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雑記ノート


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2010.12.20「時事:齋藤智裕『KAGEROU』平積みとプロットのこと」

 所用で本屋に立ち寄ると、レジの目の前の一等地棚に、齋藤智裕の『KAGEROU』が全面平積みされていました。2冊ずつ積まれていて、少なく見積もっても50冊はあった。
 正直言って、こんなに早く発売されるとは思っていませんでした。受賞から出版まで、どんなに急いでも半年はかかると思っていたのですが。ろくに推敲せずに出版したのでしょうか?
 ざっと見た感じ、30分で読めそうな分量だったのですが、さすがに全立ち読みは本屋に悪いですし、かといって買いたいとも思わなかったので、10ページだけ読んで技術的なレベルだけ確認することに。

 純粋に文章技術のみの評価としては、『リアル鬼ごっこ』や『地獄のババ抜き』よりはずっとマシで、『世界の中心で愛を叫ぶ』よりはちょっとマシ、といった感じ。つまり、読んでいて投げ捨てたくなるほどひどくはないです。
 ただ、ネットで詳しいプロットを調べたのですが、そのプロットを制御出来るほどの技量はないだろうと推測します。手回し式の人工心臓というガジェットが出てくるみたいなのですが、こういうのをちゃんと使おうとすると、それなりのセンスを必要とするんですよね。幻想小説風にすれば、星新一みたいな作風を目指すこともできるし、眩惑的な視点移動の技術が使えるなら超高度な文学作品にも仕上がるでしょう。不条理ものに振ればゴーゴリやカフカ、筒井康隆や安部公房みたいな作品になる。
 でも残念なことに、この作者の文体からは、こういった作品の文体を研究した形跡が見られないんですよね。だから間違いなく、せっかくのネタを持て余しているはず。まあ、そんなもんを研究しているなら、最初からポプラ社なんかに原稿を送ってないでしょうけど。

 というかですね。私だったら絶対この手回し式人工心臓を中心にプロットを組みます。
 たとえば、目が覚めたら自分の左胸にハンドルが付いていて、黒服の男がそれを回しているわけですよ。で、黒服は自分が死神だと名乗るわけです。主人公の左手首はばっくり開いていて、それで、そういや自分は自殺したんだっけと思い出すと。
 主人公は死なせてくれよと頼むわけですが、どこぞの自然災害の被害者が三途の川に大挙して押し寄せて事務手続きがパンクしているので、自殺者には、できればもうちょっと死ぬのを先延ばしにして欲しいとお願いしているんだと言われる。
 だから是非そのハンドルを回し続けて欲しいと言われたので、仕方なく自分でそれをぐるぐるまわしながら病院だかなんだかよくわからない施設内を歩いていると、同じく順番待ちでハンドル生やしている少女に出会うわけですよ。もちろん、その少女は自殺志願者じゃなくて、病気で死にかかっているわけですがね。
 要するに、この謎の施設は現世とあの世の中間にある待合室なのです。少女の本体は昏睡中だけど、意識だけこっちに来ているわけですね(ただし、この辺の設定は書かない。いちいち書かなくても状況からなんとなくわかるでしょうし)。
 でまあ、いろいろ話している内に、その少女は心臓を移植すれば助かるかもしれないとわかるわけですね。主人公は死神に、自分を脳死させて、心臓を少女に届けることはできないかと持ちかける。死神は主人公の魂と引き替えに、その願いを叶える、というわけです。
 その後少女がどうなったかはあえて書きません。なぜなら、結果に意味はないからです。主人公が魂を懸けたという、その行為そのものが大事なのですからね。移植が成功したから報われるとか、失敗したから無駄死にになる、というものではないでしょう。

 悪魔との魂の取引という超古くさいネタを、あえて正々堂々とオチとして使うわけです。この結末は誰でも予測出来るし、誰でも思い付くでしょうけど、それをあえて愚直にやり切るところがミソです。
 たいがいの人はうまいオチを付けようとして悩むと思うのですが、全く格好を付けようとせずノーガードで真っ正面から挑めば、それはそれで凄味が出るわけですね。こんなプロットでも結構シビレるでしょ(笑)

 ……思ったより上手くまとまってしまったのですが、これ、プロットの作例としてレポートに載せるべきなのでしょうか。でも、ノートも取らずに完全に思いつきで組んでしまったから、組み方の手順を書くことができない(笑)
 なんで、こんなどーでもいいプロットはきれいに完成して、本当に作りたい作品のプロットは行き詰まるんでしょう。もう嫌です。

[2010.12.22 追記]
 今日本屋に立ち寄ったところ、例の50冊以上が売り切れていました。売れていると聞いてはいましたが、この短期間(1週間経っていない)で本当に全部捌けるとは予想外でした。結局、活字離れだの本離れだのとぶーたれる暇があったら、宣伝の仕方を考えろということですね。

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2010.12.12「本:川上未映子『乳と卵』」

 川上未映子『乳と卵』を読む。図書館に行ったらたまたま返却棚にコレがあって、めくってみると思った以上に字数が少なかったので。実際、メモを取りながら読んでも2時間かからなかった。

 読んでみた感想は、芥川賞を取るために書かれたような作品だなあ、でした。露骨なほど古くさい文学小説の形式に則っている。母親の豊胸手術を巡っての親子喧嘩が中心に描かれた作品なのですが、娘が日記で女性の身体についてのうんちくを書いていたり、「子供を産む」女性性が「子供の存在を否定する」役割を果たしていたり、親子喧嘩の果てに卵を割って仲直りしたりと、あまりにも見え見えの構図でちょっと恥ずかしいくらいです。あとはまあ、これまたえらく教科書的で軽薄なジェンダー論とか。娘のセリフや記述がもう、大学でジェンダー論を習いたてのにわかインテリにしか見えないのですが、もうちょっとなんとかならんのでしょうか(笑)
 ジェンダー的に見れば、男根支配に抵抗しようとする女性を描いた作品とも言えるわけですが、これもあまりに露骨に構図化されすぎていて、登場人物がチェスの駒のようにしか見えないんですよね。その割には対立が極限まで行き着くこともなく、中途半端なところで卵を割って和解するわけですが(対立と和解という、芥川賞が好みそうな構図になっている、とも言える。どこまでいっても構図が露骨すぎなことに変わりはない)。
 これを読んで喜ぶのは芥川賞の審査員のお歴々ように、センスの古い文学趣味な人くらいなもんでしょう。ここまで露骨だと、作者が懐古趣味というより、懐古趣味のじいさんに合わせて作ったんじゃないかと疑いたくなります。若い作家がこんな代物を本気で書くとはどうしても思えません。実際、一緒に収録されていた「あなたたちの恋愛は瀕死」の方は教科書臭さがなくて、もっと混沌としているんですよね。こっちの方が面白い。

 最近話題になった芥川賞作品をいくつか読みましたけど、共通して言えるのは、あまりにも構造が律儀すぎる、ということです。現代文の授業でもやっているかのような気分にさせる作品ばっかりなんですよね。答えが決まっていて、それを掘り出すだけの味気ない感じ。
 芥川賞受賞作家の実力を本気で知りたいなら、むしろ受賞作は何の参考にもならないように思えてきました。

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2010.12.1「文房具:大学ノートの理想型」

 私は長いことB罫の大学ノートを使っています。中学2年くらいまでA罫だったのですが、それは親が買ってきた物をそのまま使っていただけで、そもそも罫線の幅が異なる大学ノートがあること自体を知らなかったのです。
 塾へ行くようになって文房具屋をぶらつくようになって、初めてA罫より5行多いB罫を見かけて、こっちの方がお得だ! となったわけです。
 私は何かにつけて表を描くことが多くて、その際、A罫だとスペースが広すぎると常々思っていたんですよね。それ以来ずっとB罫を使い続けています。
 ちなみに、最近描いた表はコレ。

Fallout: New Vegas ステ振り表

 そんなわけで、コクヨからドット入り大学ノートが発売された時は「ようやく大学ノートも当たり前の進化を果たしたか!」と喜んだものです。従来の大学ノートは直線を引く際、上下にある目印を参考にするのですが、これが意外と間違いやすく、ひとつ隣の目印を使ってしまい、斜めに引いてしまうことがあるんですよね。短い定規だと目印が使えないという問題もあった。
 そういった諸処の問題が、定間隔で罫線にドットを入れるという、たったこれだけの工夫で解消されるわけです。ほんと、なんでもっと早くこうならなかったのかと思う。
 喜び勇んでB5の5冊セットと、A5を1冊買ったのですが、最近ようやく5冊セットの方を開封して愕然としました。間違ってA罫のを買ってしまったのです。
 どうするコレ、誰か引き取ってくれないか、それとも我慢して使うか……と、しばし真剣に悩みながら昔のノートをパラパラめくっていたのですが、その時あることに気が付きました。

 確かに表を描く際はA罫だと間延びして使いづらいのですが、普通に文字を書くときは、B罫だと字間が取れなくて読みづらいため、よく一行開けて書いているのです。だったら、A罫を使って2mmほど字間を取れば、B罫よりもたくさん書けるのではなかろうか?

 さっそく試しにA罫で頭2mmを字間として開けるように字を書いてみる。確かにちゃんと字間を取れば、行空けしなくても見やすいノートになりました。しかし、ノートというのはいつも冷静に丁寧に書けるわけではなく、時には走り書きしなければならないこともあり、ヒートアップしながら殴り書きすることもあります。その際、ここまでが行間ですよというアタリがないと、結局罫線を目安に文字を書いてしまうのです。
 いっそコクヨも、罫線にドットを付けるだけでなく、行間が取りやすいように薄くアタリ線を引いてくれたら、もっと使いやすくなったのに。ノートの進化に「これでいい」というものはないのじゃ。まだまだ青いのうと偉そうにぶーたれながらも、勿体ないので仕方なくA罫のノートを使っていました。次はB罫に戻すつもり満々だったわけですが。

 しかし、今日文房具屋をぶらついていたら、私が思い描いたとおりの、本当に罫線の中に2mm間隔くらいのアタリ線が3本入っている大学ノートがあるではないですか! ついでに縦にも線が入っていて、コクヨのドットノートより表も描きやすいのです。
 そのノートの名はナカバヤシのスウィング・ロジカルノート。ロザンとかいう芸人が共同開発しているのがとっても気に入らないですが(誰かは知らない。誰々プロデュースなどの宣伝文句が嫌いなだけ)、まあ、線の入れ方は理想的なノートです。
 しかし、ひとつだけ重要な欠陥がありました。それは糸綴じ製本だということ。糸綴じ製本のノートは、ページを破ると、それと対になるページも取れやすくなったり、糸が切れてバラけてしまったりと、いろいろトラブルが起こり易いのです。もっとも、普通はあんまりページを破ることはないのですが、たまに、どうしても破棄したいページができることもあって、その際糸綴じだと非常に面倒なことになります。表紙だけどこかに行ってしまったりというのも糸綴じにはありがちな現象(笑)
 値段が高いのに頑なにコクヨのキャンパスだけを使い続けている理由は、キャンパスが無線綴じ製本だからです。コレはコレで、背表紙が破れて崩壊したりなどのトラブルが起きたりするのですが、糸綴じ製本よりは遥かにマシ。そう言い切れるくらい、糸綴じ製本ノートには嫌な思い出がたくさんあります。
 無線綴じでスウィング・ロジカルなノートがあれば絶対買いなのに! なぜコクヨとコラボしなかったんだロザン!
 コクヨがロジカルをパクるか、ナカバヤシが無線綴じをパクるか、それがダメなら二社で共同開発してくれないものかと本気で願っておりますが、現状ではどうにもならんので、ロジカルのB5A罫の5冊セットを試しに買ってみました。糸綴じ製本も進化していて、ほどけにくくなっていたりするかもしれないですしね。

[追記 2010.12.3]
 ロジカルノートを使ってみて、重大なことに気付きました。ノートをきれいに取ろうとすると、そっちに神経が行きすぎて考えがまとまらないのです。せっかく完璧に使いやすく工夫されたノートなのに、それを使おうとすると目的が果たせなくなるとは、なんと皮肉なことでしょう(笑)
 いろいろ悩んだ結果、結局雑記ノートにはB罫のキャンパスノートを使うことにしました。ロジカルノートや、間違えて買ったA罫のドット入りキャンパスは、ゲームプレイ時のメモ帳(上の画像みたいなやつ)として利用することにします。

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2010.11.19「パソコン:UA-4FXノイズの原因」

 UA-4FXにヘッドホンを差していると、わずかに「ピー」というノイズが乗っていることがあって、ずっと気になっていました。
 無音の時にヘッドホンでないと聞こえないほど小さな音で、録音時にそのノイズが乗ることもなく、つまりは大した問題ではなかったのでしばらく放置していたのですが、最近音の編集をやるためヘッドホンを付けながら作業していたところ、ずっとピーと鳴りっぱなしだったのについに我慢の限界が訪れ、本気でどうにかすることにしました。

 こういう原因不明のトラブルの時は、とりあえず馬鹿げていると思えることでも全部やってみることが鉄則です。ボリュームつまみを上下させ、サンプルレートを変え、REC SOURCEを変えてみましたが、ノイズに変化無し。次にASIOのバッファサイズを極限まで下げてみましたが、これも効果無し。
 UA-4FXやヘッドホンがパソコンからのノイズを拾っているという説も考えてみましたが、音を再生しているときしかノイズは聞こえないのです。外部からノイズを拾っているなら、ずっと乗っていなければなりません。ドライバが稼働している時だけ乗るというのはありえない。かといって、ドライバ関連の設定をいじっても全く変化無し。
 外部ソースでもドライバでも音量でもサンプリングレートでもないとすれば、何が原因なんだ? と、半ば解決を諦めたところで、最後になんとなく、MOTIF-Rack(もちろん電源はOFF)を繋いでいるLINE-INのケーブルを抜いてみると……ノイズが消えました。

 正直言って、理屈は全くわかりません。LINE-INからのノイズが原因なら、INPUT-OUTの音量やREC SOURCEに反応してもいいようなものですが。
 とりあえず、今度からMOTIF-Rackはデジタルケーブルで繋ぐことにしました。

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2010.11.9「ゲーム:Xbox360"Fallout: New Vegas"」

 Xbox360版"Fallout: New Vegas"を、とりあえずクリアしました。このシリーズはメインシナリオは大してボリュームもなく、エンディングを見るだけならそんなにかかりません。その代わりサブクエストが豊富で、要するにメインクエストを放ったらかして遊ぶゲームなのです。
 というわけで、私も当初の予定ではこんなに早くエンディングを観る気はなかったのですが、B.O.S.のイベントでバグが起きて進行不能になったので、やり直すことにしたのです。でまあ、それならせっかくだからエンディングを観ようかと。

 ここで書いてもあんまり意味がないような気もしますが、一応情報提供しておくと、エルダーの依頼完了直後にエルダー解任クエストを完了すると、それ以上B.O.S.関係のイベントが進まなくなります。あのクエストはどちらか一方のみ完了させないとダメなようですね。経験値が二重に入ったからラッキーと思ってたのですが(笑)
 ついでなのでその他のバグについても。選挙をやっているVaultのイベントの途中で、何の関係もないMr.ハウスのクエストが失敗扱いになったこともありました。原因不明。毎回異なるタイミングで失敗になったりならなかったりするので、何度もしつこくやっていれば、そのうち失敗扱いにならずにクリアすることもできます。
 レベルアップする瞬間に場所移動したセーブデータをロードしたら、LVが2つ上がってしまうバグもありました。Lv1つ分ポイントとPERKを失うので、いいことは何もありません。このせいで2時間ほど巻き戻してプレイし直す羽目に。
 あと、長時間プレイしているとキャッシュが溜まってカクカクしだして、最終的にフリーズしてしまうので、ロードが長くなりだしたあたりで、定期的にセーブ&休憩する(電源を切るかダッシュボードに戻る)ことをおすすめします。セーブは上書きでなく残しておいた方が、何かあったとき巻き戻ししやすいです。このカクカクとフリーズに関しては評判悪いみたいですけど、止め時が数時間おきに訪れるのは悪くないかなと個人的には思います(笑)

