいとは思うのですが。

 パソコンショップで物色すると、Hitachi HDP725050GLA360(SATA2 500GB)が5000円を切る低価格だったのでこれに決定。SATA用の電源コネクタが不足しているので変換コネクタも購入しましたが、それで5000円を少しはみ出す程度でした。
 なお、HDP725050GLA360といえば、去年BIOSがHDDを認識しなくて、ものすごく難儀した曰く付きのアレと全く同じHDDです。詳しくは去年の雑記のログを参照のこと。
 当時は「日立製HDDなんて二度と買わねえ!」と思ったものですが、扱い方さえわかれば悪い物ではないですし、1年使って素性がわかっているので安心ですし、なにより安いのだから文句なしです。
 前回のHDDはDドライブとして主にデータ保存に使っていますが、今回のはOS用。容量アップの他、IDEからSATA(SATA2モードは未対応なので、SATAモードにて使用)に変わることで、読み書き速度アップも期待できます。

 OSの入ったHDDを換装する場合、OSから再インストールするという手もあるのですが、今回は簡略して、Acronis True Image Personalを使用することにしました。OS入りHDDを丸ごとバックアップして復元できるソフトです。
 手順は、まず、True Image Personalを使用して、ST3120026Aの中身をまるごとバックアップデータとしてEドライブ(これはCドライブとは別のSeagate ST312。つまり、同じHDDを2つ持っている)に保存。次に、買ってきたHDP725050GLA360にシステムトークス スゴイアダプタ SATAをくっつけて、IDEのHDDとしてパソコンに接続。True Image Personalの起動CDをブートで立ち上げて、バックアップデータをHDP725050GLA360に復元。最後に、Hitachi Feature ToolをCD-Rに焼いたのをブートで立ち上げて、HDP725050GLA360をSATAモード(1.5Gbit/s)に変換して終了。
 この手順でポイントなのは、Acronis True Image PersonalがSATAを認識しないこと。SATAドライブをIDEとして認識させているタイミングで復元しているのには意味があるわけです。
 True Image PersonalにしろFeature Toolにしろ、かつてものすごく苦労して使った経験のあるソフトですが、今回は気味が悪いほど何事もなく作業が完了しました。まあ、以前苦労したからこそ、滞りないように手順を組めた、とも言えるわけですが。スゴイアダプタやブート用CDが手元にあるのも、以前の遺産ですからね。

 ベンチマークソフトで計測すると、読み書き速度は以前の倍以上に。劇的に変わるということはないですが、アプリケーション立ち上げ速度が若干上がっているのは感じます。SATA2モードで動けばさらに倍速になるはずですが、まあ、仕方ないですね。

 A7V880&Sempron3000+の環境を使ってかれこれ6年になりますが、さすがにSocketAマザーはもはや時代遅れで、パワーアップしようにも対応パーツが出回っていない状況にあります。今回のHDDのSATA化はおそらく最後のアップグレードでしょう。
 次にアップグレードする際は、マザーはおろか電源から買い換えないとダメなはず。今使っている電源は400Wで、まず間違いなく電力不足だ、ということもありますが、この6年で規格が大幅に変わっているので、そもそもコネクタの形状が今のマザーやパーツと合わない可能性が高い(笑)
 まあ、なんだかんだ言ってSempron3000+、メモリ2.25GB、GeForce 6600GTでも、それほど不足を感じることなく使えているわけで。致命的なところが壊れない限りは案外長く使えそうな気がしますけどね。

[追記 2009.9.29]
 今回買ったHDDのうち、約70GBをEドライブとして区切って、テンポラリファイル格納用に使っています。テンポラリファイルは断片化の一番の原因で、何かと別ドライブにしておくといいこともあるわけです。
 たいがいのソフトはテンポラリ格納位置を変更可能で、システム側のテンポラリは、システムのプロパティから変数を変更することで対応できます。ただ、Google Chromeは通常の方法では変更できない模様。junctionというソフトを使うことで可能になるのですが、試してみるとブルースクリーンが出たり、突然ユーザーデータが消えたりと動作が不安定になったので取りやめることに。この手の込み入った設定の変更が効かないのがChromeの問題点ですね。

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2009.9.25「雑記:謎のオブジェの使い途」

 皆さんは、高校や大学を卒業した際、学校から謎の小箱を受け取った記憶はありませんか?
 何の説明もなく突然渡された、えらく上等な厚紙の箱。何かと思って開けてみると、ガラス製の謎のオブジェに「○○年度○○大学卒業記念」などと刻まれているわけです。
 これは一体何なのか、机に飾っておく物なのか、それとも何か使い途があるのか? よくわからないまま引き出しの奥にしまわれ、時と共に散逸してしまった人も多いのではないかと思います。
 私は大学卒業時にこの謎の小箱を受け取り、正体の分からぬまま、物入れにずーっと放り込んだままでした。

 そして時は過ぎ、とある飲食店で会計をしている時のこと。
 その日は風が強くて、お札をトレイに載せていると、すぐに吹っ飛んでいくような状況でした。仕方ないのでずっと指で押さえていたのですが、ふと、トレイの横に、ガラス製の重しがあるのに気付きました。ああ、なるほど、これをお札の上に置けばいいのか、妙に準備がいいなあと感心したのですが、と同時に、そういえば似たようなものが家にあったことを思い出しました。

 そうか! 卒業記念のアレって、こうやって使う物なのか!
 私はこの時ようやく、アレがペーパーウェイトだったということに気付いたのです(笑)

 考えてみると、紙が風に飛ばされて困るという場面は結構あるのです。荷物の代引き時にお札を受け渡す時や、扇風機を使いながらメモや書類を扱っている時など。
 家に帰った私は早速箱をひっくり返してアレを取り出し、玄関先に置いておくことにしました。これで強風時の代引きも怖くないぜ!

 さて、ペーパーウェイトの使い途がわかってくると、もうひとつ、机の上に欲しくなってきました。扇風機をかけながら作業をしていて、少し席を外す時に紙が飛ばないように重しが欲しい時はままあります。電卓や文庫本でも代用できなくはないですが、常に机の上にあるとは限りません。普段邪魔にならなくて、とっさに使える重しがひとつあると便利な場面は意外とあるものです。

 とはいえ、大学の卒業記念にもらったアレは当然一個だけ。ペーパーウェイトというのは案外高価で、安くても2000円くらいはします。
 わざわざ2000円も出してまで買う必要があるのかどうかはちょっと悩むところで、どうしようか迷っていたのですが、そんなある日、部屋を掃除していたら、ガラクタの中から高校卒業記念なる小箱が発掘されたのです。まさかと思って開けてみると、案の定ペーパーウェイト。今は亡き母校(他の学校と統合した)の校章が燦然と輝いております。
 20年以上も放ったらかしていたため、なにやら酸っぱい臭いが付いていましたが、石鹸で洗ってやると臭いも取れてピカピカに。全く問題なく使えます。長らく用途不明のままガラクタと共に眠っていた卒業記念品が、今、ついに長い眠りから目覚め、実用品として私の机に置かれることになったわけです。
 母校よ、こんな便利な品を記念品としてくれてありがとう! ……でも、使い方の説明もなく、いきなりくれても、高校生にコレが何なのか理解できるわけないと思うのですけど、どうなのでしょう。少なくとも私は20年以上も気付かなかったわけですが(笑)

 分かってしまえば「なんで今まで気付かなかったのか」と思えるくらい自明なものですが、そもそもペーパーウェイトという物の存在自体を知らない人にとっては、あの妙に重いガラスのオブジェを突然渡されても、一体何なのかさっぱりわからないのではないかと思います。普通、高校、大学生には事務経験なんかないわけですから。
 せっかくの記念品なのだから、受け取った人がちゃんと有効活用できるように、「これがあれば紙が飛ばないぜ!」と、一言説明があってもいいのではないかと思います。
 ……まあ、単に私の洞察力が鈍いだけで、ほとんどの高校生は、もらった瞬間に理解しているのかもしれないですけどね。

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2009.9.22「雑記:スーパー耐久ロードコース 国道9号線320km」

 今年で5年目、4回目の開催となるスーパー耐久ロードコース。昨年は諸事情により中止となりましたが、今年は通例通り京都市〜米子間の片道約320kmコースにて9月19日より実現しました。

 この伝統的な耐久レースをご存じない方のために補足しておきますと、京都に住む私が年に一回鳥取の米子に遊びに行く際、高速を使わず全て一般道路を走ることから勝手に名付けたものです。
 第1回は国道9号線320km。第2回は国道2号線にて大阪〜広島間を走行し、宮島を観光した後米子へ。帰りは国道9号線を使い、走行時間の合計が24時間となった特別版。第3回は国道一号線で大阪、後に北上して9号線へと到る変則コースを用いました。
 今回は原点回帰をテーマに、第1回と同じコース。ただ、厳密には青谷羽合道路等が開通した分、第1回より若干楽にはなっているはずです。

 第1回の時は確か5時か6時かに出発したような記憶がありますが、亀岡市の辺りで渋滞に巻き込まれて難儀しました。そこで今回は0時に出発し、渋滞を回避する作戦を実行。シルバーウィークということで、深夜にも関わらず思ったより車は走っていましたが、渋滞することなくスムーズに走行。4時間であっという間に鳥取砂丘まで着いてしまいました。ただしこの記録は、京都〜鳥取砂丘間で一度も休憩を取らなかったことによるものです。あまりに快適に走れたため、休むの忘れてた(笑)

 予定では6時くらいに到着して、砂丘で日の出など見た後3時間ばかり寝て、砂の美術館に行く予定でしたが、あんまり早く着きすぎたため、少し時間を持て余す。
 しょうがないから砂丘でも見てくるかなー、と足を踏み入れようとすると、もうとにかく真っ暗で何にも見えないじゃありませんか。さすがに危ないので、車から懐中電灯を持ってくることに。
 こんな酔狂な時間に砂丘に来る奴なんかそうそういない……と思ったのですが、なぜかすでに2、3組くらい先客が居て、なんだか騒いでおります。そういえば、駐車場にも車が10台以上止まっていたような。彼らは一体何しに来たのでしょう? 彼らも「うわー、なんにもねー」とか言って笑っておりましたが、鳥取砂丘って「何にもない」んですけどね。
 ただ、真っ暗であることはひとつだけいいことがありまして。空を見上げると冗談のように星がはっきりと見えます。空に暗幕が張っていて、下から映しているんじゃないかと思えるくらい、実に嘘くさい見え具合。プラネタリウムそのまんま。プラネタリウムって、本当に自然の星空を再現していたんだなーと、変なところで感心しました。
 真っ暗な砂丘をうろうろしていると、やがて他の人達が帰って静かになったので、絶好の機会とばかりに良さげなポイントを確保し、寝転んで天然プラネタリウムを鑑賞することに。雲が多くて半分以上は隠れていましたが、それはそれでなかなか乙な感じに。
 驚いたのは、星空が動いていることが妙にはっきりわかることです。地球の自転をこんな形で体験することになるとは思ってもいませんでした。無料運航中の地球に乗って、車窓から景色を眺めているような感じです。
 しばらくすると、東の空が明るくなってきて、星空が徐々にフェードアウトしていく。さっきまで手に届きそうだったのが、どんどんと離れていくように見えるわけです。
 私は風景を眺めるのは好きですが、それで感動することはまずありません。「文学者のくせに、草花を愛でる感性がないのはどうなのか」と揶揄されることもあるくらいなのですが、そんな私でも「すげー」としか言いようのないくらい感動できる風景があるというのにはびっくりしました。どの星がどうとか、星座がどうという知識は皆無に等しいし、覚えようという気もないんですけどね。

 6時くらいになると、すっかり周囲が明るくなり、日の出を見に来たらしい観光客が砂丘を上ってくるのがたくさん見え始める。
 真っ暗な砂丘は、海と砂漠と林の混在する異質な世界のように感じられて、ただ歩くだけでも面白かったのですが、明るくなって改めて見渡すと、たしかに日本ではお目にかかれない風景かもしれないですが、テレビで見る風景とそれほど違いがあるようにも感じられず、なんとなく気持ちが醒めてしまいました。日の出も、さきほどの星空の演出に比べるとインパクトがない。近所で見られる日の出と、そう違いがあるとも思えないですし。
 他の人が日の出を見ている頃、私は全然空の方は見ておらず、砂に付いた足跡が消えていくのを眺めて過ごしておりました。海から来る強風のおかげで、えらい速度で地ならしされるんですよね。アレは面白い。

 2時間ばかり仮眠した後、9時になったので、砂の美術館へ。開館が早いのはこっちとしては有り難かったです。日が昇ると車内はどんどん暑くなり、とても寝て待機なんてできない状態になるので、10時開館だとちょっと辛かった。
 砂の美術館は第三期目だそうで、今回は音楽の都、オーストリアをテーマにした砂の造形物を展示したイベントなのだそう。
 最初は普通に近場から眺めていたのですが、なんだか思ったより普通というか。いや、砂を材料にあれだけ緻密な造形を施すのが大変なことなのはわかるのですが、芸術品というのは、作者の苦労とは関係なく、ただ見た時にオーラがほとばしっていなければならないと思うのですよ。裏を覗いてみると、造形されていなかったりしましたし。
 裏なんてわざわざ覗く人なんてほとんどいないんだからいいじゃん、と思うかもしれませんが、見られる可能性がわずかにでもある以上、どの角度からでも破綻しないように作り込むことが「立体物を作る」ということだと思うのです。作らないなら、絶対見えないように幕を工夫するなどすべき。
 時間がなかったからなのかどうなのか、いずれにしろ残念な感じだなあと思っていたのですが、ふと、遠目から作品を眺めてみると、けっこうイケることに気付きました。特に「街角の風景」という、人物と街の風景が混在した作品があるのですが、これが、遠目から見た時により奥行きが感じられるように、立体的にはウソを付いて作られているんですよね。建物が曲がっていたり、遠目にいる人物がやたらと小さかったり。近くで見る時には、それは何の効果も表さないのですが、遠くで見ると、単に三次元的に正確な作品であるより、より迫力を感じられるようにできているんですよね。
 他の作品はどうなんだろうと、遠くから近くから、角度を変えながらじろじろと眺め回して、結局30分くらい鑑賞しておりました。なんだかんだ言って結構楽しんでいるんじゃないか(笑)
 面白かったのは、「砂漠の民」という作品が高台にぽつんと展示されているのですが、これが幕も何もなく、完全に野ざらしだったことです。砂漠という過酷な環境を再現するために、あえて「雨が降ったらオワリ」という場所に展示するという、無駄に凝ったお馬鹿な演出(笑) そうだよ、俺が見たかったのはこういう無駄なこだわりだったんだ!

 砂の美術館を出たのは9時40分。鳥取砂丘付近の食い物屋に「梨カレー」というメニューがあったので食べたかったのですが、開店は10時だそうで。4時間の走行と1時間ばかり砂丘を歩いた疲労感の上、こんな暑い中20分待つのは無理だったので、次のポイントに向かうことに。
 実は、出発前から朝食を食べる場所は決めていて、道の駅「はわい」にしようと思っていたのです。いかにも怪しいネーミングの場所がどんなところなのか、ちょっと見てみようかと。まあ、実際行ってみたら、それほど他の道の駅と違いはなく、建物が米倉風になっていて、市場があるくらいだったのですが。
 ただ、割と眺めのいい場所で食事のできる食堂があったので、そこで先ほど食い損ねたカレーを食べることに。梨カレーではないですが、それはまあ仕方ない。
 ここのカレーはちょっと変わっていて、見た目も最初の一口もビーフシチューっぽくて、最初食べた時「あれ、メニュー間違えてるんじゃないの?」と思ったのですが、後から確かに辛みが来て、カレーとして成立しているんですよね。これはうまい。さすがカレールー消費量日本一の市……って、ここは鳥取市じゃないか(鳥取砂丘の看板に書いていた)。鳥取のカレーはこういうのがメジャーなのだろうか。初めて入る店なので、警戒して普通のビーフカレーにしたのですが、こけだけうまいならカツカレーの大盛りにすべきだったと、食べながらちょっと後悔する(笑)

 鳥取砂丘から米子間は、食事休憩を除くとだいたい2時間半程度。全体の走行時間は6時間半。平均時速は約50km/hとなります。

 復路は特に書くほどのことはなく、ただ米子市〜鳥取市間の道はあまりにもまっすぐで考えることが何もないため、毎回かなり眠くなって危険だ、という程度でしょうか。いつもこの辺では4時間ほど仮眠を取ることにしています。


 今回の走行で気を配った点は、単独で走る場合はなるべく一定の速度を保つこと、前に車がいる場合は、なるべく車間を一定に保つこと、あとは上のクラスをどう処理するか(速い車や変な車にどうやってスムーズに前を譲るか)、という点でしょうか。長い時間走行する場合、とりあえず何か考えることを増やさないと、集中力が持たないんですよね。
 ハイビームや無駄に明るいロービームを使っている馬鹿で迷惑な連中の大半は、やたらと速いのでとっとと前を譲ってしまえばいいのですが、たまに無駄に眩しいくせに遅くて譲りようがないという超迷惑な車がいて、これが一番難儀でした。街中なら少し我慢すればそのうち別の道を辿ることになってお別れできるのですが、長い一本道でこういうのに出くわすと、もう運が悪いとしか言いようがありません。とりあえず、前の車に付いていく時はハイビームをやめるとか、もう少し頭使って運転しろよと言いたいです。

 あと、前に行きたい車がパッシングや右ウィンカーを出したりしないのも気になる点でした。何度か、私が前を譲った車が、さらに前を行く遅い車に引っかかる光景を目にしたのですが、煽ったり抜こうとする気配を見せたりはしても、パッシングだけはしないんですよね。後ろに付く前に早めにパッシングして、はっきりと意思表示した方が相手も対応しやすいと思うのですが、何ででしょうねえ?
 私も、微妙な速度と間隔で後ろの車が付いてきたり、前に車がたくさんいて、私一人を抜いたところであまり意味がない時に後ろに付かれると、その意図を理解できずに困ることがあります。行きたいならパッシングを出して、行く気がないなら、も少し車間を離して欲しいものです。意思表示のはっきりしないのは一番困る。
 まあ、長時間煽られても道を譲らない方もどうかしていますけどね。よほどプレッシャーを感じない図太い精神の持ち主なのか、単に譲り方を知らないだけなのか。どっちにしろお互いに危ないです。ちなみに、ぴったり付かれた後に譲る時は、加減速せず、ただ左ウインカーかハザードを出します。減速したら衝突しますので。もっとも、サイン出てなくても、抜けるんだからとっとと抜いてけよと思ったりもするんですけどねえ。ああいう連中がどういう思考回路をしているのか、イマイチよく分かりません。他人を煽ることはしても、パッシング出したり、右ウィンカー出したり、そもそも勝手に抜いてったりと、とにかく自分で何とかしようという気がないんですよね、どうも。なんで抜かれる方だけがこんなに気を回さにゃならんのでしょう。頼むから抜く方もちゃんとはっきりサイン出してくれ(笑)

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2009.9.13「音楽:ビートルズ・デジタルリマスター盤発売」

 9日にThe Beatlesのデジタルリマスター盤が発売され、ニュースになるほど騒がれておりました。
 デジタルリマスター盤というのは、平たく言えば最新技術で音質を向上されたバージョンのことで、元のCDがよっぽどヒドイ音質でない限りは、よほどの音質マニアか偏執的なファンかコレクターくらいにしか注目されない代物です。つまり、普通はデジタルリマスター盤が出るからいとって、あれだけ大騒ぎすることはありません。
 いくらなんでもはしゃぎすぎだろと私は思いましたし、一般人の多くもそう思ったのではないでしょうか。

 不審に思い、もう少し突っ込んで調べてみたのですが、すると、ビートルズファンが一体何に狂喜乱舞していたかがわかってきました。今回のデジタルリマスター盤、ステレオ版とモノラル版がリリースされているのですが、実はコレ、それぞれテイクが異なるのです。
 というのは、当時ビートルズはアルバム(レコード)を出す際、モノラル盤とステレオ盤の二種類をリリースしていたのですが、わざわざモノラル用とステレオ用で別々に演奏して録音、編集していたそうなのです。それが、1987年にCD化された際には片方のみ(ほとんどはステレオ版)を採用。残る片方はオリジナルレコードでしか聴けない幻のテイクとなってしまった、というわけです。
 今回両方リリースされたということは、つまり、ぼったくり価格でレコードを買って聴くか、ブートレグ(海賊版)をこっそり入手して聴くしかなかったバージョンが正規の価格で堂々と聴けるようになったわけで、そりゃあファンが舞い上がるのも無理はないですね。

 あんまり音楽に興味のない人にとっては、バージョン違いがそんなに重要なのかと疑問に思うかもしれませんが、デジタルリマスターなんかより遙かに重要です。リマスター盤は結局元は同じ音源ですが、バージョン違いは、場合によっては同じ曲でも全然別物になっていることも珍しくないです。
 一般的に分かり易い例だと、スタジオ盤とライヴ盤の違いみたいなもので、スタジオ盤は作曲、編曲の意図が分かり易く、繊細な編集がなされていますし、ライヴ盤は生演奏ならではの緊張感や迫力があります。両方聴くとより楽しめたりするわけですね。
 スタジオとライヴほどの差はなくても、バージョン違いをミニ・アルバムに収録したりボーナス・トラックに入れたりというのは、今でも良くあることです。一番多いパターンは、ミニ・アルバムで先行収録した曲を、アルバムではさらに手を入れて改良された後に収録される、というもの。
 ディープなファンは単純に全てのバージョンを聴きたくなるものですが、一般的なリスナーでも「より好みの演奏、編集のバージョンが聴きたい」というのはあるでしょう。

 まあ、バージョン違いをどうこう言えるのは恵まれている方で、どマイナーな音楽趣味を持っていると、絶盤で入手不可とか、そもそもCD化されてないとか、根本的に「聴けない」という事態も珍しくありません。……最近だと、The Whoの"The Seeker"の収録されたCDがどうしても見つからなくて難儀しました。ようやく見つけた"BBC Sessions"では、イントロにおっさんのナレーションが入っていて台無しだったし(笑) EVIL WINGSの"Brightleaf"は、いつになったら聴けるのだろう。Anglagardの"Hybris"は、ようやく中古で見つけたのですが。そういえばEthosの2nd"Open Up"が、今年の2月についにCD化されましたね。今までレコードしか聴けなかった(しかもレコード自体も入手困難な)アルバムが約30年の時を経て、ようやくCDで普通に入手可能になったのですよ! まさかあのアルバムが聴ける日が来るとは想像だにしませんでした。発売されたこと自体ずっと知らなくて、もう少しで買い逃すところでしたよ。……まあ、この辺は余談ですが。

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2009.9.8「パソコン:マウス故障」

 M-BJ58の右クリックが利かなくなりました。分解して配線チェックと掃除をしてみましたが症状は改善せず。このマウスは同型のロジテック製ボールマウスから買い換えてから使い続けている物で、5年くらいにはなるでしょうか。充分働いたと言えます。
 かつてセカンドパソコン用に買ったエレコムのM-M2UP2Rがあるので、代わりに使うことにしたのですが、ここから一連の悲劇が訪れることに(笑)

 M-M2UP2Rはセカンド用とはいえ、かつて使っていたマウスですし、問題ないだろうと思っていたのですが、実際使うと妙に違和感を感じました。カーソルの動きがなんか変。感度が良すぎたり悪すぎたりして安定しません。原因はどうやら机のよう。
 いままでずっと、小学生の時から使っていた学習机でパソコンを使っていたのですが、さすがにいろいろ不便を感じるようになってきたので、最近机を買い換えたのです。買ったのはニトリのL型デスク、VOX150。結構しっかりしている上に19900円という安さで、店頭で見かけた瞬間に「これだ!」と思った一品です。
 この机自体に不満はないのですが、要するにこの机の表面とM-M2UP2Rとの相性がイマイチなのです(マウスパッドは使っていない)。

 というわけで、この机の表面でも問題なく使えるマウスが必要になるわけですが……一体どれがそういうマウスなのか、見当が付かないという問題が(笑) まだ店頭にM-BJ58が売っていればいいのですが、生産完了して久しいとの話を聞きました。その時は、M-BJ58の代わりを探し求める人達の話を他人事として聞いていた私ですが、まさか自分がそうなるとは思いませんでした。