 初回プレイの感想はというと、ゲームプレイ的にも精神的にも、序盤を乗り切れるかどうかがカギのような気がします。
 このゲームは大小様々な勢力が存在し、それぞれ協力・敵対関係にあったりするのですが、序盤からNCR、ニューベガスの三大ファミリー(これがまたそれぞれ思惑が異なる)、Mr.ハウス、シーザー・リージョン、グレート・カーンズ、パウダーギャングと、いきなり6勢力もの情報が一気に与えられます。もう、何が何だかわけがわかりません。
 さらに、この手のゲームにしては非常に珍しく、ゲーム開始ポイントの近くに自宅、宿屋、修理屋がありません。寝床はその辺の野外キャンプや廃墟で寝て、武器は部品を調達して自力で修理するしかない。
 その上、開始ポイントの近くにデスクローやジャイアントラッドスコルピオン(上限まで強くなったプレイヤーキャラでも気を抜くと死ねるほど強い敵)の溜まり場があって、知らずに入ると瞬殺されます。

 というわけで、最初の24時間くらい(初回プレイの約半分の時間)は正直言ってあんまり面白くありませんでした。自分が何をやっているのかわからないまま、ただふらふら歩いて、その場その場で指示通りクエストをこなしているだけ。
 アサルトライフルが欲しいのにどこにも売っておらず、ベガスでようやく売っていると思えば高すぎて買えず、ずーっと9mmピストルと10mmピストルしか使用していませんでした。そのうち弾薬が尽きて、ナイトキンから奪ったリーバークラブ(コンクリートの付いた鉄棒)で戦っていましたが、Melee Weaponのスキルにほとんどポイントを振っていなかったこともあり、相当キツかったです(あとで分かったことですが、アサルトライフルは初期ポイントのすぐ側で拾えたり、サブクエストでもらえるのでした。10mmピストルとリーバークラブだけでブラックマウンテンを攻略したのですが、今から考えれば狂気の沙汰でしたね。二週目ではライオットショットガンとマークスカービンを持ち込んだので楽々でしたが)。
 しかし、そういった厳しい序盤を乗り越えれば、だんだんとこの作り込まれた世界の情勢がわかってきて、それにつれて面白くなってきます。
 まあとにかく、この地域の情勢の複雑さも探索できるポイントもクエストの数も、それからプレイヤーの意志選択の自由さと重さも、前作とは比べものになりません。
 各勢力は複雑に関係し合っていて、どこを助けてどこを壊滅させるかはプレイヤーの自由となっています。行く先々で血の雨を降らせるのも、敏腕外交官となって八方美人に世渡りするのも自由。ただ、敵対関係が明らかな勢力同士の場合は、片方を助けることで自動的に片方から悪評をもらうことになる場合もあります。前作で不満だった、勢力争いに自由に荷担できない点がうんざりするほどの圧倒的なボリュームで改善されたわけですね(笑)
 そういったしがらみに疲れたら、ネバダ砂漠を無意味に放浪して、多数ある洞窟を片っ端から探険したりもできます。……というか、私の初回プレイは外交に忙しくて、クエストに関係ない洞窟にはまだひとつも入っていませんでした。なんにしろ、クエストも探険できる場所も物凄く多いです。

 クエストを進めると少なからずしがらみに縛られて、決断と、結果に対する責任を負うことになるので、無責任に放浪したい人にとっては"Fallout 3"の方が合っているように感じるかもしれません(お父さんとBOSに乗っかればいいだけなので気が楽ですし)。私もまあ、無責任なアウトローの立場の方が好みではあるのですが、これはこれで面白いです。最初のとっつきは悪いけど、この世界にはまり込んだらどっぷり漬かれる。

 決断と結果といえば、本作はスキルのポイント配分もより重要になっていて、キャラクターメイクによって解決策の幅が広がったり狭まったりします。前作のように完璧なキャラクターを作れないように調整されているので、これも結構な悩みどころです。前作ならスキルポイントが余り気味だったので、接近武器も実弾銃もエネルギー銃も万遍なく使いこなせるキャラを作るのは簡単でしたが、本作はどれかに絞らないと中途半端になったり、重要なスキルにポイントを振り分けられなってしまいます。PERKも偶数LVに1つ(最大15)しか取れなくなっています。
 あと、難易度ノーマルでも結構敵が強くて、どんなに最強武具で身を固めていても、複数の敵に囲まれたらあっという間に地獄行きです。戦いそのもののスキルも重要ですが、それ以上に、戦闘を避けたり有利にしたりする外交能力の重要性が、前作とは比較できないほど高くなっています。ある意味リアルになったとも言える。もちろん、地形を利用したり暗殺を決めたり逃げたりといった実戦スキルも重要です。話の通じない好戦的な動物もたくさんいますので。

"RED DEAD REDEMPTION"と比べるのは……無意味ですね。"RDR"はメインクエストそのものが面白くて、その周辺にプレイヤーが自由に挑戦出来るサブクエストがちりばめられている、という構成で、日本のRPGに慣れている人にとっては馴染みやすい形式だろうと思います。シナリオも世界観もシンプルで分かり易い。
"NV"は全く逆で、メインクエストはむしろつまらないのです(笑) 用意されたレールを無視して、軌道のないところを暴走するゲーム、といった方がいい。そもそも敷かれたレールも不親切なもので、プレイヤーは圧倒的に複雑かつ緻密に構成された世界の荒野に放り出されて、その中でもがく内に、徐々にこの世界に慣れていくわけです。かなりスパルタンな仕様。

 両ゲームをあえて比較するなら、ギャンブルの出来についてでしょうか。"RDR"のギャンブルは、ゲーム内のミニ・ゲーム的ギャンブルにハマったことのない私が遊び倒したくらい良くできていたのですが、"NV"はベガスの名を冠している割に大変お粗末です。従来のミニ・ゲームと何も変わっていない上に、操作性が悪い(キャラバンのデッキ作りの時のカーソル移動が遅かったり、ユニットの削除といった重要な操作をキャンセルできなかったり、チュートリアルがお粗末だったり)。
"RDR"の仕様で"NV"のギャンブルをプレイしたかったと、心の底から思います。……まあ、キャラクターが作り込まれた"RDR"だからこそ、ギャンブル中に表情や仕草を強調する仕様にできた、ともいえますけどね。"NV"のキャラでは、あの仕様には耐えられないような気もする。

[2010.11.13 追記]
 書き忘れていましたが、吹き替えについて。ラジオがある関係で吹き替えはほぼ必須なのですが、ザ・キングスとMr.ニューベガスの声はミスキャストだったんじゃないかなあと思います。どっちももう少しスカした感じの、調子のいいおっさんでなければならなかったような気がする。あと、シーザー・リージョン兵とNCR兵はもう少し声で違いを演出して欲しかった。
 本作は多数の勢力があるのが特色なので、できれば勢力ごとに声優も演技も変えるべきだったんですよね。フィーンドは他のレイダーよりもイカレっぷりを強調したりとか。
 前作はロボット、スーパーミュータント、中国兵、グールでそれぞれ声優を変えていて、ちゃんと特色分けできていたのですけど(今作でも同じ声優が演じているので、この辺は問題ない)。
 グッドスプリングスにいるおじさんが、田舎くさい訛りで演技していて、一人だけ浮いているのが面白い(笑)

[2010.11.13 追記]
([2010.12.28 追記]このバグはパッチで修正されたとのこと)
 ラウルのイベントのバグについて。ラウルは何人かの老兵と話すことでイベントが進んで、最終的にPERKが強化されるか、銃の腕が上がるのですが、その内の一人、レンジャー・アンディと会話してもイベントが進行しないバグがあるようです。
 私はたまたま成功していたので(まあ、要するにアンディと会ったとき、たまたまSpeechが30なかった)、手順を書いておきます。
 ラウルと一緒にレンジャー・アンディのところに行って、Speech 30の会話(特殊技を教えてもらえる)以外を全て行った後にアンディの家を出ると、ラウルが話しかけてきました(家の中では話しかけてこない)。
 どうやら、Speech 30の会話を成功させてしまうと、フラグが立たなくなってしまうようです。ラウルに会う以前に成功させていてもダメ。その場合はやり直すか諦めるしかありません。たぶんエンディングに少しだけ関わってくると思いますが、大したイベントではないので、わざわざこれだけのためにやり直す必要はないかもしれません。

[2010.11.15 追記]
 2週目でLv30に到達。メインクエストはベニーの頭に9mmの鉛玉を返却したところで止めたままです(ちなみに1週目はヌルいことをしてカジノから逃がしてしまい、決闘で倒した)。
 今まで入らなかった洞窟や建物に片っ端から潜入中ですが、なんだか単純で短い構造ばかりで、ちょっとがっかりでした。前作のダンジョンはどれも印象の強いものだったんですけどね。とはいえ、Vaultは今作も強烈なものばかりでしたが。

 プレイしていて気になったのは、イベントリについて。AidとMiscにあまりにもアイテムが集中しすぎて、目的のアイテムを選ぶのが大変です。Food、Book、Ammo-Parts(薬莢とか)、Ivent(クエスト関連アイテム)くらいは分類が欲しいところ。

[2010.11.19 追記]
 ひととおりクエストはこなしたようなので、もうひとつの楽しみでもある理想の最強キャラメイクを目指してプレイしようかと。
 とりあえず、I15上のデスクローの溜まり場を崖にへばりついて無理矢理突破して、LV1でメディカルセンターに行き、インプラントでINTを上げるところまでは成功しました(盗みまくる+キャラバンの襲撃現場でコンバットアーマー×2を拾ってガンランナーとキャンプ・マッカランで売却して金策)。

 最終的に目指すステータスは、
 S.P.E.C.I.A.L. 8, 6, 7, 5, 10, 6, 6(初期値7, 5, 7, 4, 9, 4, 4)
 Skill:(スキル本全冊集めた時点での数値)
  Barter 36, Ene-Weapons 28, Explosives 75, Guns 100,
  Lockpick 100, Medicine 90, Melee Weapons 80, Pepair 90,
  Science 100, Sneak 80, Speech 80, Survivial 91, Unarmed 29
 Traits:
  Good Natured, Small Frame
 Perks:
  Instance Traning(Luck+1), Educated, Comprehention, Hunter,
  Entolosist, Bloody Mess, Shotgun Surgeon, Living Anatomy, Strong Back,
  Fineness, Robotics Expert, Adamantium Skelton, Jury Rigging, Better Criticals, Ninja
 インプラント:
  Str, Per, Cha, Int, Agl, Luk +1, DT+4

 LockpickとScienceは80+本でいいような気もするので、この40ptはプレイ中に欲しいスキルが出てきたら移動させるかもしれません。でも、絶対欲しいところもないんですよね。あるとすればMedcine、Repair、Survivalを100にするくらいか。
 今作はあんまりV.A.T.S.を使っていないので、V.A.T.S.関係のPerksは無し。ひたすら攻撃力重視です。
 Living Anatomyは無くてもいいのですが、趣味で(笑) Adamantium Skeltonもいらないっちゃいらないのですが、いちいち重傷を受けるのもうざったいんですよね。Small Frameを付けていることもありますし([2012.12.13 追記]50回重傷を負うと似たようなPerkが取れるのに気付いたのと、Hand Loaderを取ると.308口径の弾薬を強化できることを知り、結局Adamantium SkeltonをやめてHand Loaderを取ることにした)。Ninjaはデスクローの遠距離狙撃用。それだけのためにMelee Weaponsに80も振るのはどうかと思わないでもないですが。……もしまたバグで近距離武器しかダメージ増加しなかったら、全くの無駄Perkになってしまうのですが、本作ではどうなんだろう。調べた限りでは大丈夫そうですが([2012.12.28 追記]英語版のwikiの方でNinjaの項目が更新されていて、それによるとクリティカルダメージアップも素手、近接武器以外には効果がないらしいです。結局、取った意味なくなった)。
 使用武器はライオットショットガン、マークスマンカービン(オールアメリカン)、スナイパーライフル(砂漠仕様スカウトライフル。ほとんど対デスクロー専用。アンチマテリアルライフルはクリティカル倍率が低いらしく、その上連射できなくて重いので却下)を想定。ミステリアスマグナムがえらく格好いいので、できれば活かしたい気もするのですが、結局リボルバーの間合いではスナイパーライフルを使った方が、クリティカル倍率の関係でダメージ効率がいいんですよね。

[2010.11.23 追記]
 バグ情報。各地のB.O.S.の死体からミッションディスクを全部回収してからStill of the Darkを開始すると「店を使えるようにする」というセリフを飛ばしてしまうことになるようで、ヒドゥンバレーの購買が使えなくなりました。こうなってしまうと、後にB.O.S.加入ミッションをクリアして、購買の品揃えが全解禁になった後でも利用できません。まあ、初回プレイでアレを全部集めてからヒドゥンバレーに行く人はまずいないでしょうから、2周目プレイでの注意点ですね。
 あと、Still in the Dark完了直後にベロニカをエルダーの元に立ち寄らせると、会話が進まないバグもありました。すぐロードしたので、このままベロニカのクエストが進まないのかどうかは不明。
 細かい点では、購買のピストル紛失ミニクエストを完了させてもミニクエスト関連のセリフが残りますし、B.O.S.関連のクエストはバグ多すぎですね。

 この購買が使えないとT-51bパワーアーマーが買えなくなるのが大問題ですが、ネルソンの南東あたりのコロラド川東の対岸を歩いているとデスクロー一家の楽園があって、そこにT-51b一式を着た死体が転がっています(レムナントアーマーというパワーアーマーもある)。多分ここ以外では、無印T-51bは取れないです。頑張ってデスクロー一家を虐殺するか、ステルスボーイで決死の潜入を試みましょう。なお、FTで飛べないところなので、荷物は軽めで行きましょう。パワーアーマー一式を2着(+デスクローの卵など)持って帰るのは結構大変です。
 また、もうひとつの目玉である爆殺フィストはクリムゾンキャラバンでも売っていますし、シーザーの護衛も持っています。
 私は2時間も巻き戻すのが大儀だったので、購買は無視して進めてしまっています。

[2010.11.26 追記]
 S.P.E.C.I.A.L. 8, 7, 7, 1, 1, 7, 9でBlack Widow、Cherchez La Femme、Mystic Power、Mr.Sandmanなどを付けた、普段なら絶対やらないキャラメイクで遊んでみました。LockpickもScienceもSpeechも10前後しかないので、ドアはカギがないと絶対開かないし、まともに説得することはほぼ不可能。薬学知識もないのでスティムパックもいまいち役に立たない。Pepairが低いせいか、頭が悪いせいか(笑) 武器の劣化も妙に早くて、その上修理しても全然コンディションが回復しないので、武器はほとんど現地調達。ついでにあまりに知能が低いせいで、たまに選択肢の文章がお馬鹿になっていたりします。インプラントとプラントを間違えたりとか(笑)
 その代わり、色気でその辺の男からお小遣いをもらったり、レイダーを食べて体力回復していたら変なPerkが追加されて謎肉をお持ち帰りできるようになったりと、なんだか思った以上に楽しいことに。
 普段の私なら、LockpickやScienceが低かったらクエストクリア不可能だろと思っているくらいスキルに頼り切っているのですが、実はスキルに頼らなくても、キャラの特性に合わせて全く違った解法がちゃんと用意されているのが、この作品の面白いところですね。INTを1にする人はまずいない(レベルアップ時のスキルに割り振れるポイントが減るので)と思いますが、10〜11ポイントしか振れなくても、意外と問題なかったりします。要はスキル依存をやめたらいいだけのこと。
 ……しかし、ベニーがBlack Widowで口説き落とせて、しかも本当に夜のお楽しみまでできるとは思いませんでした。いくらなんでもバカすぎるぞベニー! 初回プレイでは「敬意を払って」決闘で倒したのですが、あんなバカなら磔の刑にでもするべきでした(笑)

 あと、Luckが9もあるせいか、スロットをやったらいきなり777が来て、一瞬で出禁を食らいました。ブラックジャックをやってもイカサマをしているかのように勝ちまくり。私の普段のキャラだとLuckは4〜6なので、ギャンブルなんて時間がかかるだけでいいことなどひとつもないのですが、ここまで極端に差があるとは思わなかった。

[2010.12.14 追記]
 Gunsに特化したキャラばかり作っていたので、他の武器も使用してみる。
 エナジー武器は"3"では主力として使っていましたが、今作はあえて使う理由はないですね。実弾銃の方が使い勝手がいいです。特に、敵のDTを軽減させる方法がない上に、軒並みDAMが低めなのが辛い。エナジー武器は一律DT-10でもいいような気がします。あと、プラズマライフルはもっとDAMが高くてもいいと思う。結局、どんな局面でも安心して使えるのはプラズマキャスターだけ。ザコ掃討用に火炎放射器があってもいいですが、重さを考えるといらないような気も。
 狙撃はガウスライフル一択ですが、これがまたアンチマテリアルライフルと同じく、カタログスペックの割には、よくデスクローを仕留め損なうんですよね(多分クリティカル倍率の関係)。スナイパーライフルの方が遥かに使えます。
 爆発物は、グレネードランチャーは使いにくいですが、それ以外はかなり有効。フラグやダイナマイトはV.A.T.S.を使えば面白いように狙い通りに飛んでいきますし、密室にミサイルをぶち込む爽快感は素晴らしいものがあります。主力にはできないですけどね。
 近接武器、素手武器は、そもそもスキルやPerksがなくても強力です。Guns特化キャラでも、序盤はバットや金属パイプが主力になりがちですし。遠距離武器の場合、スキルが足りないと手ブレで命中精度が落ちるのですが、近接系は若干振りが遅くなるだけで、それほど問題なく使えてしまいます。なので、強化してもいまいち違いがわからないですね。DAM値が上がったり、振りが早くなったり、アッパーカットができるようになったりするのはわかるのですが。わざわざスキルを振ったりPerkを取ったりする必要がないように思える。
 Unarmed 100の爆殺フィストのDAMは笑っちゃうほどすごいですが、そもそもUnarmedが20くらいでもすでに80台ですし、この時点でほとんどの敵を一撃で倒してしまうから、あんまり意味ないですね。意味があるとすれば、デスクローとサシで殴り合えることくらい。囲まれたら対処出来ないので、殴りかかるのは現実的ではないですが。

 エナジー武器が使えないと書きましたが、よく考えたら、実弾武器も使い勝手のいい武器は少ないですね。結局ライオットショットガン、スナイパーライフル、マークスマン・カービンくらいしか使わない。あと、入手が面倒ですがディス・マシン。複数の敵に襲われることの多い本作では、リロードに時間のかかるレバーアクションやリボルバーはちょっと使う気になれません。軽機関銃などの連射武器はDTのせいでダメージが入りにくく、大量に弾を消費するので実用的ではないですし。中途半端な性能の銃を使うくらいだったら、金属パイプやリーバークラブで殴った方がてっとり早い。そう考えると、エナジー武器がとりわけダメということもないのかもしれません。要するに、武器性能のバランスが悪いんですね。

[2010.12.24 追記]
 パッチが配信されました。ちょっとプレイしただけでも細々とかなり多くの部分が修正されているのがわかりますが、特に目立っているのは、スナイパーライフルの大幅弱体化(DAMも大幅に減ってますが、それより多分クリティカル倍率が下がっていると思う。前みたいに撃てばほとんどクリティカルという感じではなくなった。連射できて弾薬が軽い分、依然としてアンチマテリアルライフルよりは使い勝手がいいですが、圧倒的なアドバンテージはなくなった気もする)とエネルギー系武器の強化(若干DT軽減効果も付いた。これでエネルギー武器もだいぶ使いやすくなった)。あと、敵のDT値が若干下がっていますね。ディス・マシンもちょっとDAMが下がっているっぽいですが、そもそもJSP弾のDAM1.5倍効果が強力なのであまり影響なし。
 キャンプで作れる料理の材料も大きく変更されています。だいぶ作りやすくなっている。
 また、SurvivalがちゃんとEND依存に修正されたようです。おかげで私のキャラのSurvival値が98になってしまいましたが。

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2010.11.4「時事:水嶋ヒロが小説大賞を受賞したこと」

 俳優の水嶋ヒロが、引退宣言して「作家になる」と宣った後、ポプラ社小説大賞で大賞を受賞して賞金2000万円を辞退した話。
 私自身は芸能ニュースに興味がなく、ポプラ社小説大賞の存在すら知らなかったのですが、素人文学者ということもあって、この件は結構多くの人に意見を求められました。だいたい次のような感じ。

Q.俳優辞めて作家になるって言っているけど、どうよ?(引退宣言時)

A.才能があるかどうかは知らないけど、ネームバリューがあれば多少下手でも売れる可能性はあるから、案外やっていけるかもしれない。でもまあ、テレビ露出が少なくなって時間が経つにつれ、厳しくなるとは思うけど。

Q.最初に書いた作品がいきなり大賞受賞って、すごくない?

A.読まなきゃなんとも言えない。ポプラ社小説大賞は歴史の浅い賞で、優れた作品を輩出しているわけでもないから、アレを獲ったからといって即すごいとは言えない。もっとも、これはどの賞にも言える。新人賞は入り口に過ぎないし、新人賞受賞作で既に完成された作品を書いている作家はそういない。すべてはこれから、ということ。

Q.選考委員は応募者が水嶋ヒロだと知ってたんじゃない?

A.その可能性はあるし、仮に出来レースでも問題ない。要するに、他の応募作品が「水嶋ヒロ」というネームバリューに勝るほどの価値がないと判断された、というだけのこと。出版社がより売れる作品を大事にしたいと思うのは当然。

Q.ネームバリューじゃなくて実力で勝負したいから本名で書いたとか言っているけど、水嶋ヒロの本名なんて調べたらすぐわかるでしょうが。

A.新人賞に応募するとき、ペンネームと本名を併記しないといけないから、いずれにしてもバレる可能性は残る。完全に覆面にすることは難しい。
 ただまあ、「ネームバリューで獲ったと思われたくない」とか青臭いことを言っている作家にろくな腕の奴がいないことは事実ではある(笑)
 本当に自信があるなら黙って作品を提示すればいいだけであって、「本名で応募したから実力で獲ったんだ」などと、偉そうなことを軽々しく言うべきではない。

Q.2000万円辞退したってよ。

A.一家揃って失業中なんだから、有り難く受け取っておけばいいのにね。辞退するくらいなら、どこかに寄付でもすればいいのにと思ったけど。
「金が欲しいんじゃなくて、俺は自分の実力を認められたかったんだ!」ということなんでしょうけど、実力の誇示に飢えていること自体が大した実力でない(もしくは自信がない)ことの裏返しで、そういうことをすればするほど、かえって実力の程に疑惑が持たれてしまう。
 そもそも2000万円を辞退したということは、本当は大賞を受賞するほどの作品ではなかったと公言したようなものでしょう? 特に、八百長疑惑が持たれているところでそれをやると、暗にそれを認めたことになってしまう。
 本当に実力で獲ったと思っているなら、堂々と2000万円を受け取るべき。その後ポプラ社に寄付という形で返還するとか、アフリカに図書館を建てるとか、水嶋ヒロ特別賞を設けてもらうとかは自由にすればいい。

Q.羨ましいだろ。

A.ロト6とか買うより効率よさそうだなとはちょっと思ったし、賞金狙いで書こうかなとも思った(笑) でも、次から賞金が200万円になっちゃうらしいけど。
 誰かが新人賞を獲ったからといって羨ましいと思わない。そんなものより、奥泉光や後藤明生の技術の方が妬ましい(笑) あれを盗めれば面白い作品が書き放題なのに……
 あと、ポプラ社から本を出したら、どういう層にどれだけ読まれるのかがよくわからないから、そういう意味でもあんまり羨ましくない。

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2010.10.23「雑文:デジカメのオートモードの威力」

 私は写真を撮るのがあんまり好きではなくて、デジカメは持っているのに今まで一度も出先に持って行ったことがありませんでした。じゃあなんで持っているのかというと、プラモを撮影したり、写真素材を作ったりするために買ったのでした。
 機種はオリンパスのSP-510UZ。一眼レフとコンデジの中間くらいに相当する、微妙なクラスのデジカメです。一眼レフは手に余るけど、コンデジは小さすぎて扱いにくい……という微妙な気持ちにぴったりフィットして決めました。

 でまあ、このカメラ、買ったのはいいのですが、当初からずっと不満に思っていたことがありました。それは、妙に画質が粗いことです。縮小すればまあまあマシになるのですが、撮った画像そのままの原寸大だと、ざらついていて見れたもんじゃありません。
 部屋が暗いせいか、手ぶれ補正機能のせいか、もしやデジタルズームが悪いのではと、考えつく限りいろいろ工夫してもちっとも改善されなかったので、そのうちほとんどいじることもなくなり、4年が経過してしまいました。

 ネットサーフィンしていて、デジカメで撮影された画像を見るたび、なんでこのレベルで撮影ができないのだろう、機械のせいか腕のせいなのかと悩んでいたのですが、今日ふと、なんとなくSP-510UZをいじっていたら、ISO感度の設定項目が出てきたのです。
 ISO感度とは、フィルムの光に対する感度を表したもので、大きいほど弱い光にも反応します。つまり、暗がりでも撮影ができるようになる。ただし、感度が高ければ高いほど粒子が粗くなります。
 そのことは知っていたのですが、オートモードでは設定項目が出ないから、それが原因だとは思いもよらなかったのです。初心者でもちゃんと撮れるようにサポートするのがオートモードなんだから、設定が出ない以上、最適化されているもんだとばかり思っていた。

 思い返せばこのカメラ、オートモードでしか使ったことがありませんでした。素人がわけもわからずいじるより、機械に任せた方がマシだろうと思ってのことだったのですが……

 オートモード(ISO不明)と絞り優先モード(ISO50)を、同条件で撮影したものを比較すると、ごらんの有様に。

(左がオートモード、右が絞り優先モード。ちなみに被写体はHGUCザクIII)

 両方とも夜中にシーリング1灯のみの環境で、ズーム等倍、頭部にピントを合わせてフラッシュを焚き、ザクIIIの全身が写るように撮影したデータを加工せずにそのまま切り出して並べています。
 いやあ、びっくりしましたね。ブツを無造作に本棚に置いて、補助光源のひとつもなく適当に撮影したものが、今までどれだけ切望しても手に入らなかったクオリティの画像になったのですから。必要なのは機材でも技術でも努力でもなく、オートモードを使わないという少しの勇気だけだったのです(笑)

 ……というか、これだったらオートモードない方がマシです。わかってみれば馬鹿馬鹿しい話ですが、絶対同じ過ちをしている同志はいると思う。

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2010.10.18「雑文:店員に間違えられること」

 親戚の法事があったので参列してきました。
 終わった後に、法事の会場から少し離れた場所にある料亭で昼食を取ることになり、何台かの車で移動することになったのですが、私の車だけ早く着いたので、店の前で待っていました。

 すると突然、「トイレはどこですか?」と訊いてくる人が。知らないと答えると変な顔をされたので、なんで私がそんなこと知らなきゃならんのさと思っていたら、今度は団体さんの一人に「予約していたなんとかですが……」と声を掛けられました。
 よく考えると、私は黒いスーツ姿なのです。どうやら店員と間違えられたらしい。

 しかし思い起こすと、特にスーツ姿でもその店の制服と似ている服装でもないのに、店員と間違えられることが度々ありました。どの辺で店員と勘違いするのか、さっぱりわかりません。手ぶらなのがいけないのか? 鞄でも持っていればいいのか。

 逆に間違えたことは3回あります。いずれもスーツ姿の人でした。たぶんみんな手ぶらだったと思うから、やっぱりその辺がポイントなのだろうか。

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2010.10.16「ゲーム:Xbox360"Red Dead Redemption"」

"RED DEAD REDEMPTION"をプレイ。
"GTA"シリーズを手がけるRock Star Gamesが制作した、西部劇満喫ゲームです。

 基本的なシステムは"GTA"シリーズと共通していて、広大かつリアルに再現された1911年のアメリカ、メキシコを自由に旅したり、突発的に起きる事件に関わってみたり無視したりできるゲームになっています。ただし、見た目的に似たようなゲームである"Fallout 3"と異なる点は、プレーヤーは完全な自由ではない、という点。むしろ自由を獲得するための戦いを描いた作品になっています。
 主人公は義賊と称して銀行強盗などをしていた過去があり、そのため家族を人質に取られ、返して欲しければ昔の仲間の首を差し出せと脅されています。そのため基本的には、他者の思惑に沿った行動を取らなければいけません。要するに、ある程度自由に旅も出来るけど、メインはお使いミッションをこなしていくタイプのゲームでもある、ということです。この辺は"GTA4"と似ているところです。過去の因縁から自由になるために戦う男のストーリー、という点も似てる。

 操作性は"GTA4"に比べると大幅に改善されていて、不満点はほぼ解消されていました。移動、旋回といった基本的なところの操作性も問題なくなりましたし、"GTA4"では全く使い物にならなかった照準サポートやカバーリングも、今回はかなり頼りになります。
 慣れないと馬が思うように走ってくれなかったり、プレイヤーキャラの動きがもっさりしていたりはしますが、それは欠点ではなく、リアリティを重視した結果だと解釈できます。人は一般的なFPSのように、機敏に動き回ったり、2メートル近くもジャンプしたりはできませんからね(笑)

 メインストーリーの面白さもさることながら、やはり特筆すべきは西部劇のガンマンになりきって広大な大地を放浪できることでしょう。
 単に馬に乗って移動しているだけでも、野生動物に襲われたり、行商が盗賊に襲われている場面に遭遇したり、保安官が犯罪人を追っかけていたりと、突発的なイベントによく出くわします。この手のゲームで一番かったるい移動が、むしろ結構楽しかったりする。
 町を歩いていても、酔っぱらいが商売女に絡んでいたり、決闘を申し込まれたり、ならず者が襲撃してきたりと、なかなか気が抜けません。
 その他、殺した野生動物から皮を剥いだりして店に売ったりといった狩人生活や、牛追いなどの牧場主体験、ポーカーやブラフなどのギャンブルで荒稼ぎしたり、宝探しをしたりと、意外とできることは多岐に渡っています。
 ちなみに、私はこの手のゲームでギャンブルのミニゲームを楽しいと思ったことは一度もないのですが、このゲームのギャンブルはなぜかえらくハマりました。いかにもギャンブラーな濃い雰囲気を漂わせたおっさん達とテーブルを囲んでいるという、その雰囲気だけでも楽しいのです。カードを配る動作や、手を開ける時の動作、勝ったときの喜び方などがいちいちスカしていて様になっている上に、それぞれの個性がにじみ出ていて、そういう細かい演出が物凄く良くできている。
 あと、キャラクターによってプレイスタイルにもちゃんと個性があって、レートで押したらすぐ降りる奴やハッタリが好きな奴、堅実なタイプなど、長いことプレイしているとなんとなく見えてきたりします。「こいつがレイズしてきたらには自信があるんだろうな」とか、そういうのを考えたりできるのが本当にポーカーをやっている雰囲気を味わえてとてもいいです。