 電気屋に行くと、ロジクール製はワイヤレスばかり。しかも形状が以前と全然違います。どれが使いやすいのかさっぱりわからん。かといって、他メーカーの無難な形の安いマウスを買ったら、M-M2UP2Rの二の舞になるやもしれません。
 ものすごく悩んだ末、ロジクールのV450 NANOを選択。ワイヤレスのレーザーマウスで、お値段3980円。

 レーザー式はものすごく感度が高いようで、カーソルが気持ち悪いくらいヌルヌル動きます(笑) M-M2UP2Rとは逆に感度が良すぎて違和感が。しかしまあ、これは慣れればなんとかなるかな? と思っていたのですが、使い続けていて、致命的な欠陥に気付きました。
 V450は、マウスを普通に持つ人のために、手にフィットしやすいようにデザインされているのですが、私はマウスを斜めにして持つため、使い続けるとだんだん違和感が大きくなってくるのです。
 もちろん店頭では、それはもうしつこいぐらい何度も持って試したのですが、その時には気付かなかった不具合でした。こういうのは実際に使い続けてみないとわからないものなんですよね。

 3980円が無駄になって、しばらく再起できない涼格。その金があれば8GBのメモリスティックが買えたのにっ(笑)
 しかし、4000円近くをドブに捨てたこと以上に深刻なのは、V450以外のマウスもあまり無難な形をしておらず、同じ結果になることは目に見えている、ということです。つまり、私にとって使いやすいマウスが存在しないのです。無難そうなデザインのロジ製マウスは、ネットでは売っているのですが、実物を見ないで買うのは博打もいいところ。

 私はマウスにこだわりがない方だと思っていたのですが、まさかこれほど機種選択で苦しむことになるとは思いもよりませんでした。何気に使っていたけど、実は名機だったんだなあ。M-BJ58。

 こうなったら最後の手段。M-BJ58を修理するしかありません。一度はゴミ箱に捨てたM-BJ58を拾って、再び分解。見た目上、明らかに壊れた箇所は見あたりませんが、右クリックだけが利かないのだから、スイッチの不良でしょう。
 スイッチの部品は小さなプラスチックの箱状になっていて、上部にスイッチがあります。押すとカチカチ言う。よく見ると、その箱は開けられるようになっていました。開けてみると、思ったより単純かつ繊細な内部になっていました。よくあるスイッチの内部構造と同じで、スイッチを押すと銅板が押されて電流の流れが変わる(切れる?)ようになっているわけですが、この銅板が妙に気難しいバランスの上に成り立っていて、すぐ位置がズレて接触不良を起こしそうな構造になっているのです。
 この銅板の位置を慎重に直してフタをし、再びマウスを使ってみると……おおっ、右クリック復活!
 しかし、今度はなぜか左クリックが利かなくなったので、同じようにスイッチの銅板の位置調整をしたところ、完治しました。

 結局、最初からもっと本気で修理する気があれば、4000円無駄にせずに済んだわけです(笑)
 しかし、今度いつ、致命的な故障が起きないとも限らないわけで、そうなった時、M-BJ58の代わりとなるマウスを見つけておいたほうがいいかもしれません。斜め持ち専用マウスは出ないだろうしなあ。


[追記 2009.9.9]
 近くのジョーシンにてロジクールのスタンダード光学マウス、SOM-30が売っていたので試しに購入。……このジョーシンのマウス売り場面積は狭めなので、品揃え悪いんじゃないかと思って昨日は行かなかったのですが、結局、他の電気屋やパソコンパーツ専門店よりも揃っていた。最初からジョーシンに行っていれば、4000円も無駄にすることなかったなあ。
 形状はほぼM-BJ58と同じなので、持った時の違和感はそれほどありません。ただ、M-BJ58に比べて中央部の膨らみが若干急なようで、長いこと持っていると疲れる感じがします。……地味に優秀なんだよな、M-BJ58。今まで単なる普及型マウスくらいにしか見てませんでしたが、こうして比べてみると、いかに奇跡的な完成度だったかよくわかる。
 ホイールは、M-BJ58は回す度にカチカチ言うのに対して、SOM-30は抵抗が少ないです。気にはなりますが、それほど問題にはならないところ。

 問題はポインタの精度。解像度1000dpiで、旧型に比べて2.5倍くらい感度が良くなっているらしいのですが、クイックに動きすぎて細かい操作がしづらいです。姉妹機のSOM-20というのが400dpiだそうなので、地球の重力に縛られたオールドタイプには、こちらの方がお似合いなのかもしれません。この機体、敏感すぎるっ(笑)
 というか、マウスにも解像度があって、それによって操作感が変わるというのは今回初めて知りました。ちなみにV450は800dpi。V450のポインタ精度だったら、「シビアだけどなんとかなる」という感じだったので、1000dpiというのはキツ過ぎるのかもしれないですね。

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2009.8.24「本:S・シン『暗号解読』」

 新潮文庫から上下巻で出ているS・シン『暗号解読』(青木薫・訳)を読む。もともとは6年前にハードカバーで出た本が、最近文庫化されたものらしいです。私はタイトル買いしただけなのでよく知らないですが。

 私は暗号を自分で解読することにはあまり興味がありません。というより、暗号化された文章を見るだけで卒倒しそうになる(笑) 理屈としては単アルファベット暗号やヴィジュネル暗号の解き方は知っていて、本気でやれば多分解けると思うのですが、その「実際にやる」というのができないのです。言ってしまえば超面倒くさがり屋なわけですが、単にものぐさというだけでなく、多分私には、その手の作業をする才能に恵まれてないのだろうと思うのです。数学が苦手なのも同じ理由。計算などの実作業ができない。
 そもそも物書きというのは、読まれることを前提にして文章を書くもので、読まれたらマズイ文章は駄文なのです。「朝○新聞」だとか「A新聞」などという書き方を多用する文章を見かけると、「伏せ字にするくらいなら書くなよ」と腹が立ってしょうがなかったりします。つまり、暗号化されている文章は、私の価値観では読む価値のない文章であり、わざわざ解読してまで読もうという気が起きないのかもしれません。
 ただ、暗号を作り出したり解読したりする論理や過程の話は大好きで、つまりはホームズの手柄話を聞くワトソン博士のような立場はいいわけですね。

『暗号解読』はまさにそういう人にぴったりな本で、暗号化やその解読方法といった実際的な知識を紹介する新書的な側面と同時に、それら暗号がどのような状況で、誰によって作られ、そして破られていったかを綴る戦史物(もしくは『プロジェクトX』物)としての側面を持つという、実用的で面白いというお得な作品です。昔の暗号から最新の暗号、果ては未来の暗号の理論と、結構深いところまで突っ込んで紹介しているにも関わらず、娯楽本としても優れており、ポーの『黄金虫』を読むような感じで、暗号の歴史とその実際を知ることができる。

 後半になるにつれて暗号の内容も複雑になってきて、私などはだんだん何を言っているんだかわからなくなってきますが、それはそれで面白いんですよね。なんて言うんでしょう、非常識な技を繰り出して戦う、少年漫画的な面白さというか(笑)
 いやまあ実際、「こんなのどうやって解くんだ!?」という無敵に思える暗号を、血の滲むようなトライ&エラーの末に解読方法を編み出す過程は、「圧倒的力を誇る悪の皇帝の繰り出す必殺技を克服するために、主人公達がわけのわからん特訓を行い、その末に謎の原理で繰り出す超必殺技を身につけて勝利する」という少年漫画の王道パターンさながらです。これが現実世界で起きたことだというのが、また凄いですね。

 私が特に興味を惹いたのは、この本を読んだ多くの人の感想とは多分異なっていて、暗号についてのちょっとした教訓についてでした。曰く、「弱い暗号を使うぐらいなら、最初から暗号を使わない方がましだ」という。「朝○新聞」や「A新聞」などと書くのは、まさしくコレだと思うのです。こんな伏せ字は何の免罪符にもならないのですが、書いている本人はこうすることで、文責を負わなくていいと勘違いしてしまう。
 もっと推し進めて考えると、どんなに完璧に暗号化した文章も、少なくとも特定の一人には復号されて読まれるわけで、それが後に流出しないとは限らないわけです。私信であろうと何であろうと、文章を書く時は、常にそれを念頭に書くべきです。公開されたらマズイような文章は、そもそも書いてはいけない。
 暗号というのは文章が公になるのを遅らせるツールであって、永久に公開されないことを保証するツールではない、ということを覚えておくべきです。実際、昔の武士や小説家などの私信なんかは、今では普通に公開されたりしてますしね。

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2009.8.19「ギタドラ:利き足の問題」

 ギターフリークスをプレイする際に気になるのは、ギタコンの位置がうまく安定しないことです。特に速弾きをしているとベストな位置から徐々にズレてきて、だんだん弾きにくくなります。そのため、ちょくちょく位置直しをするのですが、その時、間違ってピックレバーを押してミスが出たりすることがあって、いかにミスを出さずに位置直しをするかが、私のGFプレイ時の課題のひとつだったりします。
 きっと他の人もそういうことをしてるんだろうな、と思っていたのですが、今日プレイしていて、ふと、恐ろしい推測が思い浮かんだのです。利き足のせいじゃなかろうか、と。

 思い起こせば、私は左利きなのです。ペンや箸やマウスは右で使いますが(たぶん矯正されたわけじゃない)、ボール投げたりカッターナイフ使ったりなど、たいがいの場面で左を使う。定期券や切符なんかも左手で出すので、改札を通る時微妙に煩わしいです。慣れたらどうってことないですが。
 ボール蹴ったりするのも左で、つまり利き足は左なのですが、ギターは右利き持ちです。つまりギターを持つ時、右利きの人とは逆の足(右足)が前に出ている、というわけです。当然、右足がギターのボディに干渉して位置が不安定になる、と。

 そこで試しに足の位置を逆、つまり、左足を前にして構えてみたのですが、するとどうでしょう、ギタコンの位置がズレないじゃないですか! ただ、踏ん張りが効かないのも事実で、別の形で弾きにくいです。ギターの位置がいちいちズレても、やっぱり右足を前にした方がやりやすい。
 ギターって、なんで細かい動きを必要とする弦側に利き手を使わないんだろうと不思議でならなかったのですが、むしろ利き足の都合で、あのように持った方が自然、ということのようですね。

 そもそも、なんでギターを右持ちしているかというと、ギタコンを左で持つとものすごく弾きにくかったからです。ギタコンの形状は左持ちすることを考慮されていないですからね。もしレフティギタコンが存在したら、今よりもっと巧くプレイできた……かもしれないです。運指オルタとかもちゃんとできるようになってたりして。
 せっかくなので久々に左でプレイしてみたところ、思ったより手はそこそこ動きましたが、やっぱりギタコンが持ちにくすぎです。あえて左持ちしようとは思いませんね。

 余談ですが、本物ギターを練習している時も、ピックを指三本で持たないと保持できなかったり、弦を押さえる時、変に親指が干渉したりするので、どうなんだろうと思っていたのですが、試しに左持ちしてみると、その辺の問題が一気に解消されました。もちろん、このままだとものすごく持ちにくい上に弦が逆なので使い物になりませんが(右利きギターをそのまま左持ちするプロギタリストもいるそうですけどね)。レフティモデル買った方が良かったのだろうか。

 更に余談ですが、効き目も左で、カメラのファインダーを覗く時左目を使うのですが、カメラも右利き用に作られているということに今気付きました。カメラって、右目で覗けば、左目で全景を確認できるようになっているんですね。左で覗いたら、右目はカメラやシャッターボタンを押す右手に遮られて何にも見えないです。今までそれが当たり前だと思っていた。

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2009.8.3「時事:ともだちなのに、おいしそう」

 たまたまテレビを付けたら、『アニマルプラネット』というチャンネルで、オリックスの子供を養子にしているライオンのドキュメンタリーをやっていた。
 人に飼われた状態ならたまにある出来事ですが、このケースは野生でのこと。捕食関係にある二頭が一緒にいるのはなんともシュールな光景です。ライオンはたまに本能に目覚めるようで、子供の足を「わしっ」と捕まえたりするのですが、結局食わない。オリックスの方もライオンの耳など甘噛みしたりして、なんだか妙になついています。

 これが動物園での出来事なら、黙っていても人間様からエサをもらえるので何も問題ないのですが、彼らは野生なので、ライオンは子供が食われないように監視するために狩りができないし、オリックスの子供は母乳以外は受け付けない時期なのに、ライオンが一緒にいるからもらい乳もできない。互いに足を引っ張り合う、爛れた関係(笑)

 某ともだちなのにおいしそうな映画はハッピーエンドで終わっていましたが、さすがに現実はそう甘くないわけで。2週間ほどした時、他所から来た雄ライオンがあっさりと子供を捕獲。助けられるはずもなく、結局食われてしまいました。

 これに懲りたかと思えば、このライオンはその後も5頭のオリックスの子供を養子にし、餓死させたり逃げられたり本当の母親に奪還されたりしたそうです。どこの世にも変な奴がいるもんですね。

 現地ではこのライオンを「カムヤック(聖なるもの)」と呼び、美談として語られているようですが、どっちかというとこれって、愛情余って子供を殺すダメな親の例じゃないかと思うのですが。人間界では度々、こんな親が警察に捕まっているんですけど。


 ところで、その番組では正常なライオンの捕食シーンがいくつかあったのですが、獲物を捕まえてもすぐに殺さず、長いこと弄んでからおもむろにかぶりつくこともあるようです。無駄な残虐性は脳の異常発達した人間様の特権かと思っていましたが、他の動物にもあるんですね。

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2009.8.2「時事:幸福実現党の宣伝カー」

 夕方頃、幸福実現党の宣伝カーが町内をうろついていた。窓を開けていたのでよく聞こえる。

「幸福実現党は消費税を撤廃し、日本経済を再生します!」

 消費税撤廃は野党が票取る時の常套手段だよなー。でも、常套手段なだけにインパクトないよなー……などと思っていると、ドキリとする言葉が続きました。

「幸福実現党は憲法九条を廃止し」

 なにっ、憲法九条廃止だとっ! 何気に思い切ったことを言ってないですか?
 普通憲法九条廃止を訴える輩というのは、たいがい愛国心溢れる演説を、唾を飛ばしながら声高に主張する連中ばかりで、つまりはいかにもなオーラが漂っているものなのですが、幸福実現党はこんなにのんびりとした口調でさらっと過激な主張をする政党だったのですねえ。いろんな意味ですごいぞ、恐ろしいぜ! ……と、感心していたのですが。
 小声で「あっ……間違えました……すいません……」とか聞こえてきて、「幸福実現党は憲法九条を改正し、(北朝鮮の)核ミサイルから日本を守ります」と言い直しておりました。

 ……うん。そうだよね。あんなにさわやかに「廃止」とか言うわけないよね。せいぜい「改正」だよね。


 さらに聞いていると、「こちらは幸福実現党です。幸福実現党は消費税を撤廃し、日本経済を再生します。幸福実現党は憲法九条を改正し……ありがとうございます」
 とまあ、例によって途中ですれ違った通行人に挨拶するのですが、挨拶した後、妙な間があるのでスピーカーでも壊れたのか? と思っていたら、再び「こちらは幸福実現党です。幸福実現党は消費税を撤廃し……」から始まるのです。さきほど何を言いかけていたのかを知るには同じセリフを最初から聞かないといけないのですが、途中で「ありがとうございます」が入るとやっぱり最初からやり直し。レジューム機能くらい付けておいて欲しいです(笑) 

 最近できたばかりの政党とはいえ、あまりにも選挙慣れしてない様子が窺えて、なかなか面白い宣伝でした。まあ、支持することはないと思いますけどね。 


 ……しかし、幸福実現党のサイトを見て初めて知りましたが、大川隆法って東大法学部出身なんですね。なんだか『野望の王国』の白川天星がダブって見えてしょうがないのですが(笑) つまり幸福の科学って救国教団なのか! ……うっ。なんか冗談に見えないなあ。

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2009.7.31「本:名探偵涼格(アガサ・クリスティ『エッジウェア卿の死』)」

 前にも書いたことがあったような気がしますが、私は推理小説を読む時、犯人を予測しようとしません。推理小説に限らず、小説を読む時は描かれている雰囲気を楽しむのを重視しており、極端な話、ストーリーはどうでも良かったりします。
 そんなわけで、今まで推理小説を読んでいて、探偵を出し抜いて犯人とトリックが分かったことはないに等しいのですが、今回初めて、しかもあのイギリスが誇る名探偵ポアロを出し抜いて、犯人とトリックを序盤で見抜いてしまったのです!

 そんな奇蹟を体現してしまった問題の作品は『エッジウェア卿の死』。いつもの通りぼーっと読んでいたら、殺人が起きた時点でふと、「あ、これ、クリスティの基本パターンだ」と分かってしまったのです。推理する気ゼロだったのに、瞬間的に見抜いてしまったよ!
 逆に、普段は読者を小馬鹿にしたように一人だけ物知り顔でいるポアロは、この作品ではむしろ苦戦。ぎりぎりまで迷走しています。もはや立場は完全に逆転。
 つまり今回、名探偵の視点で事件を追う体験をしたわけですが、犯人もトリックも自明なのに、こんな簡単な事にも気付かず迷走する探偵がいかに滑稽なものか、初めて実感しましたね。私にとって本作のポアロは、ホームズから見るレストレード警部状態。こりゃあ、ことあるごとに馬鹿にしたくもなるわな(笑)

 推理小説としては、こんなに簡単にトリックがバレるのは失敗作なのかもしれないですが、私としては貴重な体験ができて、なんだかとっても得した気分でした(笑) なるほど、犯人当てして優越感に浸りたい連中の気持ちもわからんではないですね。 

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2009.7.30「時事:2009年ボートマッチ」

 読売オンラインにて、衆議院選挙に向けた「日本版ボートマッチ」(URL:http://vote.yomiuri.co.jp/)が公開されていました。各問題に対し「賛成」「反対」「中立」を選んでいくと、どの政党と意見が近いかを判定してくれるというもの。

 試しにやってみましたが、最もマッチしているのは民主党で11-8(一致−不一致)。最もマッチしてないのは自民党で8-11でした。保守勢力を嫌ってはいるけど、かといってどの政党もイマイチと思っているのを見事に反映した感じの結果です。
 数値だけ見れば民主支持っぽいのですが、高速道路の無料化や消費税の年金財源化など、肝心の民主独自の政策に反対していることが多いのが一筋縄では行かないところ。

 こうして政策における立場を見ると、自民党はやっぱり与党なんだな、と思いますね。現状の日本は、だいたい自民党が望んだとおりになっている。自民党が与党である限り、良くも悪くも変わらない。

 面白いのは、パート・派遣社員の待遇改善に自民だけ消極的だったり、北朝鮮への制裁に共産だけ反対だったりするところ。せめて中立にはならんのかね(笑)
 あと、増税に賛成なのは自民だけなのですが、ボートマッチ利用者の約5割も賛成していたりします。普通、増税にはとりあえず反対するのが国民というものであり、特に不景気の時はその傾向が強いはずなのですが、これはどうしたことでしょうね? 新聞各社がこぞって「増税もやむなし」という記事を書いていたことがありましたし、その影響でしょうか。年金の積立金を無駄遣いしてバックレた連中がいたのはそう遠い過去の話ではなく、バブルな建設計画がそのまま継続したり、天下り専用施設など作って税金を私物化している事件が野放しである以上、「増税もやむなし」などという甘いことは言いたくないですね、私は。
 ちなみに、公明、共産は中立なのですが、共産は「個人からではなく大企業や資産家から取り立てるべし」という立場での「中立」です。さすが日本共産党、未だに資本家は敵なのですね。

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2009.7.17「時事:大学にディオゲネス・クラブを」

 最近ほとんどニュースをチェックしてなかったので、いつどこから登場した話かはよくわからないのですが、トイレで昼飯を食う大学生が増えている(?)のが話題になっているようです。一人で飯食っている姿を見られるのが嫌だから、という理由らしい。孤独が好きなわけじゃないんですね。

 世の中にはトイレが大好きで、何時間も立て籠もって本を読んだり、挙げ句に飯まで食ってしまう人もいます。コンビニの側とか階段とか通勤電車の中なんかに比べれば迷惑度は低いので、別に構わないとは思うのですが、主体的にトイレという場所を選んでいるわけではなく、消去法で仕方なくトイレを選んでいるところが、哀愁感と情けなさを漂わせるニュースではあります。

 しかしまあ、コミュニケーション能力が不足しているだけで「大学生にもなって情けない」と言い切るのもどうかと思いますし、特に研究者という人種にはそういった変な連中が多いものです。シャーロック・ホームズシリーズには「ディオゲネス・クラブ」というコミュニケーション一切禁止(喋りかけるのはもちろん、他人に関心を持つのもダメ)のクラブが出てくるのですが、そんな変わり者集団の中に政府の重鎮(シャーロックの兄)が紛れていたりしました。
 いっそ、そういった恥ずかしがり屋さんのために、大学で食事用個室でも作ったらどうでしょう。ネットカフェみたいな間取りのやつを。案外好評を博するんじゃないでしょうかね(いろいろ問題が起きることも想定されますが)。

 なんにしろ、人間に万能を求めるのは日本人の悪い癖です。自分にできるから他人にもできると安易に思い込み過ぎる。一人で飯を食う能力の有無など、大学生の資格とは関係ありません。


 ところで、このニュースの真偽はどうなのでしょう? ネットで調べてみると、7月6日付『朝日新聞』の夕刊1面で、大学のトイレに「食事禁止」と書かれた張り紙がされていたと報道されたのがきっかけだったようです。
 この張り紙は大学側が張ったわけではなく、他の大学でも同じ図案のものが張られていたそうで、張り紙そのものはイタズラのようですが、実際にトイレで食事をしている人がいることは、証言や物的証拠(ゴミが落ちていることがある)から確かなようです。
 つまりコレ、「トイレで食事をしている人がいるらしい」というニュースであり、どこぞの大学教授が「統計的に年々増えている」などと発表した、という類のものではないようです。トイレで食事をする人がいることは昔から知られていたことですし、とり立てて大騒ぎするほどのネタじゃないですねえ。まあ、大学生を嘲笑する話題、ということでしょう。


[2009.7.17 追記]
 早速図書館で裏取りしてきましたが、7月6日付『朝日新聞』夕刊に該当記事なし。あれ? と思ってさらに探すと、7月7日付夕刊の8面に載っていました。ネットの情報では6日夕刊のトップ記事だったそうなのですが。
 考えられる結論は2つ、ネットの情報が間違っているか、もしくは関西版では記事の扱いが違ったか、です。多分後者でしょう。同じ新聞でも、地方や版によって内容が変わることがあるのは知っていましたが、トップ記事が1日遅れの8面に載るほどの違いを見たのは初めてです。ホント、情報は自分で確認するべきだと改めて思い知らされますね。

 というわけで、関西版の『朝日新聞』の記事しか確認できませんでしたが、それを見る限りでは「こんなイタズラ張り紙が大学であったよ。でも、実際にトイレで昼飯食う人もいるらしい」程度の軽い扱いでしかありませんでした。内容としては妥当で、特に大学生を馬鹿にしたいとか、無駄に大騒ぎしたいといった意図はみられない、普通の記事といった感じでした。

 しかし、こうなってくると、トイレで飯食う云々より、関西版での扱いの違いの方が俄然気になります。朝日新聞大阪本社の人が「こんなしょーもない記事、トップに載せられるかい! ウチは東スポと違うで!」とでも判断したのでしょうか。だとすると賢明な処置だと思いますね(笑)

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2009.7.10「音楽:ASIO2.0のある生活」

 オーディオインターフェイスをUA-30からUA-4FXに乗り換えました。乗り換えた理由は単純明快、ASIO2.0に対応しているからです。
 ASIO2.0に対応したオーディオI/Fは4万くらいからしかないと思い込んでいたのですが、たまたまネットでカタログに目を通していたら、2万円クラスからでも手に入ることが判明(単にASIO対応というだけなら、一番安いのはUA-1EXで1万円くらいですが、音楽制作するには頼りない)。さらに調べてみると、私が使っているUA-30の後継機、UA-4FXでも対応していることがわかったのです。実売価格は18000円前後。いきなりの出費なので結構痛かったですが、いまどきASIO未対応オーディオI/Fでは厳しすぎるので考える余地もなく、ほぼ即決で購入しました。

 そもそもASIO2.0が何なのかというと、パソコン内で音楽データをやりとりする時に使用されるドライバです。
 パソコンで音楽を録音・再生したりする時、普通はWindowsに標準装備されているドライバを通して行われるのですが、このドライバは作曲や演奏などの専門的な用途を想定して作られていないため、遅延が生じたり(鍵盤を叩いてから実際に音が出るまでに1秒くらいかかったりする)マルチチャンネルに対応していなかったりと、パソコン上で音楽制作をする上で様々な問題が発生します。
 特にソフトシンセ(初音ミクもコレ)を使う際にこの問題は顕著になり、複数のソフトシンセを立ち上げるとまともに演奏しなくなったり、CPUもメモリも全然余裕なのに録音時に音がもたついたりと、およそ使い物になりません。
 それらの問題を解消すべく開発されたドライバがASIOなのです。つまり、ソフトシンセ隆盛のこのご時世にパソコン上で音楽制作するなら、ASIO対応のものを使わないと話にならないと言っても過言ではないでしょう。

 そんなご時世に未だにASIO未対応だった私は、作曲する際はまず、ひととおりMOTIF-Rackで作った後にソフトシンセの部分だけ別データにして調整し直し、別々に録音してACIDでミックスするという面倒な手順を踏んでいました。ASIOに対応した今なら、最初から本番用のシンセを使って作曲し、同時に鳴らして録音するだけでOK。めちゃくちゃ作業が楽になります(まあ、本来それが普通なのですが)。今までせっかく買ったのに扱いが面倒だったので敬遠していたSuper Quartetが使いたい放題ですよ!