 メインミッションだけだと20時間程度、できることを一通り遊び尽くすと50時間程度のボリュームで、"Fallout 3"と比べてしまうと若干物足りないというか、せっかくこれだけの世界観があるのだから、もっといろいろ遊びたいという気持ちもあるのですが、いずれにしろ、久々にどっぷりハマったゲームであることは確かです。最初の3日はほとんど寝ないでプレイしてた。やりすぎて目が霞んでプレイに支障が出てきたから適度なプレイ時間に抑えるようにしただけで、あれが無かったら何日徹夜したかわかりません(笑)
『オブリビオン』や"Fallout 3"でも、ここまで分別のない無茶なプレイの仕方はしませんでした。それくらい止め時を見失うゲームでもあるわけですね。

 オンラインプレイでは、よくあるチーム戦やバトルロイヤル形式の対戦ゲームの他、放浪モードがあって、複数人のプレーヤーが同時にマップ上を自由に旅することができるようになっています。
 他のプレーヤーとどう関わるかは自由。無視して一人で勝手に遊んでもいいし、協力して盗賊と戦ってもいい。延々と凄惨な殺し合いを演じるのもあり。
 もう少しいろいろできることがあれば楽しいんじゃないかなと思うのですが、まあ、ちょっとしたおまけ要素としては面白い感じはします。そもそもこのゲームにとって、マルチプレイはおまけですから。

 不満点があるとすれば、ナイフが使いにくいことでしょうか。ナイフでクーガーを殺せ、などのチャレンジがあるのですが、主人公が相手に関わらず、立った姿勢でナイフを振るせいで、なかなか当たらなくてイライラするのです(しゃがんで振っても同じモーションになる)。四つん這いの動物にナイフを刺そうと思ったら、姿勢を落として振らなきゃ当たらないことくらいは分かるだろ、主人公よ(笑)
 ナイフの使用を強制するチャレンジを盛り込むなら、せめてロックオンしてナイフを振ったらちゃんと相手に当たるモーションを取るようにして欲しいもんだと思います。

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2010.9.20「パソコン:テーマをXPスタイルにする」

 google chromeを最新版にアップデートすると、ラジオボタンやチェックボックスが表示されなくなりました。
 調べてみると、この問題は初期のバージョンの頃からあったようで、Windowsのデザインをクラシックスタイルにしていると起きるらしい。
 右クリックメニューから「印刷」を選んでキャンセルすると一時的に表示されるのですが、根本的には直っていないので、結局デザインをXPスタイルにするしか解決法はないようです。

 そもそも、なぜ私がクラシックスタイルに固執していたかというと、XPのテーマの色味が酷かったからです。標準の青は青がキツすぎてアイコン(特にタスクバー)が見づらく、オリーブグリーンはダサいし、シルバーは地味すぎる。センスを疑うような色味ばかりです。
 自分で細かくフォントや色味を設定することもできるのですが、それをやると、次にOSを再インストールした際にまた同じ設定を再現しなければなりません。パソコンを初めて触った頃は、そういったカスタマイズも面白くてやっていましたが、今となってはあんまり外側のデザインに時間をかけてこだわりたいとは思いません。一発設定で実用的なカラーリングになって欲しい。

 もうちょっとマシな色にはできないものかと探してみたら、マイクロソフト謹製のRoyalというテーマを見つけました。XP Media Center Editionの標準テーマだそうで、青色が若干薄めになってずいぶん見やすくなっています。最初からこの色にしておけばいいのに。早速ダウンロードして適用しました。

 なんというか、テーマがXP仕様になって、ようやく私のパソコンも98からXPになった、という感じがしました。……というか、XPの標準デザインがコレだということ自体忘れていました(笑) 全体にフォントが変わっているので違和感がありますが、特に不都合は感じません。

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2010.9.10「ゲーム:"DEAD RISING 2 CASE:0"他」

"DEAD RISING 2 CASE:0"が配信されたので、お試し版をプレイ。"DEAD RISING 2"の前日譚となる内容で、まあ、要するに本編の販促ゲームです。価格は600円。年齢規制の関係でクレジットカードがないと買えません。
 くどいようですが、10月頭に"Red Dead Redemption"が出るので、9〜10月発売のソフトは基本的に全部パスなのですが、このお試し版が面白かったら買ってもいいかなあ、と思ってプレイしたのです……が。

 えらく長いムービーの後、できることは釘やらバットを拾って作業台で釘バットを製作するだけ。素振りすらできず、開始地点のガソリンスタンドを出たらゲーム終了してしまいました。
 どんなお試し版だよ! お試しすらできないじゃないか(笑)

 いくらなんでも酷すぎの仕様に憤慨していたのですが、ネットで情報を仕入れると、このクソ仕様の真相がわかってきました。どうやら、もともとはちゃんとお試し版でも素振りも撲殺もできたけど、発売直前になってCEROから文句を言われて、ああなってしまったらしい。無料でゾンビ撲殺ゲーを配信したら、Z規制の意味がないというわけ。
 ……しかし、よく考えたら同じZ指定のゾンビ撲殺&銃殺ゲーの"LEFT 4 DEAD 2"体験版は、何事もなく配信されているんですよね。アレは良くてコレはダメな理由は何なのでしょう。

 仕方ないので、ネットで流れている"DEAD RISING 2"のプレイ動画を観ることで、お試し版の代わりとすることに。
 ゲーム開始から20分間を、ロード時間なども含めてそのままプレイしている動画だったのですが、ムービー→ミニゲーム→ムービー→廊下を移動するだけ→ムービー→娘を抱きかかえながらゾンビを蹴りつつガイドに沿って脱出→ムービー、といった内容。
 発売前のゲームのプレイ動画だから、これは販促ムービーのはずなのです。なのに、ちっとも面白くなさそうなのはなぜでしょう。
 このゲームのウリは、変な武器をカスタマイズしてゾンビをなぎ倒すことだと思うのです。なのにこの20分間で、そういった描写が一切無い。そもそもプレイヤーがコントローラーを触る機会自体が物凄く少ない。半分以上ムービーとロード。
 既に買った人なら「かったるい導入だなー」と思いつつも仕方なくプレイするかもしれませんが、そのかったるい導入を販促で流したら、買う人減ると思うのですが。カプコンのやることはよくわかりません。

 ついでにその他のデモなどの話も。
 セガの"VANQUISH"は明らかに『ベヨネッタ』のテイストを感じさせるTPSでした。一見普通のサバゲーですが、ところどころ変に格好を付けすぎたバカっぽい演出があって笑えます。戦闘中にムービーを挿入して流れをブッたぎるのは、日本のゲームの悪いところが出ていてどうかなあと思ったりもしますが、そのムービーがいちいち馬鹿げているので許せるような気がしなくもないです。
 基本的によくあるTPSの仕様をベースにしていますが、見得を切った暑苦しい演出の他、瀕死の仲間を助けるとアイテムがもらえたり、リアリティよりもゲームデザインを重視していたり(全体的にスピーディな展開だったり、最後に強いボスが出るなど)と、いい感じで日本のゲームらしいところを残していて、なかなか活きのいいゲームに見えます。……特に"DEAD RISING 2"の動画を見た後だと、つい比較してしまう(笑)
 デモのくせにちょっと難易度高めで、慣れるまで苦労しましたが、わかってくると結構面白い。
 惜しむらくは、発売日が"Red Dead Redemption"(日本版。北米では発売済み)と"Fallout: New Vegas"に挟まれていること。あと、私は買いませんが360では"Halo: Reach"も出るので、これだけビッグタイトルが続く時期にぶつけてきたのは商業的にはキツイかもしれません。……12月くらいに発売延期したらどうだろう。

 UBIの"R.U.S.E."は、第二次世界大戦をテーマにしたRTS。WW IIのくせにえらく近未来的でスタイリッシュなデザインで、SFゲーかと思うほどです。デモではアメリカ軍を指揮してキャンペーンをひとつプレイできますが、本編ではドイツ、イタリア、フランス、イギリス、アメリカ、ソ連から選んで遊べるらしい。
 普通のRTSとは違って、ちょっとボードゲームのようなデザインになっています。もしくは、なんというのでしょう。地図の上に凸などを書いて陣容を表しているやつがありますよね。あんな感じ。
 このゲームでは凸ではありませんが、ユニットがチップのようなもので表現され、チップの高さで部隊の規模が分かるようになっています。
 結構複雑なゲームで、補給線を確保して守ったり偵察を出したりユニットを生産したり行軍指令を出したりと、えらい忙しいです。ユニットの相性がはっきりしているので、敵の陣容を把握してこちらのユニット生産計画を立てないといけなかったり、森や市街に伏兵がいる場合、偵察ユニットを出して位置を把握しておかないと、奇襲を受けて大打撃を受けたりする。
 ダミー施設やダミーユニットを作って敵を攪乱できるのが面白いところ。
 好きなタイプのゲームなのですが、くどいようですが"Red Dead Redemption"と"Fallout: New Vegas"が出るので遊んでいる暇がないです。そもそも"Red Dead Redemption"が結構息の長そうなゲームなんで、"Fallout: New Vegas"を発売日に買うかどうかさえ迷ったくらいなのです。これ以上ゲームを買っても、ほぼ間違いなく積むことになるでしょう。なんでこう、面白そうなタイトルの発売が集中するんでしょうね。

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2010.9.8「ゲーム:"GUITAR HERO"の終焉」

"GUITAR HERO"の最新作"Warriors of Rock"のデモが配信されていたのでプレイ。
 9月下旬発売なのは知っていたのですが、10月頭に"Red Dead Redemption"の日本語版が出ることもあって、買う予定はありませんでした。しかしまあ、気になってはいたのでいいタイミングでの配信と言えます。

 とりあえずBlack Sabbath"Children of The Crave"をExpertでプレイ。Black Sabbathらしく、延々3連で刻みまくる曲。
 しかし、イントロから8小節ばかり進んだところで、信じられない光景を目の当たりにしました。




    

    



    

    

 ついにやってしまいました。同じ音なのにノートを変えて無駄に難易度を上げるのを。
 今までの"GUITAR HERO"シリーズなら、ここは全部緑か緑黄の同時押しだったはずです。どんなに見た目が単調になろうと、同じ音は同じノートで通していました。だからこそ実際にギターを弾いているような気分を味わえたのに。
 こんなクソ譜面、弾いててちっとも楽しくありません。単調な譜面が嫌なら、この曲を使わなきゃいいのに。

 そもそも私が"GUITAR HERO"を評価していたのは、こういう曲でちゃんとバッキングをしている雰囲気を作ってくれる点でした。まあ、これで私の中の"GUITAR HERO"は終わりましたね。

 というわけで不完全燃焼だったため、ギタコンをほったらかして、しばらく本物ギターで耳コピをして練習してしまいました。
 そういえばこのギター、買ってからもう少しで2年になるわけですが、結局ちっともうまくならない割には、ときおり気になった曲のバッキングを耳コピして弾いてみたりして、それなりに楽しかったりもします。せめて隠し芸として使える程度に弾けたら、役にも立つのですけど。現状ではおもちゃでしかありません。


[2010.9.9 追記]
 続けて"DJ HERO 2"のデモが配信されたのでプレイ。といっても専用コントローラーがないので、オートプレイを見ているだけなのですが。
 見た目だけDJゲーの"Beat Mania"と違って、本当に2つの曲をミックスしているかのような気分にさせるゲームとなっており、結構面白そうな印象です。
 ただ、さすがにアドリブプレイはほとんどできなくて、要するにプロのDJがミックスした曲に合わせて譜面通りにそれっぽい操作をする音ゲーとなっております。もうちょっとボタンを増やして自分で音ネタを割り当てて好きなようにミックスできたらめちゃくちゃ楽しそうなんですけどねえ("DEPTH"とか『グルーヴ地獄V』とかやりまくったクチなので、こういうのは結構好きだったりする)。あと、せっかく専用コントローラーを作るなら、ターンテーブルもちゃんと2つあった方がいいような。エアプレイした感じだと、なんとなくターンテーブル1つだと違和感があります。
 まあでも、もし"II DX"がこの仕様だったら絶対プレイしていただろうなあと思いますね。

 この仕様でも充分面白そうですが、現状では購入までには到らないかなーという感じです。譜面なしで自由にミックスできるモードがあったら絶対買ったでしょうけど。むしろ本物のDJプレーヤーが欲しくなってしまいますね(笑)

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2010.8.21「雑文:宝くじ大量買いの効果」

 最近サマージャンボの抽選結果が発表されていましたが、巷では月〜金まで毎日抽選のあるナンバーズや、週に1回1億円以上が当たるロト6など、様々な種類の宝くじがあるそうです。

 毎日、毎週抽選のある宝くじが存在するとなると、誰もが考えるであろう問題は、1回にまとめ買いするのと1枚ずつ買うのと、どちらがいいのか? ということでしょう。気になったので計算してみました。

 仮に、ナンバーズ3のストレートを10枚買うことを想定します。
 ナンバーズ3のストレートの当たる(予想した3桁の数字が的中する)確率は1/1000=0.1%です。

 1回に10枚買った場合の当籤確率は、

  10/1000=0.01 (1%)

 毎日1枚ずつ、10回買って最低1回当たる確率は、全事象から1枚も当たらない事象を引けば求められます。

  1-(999/1000)^10=0.0099 (0.99%)

 10枚買うより0.01%ほど当たる確率が減少しますが、複数回当たる可能性もあります。

 では、100枚買う場合だとどう変化するでしょうか?
 ナンバーズ3は1枚200円なので、100枚買うと2万円。ストレートの当籤金は約9万円ですので、当たれば4.5倍になります。1回に100枚買おうと考えている人もいなくはないでしょう。

 1回に100枚買った場合の当籤確率は、

  100/1000=0.1 (10%)

 1枚ずつ100回買った場合は、

  1-(999/1000)^100=0.095 (9.5%)

 0.5%ほど当たる確率が減少するわけです。

 ではでは、400枚買うとどうでしょう? 8万円の投資になり、まとめ買いした場合、当たっても足が出るかもしれないギリギリのラインです。

 1回に400枚買った場合は、

  400/1000=0.4 (40%)

 ……トントンの割には低い確率ですね。
 1枚ずつ400回買った場合は、

  1-(999/1000)^400=0.32 (32%)

 これらの結果から言えるのは、1回あたり多量に買えば買うほど、1枚ずつ買うよりも当籤確率は上がるのですが、ほとんど無視していい程度の差でしかない、ということです。だったら1枚ずつ買ったほうが長く楽しめるのではないでしょうか。
 あと、当籤確率の高そうなナンバーズ3でも、トントンになる確率が32%〜40%しかない点も注目ですね。負けを取り戻そうなどと考え出すとドツボにはまります。ゲーセンで200円つぎ込むくらいのお遊び感覚で楽しむくらいにしておいた方が無難でしょう。

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2010.8.11「ゲーム:Xbox Indie Games」

 あまりにも駄ゲーやゲームですらない環境ソフトが多すぎて、長らくチェックしていなかったのですが、久々にXbox LIVEで配信されているインディーズゲームを漁ってみました。
 その中で"Motor HEAT"がなかなか良かったので購入。その感想を書こうかと思うのですが、とりあえず、今まで購入したソフトと感想をまとめておきます。