 ASIO2.0に対応しているだけで既にUA-4FXは素晴らしい価値を持っているわけですが、コレはさらに簡易エフェクターを装備しており、ギターの音を歪ませたりコンプかけたり、ボーカルの音を小さくしてカラオケモードにしたりといったことができます。何気に便利ですね。
 さらに真空管アンプをシミュレーションする機能が付いていて、普通に曲を聴く際にちょっと高級感漂うサウンドで聴くことができたりします。これだけいろいろ便利機能がついて2万円切るのはお得な気がしますね。
 あと、こちらはあまり期待してなかったのですが、UA-30に比べて、ぱっと聴いて分かる程度に音質が若干クリアになっています。さすがに後継機だけあって、基本性能も向上しているということでしょうか。

 その他、作曲をしない人にとってはこっちの方が重要だろうと思われるASIOの音質改善効果について。
 Windows標準ドライバは勝手に標準のミキサーを通してしまうため、そこで音質が変わってしまうのですが、ASIOはそれを通さないので、その分だけ元のデータに忠実な音で聴くことができると言われています。
 たまたまASIO対応のLilithを使っているので非対応のWMPと聞き比べてみましたが、確かに若干音質がクリアになっているようです。ただ、UA-30からUA-4FXに買い換えたこと自体の効果の方が遙かに大きいですね。

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2009.7.8「雑文:蛍光灯の色の違い」

 家の洗面所の電球が切れたので買い換えることにしたのですが、その際についでなので、家にある白熱電球をすべて蛍光灯に差し替えることにしました。

 そのうちほとんどは従来の色味のままの電球色にしたのですが、親から玄関とトイレは白い方がいいという希望があったので昼光色に。
 差し替えた蛍光灯に親は満足しているようなのですが、私はトイレや玄関の明かりを見て「これ、青すぎやしないか」という、ものすごい違和感を覚えました。

 蛍光灯の色味には電球色、昼白色、昼光色の三種類があるのですが、たいがいの店の売り場で大半を占めているのは昼光色です。要するに、何も考えないで蛍光灯を買えば、たいがい昼光色を買っているだろうと思います。実際、私の部屋の明かりも、最近買ったスタンドライトの蛍光灯も昼光色だった。
 今まで、それはそれで問題なく使っていたのですが、これまでも明かりを付けた瞬間や、部屋に入った瞬間、もしくは蛍光灯を買い換えた時など、明るいはずなのに、妙に暗いような違和感を覚えることは少なくありませんでした。
 今までそれは単に、精神的な問題や、目が慣れていないからだと思っていたのですが、今回、トイレや玄関の明かりを見て理由がはっきりしました。昼光色の影響だったのですね。

 昼光色は集中力を高め、リラックスさせる効果があると言われ、子供部屋などの活動的な場所に推奨されていますが、私にはその効果が効き過ぎて憂鬱な気分になり、かえってやる気を無くさせるような気がします。
 そこで、試しに部屋の明かりを昼白色に変えてみたのですが、なんとなくどんよりとしていた部屋の印象が消えて、気分的にも良い感じに。思った以上に光線の色味の影響は大きいものですね。

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2009.6.21「ゲーム:バル戦闘パターンの見直し」

 久々にオラタンをやったら、見たことのある名前の人が軒並み将軍クラスになっていて、なんとなく取り残された気分に(笑) まあ、このゲームの階級は降格しないので、単に戦闘経験を示すだけの意味しか持たないのですが。

 ここ1週間くらい、いろんな時間にちょこちょことプレイして150戦ほどこなしましたが、テムジンばっかりという状況はだいぶ軽減されたようで、そこそこ満遍なくいろんな機種と出会いました。バルとは3人くらいと当たったか。

 直接対決してみた感じと、リプレイに上がっているバルの動きを見ると、距離を取って手数でチクチク戦う戦術を採るバルが多いようです。私のように近距離で乱戦に持ち込み、あわよくば斬り倒してやろうとするタイプは全く見かけませんでした。カッコイイ技の数々を出して、格ゲーさながらの二択を迫ることこそバルの本懐だと思っていた私にとっては、なんとも意外な光景。

 しかしまあ、回避さえしっかりしていれば、この戦法がかなり強力であることも確かです。乱戦はリスクが高い上に、近距離を得意とする機体は多いですからね。その点射撃戦だと、回避さえうまくやれれば、まず勝てる。ほとんどの攻撃が本体からしか出せない他機と、ERLの使えるバルの攻撃だと回避難易度が違いますし、バルはその気になれば、ほとんど硬直させずに戦うことも出来ますからね。というわけで、私もこのパターンをもっと使ってみることにしました。
 今まではたいがい積極的に距離を詰めていましたが、逆に距離を離したがりつつ、回避重視の射撃戦を実行。相手が距離を詰めてこなかったら、そのまま射撃戦で勝負し、詰められたら従来の乱戦パターンに切り換えて戦うわけです。
 サブでスペシネフを使っていたこともあるので、回避重視の射撃戦のときは、ほとんどスペシネフを使っているような感じで。一撃必殺かチクチクかの違いですね。攻撃時のリスクが低いのと耐久力がある分、バルの方が楽ですな。ダッシュ距離も長いですし。

 戦闘パターンを変えてからそんなに対戦していませんが、マインのバラ撒き戦術が思ったより有効だったのには驚きました。マインなんか撒いたってジリ貧になるだけじゃないかと思っていましたが、回避に神経質になって戦っていると、結構ダメージ差で有利になってくるもんですね。変なのに当たったら一気に不利になりますが、その辺の事情はスペシネフとあまり変わらないか。
 なにより、得意なパターンを見せずに戦えるのが大きいです。バルの大技はバレたら終わりなので、使わずに組み立てられるならそれに越したことはない。
 いずれ、今までの戦術と排他的な関係ではなく、状況に応じて切り換え可能なので、こっちの方も練習しておこうと思います。うまくいけば死角がなくなって良い感じになるかも。


[追記 2009.6.23]
 回避を重視した削り戦術を取り入れ始めて気付きましたが、360コントローラーだと、細かい移動操作をするとき化けやすい感じがしますね。もともとバルは何をするにも操作が忙しく、ミスしやすい機体ではありますが、コントローラーだとさらに顕著に。
 あと、なぜだかしゃがみ左ターボ攻撃がやりづらい。「ここだ、この隙に左脚ERLを設置するぜ!」と、LW→しゃがみ左ターボLWと入力したつもりが、横ダッシュLWに化けたりして悲しい思いをすることが多々あります。それが恐ろしくて、最近脚ERLを切り離せない(笑)

 あと、こっちが距離を詰めないと、あっちもあまり詰めようとせず、撃ち合いになることが多いような気がします。格ゲーっぽい仕様なので忘れがちですが、案外オラタンも、他のロボゲーと同じく射撃戦メインなんですね。

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2009.6.19「ゲーム:Xbox360版"MTG"〜デッキ組めない謎ゲーム〜」

 Xox360のLive Arcadeで超有名カードゲーム"Magic:The Gathering"が配信されたので速攻購入。この手のカードゲームはどちらかというと好きな方なのですが、現金でカードを買い集めると有利になるというシステムが気にくわないので、実際にはほとんどプレイしたことがありません。やったのは『ゼノサーガ』のミニゲームくらいか。

 完全英語版なのがやや不安ですが、カードを買い漁らずにMTGができるなら買いだろ、と喜び勇んで買ったのです……が、プレイしはじめて2分で大問題に突き当たる。

 ──これ、もしかして、デッキ構築できない?

 デフォルトで森デッキと火デッキがあるのですが、カードの差し替えが一切出来ないのです(デフォルトのカードを抜くことも出来ない)。仕方なく森デッキでプレイしましたが、対空手段に乏しく、敵の特殊効果を打ち消す魔法もなく、ものすごくやりづらい印象。デッキが組めるなら、当然弱点を補完できるように組むのですが、それができないため、対処不可能なカードが来ないように祈りながらプレイするという、ものすごく運任せな状況に。

 敵AIを撃破していくと、その度に新しいカードや新デフォルトデッキが追加されるのですが、依然として自分でデッキを組むことはできず。自分でデッキ組めればこんなに苦戦することないのに! と随分イライラしながらもキャンペーンモードをクリアしてみましたが、結局自作デッキ枠は登場しませんでした。

 あと、恐ろしいことに、複数の色のマナを使用する時、自分で使用するマナが選べないという謎仕様。黒を2つ使って緑を残したいと思っても、勝手に緑1つ黒1つなどと使ってくれやがります。いろんな意味で運ゲー状態。製作スタッフは一体何を考えているんでしょうね?

 デフォルトデッキ枠があと二つ残っているので、隠しボスかなんかがいるみたいですが……なんだかもう、やる気半減なのですけど(笑) 隠しボスを倒したら自作デッキ枠が追加されるなら、ちょっと考えなくもないですが。

 久々に買って後悔したゲームでした。いやほんと、まさかデッキ組めないとは夢にも思わなかったので、ノーチェックだったのですよ。デッキ組めないMTGなんて、マクロしか使えない『カルネージハート』みたいなもんです。ヒドすぎる。
 こんなゲームにゲイツポイント使うくらいなら、『ネクタリス』のために残しておくべきでした。
 レビューは書きません。

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2009.6.14「パソコン:マウスの持ち方について」

 どうでもいいことではありますが。
 Amazonでマウスを物色しているうち、なんとなく、私のマウスの持ち方って、かなり変わっているんじゃなかろうかと思い始めました。最近は人間工学に基づいて持ちやすい形状のマウスが多数出ているのですが、私の持ち方に適しているタイプが見あたらないのです。
 というわけで、私のマウスの持ち方を大公開。



 マウスはロジテックのM-BJ58。
 親、人差し、中指を乗せるようにして持っております。薬、小指はマウスに触れていません。普段はてのひらの左側面(薬、小指)を机に付けてマウスの位置を固定します。大きく動かす時は浮かせる。マウスの操作には中指と親指、てのひらを利用。
 マウスを斜めに持つ(人差し指の方向にモニタがあります)ため、見た目は結構異様かもしれません。

 こういう持ち方をするようになったのは、肘を動かさずにより広くマウスを動かしたい、という考えからではないかと思います。普通に持つと、下方向への操作に不具合が生じるんですよね。手首や肘の位置を動かさずに下へ動ける幅が結構狭い。斜めに持つと、肘を動かさずに移動できる範囲がかなり広がるので、操作が楽になります。操作性も良くなりますし、たぶん疲れにくいんじゃないでしょうかね?
 欠点は、手のひらを机に付けているため、机に汗や手垢が付着しやすく、拭き取っておかないと滑りが悪くなってマウスの操作に悪影響が出ることです。あと、最近のマウスは側面にボタンが付いてるものもありますが、私の場合、無用の長物です。

 まあ、マウスなんて持ちやすいように持てばいいと思いますし、どうでもいい話といえばそうなのですが、なんとなく面白い発見だったので。

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2009.6.13「パソコン:Google Chrome使用3ヶ月」

 Google Chromeを使い出してもうすぐ3ヶ月。不具合を感じたら別のに乗り換えようかと思っていましたが、結局安定して使うようになりました。

 Google Chromeは取り扱いの簡便さと、快適なブラウジングに特化した仕様になっています。設定項目は少なく、ほとんどいじる必要もないですし、アップデートも通常は完全自動(RUNエントリ、タスクスケジュールから呼び出されてgoogleupdate.exeが常駐し、「アップデートしますか?」とも訊かれず更新される)。また、タブごとにプロセスが割り振られるため、あるタブがクラッシュした際、他のタブに影響を与えないのも特徴です。
 インターフェイスはぎりぎりまで簡略化されており、アイコンにしろ右クリック項目にしろ、本当によく使う機能だけに絞って配置されています。その他の細かい機能は全部右上の「設定」アイコンに収納。
 特に検索サイトとの連携に優れていて、ページ中の文字列をドラッグして右クリック→「Google(変更可能)で検索」で検索にかけられるなど、ブラウジング中の取りの回しの良さは素晴らしいものがあります。
 ソフトの立ち上がりやブラウジング中の応答の速さも特徴の一つだそうですが、最近使ったブラウザはIE7、8とコレだけなので、他と比べてどうなのかは私には分かりません(IE7、8より圧倒的に速いのは確かですが)。それよりも、インターフェイスの取り回しの良さが私には好感触です。私は機械やソフトを選ぶ際、操作性を最も重視しています。ゲームれびゅでも操作性への言及が多いですし。どんなに素晴らしいソフトでも、使い勝手が悪ければ話になりませんからね。

 ソフトが勝手にアップデートしたり、プロセスが増えるのが気になる人もいるでしょうし、私も頻繁にタスクマネージャを立ち上げてプロセスを確認するクチなので、いろいろ思うところはあります(ので、googleupdate.exeの自動立ち上げは切ってある)が、ブラウザのセットアップや取り回しに手間をかけたくない人にはうってつけと言えます。

 使い始めた頃は、履歴やクッキーの削除の仕方が分からなかったのですが、単に私が気付かなかっただけか、バージョンアップして項目が増えたのか知りませんが、消せる項目が見つかりました。
 また、これも使い始めの頃、何度かブラウジング中に突然回線が不安定になり、一時的にブラウジングはもちろん、メール送受信などもできなくなることがあったのですが、最近は無くなりました。5月にVer2.0になりましたが、その時にでも不具合が解消されたのでしょうかね?

 欠点は、IE互換モードへの切り替えができないため、Windows updateをはじめ、いくつかのサイトで不具合が発生すること。こういう場合はIEを使うしかありませんが、Chromeを使い慣れると、IE8がいかに重いかよく分かります。立ち上がりもノロいし、何をするにしてももっさりしている。よく今までコレで我慢していたものだと思いますね。
 あとは、ページの文字検索ができないこと。これは調べ物の時に不便を感じます。

 カスタマイズ幅の広さをウリにしているブラウザが多数を占める中で、むしろ必要充分な機能に絞り、初心者でも扱えるシンプルさをウリにしているChromeの存在は珍しいと言えます。ただ、本当に初心者に勧められるブラウザと言えるかというと疑問ですけどね。Chrome単体で見れば、これ以上簡単に扱えるブラウザはそうないと思いますが、IEとChromeの使い分けをさせることにいろいろ障壁が。かといってブラウザについて詳しい人だと、Chromeのカスタマイズ幅の狭さ(アドオンが使えないなど)や、勝手に立ち上がるgoogleupdate.exeの「親切さ」にかえって不満を感じ、使うのをためらうだろうと思います。私のように「わかっているけど面倒臭い」というものぐさな人向けのブラウザと言えそうです。そう考えると結構ニッチなブラウザと言える。

 ちなみに、ここ1ヶ月の私のサイトの閲覧履歴によると、IE6が30%、IE7が24%、FireFox3.0が11%、Opera9.6が7%、IE8が5%、Safariが3%。Chromeは3%ですが、私の閲覧履歴が混ざっているので、外部からのアクセスだけに絞るともっと少なくなるのではないかと思います。
 未だにIE6使っている人が多いのが、ちょっとびっくりですね。IE7は初期に不具合が多かったので、それで嫌っている人が多いのかもしれません。しかし、それなら別のブラウザに乗り換えればいいんじゃないかと思うんですけどねえ。タブ機能のないIE6はさすがに時代遅れな感じが。

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2009.6.11「ギタドラ:赤ネーム復帰」

 赤ネームに復帰しました。しかも計ったように1300.00ptぴったり(笑) 別に狙ったわけではないのですが。
 前日の夜に「赤い鈴」を詰めた時点で1299.86pt。当然、この際今日中に1300越えるぜ! といろいろ頑張ったのですが、ちっとも上がらないまま体力と金ばかり消耗。今日中になんとしても0.14pt上げなくてはという焦りと、あと0.14ptでOKというさもしい根性が集中力を削いでいるんじゃないのかと思い直し、その日は諦めて帰ることに。
 で、今日、"Funky sonic World"や"MODEL DD5"あたりでも詰めたら一撃だなーなどと考えつつ、ウォーミングアップで"Rock to Infinity"G-BSCをやったら98.33%→98.82%で+0.12pt。0.02pt足りないよ! これくらいオマケしてくれー! と嘆きつつ「恋は臆病」OPEN-EXTをやったら、97.02%→97.10%で+0.02pt。……いや、確かにオマケしてくれと祈ったけど、なにも本当にきっちり0.02pt上がらなくてもいいじゃないのさ。
 やる気満々で出撃したにも関わらず、ウォーミングアップのつもりだった初回プレイで目標達成してしまい、なんだか拍子抜けして、今日はそのまま帰宅しました。

 とりあえず目標は達成したので、あとはゆっくり遊ぼうかと思います。さすがに銀ネームは無理すぎて、目指す気が起きないですしねー。

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2009.6.4「雑文:宗教屋との立ち会い」

 昼時にゼリーを食いながら新聞を読んでいたのですが、ふと手をやると、なぜかそこにあったはずのゼリーが無くなっています。母親に訊ねると「もう食べたから片付けた」と返事。
 ちがうだろ、あのゼリーは3分の1残ってたじゃんかさ! なんで勝手に片付けるんだよ! え、なに、カップに入ってなかった? よーしいいだろう直々に確かめてやる! ……と台所へ向かおうとしたその時、インターホンが鳴りました。
 このクソ忙しい時に誰だ! と出てみると、ビジネスマン風の2人連れ。セールスか宗教か、いずれ面倒臭そうな手合いです。普段はこんなの無視ですが、なんとなくゼリーの勢いのまま応対してしまう。

 で、予想通り彼らは宗教の方で、今の「自分が良ければどうでもいい」という世の中を改善するための手段が聖書に書かれているなどという話を始め、聖書の中の役に立つ言葉を教えてやろうと言いだし、持ってた聖書を開こうとしはじめる。
 私は聖書を決して馬鹿にはしてないですが、聖書しか読んでない連中が聖書の素晴らしさを説くのは片腹痛くて聞いていられません。そこで、私は聖書を持っているし一通り読んでいるからそれには及ばないと断ると、「聖書から何を学ばれたか」と質問してきたのです。

 ──そんなこと、聖書を絶対視している連中の前で言えるわけないだろ(笑)

 どう言ったものかわからず黙っていると、今度は「戦争や犯罪によって悩まされているこの世の中を良くするための方法が聖書に書かれているのはご存じですか?」と重ねて訊いてくる。

 ──だから、聖書を絶対視している連中の前で言えるわけないだろっ!

 適当に話を合わせりゃいいのかもしれませんが、私はそういう器用な事はできないのです。かといって真っ正直に「書かれていたとしても実効性はない」などと言ったとして、何か実のある議論ができるわけでもないでしょうし。

 結局のところ、彼らは何をしに来たのでしょうか? 勧誘したいならさっさと勧誘すればいいし、パンフレットを配りたいならさっさと配ればいいのです。聖書の読み会へのお誘いならそう言えばいいし、喋りたいなら勝手に喋り倒せばいい。とにかくさっさと本題に入って欲しい。
 まさか本当に聖書について意見を交わしに来たわけではないでしょう? 彼らにその気があるなら、近くのガストに出張して嫌というほど議論しても一向に構わないのですが、彼らはそもそも他人の話なんか聞く気がないのです。聞く気がないのに質問してくる。そんな連中相手に真面目に話すのも馬鹿らしく、私は終始黙ることに。
 結局彼らはパンフレットを置いて帰って行きましたが、本当に何しに来たのかさっぱり分からなかったです。

 置いていったパンフレットを開くと「ものみの塔」と書かれていたので、彼らはエホバの証人だったわけです。エホバの証人には戸別訪問して宣教するという迷惑な教義があるのですが、つまりあれは「宣教」だったわけですね。それならそうとはっきり言ってくれれば、こちらもそれなりの対応をするのに。仏教だと、坊さんが法事の後なんかに説法をしますが、あちらの方がよっぽど聞く気になるような工夫をしていると思いますね。エホバの証人もその辺の研究をしてはどうなのか。
 エホバの証人はもともと聖書研究から発足した宗教なので、聖書を読んで研究することが推奨されているはずです。それで私が「聖書を読んでいる」と言った際、あんな質問をしてきたわけですね。彼らは研究していると言っても、他の書物や思想との関連の中から研究しているわけではないから、私とは話が合わないでしょう。3次元的な視点で聖書について語ったところで、0次元の視点しか持たない人達に理解できるはずもない。

 ちなみにパンフレットの内容ですが、要約すると、神は楽園を用意して、そこに人を住まわせることを約束しているけれど、そのためには神の意志を学び、行わなければならない、というようなことが書かれていました。
 その根拠としてヨハネ福音書の17章3節が引用されており、「唯一まことの神であるあなたと、あなたがお遣わしになったイエス・キリストについての知識を取り入れること、これが永遠の命を意味しています」と書かれていますが、なんとなく違和感があったので、手持ちの新共同訳の聖書で確認してみると、「永遠の命とは、唯一まことの神であられるあなたと、あなたのお遣わしになったイエス・キリストを知ることです」と翻訳されています。つまり、神とイエス・キリストを信じることで永遠の命を授かる、という意味合いになっているわけです(より具体的には、古典用語で「知る」とは性的な交わりを指す。つまりここでは、神やイエス・キリストと霊的に一体化することで永遠の命を授かる、という意味合いと捉えるのが妥当)。
 パンフレットの引用元の聖書は『新世界訳聖書』というものだそうで、調べてみるとエホバの証人が出しているもの。少し都合のいいように意訳している気がしますねえ。
 聖書を読み込んでいながら、エホバの証人の教義に違和感を感じないのはなぜかと長年疑問だったのですが、なんのことはない、彼らの聖書は「エホバの証人」用に作られたものだったのですね。曲がりなりにも聖書を研究していると公言するなら、少なくとも重要な文言は複数の翻訳に当たって照合するくらいのことはして欲しいものです。


 余談ですが、ゼリーはやはりカップに3分の1ほど残っていました(笑) 残っているのになぜ捨てる!