"Megaropolis"。
 10分間でどれだけ街の人口を増やせるかに挑戦する都市建設シミュレーション。要するにシムシティのタイムアタック版。水さえあれば人口は勝手に増えていくのですが、スラムが増えると公害メーターがどんどん上がっていき、公害メーターが満タンになると災害で再起不能のダメージを被るので、人口と公害と収支のバランスを取りながら都市を管理しないといけません。操作性にやや難がありますが、なかなか独創的で面白いです。
 私が買ったときはちょっと高くて、価格に見合った内容ではないなあと思ったのですが、今だとだいぶ安くなっている模様。

"GLITNIR"
 宇宙空間を舞台にしたタワーディフェンスゲーム。マップが立体的なのが特徴。立体的であることで、ややマップが見づらく、操作しづらいのが難点。
 ゲームとしては手堅い内容で、シンプルなシステムと、ほどほどの難易度で遊びやすいです。これで80MSPなら文句はない。

「デッドラGO!」
 ゲーム開発をモチーフにしたタワーディフェンスゲーム。プランナー、プログラマーなどを開発ラインの側に配置し、次々にやってくる仕様書や締め切りや肩こりなどを倒していくことでゲームを開発する。攻撃する度に体力が減っていき、体力がゼロになると行動不能になってしまうのが、タワーディフェンスゲームとしては個性的かもしれません。
 永遠にWAVEが続く「デスマーチ」モードがあり、私はコレ目当てで購入しました。資金に糸目を付けず(残資金はスコアに影響しない)画面いっぱいにスタッフを配置しまくって戦えるという、タワーディフェンスをやる人なら一度はやってみたいであろうシチュエーションを実現できます。60WAVEあたりから、早送りすると画面表示が壮絶なことになって、いつフリーズするかとヒヤヒヤしながらプレイすることになりますが、今のところ一度も止まったことはありません。
 スタッフの席替えが面倒な点は問題ですが、かなり面白いです。スタッフとスタッフを選んだら、席を入れ替えられるようにしてくれたら随分楽になるはずで、その点だけは残念なところ。

"dark"
 光と影、BGMの演出が独特の雰囲気ゲー。菱形のキャラクターを動かして、ちょっとしたパズルを解きながら進んでいくだけ。初見でもクリアするのに20分もかからず、パズルも、そこそこ頭を使わせるのは2箇所だけで、ゲームとしてはボリュームが少なすぎます。
 ただ、雰囲気はすごくいいです。ぱっと見はホラーゲーと勘違いしそうなほど真っ暗ですが、即死落とし穴も即死トラップもゴア表現も心臓に悪いシチュエーションも一切無く、ゆったりと気軽にプレイできます。意味もなく転がっている三角のキャラがえらくかわいい(笑)
 とにかく、闇を題材にしながら、ホラーでもスプラッタでもない点は個人的には高く評価したいです。
 見た目が似ているので"LIMBO"と比較されることもありますが全くの別物です。雰囲気としては"dark"のほうが私は好き。
 本当に残念なのは「ゲーム」と言えるほどの内容がないこと。コレで"LIMBO"の半分でもボリュームがあれば良かったのに。

"Motor HEAT"
 そして本題の、今回購入したソフトです。ステアリングとブーストしかない、超シンプルなレースゲー。車を避けてひたすら走り続けます。むかし、子供のおもちゃで車線変更しかできないレースゲーがありましたよね。アレの3D版だといって差し支えありません。ブレーキもないから任天堂の「F1レース」よりもレトロ(笑)
 ただし、ゲームシステムは少し変わっていて、制限時間があるので速く走る必要はあるのですが、走っているだけではスコアになりません。車を追い越す際、ニアミスすることでスコアになる。と同時に、ニアミスすることでブーストゲージが溜まるので、速く走るためにもニアミスしなければならないわけです。安全に走るかリスクを冒すか、状況に応じて走り方を変える必要があり、シンプルなくせに味わい深いゲームシステムになっております。
 車と接触すると10秒のペナルティと、スコア倍率(接触せずに走ることで増える)がリセットされます。接触された方は無傷なのに、自分の車だけ派手に炎上しながらふっとんでいて、見ているとなんだか笑えます。
 難易度もほどほどで、無理をしなければ結構先まで進めます。欲張ってスコアを狙い出すと、くだらないミスでボコボコ事故る羽目になりますが、安全に走ればそんなに難しくありません。スコアは伸びませんが。つまり、先を見るだけなら簡単だけど、ストイックに遊ぼうとすると難しくなる、というバランスになっているわけです。オンラインランキングにも対応しており、順位を上げる気にさせるお膳立ても整っている。
 ゆるくもストイックにも遊べるこのゲームバランスは高評価です。特にアーケードゲームなんかは、このくらいのゲームバランスを目指すべきですね。一般客もヘビーゲーマーも楽しめるゲームのお手本のよう。アワード(ゲーム内の実績)も絶妙で、拾得を目指す気にさせるようにできています。

 まあ、文句の付けようのない出来ですね。シンプルでお手軽だけどスコアアタックもできるという、LIVE Arcadeタイトルに望まれている要素を充分に満たしたゲームです。
 コレに要望があるとすれば、車のカスタマイズがもう少しいろいろできると嬉しい、というくらい。車の性能は全く同じでいいので、何種類か車種があって、ボンネットやウイングなどを付け替えられたら楽しかったかな。そういう、全く意味のないところでこだわりたいと思わせるぐらい良くできている、ということです。

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2010.7.24「ゲーム:Xbox Live Arcade"LIMBO"」

 Xbox Live Arcadeにて"LIMBO"が配信されたので購入してプレイ。……買うかどうか、非常に迷ったのですけどね。明らかにボリュームなさそうな雰囲気が漂っていましたし、プレイする前からどういうゲームか予想が付いたので、1200MSP出す価値あるんだろうかと。1600MSP出して"GTA4"の追加DLCのどちらかを買った方が良いような気もしたのですが、結局買ってしまいました。

"LIMBO"は横スクロールパズルアクションゲームで、Live Arcadeタイトルだと"Braid"と似たようなタイプのゲームです。特徴的なのはモノトーンで描かれたグラフィックで、全てのキャラクターやオブジェクトが影として描かれています。
 ゲーム中にはテキストが一切出ないので、どういう状況なのかは全く分かりませんが、どうやら主人公はいなくなった姉だか妹に会いに行くため、謎のモノトーン世界に足を踏み入れたようです。

 使用ボタンは2つだけ(ジャンプ、アクション)という潔い仕様。最近のゲームにしては珍しく、主人公は水に沈む特異体質で、足の付かない水場に落ちると死んでしまいます。今ならたいがいの主人公は泳げるようになり、ずいぶん水場も安全になったものですが、このゲームではその辺の事情はお構いなしの昔懐かしいテイストです(笑)
 あと、死ぬと派手に血しぶきをあげて五体バラバラになったりするのは洋ゲーらしいところ。

 操作性は良好。ストレス無く動いてくれます。地味ですが、パズルアクションでは重要なポイント。
 難易度はそれほど高くありませんが、即死トラップのオンパレードなので、ちょっとしたミスですぐ死んでしまいます。単にクリアするだけなら難しくないものの、実績の「4ミス以内クリア」だけは結構厳しいです(私は現在未達成)。初見殺しのトラップも多々あり、典型的な覚えゲーです。ボタンを踏まないとトラップが作動して即死するトラップがあるのですが、その直後にボタンを踏んだら作動するトラップがあって、いくらなんでもひでえと思いました。あそこで死ななかった人は、よっぽどひねくれ者に違いない(笑)
 パズルとしての難易度も、あまり複雑な手順のものはなく、やれること自体がそれほど多くないので、少し考えたらすぐ解法がわかる程度のもの。

 ゲームボリュームは、予想通り少なめ。初プレイでも数時間でクリアできてしまいます。直接クリアに関係のないパズルがあって、それをクリアすると実績が解除されるようになっていますが、それを含めても物足りなさはあります。値段を考えたらこんなもんだとは思いますが。
 ただ、クリアとも実績とも関係ない隠し要素もあるみたいで、それを全部探そうとすると、結構遊べるのかもしれません。何個あるのか、全部見つけたらいいことがあるのかは全くわかりませんが。
 ちなみに私は今のところ2つ、実績と関係ない卵を見つけました。おかげで「なんで実績解除されないの? バグか、バグなのか!」と、無意味な憤慨を強いられることになりましたが(笑)

 前半部は特に、白黒で描かれた森や草原の描写に独特の恐怖があって、ホラーチックなドキドキ感溢れる演出が多く、その雰囲気だけでも楽しめるのですが、後半は人工的な仕掛けやトラップが多くなって、独特の雰囲気を削いでしまっている印象がありました。
 むしろ、前半に人工物が多くて、後半に自然物が増えた方が、地獄の奥へと進んでいく感じが出たと思うのですが……まあ、この辺はゲームデザインとの兼ね合いで妥協した部分なのでしょうね。ともかく、後半の演出でホラー要素が薄れてしまっているのは残念だったかなあと。

 ちなみに、血生臭い表現が苦手な人のために「ゴアフィルター」というモードがあり、これをオンにすると、死ぬ直前に画面が突然真っ黒になります。かえって怖いです(笑)

[2010.7.25 追記]
 4ミス以内クリアを達成しました。死んだのは後半のHOTEL看板で2回と、ラストの重力切り替えで1回。手順を覚えてしまえばそれほどシビアなシーンはないのですけど、ミスできないとなると精神的に追い詰められます。
 ノーミスで進めると主人公の腕が光っているような気がするのですが、もしかしてノーミスクリアしたら真のエンディングが見られたりするのでしょうか。ものすごく挑戦したくないんですけど(笑)

 しかしまあ、実績全解除+隠し卵探しを含めれば、案外遊べるゲームでしたね。隠し卵はかなりヒドイ隠し方しているのもありますが。微妙に光っているとか、泡が立っているとか、怪しい暗がりがあるとか、ヒントのあるやつはまだ画面を凝視すればわかるのですが、ノーヒントのやつもあるんですよね。結局、どうしてもわからなくてYouTubeで攻略動画見たのが2個ありましたが、あれは自力じゃ絶対分かりませんでした(木箱と、HOTEL看板のあるところのやつ)。よくこんなもん、見つけられたものです。
 現在達成率は110%。トップの人は111%なのですが、残り1%はなんなんでしょうね。111%になっている人が40人もいないところから推測すると、隠し卵のように、攻略サイトを見れば簡単に再現できる類のものではないでしょう。……となると、やはりノーミスクリアなのか。

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2010.7.21「パソコン:マウスM-BJ58修理」

 マウスのM-BJ58が再び故障しました。前回故障したのは1年前で、右クリックが効かなくなったのですが、分解してスイッチを適当にいじっていたら直りました。
 今回は左クリックが複数回入力されてしまう現象(チャタリング)。原因はいろいろ考えられますが、おそらくマイクロスイッチの寿命だろうと判断。

 私はマウスを斜めに持つため、持ちやすいマウスを探すのが困難であることが前回の故障の時に判明しています。未だにM-BJ58に代わるマウスが見つかっていないため、なんとしてでもコレを使うしかありません。
 そこで、スイッチの交換に挑戦することにしました。かつて科学部部長だったときのスキルが、今、ついに発揮される時が来たのです! ……というほど大変な作業ではありませんが(笑)

 必要なものは、プラスドライバー、はんだごて、はんだ、はんだ吸い取り線、スイッチ。
 この中で一番問題なのはスイッチの入手ですが、今回は購入したまま使っていないSOM-30からもぎ取って移植することにします。

 まず、SOM-30を分解して、スイッチをもぎ取ります。はんだ吸い取り線を使ってはんだを取り除くだけの簡単作業。はんだ吸い取り線は、どういう使い方が正しいのかは知りませんが、私は5ミリくらいに切って使っています。そのままだと使いにくいような気がする。熱くなって手で保持するのも大変ですし、それだったら短く切って、はんだごてで押さえつけた方が扱いやすい。
 次にM-BJ58のスイッチを同じ手順でもぎとって、SOM-30のスイッチをはんだ付けするだけ。順調にいけば5分もかかりません。

 今回の場合、取り付け作業そのものよりも、スイッチを交換したら本当に直るのかの方が問題だったのですが、幸い、ちゃんと正常動作するようになりました。これでまた、しばらく使えるはず。
 しかし、いい加減、新しいマウスで使えるやつを探しておいた方がいいような気がします。

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2010.7.4「ゲーム:Xbox360"Grand Theft Auto 4"」

 Xbox360版"Grand Theft Auto 4"をプレイ。規制の問題で、プレイしていない人の間でも有名になったタイトルですね。
 どういうゲームかというと、架空のアメリカの都市、リバティシティを舞台に、チンピラやギャング、マフィアのパシリをする、三人称視点の犯罪お使いゲームです。お使いの内容は窃盗、脅迫、鉄砲玉、麻薬の配達、誘拐、暗殺、銀行強盗と、ろくなものがありません(笑)
 ニューヨークをモデルにした感じのリバティシティは、特に交通網を中心にリアルに描かれており、自由に移動することができますが、"Fallout3"のようにプレイヤーが全く自由にミッションやその解決法を選んで行動できるわけではなく、ある程度ストーリーに沿った行動を取るよう制限されています。ゲームシステムとしては『シェンムーII』に近い。プレイ感もよく似てます。テレビを付けると本当にいくつかチャンネルがあって番組が放送されていたり、ボウリングやビリヤードがプレイできるなど、変なところにこだわっている点も似てる。
 ミッションをほったらかして街中をドライブすることもできますが、探険して楽しいゲームではないですね。入れる建物は限られていますし。たとえば、刑務所に突撃して受刑者を解放するとか、ギャングを片っ端から壊滅させるとか、そういう無茶なプレイはできません。

 操作性はかなり悪い方。徒歩時のプレイヤーの旋回にクセがあって、気持ちよく向いて欲しい方向を向いてくれず、運転時のカメラアングルが悪くて、常にRスティックで微調整しないと前方が見えなかったり、距離感や高度(ヘリ操作時)が掴みにくかったりしてストレスが溜まります。あと、銃撃戦時のロックオンやカバーリングシステムも非常に使い勝手が悪い。とにかく、なかなかプレイヤーの思い通りに操作できない、アクションゲームとして致命的な問題が満載なゲームなのです。
 プレイして最初の3時間くらいは買って後悔したくらいで、何度投げ出して売っ払おうかと思ったか知れません。しかし、ほとんどやる気が失せながらも我慢してプレイしていたら、そのうちなぜかさほど気にならなくなりました。
 取り立てて何かが際立って面白いゲームでもないと思うのですが、一体どこに、この劣悪な操作感を我慢してまでプレイさせる何かがあるのでしょう。自分でも不思議です。

 街中には単なる通行人だけでなく、露店やサックス吹き、ホームレス、なんかよくわからんことを叫んでいる人、警官に追っかけられている人、売春婦など、様々な人達がおり、実にやかましい雰囲気が再現されています。日本のゲームでは一般市民が殺せない仕様になっていることが多いですが、このゲームでは、死んだらメインストーリーが進まなくなる人物以外は全員殺せるようになっています。アメリカらしく命知らずな歩行者が多いので、運転中は結構気を遣わされることになる。
 街中でカーチェイスをすることになるシチュエーションも多いので、一般市民を一人も轢かずにメインミッションをクリアするのは非常に難しいです。私は結局5人轢きましたが、たぶんかなり少ない方じゃないでしょうか。
 ちなみに、プレイヤーだけでなくNPC同士でも時折交通事故を起こすので、つまりは自分が被害者になることもあります。