[追記 2009.6.5]
 せっかくなのでエホバの証人について調べてみました。キリスト教の一派なのかと漠然と思っていましたが、思いっきり異端じゃないですか。三位一体説すら信じてないですし、他のキリスト教の教義は間違っていると考えているようです。
 もともと悪意のある宗教ではないようですが、自分達の聖書のみを絶対視し、他思想・宗教との交流を避けているため、偏屈になっている感は否めません。

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2009.6.3「ギタドラ:V6スキル表作成」

 スキル対象の変動が少なくなってきたので、スキル表を作成しました。携帯電話がないので、例によって紙に記録。スキルシミュレーターの方もデータ入力して、トップページのリンクをV5のものから差し替えてあります。

http://xv-s.heteml.jp/skill/v6.php?uid=g11725
(↑スキルシミュレーター)

 現在のスキルポイントは1277pt。"MODEL DD3"、"MODEL DD5"、"RIGHT ON TIME(の G-EXT)"などが入っていない状態でこの数値ですから、この辺が詰まってくれば案外早く赤ネームに復帰できるかもしれません。少しブランクがあったため、難しい曲だとまだ若干目が追い付かない状態で、高難易度曲がまだちゃんと繋がらないです。

 そして、毎度のごとく繋がらなくて悶絶する"Desert rain"ですが、今回はもうあまり根詰めないで別の曲をやることにしました(そう言いつつも30回はプレイしていますが繋がらず)。今さらLv75の苦手曲を無理に詰めることもないでしょう。その分"Strike Party!!!"あたりで頑張った方が効率良さそう。

 しかし、新曲の"Fantasista"はそうも言ってられないところ。稼ぎ曲なのでなんとか繋いでおきたいのですが、ギターリフのリズムと譜面のリズムが同調していない感じで、やっているとリズムが狂ってミスしてしまいます。

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 8分刻み。左が実際のリフ(x印はミュート)で、真ん中がOPEN EXT譜面。基本的にミュート音がオープンピックになっているわけですが、2小節目3拍目の実音部分が、なぜかオープンになっています。これでいつもリズムが狂う。
 譜面だけ見る分には「どこが難しいの?」と思うかもしれませんが、この威力は絶大です。耳から入ってくるギターリフと、実際に弾く譜面上のリズムが違うわけですから。しかも、1小節目最後で前倒しリズムになった後にコレが来るので、余計に崩れやすい。リズム取りが命の譜面でこのトラップはひどいです。というか、元のギターリフのリズムを取るとミスるというのは音ゲーとしてダメでしょうよ。
 プレイする際は、なんとかして「2小節目2拍裏と3拍表は同じノートだけど中身は違うんだ」と暗示をかけて乗り切るしかないわけですが、延々と続くリフの間ずっと緊張感を持続しているのはかなり難しいものです。
 割と繋いでいる人が多いですが、他の人はこの辺、気にならないのでしょうかね。

 一番右は「こうだったら良かったのに」という私の願望譜面。一見難しくなっているように見えますが、実際のギターリフとリズムが同じになるので断然やりやすくなります。


[追記 2009.6.4]
 などとぶーたれた翌日に"Fantasista"が繋がって自分でもびっくりする(笑)
 結局、2小節目の2拍〜3拍だけ音を聞かず、リズムを取らないようにして目押しするようにして乗り切りました。弾いてて楽しくないのが欠点か。本来延々リフを弾く曲は好きな方なのですけど、こういう違和感がある譜面だと途端に大嫌いになってしまいます。
 似たようなのでは「秋風」なんかがそうですね。元々のギターリフのリズム完全無視のギザギザ譜面。譜面制作者のセンスを疑います。

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2009.5.18「ゲーム:『オラタン』対人戦プレイ中」

 配信直後に嬉々として購入した割には、あんまりやる暇のない360版『オラタン』。しかし、アーケードではほとんど対戦相手がいなかったことを考えると、対人戦に限れば、今の方がプレイしているとも言えます。

 約100回対戦した感じでは、一番多いのがテムジン。次がアファームドシリーズ(イマイチ区別付かない)。続いてグリス・ボックとフェイ−イェンが同じくらい。エンジェラン、ライデン、スペシネフ、10/80、シュタイン・ボックは2〜3人。ドルドレイ、サイファー、バルは1回しか出会っていません。

 苦手な相手はグリス・ボック。アーケードでは唯一戦ったことのない機体でしたが、今回やってみて、つくづく嫌な相手だと思いましたね。攻撃のほとんどが爆風で消されるし、妙に手数多いし、すぐ転倒させられるし。
 一体どんな機体なのかと試しに使ってみましたが、機動力はバルとそう変わらない上にエネルギー豊富で撃ちまくれ、危なくなったらLWで爆風バリアが出せるという至れり尽くせりの仕様にびっくり。いやまあ、実際使ったらいろいろ苦労もあるんでしょうけど、ずいぶん楽な機体だなーと思いましたね。

 グリス・ボックに限らず、バル以外の機体を使うと、あまりのシンプルさに別のゲームをしているような気分になります。操作系統もそうですが、エネルギー残量や相手との距離を見て切り離すERLを決めたり(せっかく目の前で敵が硬直しているのに、右腕が無くて悲しい思いをすることがままある)、敵の数秒先の状態を予測してリフレクトレーザーを発動したり、切り離したERLの真後ろに敵を誘導したりといった事をいろいろ考える必要が無いので、「『オラタン』って本当はこんなにシンプルなゲームだったんだ」と今さらながら気付かされます。もはやあの複雑さがないと物足りなくて、他の機体を使う気がしません(笑)


[追記 2009.6.1]
 150戦やって60勝90敗。ようやく対人戦のコツというか、警戒すべき攻撃パターンや敵の硬直のタイミングが見えるようになってきた感じです。アーケードでは20人くらいとしか対戦したことがなかったので、とにかくデータ不足だったんですよね。
 と同時に、バル以外の機体がいかに攻撃バリエーションが少ないかも分かってきた。よくあんな単調な攻撃しかできない機体で勝てるもんですねえ。その単調なパターンに嵌る方も嵌る方ですが。

 なお、100〜150戦の間に出会った相手はほとんどテムジン、フェイ−イェン、アファームド(B、Sが半々くらい。Cは少なめ)。あとはグリス・ボック、ライデンが数人、シュタイン・ボック、エンジェラン、ドルドレイが1人。
 サイファー、スペシネフは使い手こそ少ないものの、強い人に出会う確率は高いような気がします。バルの手数をもってしても全然弾が当たらん。
 バルは結局150戦やって1人しか出会いませんでしたが、ホントに嫌なものです。連携がいちいちバレているような気がしてならない(笑) 実際こっちも、相手のERL切り離し状況は無意識にチェックしていましたからねえ。

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2009.5.12「時事:小沢氏がいまごろ辞任」

 小沢一郎氏が民主党代表を辞任すると表明しました。
 読売新聞の世論調査で「小沢氏は辞任すべき」と解答したのが70%超だったという結果が報じられた直後の辞任表明だったわけですが、関係があるのかないのか。
 献金問題の報道が少なくなり、若干ほとぼりが冷めつつあった今になって辞任するとは、どういうことなのでしょう? 党首討論がしたくなかったのでしょうか(笑)

 いずれ、どうせ辞任するなら、献金問題が浮上した直後にさっさと辞めるべきでしたね。小沢氏が2ヶ月引っ張ったおかげで、民主党は肝心な時に分裂してグダグダになることを改めて露呈させた上、鳩山幹事長まで道連れにする結果となったわけです(生死を共にすると言った手前、どうするんでしょうね。まあ、民主の幹事長の座なんか惜しくもないか)。これでは安倍、福田と同じレベルじゃないですか。

 小沢氏がマスコミに嫌われていることはわかっていたことで、マスコミがしつこく小沢批判をしてくることは予想されたことです。そして、それが党のイメージや選挙にマイナス効果をもたらすこともわかっていたはずです。それでもあえて続投すると表明したのだから、貫徹すべきだったのです。この程度の攻勢で耐えきれなくなるくらいなら、最初から戦わなければ良かった。なぜこの程度の未来を予測できないのか。太平洋戦争の敗戦から何も学んでないじゃないですか(註・敗戦が確定しているのに降伏しないから原爆落とされた、という点を指している。そもそもアメリカと戦争すべきじゃなかった、とまでは言わない)。

 残念ですけど、今の政治家は揃いも揃ってど近眼なようです。他人の脚を引っ張り合うことに夢中で、国家の将来はもとより、自分の足元すらおぼつかない連中の集まりのようですね。
 そんな連中が舵取りしても問題ないくらい平和だとも言えるわけで、結構なことではあるのですが。

 で、次の選挙はどこに入れたらいいんでしょうね(笑)
 あんなに気楽にコロコロ総理を変えても平然としていられるような体制は絶対に潰すべきですが、民主もいい加減愛想尽きていますからねえ。……いや、民主にはもともと愛想なんかなかったから、小沢氏に対して、と言うべきか。
 個人的な感情としては×印でも書き殴ってやりたいところですが、国のことを考えて現状でベターな選択を取るとすれば、民主に入れるしかないのでしょう。とにかく、曲がりなりにも対抗馬が存在しないと、政治なんか腐敗する一方ですから。民主のやる気の無さとグダグタ感はものすごく不満ですが、政権担当能力という点で言えば自民も民主も等しくダメなのだから、どっちが取っても問題ないとも言えます。
 根本的にどうにかするならクーデターでも起こすしかないですけど、なんだかんだ言って今の日本国民の大半は現状に満足していますから、非常手段に訴える手は成功しないでしょうしね。


[2009.5.12 追記]
 やはり鳩山氏も幹事長を辞任するようですね。……当然、代表選には出馬しないと思いますが。

 今朝の読売新聞は大はしゃぎだろうなあと予想はしていたのですが、実際に届いたものは予想を超えるはっちゃけぶりでした。1,2,3,5,6,9,23,30,31面に関連記事があり、とにかくどこを開いてもこのネタばかり。9.11テロの時でも、ここまで紙面を割いてなかったような気がする(笑) たかだか野党の代表が辞任したくらいで、ここまで大騒ぎするとはね。

 読売新聞はここ数年で急激に週刊誌化してきているので「なぜか」と常々疑問だったのですが、よくよく考えれば、真っ先に文字を大きくし、一番「読みやすい」紙面作りに熱心なのは読売新聞なのですよね。つまり読売は、従来の新聞が読めない客層を相手に紙面作りをしている、と言えるわけです。自然と記事のレベルも落としていくことになる。
 実際、二週間前くらいにコンビニで日経新聞を購読したのですが、読売新聞を見慣れているとかなり字が細かい上、寝起きのはっきりしない頭では何が書かれているか理解できない有様でした。そこそこ集中して読まないと内容が頭に入ってこない。その点読売は、短時間の流し読みで充分内容が理解できます。

 私の家でまともに新聞を読んでいるのは私だけなので、できれば読売をやめて日経を取って欲しいとは思っているのですが、読売はチラシが多い上、日経の紙面には人生相談とか読者の声とか、奥様方の好みそうなゴシップページが全くないので、どうしても支持が得にくいです。
 実際、こんなにお堅くて遊びのない新聞は家庭向きではないですね。

 しかし、読売新聞と言えば、特に文学関係に力を入れている新聞でもあって、大学と協力して活字講座なんかを開いたりしているわけです。文学を支援しながら記事はゲスというのはどうなんでしょうね。


[2009.5.13 追記]
 鳩山氏は民主党代表選に出馬するようですねえ。確かに「幹事長を辞める」と言っただけで「代表戦に出ない」と言ったわけではないですが、仁義的にどうなのよと思います。

 しかし、小沢氏が辞めた途端、マスコミの麻生叩きが再開されたようで、早速、鴻池祥肇官房副長官が女性問題(と報じられていますが、正確には、私用で公共機関無料パス券を使用した問題)で辞任しておりましたね。
 職権濫用はもちろんダメではありますが、こんな事くらいでいちいち官房副長官が辞任するというのはどうなんでしょうねえ。こんなに手軽に首のすげ替えが可能なポストだったら、バイトにやらせても問題ない気さえします。


[2009.5.14 追記]
 図書館に行って、小沢民主党代表の辞任についての各新聞の取り上げ方をざっと見てきました。残念ながら13日付朝刊は軒並み他の人が読んでいたので、鴻池官房副長官の件の取り上げ方については確認できませんでしたが。

 各紙、切り口はそれぞれですが、一様に小沢氏の辞任について批判的な書き方をしています。
読売が9面にも及んで特集を組んでいたのを「はしゃぎ過ぎ」と書きましたが、他紙も結構な紙面を割いていました。一番力を入れていたのは日経だったでしょうか。

 産経はコラムで若干嫌みったらしい書き方で小沢氏を皮肉っているのが鼻に突きますが、読売のコラム、社説の露骨な下品さに比べれば全然マシでしょう(読み比べると、改めて読売の異常な下品さを再確認してしまう)。社説などはまあまあ妥当なところ。

 朝日、毎日は言及するほどの特徴はなし。それなりの分量で妥当な社説・コラムとなっています。朝日は今までどちらかというと小沢(というか民主党)を擁護するような素振りをしていましたが、さすがに今回は批判的でしたね。

 日経は、コラムでは主に西松建設の献金問題において、検察が「あのタイミング」で小沢だけを狙い撃ちしたことを重点的に言及していたので「あれ? ここまで露骨に小沢を擁護するの?」と思いましたが、特集記事の方ではかなり辛口に小沢批判をやっていました。特に朝刊1面の政治部の文章がかなりのもので、55年体制の生き残りである小沢を中心にここ20年の政界が動いてきたのは、他に有力な人材がいないからだとばっさり切り捨てた後、小沢が国民に愛想を尽かしたのは、何も変わらない政治体制(ここでは主に献金問題のことを指している)に愛想を尽かしたのだ、としています(原文が手元にないので、正確ではありません……コピー取っておけば良かったか)。
 表面的に小沢を批判した記事ではないですが、要するに今回の件で「小沢は終わった」と言っているわけで、読売の下品な記事よりよほど辛辣じゃないかと思いますね。
 日経ではその他、小沢のこれまでの軌跡を綴った特集記事を組んでいましたが、さながら故人を忍ぶかのような雰囲気を醸し出しております。日経の嫌がらせの仕方は私好みでいいですね(笑)

 比較してみると、日経は分析が冷静ですし、記事ごとに様々な切り口から分析しているため、読み応えのある記事になっている印象でした。とはいえ、読売以外の各紙も悪いわけではないです。
 読売は、あまりに露骨に反小沢・反民主ムードを漂わせた記事構成になっており、自民党支持者が「小沢ざまぁみろ!」と言って楽しむ分には構わないでしょうが、新聞として本当にそれでいいのかと疑問を感じずにはいられません。
 自民党寄りだったり、親米派だったりすることは構わないのです。そういった偏りは、割引いて読めば済むことです。ただ、度を超して下品なのは耐えられません。紙面の品位を10年前のレベルに戻してくれることを切に願ってやみません。

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2009.4.10「ギタドラ:シーズンV6開幕」

 ゲーセンにギタドラV6が入りましたので、早速ギターの方をひととおりプレイしてきました。ドラムはずっと人がいましたが、ギターはガラ空きで貸し切り状態でしたので(笑)

 新曲は、特に版権曲が結構いいラインナップになっていますね。いきものがかり「ブルーバード」、THE BACK HORN「罠」、T-Rex"20th Century Boy"と、アニメ映画繋がりの選曲からしていい感じ。筋肉少女帯の新曲「心の折れたエンジェル」や、ついに入ってしまったDragon Force"Through the Fire and Flames"と、メタル系も抜かりありません。
 Dragon Forceは2分に収めるためにかなり無理して編曲していますけどね。アウトロがばっさり切られているからちょっと違和感ありましたねー。まあ、あったらあったで最後にピロピロを弾かなきゃならんので、とても恐ろしいことになるわけですが(笑)
 今回はとにかく版権曲のインパクトが強くて、コナミオリジナルはなんとなく地味な感じに見えました。もちろん良さげな曲はいくつもありましたけどね。特に気になったのはロングの"She's the Bug "でしょうか。ベタベタのシャッフルで弾き倒す曲で、なかなか楽しいです。EXTだとイントロの譜面が初見殺しになっていて、楽しむ前に閉店しかねないのが残念なところですが。あれはヒドイ(笑)

 難易度に関しては、今回はだいたい表記の+5〜15くらいのLvだと考えて選んだ方が良さそうです。曲全体から割り出したクリア難易度を考えればまあまあ妥当な難易度表記になっているのですが、かなり嫌らしい譜面が混ざっていることが多く、それが苦手だと閉店してしまう危険があります。
 ちなみに、私は間違って「心の折れたエンジェル」O-ADV(Lv43)をプレイした時、全く気付かなかったどころか「これでLv69なら妥当なところかなー」と思ってました。プレイし終わって達成率90%台なのに12ポイント台と出た時、スキルポイントの計算式がバグっているのではないかと考えたくらいに違和感なかった(笑) もういっそ、旧譜面を一部高難度曲を除いてLvを一律1割下げた方がいいんじゃないかと思うくらいです。
 
 新曲が出きらないと確かなことは言えませんが、なんとなく今作は、赤ネームまでいかないんじゃないかなーという気がしてならないです。前作のLv60後半〜70台は、嫌らしいけど頑張れば望みがありそうな感じがありましたが、今作のはまともな達成率が出そうな気がしない曲ばかりです。これはあれでしょうか、ギタドラやる暇あったら本物ギターを練習しろという神のお告げなのでしょうか(笑)


[追記 2009.4.12]
 少し突っ込んでプレイしてみましたが、思ったより難易度表記のズレは少ないっぽいですね。初見では難しく感じても、譜面のリズムが分かってくると、それほどでもないというのが多いです。"Siren"の3連絡みのオルタや"1/n"の3連から2連への切り換え、アウトロなんかはその典型。最初見た時は「こんなのできるかー!」と思いましたが、少し練習したらあっさり繋がってしまった(笑) 少しブランクがあって、V6初見時に腕がなまっていたのも原因でしょう。
 60後半〜70台にスキル対象になりやすい曲が揃っている分、むしろV5よりスキル上げやすいかもしれないですね。"Fantasista"や"Juisy"といった超苦手譜面が紛れているのが、私にとっては厳しいところですが。

[追記 2009.4.15]
 クエストモードが解禁。今回はグランプリがなくなって、代わりにコレになったようです。一応ネットランキング対応ですが、他のプレーヤーとスコアを競うというよりは己との戦いといった側面の強いモードになっています。結構面白い感じ。
 クエストをこなす際は、なるべく旧曲スキル対象曲を選曲しているのですが、GF6th/7thの「Lv60以上でフルコンボ」で「蛹」Bass-ADVを選曲したら、12回連続で繋がらなくて若干ヘコんでおります。元赤ネームとは思えぬ失態(笑)

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2009.4.9「ゲーム:皿洗いの頂点(暫定)」

"The Dishwasher"のアーケードモード総合ランクで世界第1位を獲得しましたよ! "E4"のS4モード世界ランク1位と合わせて、これで2タイトル獲得です。
 ニッチなゲームな上に発売してまだ6日しか経っていないので、本当はこの記録にそれほど価値はないのですが、紛う事無き世界一であることも確か。世界一ですよ世界一。素晴らしく甘美な響きではありませんか!
 こんなこともう二度とないかもしれないから、さっさと記念撮影して自慢しまくりますよー(笑)


↑"The Dishwasher"アーケードモード総合ランキング


↑ついでに"E4"S4モードランキングの画像も再録。現在もタイトル保持。さすがにコレを破ろうと目論む暇人は現れなかったようだ(笑)


 とはいえ、この30億越えスコアは結構頑張らないと抜けないはずです。私も当初、当時26億という1位のスコアを見た時、バグかチートだろうと思っていたぐらいですから(笑) アーケードモードは全50ステージで、総合ランクはその合計スコアで競うわけですが、どう頑張っても1億越えるステージは2つ程度、ほとんどのステージは2千万もいかないものばかりで、25億越え(平均5千万)は物理的に無理に思えたのです。
 なので、最初はトップランカーを目指す気は全くなく、とりあえず10億突破して50位以内に入ればいいやと思っていました。一時期36位に付いて、その時点でスコアアタックをやる気はもうなくなっていたのですが、2日放っておいたら40位台に転落し、それはマズイということでちまちまスコア詰めしている内に、なぜかこのようなことになっておりました。まさかバグと思っていたスコアを軽く越えてしまう日が来るとはね(笑)

 今の31億というスコアは、現状ではほぼ限界です。1つか2つ、他のプレーヤーが実践していて、私が理解していないスコア詰めのテクニックがあるようなのですが、それがわかれば、あと5億くらい詰められるはずです……が、全然わからん。


[追記 2008.4.10]
 この雑記を書いている間に世界2位に転落していました。2位から5位くらいに転落してもあまり気にならないものですが、1位から2位はものすごく気になるものです(笑)
 もう上がらねえよ! と泣き言を言いつつ詰め直した結果がこちら。



 別に三味線弾いていたわけではなく、一時は本当にもう限界と思っていたのですが。競争相手がいると限界を超えたパフォーマンスが繰り出せるということなのでしょうかね。
 ……というか、よく見たらプレイしていないステージがありました。マルチプレイでクリアしたまま放ったらかし(笑)


[追記 2008.4.10]
 1位になったら早速、知らない人からお祝いのメールやフレンド登録、協力プレイの申し込みが何件かやってきました。
 その中で、アーケードモードをクリアするための手伝いをやったのですが、別れ際に"good hunting(良い狩りを)"などと小粋な別れ際の挨拶メールを送ってみたら、「ありがとう。けど、君の方がうまいよ」という感じの返事が返ってきました。
 えっ、この挨拶通じないの? と思ってよく見たら、その人はドイツ人だったのですねえ。世の中奥が深いぜ。

 ちなみに私がこの挨拶を覚えたのは『オブリビオン』で、確か闇の一党の人(盗賊ギルドだったか?)がそんな言葉をかけてくれていました。いつか使おうと思っていたのさ(笑)

[追記 2008.4.12]
 ギタドラやっている間に抜かれていました。これぞまさしく三日天下(笑) 山崎に布陣して最後の抵抗を試みることもできますが、ギタドラの他、そろそろバーチャロンも出てきますから、ここは潔く後事を託して王座を辞することにしようと思います。

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2009.4.6「雑文:デイドリーム水族図書館」

 こんな夢を見た。
 水族館か博物館のように、展示物がガラスケース越しに見られるような作りになっている通路で、なにやら数人が国家体制のあり方について口論していて、それを取り囲むように人だかりができている。天皇とか憲法とか、いろいろ面倒くさそうな単語が端々に聞こえてくる。展示物よりもそちらの方にみんな興味津々という感じ。むしろ、それを見にここに来ているという雰囲気すらある。で、私は見物客に混ざってそれを見ている。
「いやー、なんか激しいですねー。やる気満々というか」
 私の左隣の人がそう言うと、右隣の人が答える。
「天下国家について人前で議論するような連中は、みんな若いからね。頭を見てごらんよ。みんな黒いだろ」
 そう言って、小馬鹿にしたような、ちょっと羨ましそうな調子で笑う。見るとその人は白髪で、ちょっとボサボサ。服装は縦縞の背広にメガネをかけていて、世間に免疫のなさそうな、無警戒丸出しの顔つきでニコニコしている。いかにも学者らしい。
 その内口論はますます激しくなって、ついにはお互いの主義を演目で主張し合うことになった。
 まず、黒服のコーラス隊が、天皇を中心とした国家主義の重要性を歌でアピール(この頃には、いつの間にか場所は会議室のようなアリーナのような、ともかく広いところへ移動している。夢だからその辺いい加減)。ドスの効いた歌でも歌うのかと思っていたら、意外に現代的な軽い感じのやつで拍子抜けする。
 次に全身青タイツの女性ダンサー隊が整列し出す。
「これこれ。これは見物だぜ。これのためにここまでやってくる奴もいるくらいだからな」
 誰かが言うのが聞こえる。定期的にやっているのだろうか。
 青タイツ隊はうねうねと波を表現しながら、海の大切さを中心に、環境問題について歌い出した。確かに気持ち悪いくらい息のあったダンスである。うねうねダンスはそのうち徐々にギャラリーの方に近づいてきて、最後には私の足元で全身青タイツがうねうねしているという状況になってきた。なんとなく身の危険を感じたので、その場を離れることにする。
 先ほど彼らが主張していた内容に関していくつか調べたいことがあったので、私は本棚で資料を探すことにした。水族館かと思っていたら、図書館だったらしい。
 その図書館では本が一冊一冊プラスチックのワイヤーで吊されていて、ワイヤーをハサミで切らないと読めなくなっている。私は慣れた手つきでワイヤーを次々に切り離していく。一気に切り離すと本棚一段分、一気にどさっときれいに棚に並ぶ(つまり、普通の図書館のような状態になる)。それをうまくできるかどうかが、図書館の常連のステータスなわけである。
 隣の棚の方で、一人ワイヤーが切れなくて困っている人がいたので、私はついでにそちらの棚も切り離してあげることにした。
「こうやって、下の方をすっと切り離していくのがコツなんだよ。これができるようになったら一人前なんだ」
 などと説明しながら次々とワイヤーを切り離していく。切り離したワイヤーは、本棚の下に取り付けられた、チラシで作ったゴミ箱に捨てることになっているのだが、何段も一気に切り離したため量が多いので、持っていたナップサックに一時的に入れておくことにした。
 隣でワイヤーを切っている人がいたので、ついでにどうですと声を掛け、その人のワイヤーもナップサックに集める。
 ある程度集まったところでナップサックをひっくり返し、ゴミ箱にワイヤーを捨てていると、突然係員が走ってやってきて、私の頭を開いた辞書で殴った。
「家庭のゴミを捨てないで下さい!」
 見ると、ナップサックには鼻をかんだあとのチリ紙などが少し混ざっていた。それのことを言っているらしい。
「いや、これくらいは見逃してくれないですかね」
「何甘えてるんだ!」
 さらに本で叩かれる私。
「ダメなものはダメですよ。ルールは守ってくれないと!」
「この程度のゴミまでダメだって言うなら、最初からゴミ箱なんか置かなきゃいいでしょ」
「屁理屈をこねるな!」
 そのうち、上役の人がやってきて、何事かと事情を尋ねてくる。私は簡単に状況を話す。しかし、その上役は聞くだけ聞いて何も決断しようともせず、ただ唸っているばかり。だんだん私も腹が立ってきた。
「だいたい、たかがこれだけのことで、二回も頭を叩くなんてどうかしてますよ。傷害罪で訴えてやりますよ」
「それならこっちも訴えてやるよ。勝手にゴミを捨てたんだから!」

 ……夢なのでオチはありません。

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2009.3.29「時事:鳩山幹事長が漢を見せた!?」

 小沢民主党代表が続投すると宣言してから数日。そうは言っても、成り行き次第ではやっぱり辞任するんだろうなと思っていましたが、どうやら今日テレビ番組で鳩山幹事長が、小沢と生死を共にすると宣言したそうですね。
 飯食っている時にニュース番組で知ったことなので、実際にその番組を見たわけではありませんが、久々に政治関連ニュースでシビレました。というか、初めて民主党議員を見直しましたよ(笑)

 まさかあの鳩山氏が、あれだけ危うい立場にいる小沢氏と連帯責任を取ると明言するとは予想外でした。民主党なんてヌルい寄せ集めの負け犬集団で、何ひとつ責任を取ることのできない連中ばかりと思っていたのですが、こんな浪花節な宣言のできる議員がいたとはね。ロッキード事件の「刎頸の友」を思い出します(不吉)。

 民主党にしてみれば、小沢氏を切った方が選挙では有利そうに思うのですが、結局切らない方向に向かったのはどういうことなのでしょう。切らない方が有利だという判断なのか、小沢氏の影響力が強すぎて切りたくても切れないのか。
 いずれ、マスコミはどうしても小沢を辞めさせたいらしく、週刊誌など「さらば小沢!」という無個性な見出しで各誌いろいろキャンペーンをやっていますから、是非ともこのまま小沢を総理大臣にして、マスコミどもに嫌な思いをさせてやりたいですね(笑)
 しかし、このままいくとマスコミとしては次の選挙は最悪ですね。麻生と小沢じゃ、どっちに転んでも嬉しくないという。どっちでもいいから降ろそうと、なりふり構わずやってくるでしょう。私は麻生総理を支持しているわけではありませんが、こうなったら意地でも衆議院選挙まで耐えて欲しいものです。なんだかちょっと面白くなってきました。

 それにしても、ダーティな小沢を唯一擁護しているのが朝日新聞というのがなんとも皮肉です。おそらく「敵の敵は味方」ということで小沢を擁護しているのでしょうけど、本来朝日と小沢は意見がかみ合わないと思うのですよね。共通するのはアメリカ絡みの批判部分だけじゃないですかね。

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2009.3.29「雑文:朝の料理実験教室」

 朝飯を何にするか考えていたら、唐突にキャベツハンバーグを作ってみたくなる。
 キャベツハンバーグとは『ミスター味っ子』に出てくる料理のひとつで、ひき肉を使わず、キャベツと玉ねぎと小麦粉でハンバーグを作るというもの。野菜嫌いの後輩にこっそり野菜を大量に食べていただくために考案された料理です。
『ミスター味っ子』には肉を使わないハンバーグが3つ出てくるのですが、そのうちのひとつ「納豆ハンバーグ」をむかし作ったことがあって、とても切ない気分になったことが思い出されます。もうひとつ「豆腐ハンバーグ」というのがあるのですが、再現するのが大変なので試したことはありません。

 で、キャベツハンバーグなのですが、具体的には、キャベツと玉ねぎを同量みじん切りにして油で炒め、それに牛乳、小麦粉、バターを加えて混ぜ混ぜ。粘り気が出てきたら小麦粉をまぶして焼いて出来上がり、となっています。
 普通のハンバーグと食べ比べても区別が付かない味わいなのだそうですが、実際どうなのでしょう。

 昼や夜だと家族の目があるので変な料理をするのは気が引けますが、明け方ならみんな寝ているわけで、絶好の機会です。早速作ってみることに。

 漫画には細かいレシピは書いていないので、分量は適当にやることになります。基本的には漫画に書かれている通りにやりますが、多少アレンジしてみました。

1.玉ねぎ、キャベツ、にんじん、にんにくをみじん切りにする。
2.にんじんにラップをかけてレンジで軽くチンする(火が通りにくいので)。
2.油をひいたフライパンでにんじん、玉ねぎ、キャベツを炒める。
3.ある程度火が通ったところでにんにくを入れ、塩こしょうで下味付け。
4.よく火が通ったところで引き上げ、ボールに移して小麦粉、卵、牛乳、ナツメグ、マーガリン(バターが無かったので代用)、チーズを入れて混ぜ混ぜ。
5.漫画では小麦粉をまぶして形を整えることになっているが、私は形なんか気にしないのでこの行程は飛ばす(笑)
6.油をひいたフライパンで両面を焼いて出来上がり。

 ソースはケチャップ、とんかつソース、焼き肉のタレを混ぜてレンジで暖めて作成。赤ワインなどあるともっと良かったかも。

 さてさて。完成形にソースをかけてみると、確かになんとなーくハンバーグっぽく見える形にはなりましたよ! 味の方はどうでしょう。
 一口食べて感動しました。おお! これはまさしくアレですよ! お好み焼き(笑)

 なんというか、洋風お好み焼きって感じですね。普通のお好み焼きとは違った独特なうまさです。アレンジで入れてみたニンニクとにんじんが結構いい感じで風味を出しており、粉モノとしてはなかなか新鮮かもしれません。
 しかしですね。粉モノはどこまで行っても粉モノなわけで。さすがにコレをハンバーグと勘違いして食べることはできないですねー。油っ気に関しては、たとえばアボカドを入れるとかすればある程度ごまかせるんじゃないかと思うのですが、牛肉独特のボソボソした食感はどうやっても再現できそうにありません。今回はにんじん入れて多少はごまかしていますが、やっぱり歯ざわりが全然違う。
 まあ、コレはコレでおいしいですし、最初に野菜のシャリシャリ感が消えるまで炒めてますから、野菜が嫌いでも結構食べられる料理ではあると思うのですが。

 野菜を使ったハンバーグを作りたいなら、野菜を入れた分ひき肉を減らして、普通にハンバーグを作った方がいいんじゃないかと思いますね。肉ゼロだとさすがに違和感ありすぎます。


 余談ですが、みじん切りを炒めて塩こしょうを振った時点で結構うまそうな香りがしますので、余計なことをせずそのまま食べる方が、手間もかからず幸せかもしれません(笑)

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2009.3.26「パソコン:ブラウザを乗り換える」

"Internet Explorer"の8がリリースされたので更新してみる。"IE7"より処理が早くなっているのが一番のウリらしいので期待したのですが、実際に起動してみると、むしろ遅くなっているような。起動するにしろページを表示するにしろ、いちいち7より遅い。タスクマネージャを開いてみると、なぜか複数起動しているし、なんだかOS自体が不安定になってくるし、いいことひとつもない。ついでに、ページからリンクを辿って新しいページを開くと、タブに派手な色が付くようになっていて非常に気持ち悪い。この仕様を考えた人の色彩センスを疑います。
 ともかく、こんなブラウザ使っていられないので、別のやつを探すことにしました。

"IE7"は他のブラウザと比べると処理が重いそうですが、私は使っていて気になることはありませんでした。"IE7"登場当時、私は"Sleipnir"を使用していたのですが、取り回しのいいインターフェイスだったので乗り換えたくらいでした。
 ちなみに私のブラウザ遍歴は"JustView"→"Opera"→"Sleipnir"→"IE7"。IEを主力で使ったのは7だけだったりします。"Mozilla"は"JustView"の後釜を探す時に試したことがありますが、いらんものがごちゃごちゃと付いてくるのが好かなくて、すぐ削除。"Opera"は割と愛用していて不満もなかったのですが、ライブドアが関与した頃に気に入らない変更が入って使うのをやめたように記憶しています。具体的に何だったか忘れましたが。

 とりあえず"Sleipnir"を再びインストールしてみましたが、さすがに"IE7"の楽チン設定に慣れてしまった今となっては、カスタマイズ幅の広い、逆に言えば煩雑な"Sleipnir"の設定をいちいち自分好みに修正していくのは億劫でした。できれば面倒な設定なしで、理想的なインターフェイスになっているのが欲しいところ。
 何かないかと調べていたところ、Googleが"Google Chrome"というブラウザをリリースしていることに気付きました。試しに使ってみると、とにかく動作の軽快さに驚きました。起動にしろページ表示にしろ、何をするにも信じられないくらい速い。
 インターフェイスは独特で、少し慣れを要しますが、特にブックマークと検索の取り回しの良さは抜群。単語をドラッグして右クリックするだけでGoogle検索できたりします。この辺はさすが、検索サイトを運営しているだけあります。

 欠点は、他のブラウザに比べて履歴の取り回しが面倒なこと。新しいタブを開いて「履歴を表示する」をクリックするか、右上にある設定アイコンから「履歴」を選ばないと表示されません。この辺は、タブの左にあるアイコン一発で表示される他のブラウザの方が使い勝手がいいです。
 あと、設定項目が少なすぎるのが気になるところでしょうか。クッキーや一時ファイルを削除する項目がないのが若干不安です。また、セキュリティ設定を細かく調整することができないのも不安。何らかの対策はされているのでしょうけど、なんとなく脆弱そうな印象を受けます。こちらでいじる必要が少ない分、扱いやすいのも事実ですけどね。

 不満がないわけではないですが、結構気に入ったので、しばらくこれをメインで使おうかと思います。というわけで"IE8"は即刻削除。

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2009.3.19「時事:総理を巡るメディア権力抗争」

 Amazonを覗いてみると、売れ筋本コーナーの中に麻生太郎『とてつもない日本』が入っていました。
 確か2年前くらいに出た新書で、「マスコミによって日本は悪いイメージを植え付けられているけど、本当は日本はとてつもない国なんだ! 日本人はもっと日本に自信を持っていいよ!」という類の内容です。内容としてはそれほど濃くもなく、目新しい話もないのですが、この手の本にありがちな「いまこそ皇国の復興を!」などと叫ぶような過激さはないので、読んで害になることもありません。まあ、自信喪失した日本人が読んだら元気になるかもしれない本、といった感じですかね。今更注目される理由は思いつきません。

 きっと何か理由でもあるんだろうと思って調べてみたら、2ちゃんねるで購買運動があったのですね。なるほど。
 マスコミで麻生叩きが行われているのに対抗しようという試みだそうですが、メディアを使って人々を扇動して運動を起こすのですから、結局やっていることがマスコミと同じなんですよね。首謀者が不明である分、マスコミよりも質が悪いとも言える。
 マスコミとネットは何かと仲が悪いですが、それは結局、どちらも情報発信メディアだからです。特にテレビ・新聞とインターネットの情報伝播力は現在のところ拮抗しており、つまりは真っ向からのライバルなわけですね。構図としては与党と野党の叩き合いと大差ありません。自民(テレビ)・公明(新聞)党と民主(ネット)党……とルビを振ると、そのまんま当てはまるような気が(笑)

 今回の騒ぎで思ったのですが、ネットで麻生総理が支持される理由は、麻生総理のマスコミ嫌いにも関係があるかもしれません。『とてつもない日本』もマスコミ批判の側面のある本でしたし、麻生総理は「テレビは観ないし、新聞は読まない」と公言したことすらあります。さらには総理になって間もなく、衆議院解散時期の一件以後、マスコミと対立することになるわけです。
 つまり、麻生総理は自民党の代表というよりは、もはや反マスコミの代表であると言えるわけです。だからネット派は麻生を支持し、マスコミはそれを叩く。自民党べったりの読売新聞ですら、麻生総理には手厳しい記事が多いので「なぜか」と常々疑問だったのですが、麻生総理は、政党政治を越えてマス・メディアの権力闘争の象徴となっているのだ、と考えると俄然納得がいきます。

 まあ、こんな争いに意味はないので、どっちがどうなろうと構わないですけどね。


 余談ですが、私も麻生総理じゃないですが、ニュースをあまり読まなくなりました(笑) 新聞は前のように毎日は読まなくなりましたし、読むにしてもかなり端折るようになった。ネットでも、ニュースサイトやプログに目を通すのは稀ですし。
 なんというか、情報は必要な時に必要なだけ集めればいいもので、毎日機械的に集める必要はないんじゃないかと思うようになってきたんですよね。大きな事件なら何日にも渡って報道され、ブログや個人の日記サイトでも話題になりますから、いつでもその情報は手に入りますし。むしろ数日置いた方が情報が整理されていて処理しやすいですしね。


[2009.3.26 追記]
 ちなみに小沢はというと、マスコミ嫌いな上に田中派の生き残りのため、マスコミからもネットからも嫌われております。特に田中派=中国寄りかつ保守勢力というイメージが曲者で、このために右翼からも左翼からも嫌われるわけです。
 もともと田中角栄が中国寄りの外交を行ったのは左翼的な思想からではなく、アメリカに従属する体制から抜け出すための布石だったのですが、現在の右翼は中国嫌いなために支持されないのです。
 というか、今の右翼・左翼という言葉は、主義がどうという問題ではなく、単にアメリカ寄りか中国・韓国寄りかを指す言葉に過ぎないですね。ほとんど形骸化していると言える。

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2009.3.17「時事:定額給付金に見る幸せな社会の図」

 時事というにはちょっと遅すぎる話題ですが、何かといろいろ揉めていた定額給付金、結局可決されたようですね。ニュースで村長自ら各家に給付金を配りに行く映像が流れていましたが、あれを見るとなんだか、合法的な賄賂に見えてしょうがなかったです(笑) まあ実際、自民党イメージアップのための制度以外の何者でもないわけですが。

 定額給付金とは、集めた税金を返還する制度です。今回の給付金の財源が何かは知りませんが、消費を促すために返還したのですから、妥当に考えれば消費税なのでしょう。つまり、一旦集めた消費税を国民に返還した、と言い換えることもできるわけです。
 金持ちにも貧乏人にも同じ金額を渡すのは不公平だ、という議論が一時期ありましたが、考えようによっては、これほど簡単かつ公平な返還方法はない、とも言えるわけです。普通に考えて、金持ちの方がより多く税金を納めているはずです。しかし、戻しは全員同額です。つまり、集めた税金を返すだけで、その分の富が平たくなるのです。

 つまり、ですよ。今回の定額給付金、一回限りと言わず、毎月1人あたりいくら返還するという形で制度化すれば、結構公平な社会が構築できるんじゃないでしょうか。いっそ消費税は全額返還するようにすれば、当初言われていた「消費税は福祉のために使う」という話(誰も信じてないし、実際嘘だろう)を単純かつ簡単に実現できるような気がします。消費すればするほど貧しい人にもより多く給付金が行くわけですから、ただたくさん買い物をするだけで福祉に参加できるわけです。日本社会にぴったりの制度じゃないですかね。これなら、いくら消費税が上がっても文句は出ないでしょう。結局、国民に返ってくる金ですから。

 集めた税金を官僚どもが好き勝手に使うから問題が生じるわけで、いっそ機械的に返した方がよっぽど簡単で世のためになるわけです。姑息な公的賄賂制度に陳腐化させないで、もうちょっと真面目に確立できるように考えてもらえないでしょうかね。もし本気で取り組む気があるなら、断然、麻生内閣を支持するんですけど。

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2009.3.8「時事:久しぶりに政治家らしい事件」

 民主党の小沢党首の秘書が、裏献金疑惑により特捜部に逮捕されました。
 企業から献金を受けること自体は問題ないのですが、虚偽の申告をしたり、見返りに権力を使っていろいろやったりすると違法になります。今回の場合、ダミー団体を間に挟んで、西松建設からの献金の出所を隠していたことが問題となっているわけです。
 つまり今回の問題は、西松建設→ダミー団体→小沢事務所という金の流れを、秘書や小沢が知っていたか否かが焦点なわけです。当然秘書も小沢氏も「知らなかった」と言うわけですね。それで押し通せるかどうかが全て。

 私は、政治家の裏献金問題は重要視していません。むしろ、裏金に手を付けてない政治家なんて政治家として失格だと思っています。なので問題としてはどうでもいいのですが、これが次の選挙に影響してくるのか、民主党が党首を変えるのか、については興味のあるところです。

 今回の特捜部の動きは、おそらく自民党の策略なのでしょうけど、そうだとすれば、かなり切羽詰まっている感じが見て取れます。この手のネタはむしろ自民党議員の方が多く抱えているはずなので危険ですし、その上、やりすぎて小沢氏が党首から降りてしまうと、かえって自民党は不利になるかもしれないのです。小沢氏は人気ないですし、民主党のダーティなイメージを一手に引き受けて引退してしまったら、自民党としては大打撃になる可能性もある。
 リスキーな上に効果のほどは微妙という策ですが、それでも実行せざるを得ないところに自民党参謀本部の苦しさがある。民主党党首を叩く格好の材料がぶら下がっていながら、自民党議員のトーンが一様に低いのが印象的です。むしろ、自分はやっていないと弁解する方で忙しい感じ。

 いずれ、次の支持率調査は大いに楽しみです。麻生政権支持率が大幅回復したら笑いますけどね。


[2009.3.10 追記]
 なんだか絶妙なタイミングで新聞各紙の支持率調査がありましたね。読売新聞の結果しか見ていませんが、小沢支持は下がったのに、未だに麻生支持よりは高いという結果。自民寄りの読売の結果でコレだから、他の各紙もだいたい似たようなもんでしょう。マスコミや政治家の間で騒がれているほどには国民の中でこの件は盛り上がっていない感じがします。
 そもそも、今の政治不信は政治家のダーティさから来ているのではなく、政治家の無能さ加減から来ているのです。どっちがよりダーティかで争っても、あまり意味がないんですよね。どちらがよりおりこうさんなのかを競って欲しい。

 今回の事件は自民党の二階派の方にも飛び火してきており、なかなか面白くなってきました。もともと二階氏と小沢氏は近い立場にいた人達ですから、まあ、こうなりがちですわな。二階氏を小沢氏より先に辞めさせることで、自民のイメージアップを図る作戦に出るのでしょうかね。それほど効果はないと思いますが、やらないよりはマシか。
 それよりも個人的に注目しているのは、読売新聞がこの件をどう扱うか、なのですが(笑)

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2009.3.6「ギター:弦を張り替えるぜ!」

 エレギタの弦が切れました。買って半月くらいは毎日のようにチューニングがおかしくなり、弾く前に毎回合わせていたのですが、最近はずっと合ったままになっていたので、そろそろ弦の張りがなくなってきたのかなーなどと思っていた矢先に、5弦がブリッジ側でぷっつりと。

 初心者セットの中に替えの弦が1セット入っていたので、説明書を読みながら張り替え作業。
 しかし、さすがに初めての作業だけあって、様々な不手際が続出。まず、古くなった弦をニッパーで切ろうとするのですが、手持ちの100均ニッパーではなかなか切れません。どうも、鉄弦切るための強力なニッパーが必要らしい。
 さらに、弦を切る時に、何気にブリッジぎりぎりで切ってしまったためにボディの中に弦が残ってしまい、これを取り出すのにめちゃくちゃ苦労しました。
 挙げ句に、ペグに弦を巻き付ける時に弦を短く切りすぎてしまい、4弦の長さが足りなくなるという致命的な事態に(笑)

 そもそも、この説明書というのがあんまり親切じゃないんですよね。一見詳しく書いているように見えて、肝心な所が省略されていたり専門用語で書かれていてよくわからなかったり。やる前に読んで「なるほど」と思っても、いざやってみた時に「あれ? ここどうするの?」と思って説明書を読むと、結局よくわからないという。

 これじゃいかんので、ネットで巻き方を調べてみる。
 いくつか調べたものを総合すると、

 1.ペグの穴に弦を通して、引っ張る。
 2.引っ張ったらペグとペクの間2つ分くらい余裕を取って(たとえば6弦を張る場合、4弦のペグを参考に長さを取る)、弦を折る。
 3.折ったところからペグの回すやつのない方(ストラトタイプだと時計回り)に半周巻いて、弦の下側に通す。
 4.通した弦を上に持ち上げ、反対側に引っ張り上げる(弦自身を下から上へ半周巻いてやる形になる)。
 5.ペグを回して弦を巻いていく。
 6.余った弦は切ったり巻いたりしておく。

 巻き方はギターによって若干違いがあるみたいなので、鵜呑みにせずに自分で確認した方が良いかと思います。
 2の余裕の取り方で弦のテンションが変化するそうで、余裕が多いとテンションが上がり、少ないと下がるのだとか。ギターによってはブリッジの方でも調整できるらしいですが、具体的にはよくわかりません。


 やり方は分かったものの、肝心のスペア弦を今しがたダメにしてしまったばかりなので、買いに行くことに。
 今回買ってきたのはエリクサーのナノウェブ、スーパーライト(.009-.042)。価格は1500円。

Q.なぜ弦の巻き方もよく分からん初心者が、普通の弦の倍もするやつを買うの? 身分相応に安い弦にしとけよ。

A.エリクサーだから。

 だって、エリクサーですよ! 不老不死ですよ! 賢者の石ですよ!! まあ、あまりにも貴重品過ぎて使うのがもったいなく、結局ラスボスまで使わないという宝の持ち腐れになることが多いですが(何の話だ)。つまり、名前買いしたのね。
 あと、ホームセンターで強力ニッパーを買ってきました。どの程度のものを買えばいいのか分からなかったのですが、ピアノ線が切れるということで、フジ矢の強力ニッパ No.70 150mmを選択。2300円もしましたが、さすがに効果絶大で、6弦を苦もなく切ってしまいます。

 今度はあまり失敗することもなく(ペグに巻かれた弦が、本来はペグとは逆側から出てこなければならないのに、ペグ側から出ている。具体的には、5弦が6弦のペグと接触しそうになっている。3の時に逆に巻いたのかもしれない。もうやり直し効かないし、今のところ問題ないのでそのままにしている)、張り替え完了。

 チューニングして早速弾いてみて、驚きました。明らかに音が違う。今までは湿っぽいくぐもった音だったのが、かなり明るく乾いた音になっているのです。
 これは単に新品の弦だから、というわけではありません。初心者セット付属の弦も、4弦以外は張り替えの練習がてら全部張ってチューニングして弾いてみたのですが、古い弦とそんなに音質に差はありませんでした。つまりこの音の差は、初心者セット付属のメーカー不明弦とエリクサー弦との差なわけです。
 というか、このエリクサー弦の音は、私がまさに欲しかった音じゃないですか! 弾く人の腕は据え置きなのに、これぞロックといった攻撃的なサウンドがバリバリ鳴りますよ! オーバードライブかけてミュート奏法で弾くと、どうもはっきりしない音が出るので、エフェクター買わないとダメなのかなあと思っていたのですが、弦変えるだけでこうも音が変わるとは思いませんでしたね。なんだか俄然やる気が出てきました(笑)

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2009.3.3「ゲーム:コヴナントの青い巨星」

 2月から3月にかけて、Xbox360では注目のタイトルが多数リリースされます。RPGからアドベンチャーまでジャンルがバラけているので、360ユーザーはひとつくらいは買うんじゃないでしょうか。