 ストーリーは、東欧からアメリカンドリームを夢見て渡米してきた主人公が、ギャンブル好きの従兄弟のせいで悪いお友達と付き合うようになり、だんだん深みにはまっていく、という感じになっています。悪に手を染めなければアメリカンドリームを掴むことの出来ない、下層に生きる者の視点からアメリカを描いた作品になっており、なかなか考えさせられるものになっています。
 ストーリー的にあまり自由はないのですが、たまに始末を命じられた人物を殺すか見逃すかを選ぶことが出来ます。大きな分岐がほとんどないのが残念ではありますが、ストーリー重視の作品なので仕方ないか。

 音声は英語で日本語字幕が出るのですが、メインミッションに関わらないテレビなどで字幕が出なかったり、運転中に字幕を読まないといけないシーンが多数あったりして、ローカライズとしては不満です。ストーリーを掴むのに問題はないので及第点は付けられるのですが。こういう作品は吹き替えの方がいいですね。ラジオやテレビで何言っているのかわからないのは、ちょっと寂しい。

 総じて言えば、つまりは現代アメリカ版『シェンムーII』といった感じですね。長所も欠点もよく似てる。せっかく自由に移動できるゲームなのに、結局一本道のゲームとあんまり変わらない内容なのはちょっともったいないです。もう少し余計な部分で遊べる仕掛けがあってもよかったと思います。

 私としては、コレよりも"JUST CAUSE 2"みたいに、できることを絞って充実させているゲームの方が性に合ってそうなのですが……ゲリラの出ない日本語版は論外だし、かといって英語版は何言っているかわからないだろうし、困ったもんです。"RIOT ACT 2"はどうなんだろう。

[2010.7.11 追記]
 やれることが少ない、みたいなことを書きましたが、ストリートレースや犯罪者の抹殺ミッション、出会い系サイトでナンパしまくりなど、サブミッションは多いです。無意味に警察にケンカを売って逃走したりとか、そういう遊び方もできる。
 ただ、何をやるにしても、これといって面白い感じはしないんですよね。ギャングとの交戦にしても、操作性がイマイチなせいでFPSとしては大味なプレイしかできないし、ストリートレースも敵車が弱くて相手にならず、そもそも車をいじったりできないので、手塩にかけた愛車で街をぶっ飛ばすといったカタルシスはない。とにかく全てが中途半端な印象なのに、ついプレイしてしまう中毒性はあるんですよね。妙なゲームです。
 車が購入できて、チューンショップでカスタマイズできて、ミッション中に置いてきてもGPS機能を使って回収できたりすれば、もっと面白く遊べたと思うのですが。服や銃ももっと無駄に種類があっても良かったと思う。その辺でこだわれないのが、ハマり切れない原因なんじゃなかろうか。

[2010.7.21 追記]
 いまいちハマり切れないと言いながら、2周もプレイしてしまった(笑) ヘリの観光ツアーに参加したりして、かなり緩く遊んでいたのに「30時間以内クリア」を達成。
 2周目はロックオン、カバーリングなしでプレイしましたが、この方が断然プレイしやすいですね。その代わり、敵が背後にいるとき思うように旋回してくれなくてイライラしますが。
 これだけ遊べれば充分ではあるのですが、やはり操作性の改善と、ミッション開始時に突然車が無くなることがあるのはやめて欲しいのと、もう少しプレイヤーの意志が反映できるようにして欲しい(仕事の解決方法がほとんど決まっている。弁護士事務所内での暗殺時のように、プレイヤーの頭を使わせる仕事がもっと欲しい)のは不満としてありますね。

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2010.6.21「音楽:超充実CD処分セール」

 近所の本屋でCD販売取り扱い終了に伴う処分セールをやっていたので、覗いてみました。その店は前に何度か覗いたことがあったのですが、そもそもコーナー自体が狭くて品揃えが悪く、利用したいと思うようなものではありませんでした。なので全然期待していなかったのですが……

 TOOL"10.000 Days"、The Mars Volta"The Bedlam in Goliath"限定版、Porcupine Tree"Deadwing"、System Of A Down"Mezmerize"、AFI"Decemberunderground"、GALNERYUS"ONE FOR ALL - ALL FOR ONE"、"Tervaskantro"、その他にもアーク・エネミーやソイルワークや新鋭メタルバンドのアルバムやらと、信じられない超充実ぶり。それが全部7割引き!
 私が取り寄せてまで買ったアルバムの数々が超激安で売り出されているのですよ。なんという光景でしょう! というか、なんで処分セールになった途端、品揃えが充実するんだこの店は(笑) うっかりThe Mars VoltaのSHM-CD+DVDの限定版を買ってしまいそうになりましたよ(私が持っているのは輸入盤)。

 持ってなかったら買ったのになあと、妙に悔しい思いをしながら眺めていると、平置きしてあるアルバムの隣でものすごく目立たないところに一枚だけある、紙ジャケ仕様の薄っぺらいアルバムを見つけました。引っ張り出してみると、EAST OF EDEN"SNAFU"。なんで1枚だけぽつんと、こんなマニアックなプログレがあるんだ! 意味わからんぞこの店(笑) しかも、このアルバムの価値を全くわかっていない置き方をしているのがまた謎。

 どんな異次元空間なんだここはと思ったら、どうもこの本屋にはチェーン店があるらしく、同じくCD取り扱いを止めるので、他の店で余ったCDを取り寄せて置いてあるらしいのです。そのチェーンのどこかで、プログレ好きの店員が職権濫用したということなのでしょうね。EAST OF EDENは持っていなかったので、有り難く恩恵に与ることにしました。ついでに300円という超特価で売っていたFoo Fighters"One By One"も購入。レンタルで借りたことはあったのですが、この価格なら買い。

 どうせプログレなんて仕入れただけ余っているだろうから、その職権濫用のなれの果てをどんどんこっちに寄越して欲しいもんです。いくらでも処分に貢献するんですけどねえ。

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2010.6.15「ゲーム:Xbox360"JUST CAUSE 2"体験版プレイ」

"JUST CAUSE 2"の360日本語体験版が配信されていたので、少し前にプレイしました。
 マレー諸島のパナウを舞台に、観光したりテロ活動したりするゲーム、と言えばいいのか(笑) とにかく片っ端から現政府の建物を破壊して集落を解放したり、軍事基地を壊滅させるという、『テストドライブ』のテロバージョンといった感じの内容。『テストドライブ』の名前を挙げた理由は、バイクや車、戦車、ヘリ、セスナ機など、とにかくなんにでも乗って自由に移動できるからですね。テロ活動そっちのけで空からの観光や、スカイダイビングに勤しむ人も多いのだとか。

 内容的には私好みなので良さそうかなと思ったのですが……体験版を10回ばかりプレイして感じたことは、「なんかこれ、単調じゃないか?」ということ。
 体験版にひとつしかミッションがないことも原因でしょうけど、とにかくプレイが単調なのです。各地に点々としている集落を訪れては政府軍にケンカを売るだけという。住民の人と話ができるわけでもなく、そもそもこれだけ派手にテロ活動をしているのに、みんな普通に生活しているだけなんですよね。
 一方、集落を解放すればするほど敵の攻撃は苛烈になり、ひとつの集落を解放するのにだんだん手間がかかるようになる。それも楽しい手間じゃなくて、単に作業が面倒になるだけという。
 敵に見つからないように、こっそり破壊活動ができる仕様なら工夫のしがいもあるのですが、このゲームのコンセプトは真っ正面から堂々と殴り込む頭の悪さにあるわけで、ゲーム仕様としてもコソコソできるようになっていません。

 これはさすがにダメだろということで、購入を見送ったのが十数日くらい前。結局、島でテロ活動するゲームの代わりに、島で大統領になるゲームを買ったわけです。立場が全く逆(笑)

 ところが、このゲームについてネットで調べてみると、どうやら反政府活動を繰り返していると、ゲリラが政府軍と戦ったり、時には加勢してくれたりするようになるらしいとのこと。つまり、プレイヤーがテロ活動をすればするほど、ちゃんとゲーム中の世界がリアクションするようになっているらしいのです。以前は政府軍の警備兵が巡回していた集落で、ゲリラ兵が射撃訓練していたりとか。
 これはおそらく、難易度調整の役割も果たしているのでしょう。政府軍の攻撃が苛烈になる一方で反政府軍の活動も活発化することで、ある程度戦力が相殺されるようになっている。また、序盤は単独テロだったのが、後半ではゲリラ兵を利用した戦い方へと切り替わっていくわけで、それがゲームの味わいに変化をもたらし、作業だったプレイが楽しくなるように工夫されている……のでしょう。たぶん。体験版だとその辺の要素がカットされているのでわかりませんが。
 この手のゲームは自分のテロ活動の結果、世界が変わっていくから面白いわけで、一番の醍醐味を体験版でカットしたのは失敗だったんじゃないかなあと思いますね。

 でまあ、買わなかった一番の理由が払拭されそうなので、遅ればせながら買ってみようかなあ……と思ったら。

 ――日本語版では規制がかかって、ゲリラ兵が一切出ないんですって。

 そういえば、体験版をプレイしてると、ミッション終了と同時に、一緒に戦っていたはずの味方のゲリラ兵が消えたので、なんでだろうと思ってたんですよね。「追っ手は任せて」とか言ってたくせに俺だけ置き去りかよ! と憤慨していたのですが、そういうことだったのか。

 ……いやね、民間人が死なないようになっているとか、空港で一般市民を虐殺できなくなっているとか(MW2)、核爆弾を起爆して街を壊滅できなくなっているとか(Fallout3)、ゲームの中の補助的な一部が削除されるのは、まだ理解できるのです。本質的な部分が変わるわけではないですから。もちろん、削らないに越したことはないですが、日本の規制とすり合わせるために仕方ないなら、ある程度は妥協してもいいと思う。
 でも、このゲームにおけるゲリラの存在って、ゲーム性にも関わる超重要な要素じゃないですか!
 このゲームは、島でテロ活動をして混乱を生み出すのが目的なのですよ。なのに、プレイヤーがいくら頑張っても全然混乱した様子が描写されず、むしろ政府軍の警戒ばかり強くなるって、どうなんですか(笑) 仲間が増えるから集落を解放したり、ゲリラ組織を手助けする意味があるんですよ。もちろん、賑やかになるのが面白いというのもある。なのに、最大のメリットが削られたら、それらの行動の意味がなくなるじゃないですか。こんな規制が入るくらいだったら、ローカライズしない方がマシです。
 そもそも、ゲリラと政府軍との衝突の描写が、なぜCERO:Dで表現できない規制対象に入るのでしょう? しかも、ミッション中の交戦はOKなのに、ミッションが終わった途端ダメでは意味が分かりません。

 こんな、原作の雰囲気どころか、ゲーム性すらも損なうローカライズを一体どこが担当したんだと思ったら、あれですよ。スクウェアエニックス。
 思えば、最初に体験版をプレイしたとき、あのロゴを見た瞬間、本能的に嫌な予感がしたんですよね。『コールオブビューティー モダンウォーフェア2』の吹き替えの違和感とか、『バットマン アーカム・アサイラム』の字幕が淡泊で、ジョーカーの独特の台詞まわしが全く表現されていないとか(吹き替えではないので、原作の声優の演技を聞けるのが救い。で、聞き取ればわかるように、ものすごくつまらない翻訳になっている)。とにかくスクウェアエニックスのローカライズは、原作の雰囲気を損なう形のものが多いのです。
 スクエニなら絶対何かやらかすだろうと思い、それがブレーキになって『トロピコ3』に走ったのもあったのですが、さすがスクエニブランドは裏切りませんねえ。というか、ローカライズする度にダメっぷりに磨きがかかるって、どういうことなんですか。

 ちなみに、このゲームのもうひとつの魅力が高々度からの観光とスカイダイビングであることは書きましたが、原作版ではきちんと遠くの光景もきれいに映るようになっているのが、日本語版では遠くの景色のテクスチャが剥がれてポリゴン丸出しのハゲ山になるなど、ひどい光景なのだそうです。全く隙のないクソローカライズ。このゲームの面白い部分をことごとく台無しにしている。
 普通のゲームでは遠景なんてどうでもいいかもしれませんが、このゲームはそれがウリになっているんですよ。ローカライズするにあたって、そういうところは特に気を遣うべきでしょうよ。

 ……もしかしてゲリラが削られたのも、レーティングのせいではなくて、単に規制対象のミッションなどを削った際、ゲリラのプログラムが再現不可能になったとか、そういう技術的な理由だったりして。それに気付いたのが発売間近で、修正する時間もないし、いまさら発売中止にも出来ないから、そのまま発売したとか。そうだとすると、肝心なところにテクスチャ剥げが残ってたりする稚拙さと合わせて納得できる。

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2010.6.9「ゲーム:PC版"Tropico3"の間違った遊び方」

"Tropico 3"のPC輸入版を購入しました。
 どんなゲームかというと、カリブ海に浮かぶ島の大統領となり、権力を維持するのが目的のシムシティ系シミュレーションゲームです。産業の大半は国有のため、経営シミュレーションゲームとしての側面も強いです。つまり、国民をなだめすかして労働搾取し、ぼったくり缶詰やぼったくり観光で外国から金を巻き上げるゲームだと言えばわかり易いか(笑)
 選挙結果を改竄したり、暴動やクーデターを軍事力で鎮圧したり、不満分子を刑務所行きにしてフロリダに追放したりと、割と無茶できるのが面白いところ。もちろん、そんなことばかりしている政権は長続きしませんが。

 360版はすでに日本語版が出ており、PC版も近日発売なのですが、あえて輸入盤を選んだ理由は、日本語訳MODが存在するからです。有志によってすでに9割以上が日本語化されており、わざわざ日本語版の発売を待たずとも、日本語で遊べるようになっています。それよりも面白いのは、このMODを自分でいじれる、という点。

 ローカライズって、少なからず不満を抱くことがありますよね。不自然な日本語になっていたり、せっかく面白い言い回しをしているのに、省略されていたり。そういった気に入らない翻訳部分を、自分で訳し直すことができるわけです。
 特に"Tropico3"用の翻訳MODは、修正しやすいように元の英語が注釈として残っているので、作業が非常に楽。ゲーム本編よりこっちの方に熱中してしまいました(笑)
 とはいえ、ほとんどの訳はそのままでも問題なく、やっていることの大半は、誤字脱字と言葉の統一(「あなた」と「貴方」が混在しているのを直したり)、直訳すぎて日本語としておかしい文章の修正。ただ、中にはそのままではどうやっても自然な日本語にならない文章もあって、丸々新規に作成したものもあります。たとえばこんなの。


My Presidente!

The people are openly talking about uprising and violent change of the government! They have forgotten that you gave them their freedom. However, they have not forgotten how to throw stones and use sticks.

Do whatever is necessary to defend the palace and me.. and us, Presidente! And please keep in mind that banning elections can be quite dangerous at this point.

我がプレシデンテ!