 私が買ったのは、もちろん"Halo Wars"ですよ! Xboxの看板タイトルの名を冠している、という意味ではメジャータイトルのひとつですが、本来の"Halo"シリーズはFPSで、こちらはRTS。つまり、主観視点シューティングアドベンチャーとリアルタイム戦術シミュレーション。全然別物です。"Halo"というだけで買って失敗した人が続出したことでしょう(笑)
 私は逆に"Halo"シリーズをプレイしたことがなかったので、一応予習としてXboxの"Halo"をプレイしておきました。あんまり好きなタイプじゃなかったです。FPSは"COD4"が面白かったなあ。あとは『クライムクラッカーズ』……懐かしい。

 初心者向けにかなり簡略化されたゲームなのですが、簡略化されている分展開がめちゃくちゃ早くて、チマチマ基地の設備など充実させていたらあっという間に負けます。とにかく速攻で攻めて相手にプレッシャーをかけ続けないといけない。初心者仕様のはずか、かえってRTS慣れしていないと厳しい仕様になっている気がします。

 私はどちらかというとスロースターターな戦術が得意なのですが、得意不得意とか好き嫌いなど言っていたら対人戦では勝てません(笑)
 というわけで、マルチプレイでは速攻が得意なコヴナント軍(エイリアン軍)のボス、基地・大型ユニットの破壊が得意な「悔恨の預言者」でプレイしております。本編では偉そうにしているだけでちっとも前線に出てきやがらない野郎ですが、私が操作する預言者は解放戦線の勇士そのもの(笑)

 始まったらすぐに神殿を建てて預言者を召喚。浄化(宇宙戦艦から目標に向けてビームを照射する預言者固有技)のアップグレードをしつつ、預言者様御自ら敵陣を偵察して、落ちている資源を回収しつつ、防備が薄かったら適当に高そうな設備を壊し、タレットを建てていたら壊し、2つめの基地を建設しかけていたら壊し、怒った敵が反撃してきたらワープで逃げるという地道なゲリラ作戦を展開。さすがに預言者一人では厳しいので、エリート儀仗兵やバンシーを作って待機させ、適時、預言者の防衛に向かわせます。
 敵の防衛部隊が増えてきて、どうしようもなくなってきたところで引き上げ。ようやく本格的な基地の整備を行います。

 これをやると自分の基地の整備速度が著しく遅れます。他の味方プレーヤーが基地を2つ3つ建てている頃、こっちは未だに1つという状況はザラにあるので、「本当に大丈夫かいな」と不安になるのですが、今のところ、ゲリラ活動をした時の方が勝率はいいです。
 敵の状況は見えないので、どの程度の嫌がらせになっているのかよく分からないのですが、勝ってるということは効果はあるってことなんでしょうね。多分。

 この戦術の欠点は、ユニットの消耗が激しいので評価が低くなってしまうことです。ろくにアップグレードも数も揃ってない内から駆り出されるので、ほとんど生還しない。運良く生還しても、ろくすっぽ修理もしないうちにすぐ次の襲撃に使われる。一度、他の味方プレーヤーの損耗率が10%〜20%くらいなのに、自分だけ95%という時があった(笑) 敵の撃破数もダントツトップなのですが、撃破数と損失の割合で評価が下されるので、結局は評価が低くなるという。
 個人的には損耗の激しい作戦は大嫌いなんですけどね。ユニットの使い捨てはダメですよ! もっと人材を大事にしろっ!
 ……戦術と戦略は相反するものです。


[追記 2009.3.5]
「本当に大丈夫かいな」と思っていたら、大丈夫じゃない事態に遭遇しました。いや、戦術的に失敗したのではなくて、私の戦い方にボイスチャットで堂々と文句付けてきた味方が現れたのです(笑)

 現在、多くのプレーヤーは、早期に2つ目の基地を建造する作戦を採っています。最初の基地をアップグレードして育てるよりコストがかかりますが、2つの基地を平行して育てた方が、将来的には有利になります。
 そこで私は、あえて流行に逆らって2つ目の基地をすぐには建てず、その分を軍事力に回して敵の2つめの基地を潰す戦術を採っているのです。
 敵の基地をひとつ潰しても、私自身も1つしか建てていないので、基地数だけ見れば五分五分ですが、その実、敵の被害は甚大です。作戦計画を阻害され、先制攻撃を喰らったことによる心理的動揺を受け、その上自陣の守備状況をある程度晒してしまっています。
 対して、こちらは完全に計画通りに事を運んでおり、陣容に関する情報は漏れていません。

 問題は、味方から見た時、私の軍備を整える速度がトロく見えることです。こちらからは敵の状況は見えないので、無理して前線基地ひとつ潰したことに、どの程度の意味があるのかを理解できない可能性があるわけです。
 RTS慣れしているプレーヤーなら、先制攻撃の有効性は身をもって嫌と言うほど味わっているので、私が何をやっているのかは理解してくれるでしょう。しかし、RTSがほとんど流行していない日本、しかも家庭用版、さらには"Halo"という全く違うジャンルの名を冠したゲームであることを考えると、作戦の成功云々よりも、味方の視線の方がむしろ脅威になりそうだな……とは薄々感じていたのです。

 いやー。見事なものでしたね。私が前線に軍隊を集結させていると、「何やってんの!」きっちり基地を破壊した(単に潰すだけではなく、わざと物資パッドを2つばかり作らせておいてから潰すという念の入れよう)後もグチグチぶーたれており、しまいには「こいつ足遅い」「こりゃ負けるわ」などと言い出す始末。あまりにも懸念がそのまんま的中したのでさすがに呆れましたね。
 ちなみに、さんざんバカにした割には、「偵察行け」とか「タレット壊せ」などと私の兵力をアテにしまくった発言を繰り返していました。私が本当に戦力的にアテにできないと思うなら、自力でやれるように工夫したらいいのに(笑)

 その時は3VS3だったので、もうひとり味方がいたのですが、関わり合いたくないと思ったのか、一人で黙々と軍備を蓄え、逆サイドから侵攻しておりました。救援要請に一切応じなかったところを見ると、きっと彼も呆れ果てていたのでしょう。それでもゲームを捨てないで、きっちり自分の仕事をこなしていたのは偉かったなあ。
 いばりんぼう司令官、最後に残ったプロ根性をかき集めて義務的に仕事をこなす参謀、見限って勝手にやっている将軍と、こちらの内情はひどいものでしたが、敵から見れば両サイドからの熾烈な同時攻撃を喰らっていたわけです。華麗なチームワークに恐怖したことでしょう。世の中わからんものですな。

 というわけで、勝ったのは勝ったのですが、精神的ダメージはでかかったです。味方の機嫌を損ねないように作戦指揮を執るなんて、馬鹿馬鹿しいにもほどがある。チームプレイはやらないことにしました。

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2009.2.26「安部公房『砂の女』」

『山椒魚』を返しに行った折、図書館で安部公房『砂の女』を借りる。
 手に取った理由は特に何もなかったのですが、よくよく思い返すと『山椒魚』に感じた物足りなさを埋めるため、かもしれないです。

『砂の女』は初めて読みましたが、なるほど、安部公房の最高傑作と呼ばれるのも頷けます。得意の不条理物で、村人に騙されて砂漠の崖下の家に放り込まれ、砂掻きを強制させられる男の話なのですが、状況設定や心理描写に結構なリアリティを持たせており、ある種SFのような趣のある作品です。安部公房はカフカのような作品ばかりかと思っていましたが、こういうのもあったんですね。

 文句の付けようのないくらい完成された作品なのですが、その完璧さが鼻につくのも事実です。不条理物のくせに、あまりに律儀に文学的符丁を付け過ぎなんですよね。安部公房の作品全般に言えることですが。
 砂漠に住む新種のハエを見つけて半永久的に名を残したい主人公が、逆に砂漠に住むようになってしまったり、カラスを捕まえるための罠が、逆に主人公を捕まえたり。この作品は一見不条理物ですが、その実ものすごく理論的に組まれた作品なのです。前衛的に見えて、実に古くさい。そして、その構成の盤石さが「砂」というテーマとミスマッチしているのです。
 実際、この村は砂の上に安定して存在しており、主人公も安定する方向で進んでいくわけですしね。上っ面だけを見れば怖い話かもしれませんが、本質的に本作の「砂」はちっとも危険なものではなく、恐ろしさなど何もないのです。

 だいたいここ、仕事も女もあるわけでしょう? はっきり言って、男にとって夢のような世界じゃないですか(笑) 露骨にウハウハすぎるとアレなので、しかつめらしく装ってはいますが、実は「冴えない男が突然世界を救うために強制的に駆り出される。サポートとして美少女が付けられて、その娘は好きにしてOK」という筋書きのエロ漫画と大差ないです。
 村人からは重宝がられてるし、女からも頼りにされてるし、ちょっと居心地良すぎだと思うんですよねえ。逃亡する気が失せるのも当然です。

 面白く読める本ではありますし、逃亡を計画するシーンはなかなかにサスペンス色溢れて良いのですが、主人公があまりに待遇良すぎて物足りなさを感じるのも事実です。
 男性の本能の単純さ、貧しさを揶揄した小説だと考えれば極めて辛辣な作品だとも言えるのですが、おそらく作者にそういう意図はないように思います(もしあるなら、女の描写の仕方がもっと男にとって都合の悪いものになっているなど、それらしきサインがあるはず)。そこが物足りない所以でもある。
 まあ、文学小説として読むからそういう不満が出るわけで、エロ小説として見れば、ものすごく完成度が高いんですけどね。エロ描写が物足りないのが欠点か(笑) これでバタイユ並みのエロセンスがあれば官能文学小説として相当レベルの高い作品になったかもしれないですね。


 砂漠モノと言えば奥泉光『バナールな現象』がありますが、あちらの方がより野心的かつ砂漠らしさを表現しています。あまりに砂漠らしすぎて読むのがかなり辛いのと、ギミックとしてのパソコンの使い方が下手なのが欠点ですが。

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2009.2.19「本:井伏鱒二『山椒魚』」

 図書館に行く際、親から頼まれて井伏鱒二『山椒魚』を借りる。せっかくなので自分も読んでみました。

「山椒魚」について正直な感想を述べると、この手の作品をうまく書く作家は多いので、特に感心しなかったです。挙げてみると、カフカ、ゴーゴリ、横光利一、安部公房、太宰治など。太宰は井伏の弟子だそうですが、「山椒魚」と同じ手法を使って『走れメロス』、さらに進化させて『人間失格』を作り上げており、師匠を食ってしまったように思いますね。

 意味もなく擬人法を使っている(山椒魚が主人公である理由がない。あるとすれば、寓話仕立てにすることで残酷さを緩和しようという狙いだが、それは作家としては安易な逃げの手である。擬人法は欺瞞に満ちた手法なので、極力使わない方がいい)点や、突然読者に呼びかけたりするくだりなどは、かなりこっ恥ずかしいです。「山椒魚」といえば、自選の全集に載せる時にラストを全部削るというリテイクを行ったことが議論になりましたが、私は「直すところはそこじゃないだろ!」と思います(笑)
 ちなみに、削除したとされるのはオチの部分ですから、無くしたら話になりません。どういうつもりだったんでしょうね。

 ただ、この作品は井伏が学生時代に同人誌に書いた「幽閉」の改作なので、作りが荒いのは仕方ないところです。アマチュア時代の作品の焼き直しですから、こっ恥ずかしい文章なのもご愛嬌でしょう。これをして「井伏はヘタクソだ」と言うつもりは全くありません。それはフェアじゃない。


 ところで問題のラスト、一般的には山椒魚と蛙との和解のシーンとなっているらしいですが、あれは和解というより、意味のない我慢大会の末に「なんで俺、こんなことしてるんだっけ」と反省する一幕だと思うんですけどね。
 だいたい蛙は、山椒魚が「一生涯ここに閉じ込めてやる!」と言った時、自ら凹みを見つけて潜り込み「俺は平気だ」と言っているのです。つまり蛙は山椒魚に閉じ込められたのではなく、自ら凹みの中に閉じこもったのです。「山椒魚は『出られない』だけだが、俺は『出ない』んだ」というわけ。
 要するに蛙は、山椒魚の仕掛けた我慢大会に積極的に参加したのです。餓死寸前になってようやく勝ちはしたものの、振り返ってみれば、なんでこんなことに命を懸けたのか全く分からん、という心情を表したのが最後のセリフだと思うわけですが(と同時に、このセリフは山椒魚の心情でもある)。
 つまり彼らは対立した後和解したのではなく、最初から似たもの同士であり、気が合っているのです。……普通に読めば、この解釈が妥当だと思うのですが。

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2009.2.16「時事:東洋の神秘」

「昨日のアレ、見た?」
「アレ?」
「中川財務大臣の記者会見」

 なんだかよく分かりませんが、G7の話題らしい。起き抜け早々に話題になるくらい大きな問題なら、新聞に載っているでしょう。というわけで、今日の読売新聞を手に取る。
 1面、2面に該当記事なし。3面社説にG7の話題が載っているが、記者会見のことはなし。ようやく7面に「お疲れ中川財務相」という、小さい記事を見つける。口調がはっきりせず、眠そうだったらしい。具体的なことは分からず。
 埒があかないのでネットで調べてみると、問題の映像を実際に見ることができました。

 おおう、なるほど! これは大問題だわ。いけないクスリでもやっていそうな感じですよ!
 ネットで集めた情報を頼りに推測してみると、お疲れのところに酒を飲んだので、普段よりも効いたんじゃないでしょうかね。本人はカゼ薬の飲み過ぎと説明していますが、薬のせいにするのは余計マズイような気が。一体何のクスリなんだという話になる(笑)

 これだけの大失態を世界中に晒したのですから、1〜3面の記事になってもいいようなものですが、さすがは自民党びいきの読売新聞……といったところでしょうか? 今日は図書館が閉まっているので調べられませんが、これだけ小さい扱いをしているのは読売新聞だけじゃないでしょうかね。産経新聞でもこんなに小さい記事ではないと思う。

 まあ、しかしですね。日本なんて既に世界の笑いものなのですから、さらにオモシロ話題が一個増えたくらい、どうってことないような気がしますね。泥酔していても大臣が務まる超適当国家(しかもなぜか円高)という東洋の神秘の一端を披露したに過ぎません。その実態はもっと凄いんだぜ! 「漫画を読む」と自慢し、「新聞読まない」と豪語した男が首相なんだからな!

 だいたい、泥酔している大臣をそのまま記者会見に出してしまうこと自体、日本の政治の狂態っぷりを象徴しているわけです。常識的な国家なら、大臣が泥酔していたら周りが出席を止めさせて「体調不良で欠席」とアナウンスするでしょう。
 しかし、日本は格が違います。素面でも漢字間違えたりして失態を演じるのだから、いっそ酔ってても同じだろうってなもんで、誰も止めません。むしろ、ネタが提供できて好都合だとばかりに、わざとフォローしないのです。飲んだ奴が悪いのさ。僕らは別に悪くないもんっ!
 国家の体裁より、国家の存続よりもネタ優先。ネタのためなら上司も供物。これぞ大和魂のなせる業です。

[追記 2009.2.17]
 2月16日付朝刊各紙の取り上げ方を調べてきました。

●毎日新聞 2面・社説に言及有り
●産経新聞 2面
●朝日新聞 27面
●日本経済新聞 3面
●読売新聞 7面
 ついでに調べた京都新聞は2面でした。

 やはり、ほとんどの新聞が写真付きで2〜3面に載せていますね(読売は写真無しだった)。毎日新聞はわざわざ社説で言及するという熱の入れよう(おそらく急遽書き直している)。
 面白いのは、朝日が読売と同じ程度の取り上げ方だったこと。まさか朝日が自民党擁護をするわけがないから、「日本が恥かいたことなんか大した問題じゃない」という考えでしょうかね?

 ちなみに、読売新聞17日付朝刊は、記事そのものは淡泊な取り上げ方でしたが、コラムの「編集手帳」ではボロクソに書いていました。あれが各紙で一番皮肉たっぷりの痛烈な批判文でしたね。
 ただし、「編集手帳」は年寄りの酔っぱらいが愚痴っているような文章が多いため、同属嫌悪じゃないかと思わないでもないです(笑)

[追記 2009.2.24]
 人づてに「そういう報道があった」と聞いただけなので頼りない情報ではありますが、中川大臣の側近は記者会見を欠席するよう説得はしたそうです。それを無視してあの有様だったらしい。
 酔っぱらいがまともな思考判断をできるわけがないのだから説得したって無駄なわけですが、一応義理は果たしているわけですね。
 本当は、上司のため、もしくは日本のためを考えれば、力ずくでも止めさせなければならなかったわけですが、中川大臣、もしくは今の日本には、そこまでするほどの価値もない、ということでしょう。

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2009.2.15「時事:小泉元首相の執念」

 麻生総理が郵政民営化にケチをつけたことに小泉元総理が猛反発。給付金関連法案を否決へ持っていくような動きを見せているそうです。

 一説によると、自分の息子が出馬するかもしれないので自民党を立て直したいと考えており、そのためには麻生総理では力不足だと考えたために今回のような動きをしたのではないか、という見方もあるらしい(と、ワイドショーで言っていたと人づてに聞いた)ですが、それならもっと早くから麻生総理を辞めさせるべく動いていたでしょう。今回の動きは複雑な事は何もなく、ただ単に郵政民営化に反発した人物に対する怒りから来るものでしょうね。

 それにしても、今まで隠居同然だった小泉元首相が郵政民営化の問題にここまで反応するのですから、彼にとってよほど重要な案件であることが伺えます。
 当時から小泉元首相の郵政民営化に対する執念は周知の事実でしたが、その凄まじさを本当の意味で正確に見抜いていた人はどれだけいたのでしょう。少なくとも私は見誤っていました。

 今にして思うと、小泉元首相は、郵政民営化の実現のためだけに職権の全てを注ぎ込んだのだとわかります。「自民党をぶっ壊す」と叫び、「聖域無き改革」を呼びかけて国民の支持を集めたのも、アメリカのイラク侵攻を真っ先に支持したのも、全部そのためだけの布石だったわけです。
 イラク侵攻と郵政民営化と、どう関係あるの? と疑問に思う人は、当時アメリカが日本に対し、郵政を民営化をするように要望書を提出していた事実を思い出して下さい(『新・ゴーマニズム宣言』をはじめ、ニュースでも報じられた)。小泉元首相はアメリカべったりの外交を行い、アメリカの言いなりだとの批判を受けていましたし、私もそう思っていましたが、実際は単にアメリカの犬だったのではなく、アメリカの思惑と自分の思惑が一致していたからこそ協力関係を結んだのではないでしょうか。
 つまり、イラク侵攻を支持したのは、単なる気分でなんとなく支持したのではなく、湾岸戦争の反省から支持したのでもなく、「郵政民営化に賛成してくれるから」支持したのではないか、というわけです。もしアメリカが郵政民営化に反対だったら、小泉元首相はイラク侵攻を真っ先に非難したのかもしれない。下手するとアメリカの郵政民営化の要望自体、小泉とブッシュとの間で裏取引があって付け加えられたものかもしれないですね。

 私は小泉元首相を、人気取りは得意だが、気分屋で無責任で政治的に無能だと思っていましたが、今回の件で考えを改めました。ああ見えて結構な辣腕なのですね。郵政民営化以外は眼中に無かったから、それ以外の案件については無責任で無能だったわけですが、もしやる気があったら名宰相(または悪宰相)として名を残すくらいの力はあったかもしれません。郵政民営化くらいの野望しか抱かなかったのを「助かった」と言うべきか「残念」と言うべきかは分かりませんが(笑)


 ただの馬鹿と思っていましたが、己の野望のためだけに国民を騙し、政党政治を手玉に取り、あげくに戦争すら賛美するなんて、なかなか腹黒いじゃありませんか。小泉元首相が嫌い、かつ危険人物視していることに変わりはありませんが、久々に政治家らしい政治家を見たような気がして、ちょっと嬉しくもあります(笑) 小沢氏もこれくらいダーティな仕事をこなしてくれないかね。

[追記]
 小泉元首相といえば、北朝鮮から拉致被害者を全員ではないにしろ返してもらった功績を、私は忘れてはいません。小泉元首相がなぜそんなことをする気になったのかは分かりませんが(拉致被害者の会が郵政民営化に賛成だった? ……まあ、そんなところまで深読みしても意味ないですが)、やる気になったらできる、という実力の片鱗を、あの時見せたのは確かです。
 あれに関しては批判も多いですが、他の人にあれ以上のことができたとは到底思えませんし、実際あれ以来交渉は難航していますしね。

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2009.2.7「時事:円天と資本主義」

 楽して儲けたいというのは資本主義の世界に住む人類の普遍的な願いであり、その夢を一瞬だけ叶えるサービス産業こそが詐欺なのです。
「願い」の数だけ詐欺は存在し、要するに世の中詐欺だらけなのでいちいち記事になったりしないものですが、L&Gの社長が捕まったのに便乗してか、他の詐欺についてもいくつか記事になっていますね。

 円天のシステムについては最近知ったのですが、なかなか巧妙にしてファンタジックな構想ですね。
 基本システム自体は電子マネーと大差なく、円天という疑似貨幣(ポイント)を発行し、円天市場で利用できる、というシステムです。これ自体は違法ではない。

 問題は出資金のシステム。円天市場を利用するためには10万円以上の出資金が必要なのですが、出資金は元本保証の上、現金による利子の他、円天が年利100%支払われます。つまり、10万円預けたら毎年10万円天もらえ.る。ちなみに、100万円一口で年利36%現金支払いというプランもあるそうです。
 一見何も問題ないというか素晴らしすぎるシステムですが、実はその「素晴らしさ」が逆に非常にヤバイ雰囲気を漂わせています。このシステムの末路は、会社が利子を払いきれずに倒産するか、円天がインフレを起こしてシステムが崩壊するしかありません。
 わからない人は、日本政府に金を預けると、年利36%付くと想像してみるといいでしょう。あまりの高利のため、日本政府は負債を払いきれず財政破綻を来すか、もしくは紙幣を乱造して日本円の価値は暴落するに決まっているでしょう。

 L&Gの被害者が「騙された!」と怒っているのを見て、何か違和感あるなと思っていたのですが、これ、見方を変えれば「年利36%以上の約束で金貸したのにバックレやがった!」と言っているのと同じなんですよね。金貸しが年利36%で金貸したら違法ですが、出資者が会社に年利36%で融資するのは合法なんでしょうかね? こうなると、どっちが被害者でどっちが加害者だか、さっぱりわからん(笑)

 もっとも今回の場合、会長は最初から詐欺るつもりで会社を立ち上げたことは間違いないでしょうけどね。L&Gは株式会社なので、倒産しても個人は出資額以上の責任を負う必要はありません。会社名義で金を借りるだけ借りた後、倒産させて責任逃れという、詐欺としては古典的な手口です。


[追記]
 喩えに日本政府を使って思いましたが、よく考えたらL&Gのやってることって、国債や紙幣を発行する国家とそう大差ないんですね。日本政府の国債は1%前後と低利ですが、いずれ利息付けて返さなければならないわけで、その利息分がどこから出るかというと、税金取るか紙幣を増やすかの二択しかないわけです。
 国会で、政府紙幣を発行するかしないかの議論の際、「政府が円天みたいなことをしたらダメだろ」みたいな発言があったらしいですが、むしろ資本主義国家は発足当初から円天なんだ、とも言えるわけですな。

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2009.2.4「時事:退職金をめぐる問題」

 力士が大麻所持で捕まって、解雇処分になったそうです。私は相撲観てないのではっきり言って関係のない話題で、それよりも今年のSUPER GTのレギュレーションがどうなるのかの方が興味あるわけですが、新聞記事やニュース等を観ていて、ちょっと引っかかるものがありました。

 相撲協会の追放処分には「解雇」と「除名」があって、どちらにしろ角界から追放されることに変わりはないのですが、「除名」だと退職金がもらえず、「解雇」だともらえるそうなのです。
 今回は解雇なので退職金が出るのですが、それに対してマスコミは「解雇では甘い。退職金の出ない除名にすべき」という論陣を敷いているのです。

 これが政治家や官僚の処分についてなら、わかるのです。政治家や官僚の退職金は税金から出ているわけで、国民は税金の使い道についてクレームを付ける権利があります。
 しかし、力士の退職金が出るか出ないかの問題は、相撲協会の外の人間が関知する事ではないでしょう。金を出すのは協会なのですから。

 まあ、もし私が相撲協会の会員だとしたら「なんで相撲協会に迷惑かけた奴に金払うの? むしろ詫び料出せよ」と思うわけで、そういう意味ではマスコミの指摘は一理あるとは思います。自分達の顔に泥を塗った奴に退職金払うようなヌルい精神だから、次々と不祥事を起こすわけです。
 しかし、マスコミの反応の仕方を見ていると、単に相撲協会のズレた感覚に対する批判というより、他人が金を手にすること自体への嫉妬を感じるんですよね。もしくは、それを煽っている。「なんで政治家や力士は犯罪を犯しても退職金もらえるんだよ! 『俺たちだったら絶対もらえないのに』」という、私的な嫉妬心を感じるのです。つまり、単に他人が得するのが嫌だから批判しているだけに見える。

 そもそも、部外者にとって「解雇」と「除名」は同じなのです。どっちにしろ干されるのですから。その上わざわざ「除名にすべきだ」と主張する理由がない。実際、以前に他の力士が大麻所持で捕まって解雇処分された時は、解雇と除名の違いについてこれほど強調されていなかったし、「犯罪者に退職金が出るなんて非常識だ」などという論説はなかったはずです。なぜ今回に限って退職金を強調して文句付けるんでしょうね?