国民が白昼堂々と暴動や政府転覆について話し合っております!
そんな物騒な話が自由にできるのもプレシデンテの寛大な政策のおかげだというのに、なんという恩知らずな連中でしょう!
しかし彼らは、受けた恩は忘れても、石ころの投げ方や棒の使い方は忘れていないようです。

宮殿と私……いや、私達を守るために、あらゆる手を尽くしてください!
ただし、この情勢下で「戒厳令」を発布するのは非常にリスクが高いことは覚えておいてください。

 特に"They have forgotten that you gave them their freedom. However, they have not forgotten how to throw stones and use sticks."のくだりがなかなかの難関。直訳すると「彼らは彼らの自由があなたから与えられたものであることを忘れてしまった。しかしながら、石の投げ方や棒の使い方は忘れていない」ですが、このままだと日本語として変です。なので、原文とは違うけど、日本語として自然で、かつ内容と雰囲気が伝わりやすいように書き直したわけです。つまり、直訳した文章を推敲したということ。
 ここまでやると、小説を書いているのとほとんど変わらない作業になりますね。どう書けばニュアンスが伝わるのかを考える、という。小説を書く作業なんて、言ってしまえばこればっかりです。
 ちなみに「戒厳令」というのは、犯罪率を下げて選挙を行わないようにする布告コマンドのことです。"banning elections"をよりゲーム中の具体的な行動名として訳しています。

 そんなわけで、ゲーム本編はあんまり進んでおりません。むしろ、プレイ途中に「これは書き直した方がいいなあ……」というのを見つけてはメモを取っている有様で、デバッグでもやっているような気分です(笑)

「A源を切らないでください」で失笑を買った"A Kingdom Keflings"も、自分で文章を直せたら面白かったのですけどね。PC版だったらできるのかな。

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2010.5.21「本:安部公房『壁 −S・カルマ氏の犯罪−』」

『ひとり日和』を図書館で立ち読みした時に、ついでに安部公房の『壁』の「S・カルマ氏の犯罪」を読みました。読もうとしたのには何か理由があったはずなのですが、読んでいる内にすっかり忘れてしまって、さて、私は一体なぜこれを読んでいるのだろうと自問自答したのが印象に残っています(笑)

『壁』は三部作になっていて、芥川賞を取ったのは第一部「S・カルマ氏の犯罪」の部分です。本当は全部読むつもりだったのですが、図書館に『壁』が置いてなかったので、芥川賞全集(というタイトルだったかは忘れましたが、そのような本)で読みました。

 私がこの作品を最初に読んだのは高校生の時でした。私が書いた掌編に対して、とある先生が「安部公房に似ている」と言ったのがきっかけだったと記憶しています。その作品は、このサイトで公開している『南国の木漏れ日』に近い感じのもので、今から思えば全然似てなかったんですけどね。
 読んでどういう感想を抱いたかはもう忘れてしまいましたが、たぶんあんまり感心しなかったと思います。星新一のほうがいいじゃんとか、そんなことを思ったような。

 その時以来なので、久々に読んだわけですが……さすがに今となっては、カフカやゴーゴリあたりから影響を受けている作品であることはすぐにわかりますね。名前を無くすとか、被告として裁判に呼ばれるとか、「そのまんまじゃねぇか」と突っ込みたくなるような展開(笑)
 ただ、カフカやゴーゴリは不条理な出来事を現実的な筆致で書く作家で、事態は異常なのに雰囲気は日常的というねじれが滑稽であり、風刺的であり、スリリングでもあるわけですが、『壁』はリアリズムを排除しており、主人公、あるいは読者をおちょくるように話が展開します。名刺が名刺に見えると同時に人間にも見えるとか、頭の中でどう想像していいか分からんような描写が連続する。ただし、そのリアリズムの排除も限定的なもので、前衛小説と言えるほど突き抜けたことはしていません。
 これがどういう効果を狙ったものなのかはわかりませんが、あまりにもナンセンスな話の展開と描写が続きすぎるため、読んでいるとだんだんダレてくるんですよね。いくら読んでもナンセンスだから、だんだん飽きてくる。話の展開はめまぐるしいのですが、どこまで行っても意味はなく、ずっと空回りし続けるだけなのが目に見えているから、それを追うのもつまらなくなってくる。
 いくら不条理物だからといって、全部不条理にしたら読むに耐えない作品ができる、というのがよく分かる作品です。カフカやゴーゴリの選択は正しかったのか……というのが、まあ、正直な感想。

 ただ、作品として見れば失敗した実験作のような本作ですが、芥川賞を取るのには何の文句もありません。私が選考委員でもこれは選ぶ。新人賞にふさわしい野蛮な作品ではないですか。
 賞を取ったことで何か勘違いして、こっちの方向で突き進んでしまっては困るわけですが、この後安部公房は改心して堅実な作品を作っていくわけですから、めでたしめでたしということで。

 安部公房とは直接関係ないですが、同じくカフカやゴーゴリに惹かれた後藤明生は、『外套』を下地に『挟み撃ち』を書き、「全く不条理でも何でもない平凡な出来事を普通に書いているだけなのに異常に見える」という離れ業を開発したのでした。安部公房がやったのと真逆の発想だったわけですね。一見全く関係なさそうな二人のルーツが同じというのは面白いところです。この辺を比較してみると面白いかもしれない。
 卒論で後藤明生論を書いたのですが、知識を詰め込んだだけの乱雑な頭では、どう書けば面白いかなんて何にも思い付かず、ひどい出来のまま提出したんですよね。今なら、もう少しまともなものが書けたろうになあ。

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2010.5.16「本:青山七恵『ひとり日和』」

 ちょっとした事情があって、青山七恵『ひとり日和』を読む必要ができたので、図書館に行って立ち読みしてきました。

 感想はというと、確かに芥川賞を取りそうな作品だなあ、という感じでした。昔から手癖が悪く、他人のちょっとした物を盗んではコレクションしている主人公が、下宿元を去って自立する時にそれを手放すとか、下宿時代にバイトしていたキヨスクが、なんとなく遠く見えたりするところなどの超わかりやすい古典的手法は、まさしく芥川賞選考委員達の好みそうな構成です。
 ストーリー展開なんかも、日々を退屈に暮らしている二十歳女性のモラトリアムな気怠さを延々綴っているのですが、この空虚さが、本ばかり読んでいる生っ白い文学青年どもの共感を得やすいわけです(もしくは、玄人好みの渋い作品に見える)。長続きしないどうしようもない恋愛しかできない主人公が、自立を機にこれから成長していくんだ……という余韻を漂わせて終わると見せかけておきながら、結局既婚男と不倫するというダメっぷりを発揮する後味の悪さなどもこの類。文学の世界には、日々充実している若い女性の主人公なんて出てきたらダメですからね。不健全な精神の持ち主でなければ(笑) 

 描写力は結構あって、巧いことは巧いのですが、読んでも何も残らない作品でもあります。その空虚さが今の時代を象徴しているように見える、とも言えるわけですが、いくら今の時代が空虚だからといって、作家まで空虚だったらダメだと思うのですよね。もうちょっと作品から野心的なものが見えるようでないと、先がないように思う。

 技術的には高いレベルにあるので、この作品が新人賞を取ってもおかしくはありません。ただ、作家の将来性については期待できないですね。小さくまとまり過ぎている感じです。

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2010.5.14「時事:最近の政治時事」

 ほとんどテレビや新聞をチェックしてないので真偽の程は不明ですが、宮崎県の口蹄疫の話題が大きく取り上げられてないというのは本当なのでしょうか? 感染拡大防止のために現地取材は規制されるでしょうけど、それにしても、民主党の失態を叩きまくれる格好の材料なのに、マスコミが大々的に報じないというのも妙な気がします。特に、日本のことをほったらかして赤松農林水産大臣が外遊に行ってしまったことなど、これを報道しないで何を報道するのかというくらいのネタだったはずなのですが。麻生元首相の「みぞうゆう」発言など、どうでもいいニュースをあんなに大きく報じた癖に、こっちは報道しないなんて馬鹿な事があり得るのでしょうか? にわかには信じがたいです。

 それにしても民主党は、国民の人気取りばかりに傾注している割には、やることなすこといちいち支持率低下に繋がっているという、とんでもない政党ですね。ろくでもない法案は通す癖に大事な法案は見送り、余計なことばかりして、やるべきことはやらない。ついでに言えば、普天間の問題を5月までに決着すると言い出したのは、鳩山首相自身なのですよ。無理なものは最初から言わなきゃいいのに、自分で自分の首を絞めていく。
 しかも、このちゃらんぽらんな行動が全て「参議院選挙に勝つため」にやっていることなのだから恐れ入ります。
 それほど期待していたわけではないですが、想像を遙かに上回る無能集団でした。初めて国政を運営をするのだから問題が起きて当然で、多少のことには目を瞑るつもりでしたが、明らかに限度を超えています。こいつら、本当に政権を奪取したかったのだろうか。政権を取って何がしたかったのだろう?

 ま、今の日本の政治システムじゃ、どうやっても民意なんて反映されない、ということはよくわかりました。最初からわかっていたことではありますがね。


[2010.5.15 追記]
 所用で図書館に行ったので、ついでにざっと主要な新聞を調べてきましたが、本当に口蹄疫の話題って、ほとんど記事になっていませんね。どの新聞も、4月21日の夕刊の後ろの方に小さい記事が載って以降は、流し読みでは記事が見つかりませんでした。
 マイナーな新聞では、公明新聞が4月30日に口蹄疫の記事を一面にしていました。赤旗も図書館にあったと思うのですが、チェックし忘れたので不明。

[2010.5.18 追記]
 なんだか知らないですが、突然大々的に報道するようになりましたね。夕飯時に何気に観ていたニュースで特集を組んでいました。資料映像やら現地取材した様子やら内容盛りだくさんで、今までの経緯を妙に詳しく報道していたのですが、ということは、マスコミはこの件を初めから知っていて、報道できるくらいに材料を持っていた、ということですよね? 一体どんな理由で報道しなかったのでしょう? 本当に民主党の圧力なのか? でも、圧力をかけるくらい重大事とわかっているなら、対策を取らなかった理由がわからない。自民党の支持基盤を壊滅させようとしたのだろうか。……全然冗談に見えない。

 その特番で赤松大臣のコメントが報道されていたのですが、傑作でした。「私がやってきたことについて、おわびを申し上げるようなことはない」というような大意だったのですが、そりゃそうですわな。やらなかったことが問題なんだから。

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2010.5.14「文房具:左利きカッターナイフ」

 ホームセンターに行くと、オルファの左利き用カッターナイフというのを見つけました。
 私はカッターナイフは左手で使うのですが、今まで右利き用を使っていて、不便に感じたことは一度もありませんでした。左利き用ならもっと使いやすくなるのだろうか? と思い、試しに買ってみることに。

 で、早速家で使ってみると……むしろ使いにくいような。右利き用だと片手で刃の調整ができるのに、左利き用はうまくできないのです。特に、ねじを締めるときは両手を使わないといけない。
 何が原因なのかと、右で持ったり左で持ったりしていろいろ試してみましたが、どうやらねじの方向に問題がある様子。右利き用と左利き用、どちらも同じねじを使っているのです。結果、刃を出し入れする時にねじをひねる方向が逆になってしまっている。
 右利き用は、親指で手前に押し出すようにすればねじがゆるみ、引くと締まるようになっています。左利き用は、押し出すと締まってしまうのですが、これが実に使いにくい。
 慣れたら使えるようになるのかもしれませんが、慣れたら慣れたで、世の中の大多数を占める右利き用カッターが使いにくくなるわけで、それだったら今まで不便無く使っていたわけだし、右利き用カッターを使った方がいいんじゃないかという気もしてきます。
 ねじ留め式のでなくて、単純に押し引きするタイプのカッターだったら問題なかったのでしょうけどね。

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2010.5.6「パソコン:強制冷却モード」

 5月に入って突然気温が高くなり、パソコンを使っていると室温が30度を超えるようになりました。
 以前のパソコンの構成なら、室温32度くらいまでならぎりぎり問題なく稼働したのですが、パーツの高性能化とHDD三台体制が効いているようで、室温30度で1TBのHDDの温度が45度を記録するように(500GBの方は最高42度)。
 HDDの温度と故障の関係についてはいろいろ言われていますが、話を総合すると30度〜40度の範囲内で稼働するのがHDDの健康のためにはいいようです。いくら気を遣っても突然壊れるのがHDDというやつではありますが、無駄にリスクを高める必要もないわけで。
 というわけで、フロントベイのドライブカバーを一部取り外して、必要に応じてそこから扇風機で風を送りながら運用しています。単に開けるだけでも3度くらいは下がりますが、風を送れば30度〜32度まで下がる。

[追記 2010.5.8]
 今度は20度まで下がって、むしろ肌寒いのですがどうしたことか(笑)

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2010.5.1「パソコン:モニター故障」

 9年間使用していたCPD-E230が、ついに故障しました。ブラウン管モニターは場所を取る上重いので、そろそろ買い換えたいとは思っていたのですが、こう突然故障されると、それはそれで困るんですよね。
 代わりとして、360用に使っていたW1942TQを使うことにしました。

 初めて本来の使用目的であるパソコンモニターとしてW1942TQを使いましたが、パソコンモニターにワイド画面って、特に必要ない感じがしますね。横に長くてもあんまり使い勝手が良くないような。ほとんどのソフトを全画面表示しなくなったため、デスクトップに置いたアイコンにアクセスしやすくはなったかもしれません。……ほとんど何も置いてないですが。
 あと、解像度は1440x900が限界なのですが、もう少し上げたい気がします。今まで(1280x960)より画面表示が大きめになり、実質作業領域が狭くなった。1680x1050まで上げられれば、たぶんちょうど良いと思うのですが、まあ、ありものを流用しているのだから、あまり贅沢は言えない。
 プリセットのままだと輝度や色温度が高すぎるので手動で調整していますが、9年も見慣れていた色味から変わったわけで、なかなか違和感が消えません。あと、画面がくっきりしすぎて、ビットレートの低い動画が汚く見えたりする(笑) 逆に言えば、高画質の有り難みがよりわかるようになったとも言えますが。

 360用のモニターは、急ぎで必要なわけではないので、一応候補を考えるつもりでパソコン専門店に行ってみましたが、LED液晶のE2250V-PNが2万円を切っていたので買ってしまいました。フルHD対応でHDMIが使えるという、文句のない仕様。しかも消費電力が従来の液晶の約半分。こちらはコントラストが高くても問題ない使用方法なので、高画質対応で全然OKです。"Rez HD"がより見栄えするように(笑) 接続もHDMIでできるようになり、だいぶすっきりしました。

 あとは、壊れたCPD-E230の処分についてですが……ブラウン管モニターは家電屋でも市役所でも引き取ってくれず、メーカーに直接連絡しなければなりません。数年前ならヤマダ電機が買い取りという形で引き取ってくれたのですが、今はもうダメらしい。
 で、どうするかというと、メーカーに手続きを申請して、引取料を振り込んで、送られてきた伝票を貼り付けて郵便局に持って行くという、なんとも面倒くさいシステムになっています。単に金を払うというだけでも嫌がる人が多いだろうに、手続きまで面倒くさいとなれば、まるで不法投棄を推奨しているかのようです。
 家に置いておくのも邪魔なので手続きを申請中ですが、ゴールデンウィークに入るので、結構時間がかかりそう。

[追記 2010.5.1]
 液晶モニターは輝度(明るさ)を下げるとインバータから音が鳴る場合があるのですが、W1942TQも例外ではなく、結構気になります。360用に使っていたときは、モニターから離れているのと、だいたいゲーム中はいつでも音が鳴っているものなので全然気になりませんでしたが、パソコンモニターとして使うと、この辺は結構切実な問題になってきます。
 液晶側の明るさは変えずにビデオカード側の設定で調整してみたのですが、やはりバックライトの明るさが変わらないことには、目に来るダメージは変わらないようで。
 結局、音の方を我慢することにしました。音楽をかければ全然気にならなくなるので、それでごまかすことに。あんまりパソコンを使いながら音楽をかける習慣はなかったのですが、こういう実用的な効果があるとは思わなかった。