 その理由は簡単で、前回は金融危機前で、今回のは後だ、ということ。まあつまり、今回の金融危機で不幸な目に遭った人達の不満のはけ口として生け贄にされた、ということですね。ご愁傷様です。 

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2009.1.30「本:星新一『人民は弱し 官吏は強し』」

 この本読んでなかったとは驚きですねえ。
 しかしまあ、読んだ今だからこそ誰に恥じることなく堂々と言い切りますが、星新一の小説について語る上で、この本が必読だとは思いませんでしたね。作者(やその家族)の人生と作品とは、結局は別個のものですから。壮絶な人生を送ったから素晴らしい作家になれるという考えは日本文学の世界では根強く、わざわざ肺結核になりたくて結核病棟を毎日散歩する作家までいた始末ですが、迷信なので真似しないように(笑)

『明治・父・アメリカ』は、作者の評を交えたり、若干小説めいた書き方をした部分はあるものの、まあまあ正統派な伝記物として書かれていましたが、本作は事実を基に構成した小説になっていて、独特の雰囲気になっています。
 国家に貢献するまともな事業者が、製薬会社と癒着した官僚の私的な感情と権力濫用によって徹底的に潰される様を描いており、しかもその事業者が父親で、その尻ぬぐいで自分自身も酷い目に遭っただけに、さすがに客観的な視点では書けそうにない、と判断したのでしょう。氏の作品としては珍しく、凄まじいまでの怨念と怒りの籠もった文章になっています。星新一が全力で扇情的な文章を書いたら、ここまで恐ろしい作品に仕上がるのですねー。この人が本気で政治小説書いたら、手の付けられないほど強大な権力を握ったことでしょう。
 これだけアジ文の才能がありながら普段あえて封印してるという事実も恐ろしいですが、その禁を父親のためにただ一度だけ破っているというのもまた凄まじいものです。


 内容に関しては、これは事実を基にしているとはいえ、明らかに小説であってレポートではないので、これをして「星一はなんと立派な人物だったのか! 彼こそ国の宝である! 次の千円札には是非彼の肖像を」とか、「三共製薬許すまじ! 不買運動を起こしてやる!」などと憤慨するのは早計だと思います(笑) 書かれている内容がどのくらい事実なのかは、資料にあたったことがないのでわかりませんが、文章から推測して、明らかに星一とその周囲の人物を美化して書いているとは断言できます。
 普段努めてフェアであろうとする星新一をして、ここまでアンフェアな文章を書くことも驚きですが、わざとフィクション臭さを濃くして、「これはフィクションであり、いろいろ誇張して書いてます」というサインを出しているフェアさにも驚かされます。

 政治小説は味方を美化し、敵を醜化しなければ成立しないジャンルであり、書き手は好みに関わらずその業を甘んじて受けなければならない宿命を背負うわけですが、多くの書き手は業を背負うことに無頓着であったり無責任であったり、最悪な場合、そもそも業の存在自体を認知していないこともあります。
 能力があって無責任な作家は技術の限りを尽くして、いかにもノンフィクションのレポートであるように装って人々を惑わしますが、星新一は、それをあえてやらなかったわけです。普段の小説やエッセイと同じように、ユーモアを交えつつ突き放した調子で書けば、かえってリアリティと感動溢れる作品になるのに、わざとらしく手垢まみれの小説技法を使って、いかにも人工的に見えるシーンを作っている。
 これは、「本作はフィクションで主観的な内容だから鵜呑みにしないように」というサインであると同時に、「私は父親のことを冷静には書けない」という冷静な自己分析も伴っているわけです。

 無意識なのか意識的なのか分かりませんが、こうも的確に文章の使い分けができる作家はそうはいません。つくづく油断のならない、ひねくれた作家だと思いましたね。あれだけ文学とは無縁を装っておいて、下手な作家より文学的な技法について造詣があるじゃないか(笑)


[2009.1.30 追記]
 内容についての感想がなかったので補足。この本の記述が概ね正しいのだとすれば、星一という人は相当なマゾヒストだったように思いますね。そもそも学生時代からわざわざ途中で資金が尽きるだけしか金を持たずに旅をしたりする人間だったわけですが、三原製薬(三共)+官吏の攻勢に遭って以降も全く防衛対策を取らず、わざわざ逆境に陥るように仕向けているようにしか思えない行動を取っています。その理由を作中では、「度を超した楽観主義」と「裏金を使うのは主義に反する」という形で説明していますが、真相はむしろ「なんだよ。どんなに冒険しても、結局順調すぎるほど会社は発展してるし、なんかつまんないぞ。もっと新しいことしたいな〜。オラ、もっと強ええ奴と戦いてえ! そうだ、今度は政治権力と戦ってやるか!」ということだったのではないでしょうか。普通は考えられない思考回路ですが、この人ならありえる(笑) 「製薬王」などという肩書きに安住するのを退屈と考えたのでしょう。

 そもそも彼は政治に興味があり、昔から政治家と親交があって、いろいろ助けてもらったりしているわけです。いくら親交のあった政治家達が失脚したと言っても、政界へのパイプは残っていたでしょう。また、過去には新聞メディアにも関わっていて、自ら新聞や雑誌を発行しているのです。これら経験を活かして本気で臨めば、いくらでも手の施しようはあったと思えます。それをあえてやらなかったのは、本当に美学のためでしょうか? そんなくだらないこだわりにしがみつくことしかできない人物なら、そもそも会社を大きくすることなどできなかったでしょう。だいたいアヘンを入手する際、台湾総督府とのコネを使ったりしているじゃありませんか。ここまで上手に立ち回っていながら、この時期に限って清流派を気取って足元をすくわれまくるなど不自然すぎます。
 となると、残された合理的な可能性は、自分の会社、ライバル会社、新聞から政府までを動員し、でっかい花火をぶち上げたかったのではないか、ということになってしまう。

 本作には書かれていませんが、この後星製薬は一時破産宣告を受けながらも生き残り、第二次世界大戦をも乗り切っています。息子の親一が大谷に譲渡して後、今でも会社としては残っているし、ホシブランドの医薬品は買える。つまり、同業者と官僚がいかに知恵を絞っても星製薬を完全には潰せなかったわけで、結局のところ星一は敗者とは言い難いわけです。この後ぬけぬけと衆議院議員、参議院議員を歴任したりしてますしね。
 ある意味、こんな茶番に悪役として付き合わされた連中の方が憐れのような気さえします。

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2009.1.29「本:世にも珍妙な物語」

 というわけで、『明治・父・アメリカ』を読んでおります。結局、深夜に出向いたTSUTAYAには『人民は弱し 官吏は強し』しかなく、買うには買ったのですが、順番から行けば『明治・父・アメリカ』から読みたいところなので、しょうがなくその夜(明朝)はそのまま寝り。夕方になってようやく入手したのでした。
『明治の博物誌』を読んだ時も思いましたが、星新一の書く伝記物はなんとなく司馬遷の『史記』に雰囲気が似ているような気がしますね。

 情報量の多い本なので、何度か読み直して整理する必要がありましたが、特に引っかかることもなく読み進め、いよいよ星一がアメリカへ渡る直前のエピソードの時。
 なにか違和感を感じました。
 杉山茂丸の邸宅に招かれ、問答している場面だったはずが、突然朝刊を売りさばく話になっていたのです。
 あれ? なんか話が飛躍してない? とか思っていたら、次は突然どこぞの山中で寒さを凌いでるシーンになり、かと思うとまた杉山邸に戻ってくる。
 いくらなんでも前衛的すぎる展開に不審に思ってページ数を見ると、96、99、100、103、104、107、108、113……となっている。この調子で約30ページに渡りページ数がめちゃくちゃ。

 オゥ! ものの見事な乱丁本ではありませんか!
 乱丁本に出会ったのはこれが人生初となります。落丁本は過去に一回だけお目にかかっており、それは横山光輝の『水滸伝』の1巻目でした。豪快に8ページ分ほどずっぽり抜け落ちていたのですが、あまりに芸術的な落丁だったため気付かずに読み進めてしまい、その後何度も読み返したにも関わらず全く気付かず、結局気付いたのは買ってから3年後のあくる日でした。
 交換してもらおうと買った本屋に持っていきましたが、レシートなど当然なく、手垢まみれになった本を見てそこの店長は「古本屋で買った物をウチに持ってくるとはいい度胸だ」と言わんばかりの不審な目つきでぞんざいな対応をしたので、「横山光輝『三国志』を30〜60巻一気に買った恩を忘れやがって! こんな店で二度と買うか!」と心に誓ったのでした。その本屋はもう潰れてしまいましたが。
 その帰りにダメモトで近くにあった水嶋書房に持って行ったらすぐ交換してくれたため、私の中で水嶋書房の株は暴騰したものです。まあ本屋を煩わせずとも、出版社に送りつければ交換してもらえるんですけどね。

 というわけで、早速出版社に送りつけるべく文庫本の入る封筒を探したりしたのですが、よく考えたら、今送りつけたら数日読めないではありませんか。せっかく途中まで読んだものを中断するのは気分がよろしくない。これが後藤明生の本なんかだと、出版社に送りつけた方がまず速いわけですが、星新一なら返金扱いになっても、別の本屋に行けばまず手に入るでしょう。
 というわけで、ここは本屋の世話になって、交換か返金できないか問い合わせてみることにしました。レシートと本を片手に、さっき行ったばかりの本屋にとんぼ返り。奇しくもその本屋が水嶋書房のチェーン店だったりするところに因縁めいたものを感じます。『水滸伝』を交換してくれたのとは別の店ですが。
 買った時の店員がまだレジをやっていたので話はスムーズに進み、すぐに返金に応じてもらえました。在庫があったら交換の方が良かったのですが、仕方ない。

 それでは近くの本屋に寄って買えるかねえと、車に戻ると、なにやらフロントのワイパーのところに紙が挟まっているではありませんか。周りの車にはなく、私の車だけ。
 もしや駐車違反の警告か!? と一瞬思いましたが、無料駐車場に停めていて駐車違反もないもんだ。よく見ると、大きな字で次のような文言が書かれておりました。

 車を1万円でも高く売りたいあなた!!

 ファッキン!! フザケんなぁァァ!!
 ウチの先代マーチがボロいからって、わざわざピンポイントでこんな紙挟んで行きやがったな!
 なるほど、道理で隣の新型インプレッサや新型キューブやレクサスには挟んでないわけだ。なんと無礼な! こんなところで誰が売るかっ!!
 ……ひととおり憤慨した後で気付きましたが、このマーチ、そもそも親の車だから私に売る権利はないわな。
 ともかく、こんな失礼なアホタレ仲介屋はどこなんだと見てみると、店の名前も住所も明記してない怪しい業者の様子。
 しかし、それにも増して怪しいのが宣伝文句。

「お車のご売却をお考えでしたらお手数ですが当社までご一報いただけませんでしょうか?
 個人売買だからこその安さを実感してください!!」(文字装飾等、原文ママ)

 ……面白すぎるんですけど。


 その後、近くの本屋で無事代わりの本を入手し、読み進めることができるようになったのですが、妙な事が連鎖的に起きたものです。

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2009.1.29「本:世にも奇妙な真実」

 前にも書きましたが、最近、星新一を読み返しています。今になって読み返すと、いろいろ新たな発見があって面白いです。特に、初期作品と後期作品の違いがなんとなく分かるようになっている。
 私は誰の作品にしても、買ったり読んだりする時に発表順序を考慮しません。ある作家の作品をまとめて読む必要があるとして、その順番を決めるのはほぼ例外なく「店に売っている」中で「タイトルが気になったもの」順です。
 というわけで、タイトルが気になった順に星新一の文庫を買いあさった結果、初期作品も後期作品も混ぜ混ぜで読んでおり、長いこと区別が付けられなかった(付ける気もなかった)のですが、今読むと、描写の多寡等である程度判別できるようになっていました。ずっと同じ調子で書いていたのかと思っていましたが、だんだん巧くなっていたんですねえ。初期作品は結構いらない描写が入っていたりするのですが、後になるほど文章の無駄がそぎ落とされて、誰にも真似できない粗筋スレスレの文体へと変貌しております。

 他に興味深かったのは、結構重複して掲載されている作品があったことですね。「殺し屋ですのよ」は3回見かけたような。普通なら、単行本から文庫化する際、同じ出版社のシリーズでは重複が起きないように調整したりするものですが、この辺がルーズなのもショートショートならではといったところでしょうか。


 私の家には50冊程度、星新一の文庫があるのですが、ここ一ヶ月でたいがい読み終え、そろそろシメにかかろうかなと、とっておきのやつを本棚から取ってくることにしました。
 とっておきとは、もろちん『明治・父・アメリカ』と『人民は弱し 官吏は強し』の二冊。星新一を語る上で避けて通れぬ重要な作品です。星新一本人は、作者と作品に関係はないと言い切るストイックかつ正常な感覚の持ち主で、作者の個人的体験を綴ったこの二冊から氏の作品について語るのは迷惑な話だろうとは思うのですがね。
 まあ、その辺の文学的な問題は別にしても、結構な変わり者だった星一のエピソードを綴った本作は、作品としても面白いのです。しかもそれを、星新一が素っ気ない文章で書いているというのがまた面白い。
 ……などと思いつつ星新一シリーズを収めている本棚の背表紙にざっと目を通していると、なにやら妙な違和感に気付きました。

『人民は弱し 官吏は強し』が見あたらないんですけど。

『明治の人物誌』はすぐ見つかるのに、肝心の本は見あたりません。よく見たら『明治・父・アメリカ』もない。
 もしかして別の本棚に置いた? と思い、家中ひっくり返してみましたが見あたらない。なんということだ、大事な本が失踪してしまった!

 ……いいかいワトソン君。落ち着くんだ。こういう時こそ科学的な推理方法により、冷静かつ客観的に状況を分析するんだよ。これまでの観察から得られた証拠に照らし合わせ、あらゆる可能性を検討し、不可能である事実を消去していくんだ。そうして最後に残ったものがいかに奇妙であっても、それが真実なのだからね。

 まず第一に、この家に件の本はない。第二に、彼は星新一の本を今まで一冊も古本屋に売ったことはない。第三に、彼は星新一の本を今まで図書館で読んだことはない。第四に、彼は星新一の本を他人に貸したことはない。
 これらの証拠と彼の証言から導かれる可能性はひとつしかない。彼が件の本を紛失した、ということだ。しかし彼は星新一の本をとても大切にしており、何度か置き場所を変えてはいるものの、いつもひとまとめにして保管している。だいたい、よりにもよって星新一ファンにとって重要な本を、2冊とも紛失したなんてちょっと考えがたい偶然だよ。
 となると、結論は非常に単純だ。彼の証言が虚偽なんだよ。つまり彼は、



『人民は弱し 官吏は強し』を一度も読んだことがない。



 ……まぢですか。

 いや、というか、仮に万が一ごくわずかなアレでもし本当に読んでないとして、何で読んだ気になってるんでしょう。考えられる可能性は……なくはありません。『きまぐれ星のメモ』等のエッセイや文庫本の解説等で、星一関連の話題や件の本についての言及がなされているのを読んでいる内に、なんとなく読んだ気になっちゃった? そんなバカなことあるの? 俺バカ? バカの壁?

 いや、そうじゃないだろ! 読んだことあるかないかとか、今問題なのはそこじゃないんだ! 突然現れた目の前の事象に囚われて、肝心なことを見失ってないかい? そうさ、今大事なことは手元に本がないってことだろ! ともかくないんだ。失踪だか遭難だか盗難だか虚言だか虚妄だか捏造された昨日だか知らないが、ともかく現実として本がないことが問題なんだ! だが安心したまえ諸君。それは実際大した事件ではない。我々は買えるのだから! バフチンとかロラン・バルトとか後藤明生とか浅田彰とかルーセルとかとは違って、星新一は売れっ子なんだから、流行作家なんだからさ! なんか最近NHKでドラマだかアニメだか知らないけど放送されてるらしいし、今なら平積みで楽々買えるよ! 『蟹工船』だって平積みしている世の中だからね! ついでに船内じゃ労働者も平積みさ! 今こそ総括の時だ、同志! 時代の荒波を乗り越えて、今こそTSUTAYAへ! TSUTAYAに行って『人民は弱し 官吏は強し』を買おう! 夜中3時だけど僕らには関係ないさ。僕らは知っているから。24時間開いてるTSUTAYAがあることを。本屋が深夜営業して意味あるのかよと思っていたけど、こんなところで役に立つとはネ! 資本主義万歳! 人生何が役に立つかわからないもんさ、やれやれ。

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2009.1.27「ギター:ギター音を録音してみる」

"Guitar Hero 3"のプラクティスモードを利用して"PARANOID"を練習。ソロは弾けないのでリズムギターとしてプレイしてますが、あれでも一曲フルで弾くのは結構しんどいです。特にミュートの音を毎回きれいに出すのが大変ですね。
 ソロパートはテンポを合わせて弾けるような状態ではありません。そもそもどこでハンマリング、プリング、チョーキングしているのか全然わからんです。YouTubeの解説ムービー観ても何が何だか。

 しかしコレ、練習するのはいいのですが、弾いたものをネットにアップしたらJASRACから金払えと言われるんですよねえ(笑)
 それはつまらんので、自分の曲で試しに録音してみることにしました。

打ち込みデータ
ギター弾いたデータ

 未発表というか、未完成の曲のイントロ部分です。打ち込みデータはオールMOTIF-RACK。ギターはアンプ(Mavis A-10)でオーバードライブかけた音です。8分の12拍子でBPM120。そんなに速くないし簡単な譜面だし大丈夫だろと思ってたのですが、実際やるといっぱいいっぱいでした。ちゃんとミュートできてないし(笑)
 パワーコードばっかりなので同じ指の形で5、6弦をいったりきたりするだけですが、ミュートしたりしなかったりするので結構大変です。この程度のリフもまともに弾けないんじゃ、実用まではほど遠いですなあ。

 演奏者がヘタクソなのでみっともない音になってますが、さすがに音圧は本物ギターの方がありますね。特にミュート音の迫力は、シンセだとうまく出せない表現のひとつです。

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2009.1.24「憲法にまつわる皮肉」

 最近、星新一の作品を読み返しています。小説はさほどでもないですが、エッセイを読んでいると、自分のルーツが星新一にあることを改めて認識させられます。文章の書き方なんかもそうですが、思想面でも思った以上に影響を受けてるんだなあと。傍目から見てどうかは分かりませんが。
 生きてきた年代も違いますし、氏が愛読したとされる小説等の大半は未読か好きでないかだったりするので、そういう意味では全然違ってもおかしくないはずなんですけどね。

 そんなわけで妙な郷愁を覚えながらエッセイ集を読んでいると、ふと、意外な一文に出会いました。『きまぐれ星のメモ』(角川文庫)収録の「物見高き男」というエッセイに、日本国憲法が衆議院を通過した時の国会を傍聴したエピソードがあるのですが、時代を感じさせる話だなあと思って読んでいたら、なんだかとっても違和感のある一文が。 


 社会党を代表する片山さんは、いやいやながらだが賛成すると言い、共産党の野坂さんは、「軍備のない憲法はナンセンスだ」と反対していた。

 日本共産党って、憲法九条に反対していたのか!?

 早速ネットで調べてみると、現行の憲法九条を保持するべきと主張しだしたのは1994年になってからのことで、それまではむしろ「憲法を改正して対米従属でない自衛隊を持つべき」という主張だったそうなのです。
 憲法成立当初、「いやいやながら賛成」していた党と真っ向から反対していた党が、今は護憲に回っているのですから、歴史の皮肉としか言いようがないですねえ。

 憲法成立時に反対していたのは「アメリカが押しつけた憲法だから」という側面も強いとは思うのですけど、それにしても軍備に関してマトモな見解を持っていたのが日本共産党だけだったというのは、なんだか面白い話です。

 まあ、軍備関係に限らず、日本共産党の主張は、日本の政党の中では一番マトモだと私は思うのですが、かといってあそこが与党になるのは革命を起こすくらい危険なんですよね。特に日米外交をどう処理するかわからんところが恐ろしすぎる。

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2009.1.17「SUPER GT:メーカーオーダーの行方」

 すっかり忘れておりましたが、去年のSUPER GT最終戦での、ダイシンZによる順位操作疑惑。ARTAが控訴した後どうなったのか、ふと思い出したので調べてみると、ルール改訂を条件に控訴を取り下げる、ということになったようです。つまり主催側は事実上、あれをメーカーオーダーだと認めたわけですね。
 ルールを改訂するということは、今後チーム/メーカーオーダーが禁止になる、ということなのでしょうけど、実際のところどうやって制限するんでしょうねえ。ルールとして成文化するのは難しいような気がしますけど。

 私個人としては、オーダーは自由にやってもいいけど、どうせやるなら仲間関係をはっきりさせて欲しいなーとは思いますね。これがガヤルド軍団による順位操作なら、チーム名からして同じですし「切羽詰まったらきっとやるだろう」と予測できて非常に分かりやすいわけですが、MOLAとダイシンですからねえ。
 つまり私としては、GT300でも同じメーカーの車同士は全部仲間として見るべきなのか、それとも全然別のチームだと見るべきなのかが知りたいわけです。仲間だと明言するならどう連携しようが自由ですけど、関係ないチームを勝たせたり負けさせたりするのはいかんと思うのですよ。今回の順位操作が後味悪いのは、そのせいだと思うんですよね。麻雀で意味もなく4位確定アガリするようなもの。

 まあ、結局のところ、私は結果なんてどうでもいいと思っているんですけどね。ありていに言えば、グダグダとスピンやらコースアウトしまくってヒドイ走りっぷりを演じたレオパレスZとARTAガライヤの争いなんか興味ないのです(笑) あんな走りをしているから、実力でシリーズタイトル取れないのですよ。どっちもどっちだ。
 GT300最終戦の見所は、織戸・谷口のドリフトコンビが難しい路面の中、激しいトップ争いを繰り広げていたところや、Z4初音ミクが荒れたレースの中で完走したところにあるわけですしね。あとはアレか、インプレッサが異常に速かったことか。 

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2009.1.15「ギター:ピックを買うぜ!」

 この度購入しました本格ギターシミュレーターセットにはピックが5枚付いていたのですが、なんだかものすごい勢いで削れ散り、3日で既に2枚がダメになってしまいました。削れた箇所が弦に引っかかってしまうのです。
 最初のうちは、ボディにピックのカスが付いていく様を見て「すげえ、本物のギター小僧みたいだぜ!」と喜んでいたのですが、さすがに2枚目をダメにした時には焦りました。いくらなんでも減り早くね? 1日24時間弾きっぱなしだったならともかく、たぶん2〜3時間/日程度しか弾いてないわけです。いろいろやっている合間にちょこちょこと弾いているので、正確な時間は分かりませんが。

 考えられる可能性は3つです。その1、ピックの寿命はこんなもん。その2、強く弾きすぎ。その3、ピックがヤワすぎ。
 いずれ、このペースで減り続ければピック不足に陥ることは間違いなく、新たにピックを買うことにしました。

 さてさて。楽器屋に行ってピックを見てみると、結構種類があります。材質もいろいろあるようですが、特に説明書きなどなかったので不明。いろんなメーカーから出ていますが、基本的には似たり寄ったりで、触ってみたりしても違いはわかりませんでした。変なのでは『パラッパラッパー』型とかがあった(笑)

 それにしても、ピックなど物色していると、なんとなく場違いなところにいるようで変な緊張感があります。他の客がやってきたりすると「うおっ、こいつギター弾くのか! ていうか俺邪魔じゃね?」などと妙な遠慮が芽生えたりとか、店員が近くに来ると「ケッ、ヘタクソのくせに偉そうにピック選んでるんじゃねえよ」と言われているような気がしたりとか(笑)
 まあ、ピック物色しているからといって本当にギター弾けるとは限らないし、店員にしてみれば客の腕前なんかどうでもいいことも充分理解してはいるのですが。

 とりあえず、見た目と触った感じでなんとなく良さそうと決めたピックを5枚ずつ購入。型番など書いてなかったのですが、ネットで調べたところ、FERNANDES P-100SPAのミディアム0.8mmと、YAMAHA GP-106 ミディアムでした。つまり、ティアドロップとオニギリを1種ずつ、ということですね。
 早速帰って使ってみると……おおっ、なんか弾き易い! 特にP-100SPAがいい感じです。形状は付属していたピックと大差ないのですが、材質が違うからか、それとも0.8mmだからでしょうか? しかも削れ方がかなりマイルド。結構調子に乗ってガリガリ弾いてもダメージが少ないです。ついでになかなか鳴らなかった"PARANOID"イントロの4弦12フレットが高確率で鳴るように! ……って、これはピックと関係ないか。

 結論としては「付属ピックがモロすぎ」ということでしょうか。もっとも、最初の2日はほとんどアンプを使わず、しかもフォークギターのイメージで弾いていたもので、「音出ねえ!」などと結構力入れて弾いていたのも大きな原因でしょうけど。


 ところで、使ったピックの削れ方を見ると、私はアップピッキングを多用する癖があるようです。"PARANOID"のイントロは全部アップピック。リフは結局オルタネイトするのでどっちでもいいわけですが、アップピックから始動してます。もちろんダウンピッキングが苦手ということは、たぶんないと思うのですが。一応コードやメジャースケールも練習しているのですが、このときは大概ダウンピッキング始動。つまり、練習ではダウン主体なのに、曲を弾くとアップになるんですな。
 たぶん作曲の経験上から、「高い音を強調したい」という考えが頭のどこかにあるようです。

 コードの練習をしていて、むかし『ぐるナイ』の岡村隆史ソロコンサートで演ってた「カプチーノの朝」で、岡村さんがEmしか弾いてなかった理由がわかりました(笑) あれ、AmとDm(の1弦省略)も覚えれば、一応伴奏として成立したと思うんですけどねえ……って、話題が古すぎる。
 せっかくなので、コードチェンジ練習に「カプチーノの朝」をやるってのは面白そう。
 ちなみに、スケール練習の時は「ドレミの歌」の、主に後半部分を使ってます。

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2009.1.13「ギター:Guitar Hero Type-R」

 北米ではすでに"Guitar Hero 3"の続編が出ており、ドラムやヴォーカルパートが追加されていたり、ギターにタッピング用ボタンが追加されていたり、音素材を組み合わせて作曲して公開できる機能などが追加されているそうです。ドリームシアターとかマーズヴォルタといったプログレ系もあるようですし、欲しいなーとは思うのですが、輸入すると4万とかするんですよね、これが。

 さすがに手が出ないなあ、と思っていたら、なんと、2万円以下で本格的なギターシミュレーションが楽しめるゲームを発見したのです! もちろん速攻注文!
 で、本日届いたのですが、見て下さいこのギタコンの本格的ぶりをっ!

Mavis MST-200  その名もMavis MST-200、イシバシ楽器店が放つ超本格ギターシミュレーターです!
 ギタコンにはちゃんと6弦が張られており、ピックを使って音を出すという本格仕様。しかもアンプまで付いており、ギターと接続したら本当に音が出るのです。なんという本モノぶりでしょう! これを前にしたら、ギターヒーローなんてオモチャみたいなもんですな。あっちは1弦5フレットしかありませんが、こちらは6弦22フレットですよ! アームも付属していましたが、今のところ取り付けていません。
 あとは、ギターヒーローのコントローラーでもお世話になった、ストラップロックのJim Dunlop #7036を別途購入して取り付け。私にとってギターとは立って弾くモノであり、そうである以上ストラップロックは必需品です。

 もう待ちきれぬ! 早速弾くぜ! しかし、その前に弦のチューニングが必要です。チューニングメーターが付属しているので、こいつをギタコンに接続して、合わせていきます。

 調整も終わったところで、早速付属のソフトをパソコンでプレイ!
 ……が、このソフト、なんだかやたらと説明が早くて、真似しようとあたふたしているうちに、あっという間に終わってしまいます。

 別段このソフトを使わなくても、ギタコンとアンプだけで遊べるゲームですので、とりあえずこのソフトのことは放ったらかしておいて、むかし音楽の授業でフォークギターやった時の記憶を頼りに、Cメジャースケールを弾いてみる(5弦3フレットを起点に弾くやつ)。

 しかし、そもそもギターって、6つの鍵盤があるのと同じ楽器なんですよね。つまり、たとえば5弦だけでもドレミ〜ドまで弾くことができるわけです。なにもこんな面倒くさい運指をすることもないよなあ、と思い、試しに弾いてみる。
 5弦だけで弾いていて気付いたのですが、ギターのネックのサイドについている丸いマークって、かなり便利ですねえ(笑) ギタリストって、なんであんなに瞬時に押さえるところわかるんだろと思っていたら、これを目印にしていたのか。

 1つの弦で弾くのは分かりやすくていいのですが、これなら鍵盤やった方がいいような気がしてきたので、ギターらしい別の方法を探してみる。
 6弦8フレットに5弦3フレットと同じ音高のドがあるので、これを起点にして弾いてみたのですが、明らかにこっちの方が弾きやすいような。
 いずれ、メジャースケール押さえるだけでも結構指を動かしますし、これだけやっていても単音弾きの練習になりそうですね。

 初心者の定番練習メニューと言えばスケール弾きとコード弾きですが、別にセッションギタリストになろうというわけではないので、決まり切った練習をする必要もないでしょう。単にリフをゴリゴリ弾いて楽しみたいとか、自分の曲を弾きたいというだけですから、必要になった技術を、その都度練習すりゃいい。

 とりあえず、実際のロックギタリストがどうやって弾いているのか興味ありますし、既存の曲のリフを耳コピして弾いてみよう、ということに。
 課題曲はBlack Sabbathの"PARANOID"。選んだ理由は当然、「明らかに簡単で格好いいから」です(笑) パワーコードばっかりですしね。
 ANGRAの"NOVA ERA"なら、前に耳コピして打ち込んだことがあるのですぐに譜面を用意できますが、あんなもんいきなり弾けたら苦労しない。

 とりあえず打ち込みでイントロとメインのリフをコピーして、ギターの音を探りながら譜面化したのがコレ。

イントロ
3-----------------7h9-----7---
4-7h9-7h9-7h9-7h9-----7h9---9-
5-7---7---7-------------------

リフA
3----------------------7----
4-99999999×2-77777777-7-7-9
5-77777777×2-55555555-5-5-7

 TAB譜の書き方はよくわからんので、とりあえず自分にわかればいいやってことで作っております。リフの最後に高い和音が入っているのですが、あれはどこ弾いているのかよくわからなかったので省略。
 思った通りえらい簡単そうじゃないですか? と思って弾いてみたら……4、5弦弾く時、間違って6弦も弾いてしまうんですけど(笑) あと、押さえるべき箇所はわかるのですが、どう押さえたら自然に弾けるのかわからず、思った以上に大苦労。というか、こんだけ簡単なのが弾けなかったらどうにもならんぞ!

 これはいかん。誰かが弾いているのを見て、指遣いを確認せねば……と、YouTubeをあたると、おあつらえ向きに"PARANOID"の弾き方講座を発見。まず驚いたのが譜面がそもそも違うこと。その講座ではこうなっておりました。

イントロ
4-------------------------12h14-------12----
5-12h14-12h14-12h14-12h14-------12h14----14-
6-12----12----12----------------------------

 どっちでも出る音は基本的に一緒なので、ギター弾いた経験のない人にとっては「同じじゃないの?」という感じですが、こっちだと明らかに弾きやすいです。なにしろパワーコード弾く時、間違って6弦弾くことがない(笑)
 あと、感動的だったのは、ほとんど指動かしていない、ということ。人差し指でずっと4〜6弦をセーハして、あとは薬指で4、5弦をハンマリングするだけ。なるほど〜
 しかし、セーハって初心者が躓く最初の壁じゃなかったっけ(笑) Fコードで挫折する人の多くは、人差しで1フレット6弦セーハするのがうまくできないからだと聞いたことがあるような。

 まあ、考えるよりやった方がいいやってことでやってみましたが……おおっ、ちゃんと音が出ない! 5、6弦は出るのですが、4弦12フレットがうまく出ません。ちょうど指の関節のところに弦が来てしまう模様。うーむ。サバスを舐めすぎたか(笑) というより、ギターが難しいということなんでしょうな。
 セーハのやり方をネットで検索してみると、人差し指を横倒しにする、全弦バランス良く押さえる、フレットの近くを押さえる、といったコツが紹介されていました。理屈は分かるんですが、理解して即できるなら苦労はないですなあ。
 いろいろ試行錯誤していると、どうも、弾いている弦を意識して力を入れると音が出やすくなるような気がしました。言うほど簡単ではないですが。正しいやり方かもわからんですが。

 その後、自分の曲のギターパートをちょろちょろ弾いてみたのですが、"Crafty Service"のイントロなんか、案外理に適った運指になっていて笑いました。というか、ギターの構造自体が、和音を押さえやすいようにできてるんでしょうね。
 あの曲弾けたら格好いいでしょうなあ。

[蛇足]
 初心者がギター買う時、だいたいにおいて忠告されるのが「通販セットを買うな」というものです。しかし所詮、金のない奴には激安セットか激安中古ギター&アンプの道しかないわけですな(笑)
 どうせ初心者にギターの選び方なんか分からないのだし、安いので充分だと私は思います。とりあえず激安を使い倒して、不満を感じたり、物足りなくなってからアップグレードした方が、欲しいモノの具体的な形が見えやすいですし、結局は無駄がないとも言えます。
 だいたい「通販セット買うな」と言ってる人は、つまり自分も過去に通販セット買っているわけでしょうが(笑)

 ちなみに、私の打ち込み環境の変遷は、
『デザエモン』(友達が持っていたもの)→『かなでーる』(約8000円)→Singer SongWriter Lite(アカデミーパックで9000円)+パソコン内蔵GM音源→SSW(Liteからアップグレード 18900円)+SC-8820(49800円)→SSW VS+MOTIF Rack(125000円)+その他いろいろ。

[蛇足その2]
 金を気にせずなんでも手に入るということなら、欲しかったギターはGibsonのCorvusだった。実は、ギターのデザインで格好いいと思うのはコレだけなんですよね。
 しかしコレ、生産数の少ないレアなギターらしくてそうそう売ってないし、あってもとんでもない値段が付いてます。しかもギターとしてのデキも決していいものではないらしい(笑)

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2009.1.9「本:間違いやすい記号論」

 年末に奥泉光の『モーダルな事象』を読んだのですが、そういえば、あの手の文学者の内情暴露本って、筒井康隆の『文学部唯野教授』と似てるんじゃないかなと思い、読み返してみようと手に取る。

 私が持っているのは岩波書店の同時代ライブラリー版なのですが、何気に最後のあとがきをめくってみると、「シニフィエ騒動」なるものについて触れているのに気付きました。
 この小説は、主人公の唯野教授が文学理論を講義するパートがあるのですが、その中に記号論を扱っている部分があって、唯野教授は黒板に猫の絵など描きながら、「猫」という言葉(表記・音声等)がシニフィアンで、実際の猫がシニフィエだと説明しているのです。

 この解釈は間違いで、シニフィエとは、「猫」という言葉が指す「概念」のことをいいます。要するに、現実に存在している動物を指すのではなく、「猫」という言葉から想起される(想起して欲しい)イメージのことを指すのです。
 そもそもシニフィアン/シニフィエとは「記号」の中に含まれる成分なのであって、「記号」の中に本物の猫が混ざっているわけがありません。道路標識の「落石注意」が本物の落石やら、落石によって潰された車などから作られているわけではない、と言えばわかりやすいか。

「記号には実際の猫や犬は含まれない」というのは、あまりにも当たり前すぎるため軽視しがちですが、実際に書いたり読んだりする時、その事実は非常に大きな意味を持ちます。つまり、「記号」には実際の猫などが含まれていないため、読む側と書く側の間で必ず認識の誤差が生まれる、という事実です。書く側が「猫」と書いてイメージしたものと、読む側が「猫」と読んでイメージしたものは、同じものではありえないのです。……まあ、この話は書き始めるときりがないし、本題ではないからここまでにして。

 あとがきによると、連載当時、この間違いについて各方面から批判やら応援やらが飛び交って騒動になったらしいです。詳しくは知らないのでなんとも言えませんが、騒動になったというくらいだから、結構いろいろあったんでしょうかね? ネットで調べてもちっともヒットしないから、記録されるほどの大事ではなかったとも取れますが。
 これが記号論についての論文なら、こういったミスは恥ずかしい限りですが、単なる小説であり、唯野教授が間違ったことを学生に教えているだけなのだから、何も問題ないような気はしますけどね。良心的に解釈すれば、「よく分かってないくせに、偉そうに記号論を教えている連中がいる」という皮肉とも取れます。その場合、その一人が筒井氏自身であるという、自虐的な意味も持つことになるのですが(笑)

 ところで、記号論のこの間違い。別のどこかで全く同じものを見かけなかったか? と思い返してみると、アレです、養老孟司『バカの壁』。実際のりんごがシニフィエだという、筒井氏と全く同じ間違いを披露しておりました。あれの場合は、シニフィアン=イデアだという、さらに輪をかけてわけのわからない話が展開されていましたが。

 二人が全く同じ間違いをしているのだから、これは偶然じゃないでしょう。「シニフィエとは実際にあるもののことだ」という説明が、どこかで流通していると考えるべきではないでしょうか?
 つまり、現実に唯野教授のような連中が「シニフィエとは実際の猫のことだ」と学生に教え、それを真に受けた学生がさらに他の人に教えていく……というサイクルが文学部の片隅で行われている可能性が高いわけです。筒井氏は文学部出身だから、筒井氏が間違って覚えていたのは、実はそこの教授のせいなんじゃなかろうか。で、彼の書いた『文学部唯野教授』を養老氏が読んだ、という流れだったりしたら面白いんですけど(笑)

 実際、シニフィエの意味を正確に教えるのは非常に面倒です。「シニフィエとは実際の猫のことだ」と教えておけば簡単だし、講義の中では問題も生じません。どうせ恥をかくのは学生ですし、いざとなれば「原文に当たらなかった奴が悪い」と言えばいいだけのことです。ま、ソシュール本人は論文を残しておらず、残っているのは弟子やら学生が書いたものばかりで、既に原文とは言えない代物なのですがね。


 さてさて。ここで『モーダルな事象』に戻るのですが、実はあの作品の中にも、一回だけ「シニフィエ」という単語が出てくるのです。大阪のアホ女子短大でしがない文学助教授をしている主人公が、とある文学界の権威者に「君も東京の水が恋しくなって来た頃だろうねぇ」などと世間話をされた時に、その世間話から「素晴らしく輝けるシニフィエ」を受け取り、夢を膨らませる、というシーン。
 最初読んだ時は、単に「こんな下らないところでソシュールかよ! なんて高度で馬鹿馬鹿しいギャグなんだ!」と大笑いしたものですが、よくよく考えたら、これって『文学部唯野教授』への皮肉をちらっと絡めたシーンでもあったのでしょうかねえ。

 奥泉氏は結構辛辣な批評家でもあって、小説の中に他作品への批判を絡めることがままあります。一番顕著なのは『バナールな現象』ですが、他の作品にも、ちらちらと棘のある部分が見え隠れ。面白い文章ひとつ書けない批評家が何書いたって犬の遠吠えに過ぎませんが、あれだけ書ける小説家が同時に批評家だというのは、ホント考えただけで恐ろしいです。餌食になった人はご愁傷様としか言いようがないですが、やられた本人は気付いてなかったりして。


[追記 2009.1.10]
 オーノー。『バカの壁』の該当箇所をよく読み直すと、「シニフィアン」は「イメージの中のリンゴ」で、「シニフィエ」は「実際のリンゴ」という説明になっていました。シニフィエが間違っているとかいう以前に、記号論をちっとも理解していないじゃないですか!
([2011.1.9 追記]この記事はよく読まれているようなので補足しておくと、この説明だと「リンゴ」を伝える手段がないのです。つまり、音声とか文字とか)
 筒井氏のミスは、「記号論を学ぶ際にありがちな誤解」ですが、養老氏のは誤解とか錯誤とかで済まされる問題じゃありません。知ったか振り以外の何者でもない。

 これで、『文学部唯野教授』を養老氏が読んで……という線は消えましたね。今回の雑記における、最も大胆かつ画期的な推理部分だったのに(笑)

 これを書く時、一応原文には当たっていたのですが、まさかそこまでわけのわからない間違いを犯しているわけがないと思い込み、シニフィエの説明部分だけ確認したのでした。が、「シニフィアン=イデア」という箇所を読んでいて、「あれ? 文字や音声なんかが、なんでイデアになるんだ?」と不思議に思って読み直したらコレですよ。さすがは『バカの壁』の著者! 侮っておったわ……
 というか、前に『バカの壁』の批判を書いた時、同じ指摘をしていたはずだったのですがね。2年くらい前のことだからすっかり忘れてた。

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2009.1.7「パソコン:スタートメニューを使いこなしてみる」

 使いたいソフトをどうやって起動していいか分からなければ、パソコンは高価なガラクタに過ぎません。目的のソフトをいかに快適に素早く立ち上げるか、というのは、パソコンを使う上で基本的にして最大の問題だと言えます。

 WindowsにはExplorerというシェルが標準装備され、スタート→プログラムから必要なプログラムをすぐに起動できるという素晴らしいインターフェイスが備わっているのですが、Winユーザーならご存じのように、この「プログラム」という項目には勝手に次々とショートカットが追加されるため、いくら整理してもすぐ使い勝手が悪くなってきます。要するに、こんなもん役に立ちません(笑) ……まあ、インストール後、どこに行ったかわからないソフトを捜索する時には使えますが。

 自然と「プログラム」以外の起動手段が必要になってくるわけですが、多くの人はデスクトップにショートカットアイコンを置く、という手を使っているようです。これなら所在もはっきりしているし、いざとなればウインドウを全部閉じれば見つかるわけです。
 しかし、デスクトップというのも使ってくると不便であることがわかってきます。デスクトップは全てのウインドウの下に表示されるため、そこにあるアイコンをクリックしようとすると、いちいちウインドウをどかしたり、最小化しなければなりません。

 どんなにウインドウを表示しまくっていても素早く簡単に目的のソフトを見つけて起動できる。私達に必要なのはそういうインターフェイスなのです。

 というわけで、私は長いことフリーウェアのランチャーソフトを使ってきました。普段は画面の端に隠れて邪魔にならないのですが、カーソルを持っていくとポップアップしてタブ式のランチャーが表示される、というものです。この手のランチャーは多数あるのですが、私がそれを使っていた最大の理由は、表示の素早さでした。多くのランチャーは、カーソルを持っていってから表示されるのに若干のタイムラグがあるのですが、そのランチャーはほぼ瞬時に表示され、軽快そのものだったのです。
 使い勝手も私好みだったので10年以上愛用していたのですが、ついに手放すことになりました。ショートカットを追加しすぎて、立ち上がりが極端に遅くなってしまったからです。ショートカットを減らせばいいのですが、それではランチャーの意味がありません。

 そんなわけで代わりのインターフェイスが必要になったのですが、ランチャーソフトを変えても結果はおそらく同じでしょうし、シェルを変えるというのも、なんとなく慣れるのに時間がかかりそうだし、問題が起きそうだしで、どうにもやる気が起きません。
 考えた末、結局、Windows標準の"Explorer"を使いやすいようにした方が手っ取り早い、という結論に落ち着きました。"Explorer"は使っていようがいまいがメモリを食っているので、どうせなら使った方が得だと言えますしね。

 というわけで年末から正月にかけて、ちまちまとショートカットの整理などして刷新されたインターフェイスがコレ。
デスクトップ
 まずはデスクトップの風景。これは今年からこうなったわけではなく、数年前からコレだったわけですが、MS-DOSプロンプトでも表示しているんじゃないかと間違うほどの真っ黒ぶりです。あるのはごみ箱だけ(笑) いかに私がデスクトップを使っていないかを表していると言えます。

スタートメニュー  で、こちらが整理し直したスタートメニュー。要するに、プログラムの中身は信用できないので、別にフォルダを突っ込んだわけです。入れ方は簡単。C:\Documents and Settings\ユーザー名(もしくはAll Users)\スタートメニューに、好きなフォルダやショートカットを放り込むだけ。
 よく考えたら、わざわざランチャーソフトなんか使わなくても、最初からこうしておけばよかったよな(笑)

 一番上の"Process Explorer"というのは、タスクマネージャの強化版みたいなものです。いろいろ強化されているわけですが、特に重宝するのが、「タスクマネージャが起動しないくらいフリーズ気味の時でも結構起動してくれる」ことと、「タスクマネージャよりも確実にプロセスを強制終了してくれる」ことです。
 処理が固まってCtrl+Alt+Delを押しても、結局タスクマネージャも起動しなくて「意味ねえ!」ということが多い昨今ですが、"Process Explorer"を使えばより確実に緊急手段が使えるようになります。

 ちなみに、なぜショートカット名が"Z.Process Explorer"になっているかというと、こうしておけばキーボードの「ウインドウズボタン」→Zと押すだけで瞬時にソフトが起動するからです。自前のCtrl+Alt+Delというわけ。なぜ"Z"なのかは、キーボードの配置を見ればわかります。
 マウスを使いたくない派や、ノートパソコン主体の人は、こういった小技を知っておくと便利かもしれません。よく使うソフトのショートカットをスタートメニューに放り込んで、頭に"0."とか"1."とか付けておけば、ボタン2個押すだけで起動するわけですね。
 ただし、PやHやRなど、スタートメニューの方で既にショートカットが登録されている文字を使うと瞬間起動してくれないので注意。

クイック起動
 こちらは、スタートの横にくっついてる「クイック起動」の中身。頻繁に使うソフトは全てこちらに入れています。表に最初から見えているのは、最もよく使うショートカット。「マイコンピュータ」、"IE7"、"メールソフト(Shuriken)"、"メモ帳(ネタの種)"。

 ショートカットの整理作業が終わったら、後はレジストリをいじって使いやすくしておきます。例によって警告ですが、レジストリは下手にいじると二度と起動しなくなるなどの致命的な不具合が生じることもありますので、真似する場合は覚悟の上でどうぞ。あと、私のOSはWindowsXP Home Edition SP3です。別のバージョンではレジストリ構成が異なるかもしれません。

 まず、スタートアップのメニュー表示時間を調整します。標準では、スタートメニューをクリックすると、0.4秒くらい遅延が生じてからメニューが表示されますが、余計なお世話なので遅延ゼロにします(笑) 
 スタートメニュー→ファイル名を指定して実行で"regedit"と入れるとレジストリエディタが開くので、
 HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktopの"MenuShowDelay"をクリックして「修正」を選択。
 デフォルトでは値が400となっているので、これを0にします。再起動すると反映されます。

 次に、自前Ctrl+Alt+Del(ウインドウボタン→Zで立ち上がる"Process Explorer")の確実性を上げるため、エクスプローラーが止まった時でもスタートメニューやクイック起動にアクセスできるようにしておきます。
 こちらは、
 HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorerの"DesktopProcess"。値を1にしておきます。
 これをやるとメモリを食うので注意。メモリ価格が暴落している昨今なら、全く問題ないと思いますが。
 この効果がいかほどであるか、正直なところ私には実感はありませんが、緊急時の保険として、やっておくと役立つことがあるかもしれません。

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