[追記 2010.5.28]
 E2250V-PNについても感想を。D-sub、DVI、HDMI対応で、入力を切り替えて使用できます。たまにデュアルモニターにして、パソコンで再生した動画をE2250V-PNの方で観る、という使い方をしています。
 モニターにスピーカーは付いていませんが、背面にスピーカー端子があるので、HDMIから出力した音声は、ここからコンポに繋いで再生しています。
 画質については、バックライトがLEDだからか、色味が若干紫寄りになっています。ある程度調整できますが、最初はどうしても違和感が残ります。あと、ゲームをやっていると、なんとなく遅延しているような気がして、ちょっと酔いました。この辺の問題は数日すれば慣れてしまい、全く問題なく使えるようになりましたが。
 現在のところ、360用モニターとして、何の問題もなく使用できています。唯一欠点なのは、本体がつるつるでホコリをくっつけやすいことでしょうか。W1942TQのように、ざらざら仕上げにして欲しかった。

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2010.4.11「時事:たちあがれ日本」

 最初この名前を新聞で見たとき、どこの馬鹿が付けたんだと思ったものです。呼びにくいし、略しようもない。名付け親が石原慎太郎だと知ったときは、ここまで堕ちたかと思いました。仮にも小説家だった人間が、こんなノーセンスな名前を付けるなんてね。
 あ、もちろん「たちあがれ日本」という政党名のことです。

 みんなの党のネーミングセンスも酷かったですが、たちあがれ日本はもっと酷い。日々の報道や選挙カーで連呼されるのだから、政党名は呼びやすくて短く略せるものの方がいいに決まってます。みんなの党は、センスは悪いですが、まだ「呼びやすさ」という最低基準は満たしていました。しかし、たちあがれ日本はねえ……
 理数離れが深刻だと言われている昨今ですが、新党の名付けの酷さを見るに、文系力の低下も相当深刻だと思いますね。音読しやすいかどうかや、どう略されるかを考慮した上で名前を付けるという、当たり前のことができなくなっている。元小説家をして、です。

 選挙速報とかではどう略す気なんだろう。「たち日」とかになるんかね? 言いにくいなーなどといらん心配をしていたら、その日か次の日の新聞で、誰だったか覚えていませんが、とある議員が「たちがれ日本」と聞き間違えた、などというコメントをしているのを目にしました。
 それを読んだときは「今の議員って、人の揚げ足を取ることだけには長けているんだよなあ、最悪な連中だ」と憤っただけでしたが、数日経過した今、思い返すと、じわじわ来るものがあるんですよね(笑)
「たちがれ日本」って、結構良くないですかね? 名は体を表すといいますが、まさしくぴったりの政党名じゃないですか(老害が日本を立ち枯れさせたのだと考えれば、そのまんますぎて恐ろしいくらい)。そう考えると、石原慎太郎のネーミングセンスもなかなかのものだと見直すようになってきました。選挙速報の略称は「たちがれ」で決まりですね。

 たちあがれ日本の目標は打倒民主党政権だそうですが、老人らしい勘違いした目標ですねえ。民主党政権を打倒したいなら、最も正しい選択は引退することなのです。己のふがいなさのせいで政権を奪取されたのだから、反省して身を退けばいい。退く気がないなら、谷垣総裁を降ろして自らが自民党を主導するか、補佐に回るか。自民党を分裂させるのは下策もいいところでしょう。かえって民主党が有利になるじゃないですか。彼らが政党を立ち上げて、政局が好転すると本気で思っているんでしょうかね? 思い上がりも甚だしいです。その思い上がりが政権を奪われた最大の原因だということが、まだわかっていないのか。

 しかし、自民党も民主党もダメとなると、私たちは一体どこに票を投じればいいんでしょうね。もう碌なのが残ってないんですけど。まだマシなのは日本共産党ですが、あそこは未だにマルクス主義(共産主義云々ではなく、要するに革命家気質)を引きずっていて、信用できん。間違って与党にでもなろうものなら、民主党以上に恐ろしい暴走が待ち受けているのは目に見えている。
 しかしまあ、参議院で共産党の議席が伸びても与党になれるわけではないから、腑抜けた議員どもに活を入れる意味で、共産党の議席を伸ばすという戦略はありかもしれない。仮に共産党が参議院の議席を過半数取れば、さすがに馬鹿なことばかりやってられないと思うでしょうからね。


 ……ところで政党名なんですが、いっそ「旭日党」とかにすれば、名前だけで保守な連中がこぞって票を入れたんじゃないでしょうかね。老人議員ばかりでも全然気にならないし、むしろ御老体どものヤル気を感じさせるネーミングだと思う。実際、保守政党は漢字を使ったガチガチの政党名の方がいいと思うんですよ。
 漢字の政党名を古いと思ってしまうセンスそのものが、自己否定であり、日本否定であり、立ち枯れているのです。

[追記 2010.4.11]
 当然のように石原慎太郎を「元小説家」と書いてしまいましたが、まだ小説を書いているみたいですね。

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2010.4.9「本:夏目漱石『こころ』+『猫』」

 ライノウイルスと思しきものに感染して、寝込んでいる今日この頃。症状はもう軽くなっているのですが、まだ完治していないので家でおとなしくしています。
 せっかくの機会なので、夏目漱石の『こころ』を読み返してみることに。
 私は割と長いこと『こころ』の前半が全て夏休みのシーンだと勘違いしていました。夏休みという有限の日常の中で、先生と何気ない会話を繰り返すという、静かでスリリングな展開が好きだったのです。この作品は何度も読んでいたにも関わらず、高校の頃はずっと勘違いし続けていました。
 しかし、大学一年の時に読み返して、ようやくそれが誤読だったことに気付きました。こうして私の理想であった『こころ』という作品は消滅したのです。

 その後は読む機会もなかったのですが、久々に読んでみるとまあ、なんとも漱石らしくない小説だなあと思いましたね。
 私の知る漱石の作品は、どれもどこかに醒めたところのあるものばかりです。一歩引いたところから客観的に物事を見ているところがあって、それが皮肉めいた批判を浴びせることによってユーモアを引き出しています。しかしこの作品には、それがない。
 ユーモアを交えて書くと、この作品の主題は崩壊してしまうから、あえてユーモアを引っ込めたのだ、ということはわかります。しかし、それができるということは、漱石は、Kや先生の悩みがいかに馬鹿馬鹿しいものであるかを熟知していた、ということでもあります。あえて彼らの悩みを重大なものであるかのように描いた理由は何だったのでしょうね?

 唯一漱石らしいのは、黙説法を多用していることでしょう。なぜ二人は自殺したのか、なぜ「私」は父親を放ったらかして汽車に乗ったのか、その後「私」はどうなったかなど、肝心な部分は全て故意に書き落とされています。意地悪もここまで徹底すれば大したもの。おかげでいくらでも好きなように解釈でき、しかし正解はいつまで経っても見つかりません。
 ヘタクソが書けば単に嫌らしいだけですが、漱石はこれがまた巧いんですよね。この辺の不備を批判すると、かえって批判した本人の底の浅さを露呈してしまう構図になっている。
 というのは、ひとつは、書き落とされた部分を読者が想像で補完するのは容易だからです。人並みに想像力があれば、ある程度納得できるこじつけができるようになっている。小説はテストじゃないのだから、作品の進行上に問題がないのなら、作者が必ずしも正解を用意する必要はありません。
 また、他者の心を読み解けると思い込むのは傲慢だ、というのもある。登場人物の肝心な場面での行動がいちいち理解不能であることが『こころ』という作品の主題であるとも言えるわけです。つまり、人間の心情なんてそんなに簡単にわかりっこない。むしろ理解不能であることが自然なんだ、と。特に自殺する人の気持ちが常人に理解できる程度の代物なら、そもそもその人は自殺なんかしないのです。あれだけ長々とした遺書を読んでも結局先生の自殺の理由はさっぱりわからないところに、むしろリアリティがあると思いませんか?
 まあ、レヴィ=ストロースを読んだ今となっては、この作品を読んで内容に感心することはなくなってしまいましたけどね。

 ついでに気分転換のつもりで、『こころ』とは真逆のユーモアたっぷりの『吾輩は猫である』も読んだのですが、読んでいて突然、重大な事実に気付きました。『猫』の原型って『トリストラム・シャンディ』なんですね。今まで、ドストエフスキーに近いけどロシア文学っぽさはないから何なんだろうと思っていたのです。漱石が『トリストラム・シャンディ』について論文を書いていることは高校生でも知っている事ですし、もちろん私も知っていたわけですから、もっと早く気付いても良かったはずですが。我ながらなんと鈍いことか(笑)
『猫』は『トリストラム・シャンディ』ほど野心的な小説ではなく全然別物ですが、あれが土壌にあるのは間違いありません。小説の概念をことごとく破壊して読者をからかう『トリストラム・シャンディ』は、小説そのものを研究するにもうってつけですし、その概念を破る術を学ぶにも好都合です。それらを熟知しているからこそ、あれだけ自由奔放に書いてもちゃんと小説として成立させられるわけです。漱石の作品群が飛び抜けて高度なのも無理ありません。
 となると、漱石が「写生文」を、正岡子規をはじめとする当時の文学者とは違った形で捉えていた理由もわかってくる。おそらく漱石は、連想作用を用いて意識の流れを描写した文章を「写生文」と言っているのでしょう。

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2010.3.12「ギタドラ:ギターXGプレイ」

 ギタドラXGが稼働したので、お試しプレイ。1クレ200円だったので、ギターを7回しかやってませんが。

 はっきり言ってしまうと"Guitar Hero"とほぼ同じ、むしろ後発のくせにシステム的に見劣りするのが気になります。
"Guitar Hero"との大きな違いは、タッピングがない点と、判定がキツイ(従来のギタドラと同じ)点です。あと、ハイポジの単色弾きの時、ローポジを押さえていてもミスにならないシステムもない。おかげで必要以上に難易度が高いです。"Guitar Hero"で5ボタン方式に慣れている人なら、数回プレイして譜面に慣れれば、すぐにエキスパートの高難易度曲でもクリアできますが、初めて5ボタンでプレイする人にとっては、あの難易度で1クレ200円じゃ、とてもやってられんでしょう。"Guitar Hero"が判定を甘くする方向で進化してきたのに対し、厳しくする一方のコナミのやり方はどうかしていると思います。間口狭めてどうするのよ。

 タッピング等がない分、全体的な譜面は"Gutar Hero"より簡単になっています。ほとんどの速弾きの部分が従来通り同色ノート連弾きになっていますし、3色中抜き同時押しもない。ただ、高難易度曲では4色、5色の高速階段を弾きながら押さえないといけなかったり、例によって意味もなくごちゃごちゃした譜面もあるので、そういう部分はキツイ。3色折り返し階段でもキツイのに、色増やしたらダメだろ! というかもう、運指オルタとか、わけのわからん技術は必要ないようにして欲しいですよ。実際のギターだって、音出すとき全部ピッキングしてるわけじゃないでしょうが。次回作でいいから、ピッキングバーを弾かなくていいノートを作って欲しいです。

 私の腕では、とりあえず、エキスパートの難易度7台まではクリアは可能でした。音が小さくてリズムが取りづらかったのと、判定が厳しいのとでリザルトは散々でしたが。従来の譜面にあった、実際のリズムと譜面のリズムが違うとか、同じ音の連打なのにノートがバラバラ、という譜面はかなり少なくなっており、その辺は好感触です。若干残ってますけどね。
 難易度8台の"Sonne"は、今回はクリア出来ませんでしたが、音量がもっと大きくて譜面慣れすれば問題なくいけそうな感じ。

 1クレ200円ですし、"Guitar Hero"が家にあるので、今のところXGはあんまり深く遊ぶ気はないです。Dream TheaterやTool、AFIなんかがフルサイズでやり放題ですしね(笑)


[追記 2010.3.15]
 前回は遠くまで行ってプレイしたのですが、近くにも設置されたので様子を見に行きました。さすがに200円なだけあって、人が少なくなかなか快適な環境。おかげでドラムもプレイできました。
 ドラムは叩くところが増えて、文句なく面白くなったと思います……が、もうバスドラが不調で、踏んで離すときの反動で音が入力されてしまう状態になってました。
 私は主にバスドラの音でリズムを取っているので、バスドラが不調だとプレイできないのです。なのでそれ以上のプレイは断念し、あとはちまちまギターの方をプレイしました。とりあえず、"TENGU"のギターエキスパート譜面がクソ譜面のままだったのがいただけなかったです。5ボタンにした意味ねえ(笑)

 あと、コンフィグで2〜4ボタンに減らすことができるのだから、NOV、REGも5ボタン使うようにした方がいいんじゃないかと思いますね。EXP譜面以外で5ボタンを使えないんじゃ、新システムに慣れるどころじゃない。REGとEXPの難易度差がありすぎると思う。

[追記 2010.4.9]
 スキル表を作成しました。トップページにリンクを張ってあります。不満はいろいろありますが、Vシリーズより面白いのも事実なんですよね。V7はプレイしません。
 1クレ200円のためあまりプレイできないので、1回ごとに超集中して、とりあえずスキル5000は突破しました。ちゃんと詰めれば5700くらいまではいきそうですが、資金がない。
 いい譜面も増えましたが、相変わらずゲーム、ゲームした残念な譜面も結構ありますね。無理に難しい譜面を作る必要なんかないのに。

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2010.3.4「本:太宰治『人間失格』」

 なんだか最近、ネットで太宰治の話題をよく見かけるなあと思っていたら、去年の5月が太宰治生誕100年だったようです。2007年に出た漫画絵表紙版『人間失格』が売れたこともあって、ちょっとした太宰ブームが起きているみたいです。"1Q84"が売れたのも、『人間失格』に変に感化された人が土壌になった可能性もあるのかな。
 せっかくだから久々に再読しました。最後に読んだのは高校の時、読書感想文を書くためにか?
 本棚を探してみると、当時の読書感想ノートが見つかりました。読み返してみると「太宰は、世間から『人間失格』という烙印を押される恐怖や失望感を描きたかったのではないか?」という結論になっています。少なくとも「大庭葉蔵とボクには共通点があります」などの馬鹿なことを書いてないのでちょっと安心した(笑)
 ただ、文章はひどいですけどね。当時の私は国語教育に反逆するつもりで、読書感想文をわざとくだけた馴れ馴れしい文体で書いていました。ケータイ小説の文体と似ている。今だったら正々堂々と正しい文体で、国語教育からは逸脱しているけど文句の言いようのない感想文を書けますが、当時の私には国語教育に従うか、逆らって目茶苦茶な文を書くかの二択しかなかったのです。無知とは無垢ではなく罪であるとはよく言ったものです。
 大学で構造主義を知ったときには本当に腹が立ちましたね。なんでこんなに有用な知識を国語の授業で教えないんだと。学校は重要な知識をわざと秘匿して、馬鹿を育てようとしているんじゃないかと本気で疑ったものです。国語の世界が未だにサルトルで終わってるという事実には悪意すら感じます(今の教科書がどうなっているかまでは知りませんが。レヴィ=ストロースはちゃんと紹介されているのだろうか)。とまあ、余談はこれくらいにして。

 この小説は一般的には太宰治の遺書扱いされて、奥野健男のいうところの「読者を意識し、懸命にサービス、奉仕につとめていた」太宰が、「はじめて他のためにという倫理感を捨てて、自分のために小説を書いた」(『人間失格』太宰治・著 新潮文庫 昭和六十年改版 p157)という説が有力視されています。しかし、本当に読者サービスを捨てて自分のために書いたのなら、エッセイとして書けば良かったはずです。わざわざ小説という形態を選ぶ必要はなかった。
 手記の中の葉蔵は、自分を小説の主人公と見立てて道化を演じており、素の自分を見せようとはしていません。一見赤裸々に見えても、真っ裸でいること自体が仮面になっているという、文章にするとややこしい事態が起きている。
 要するにこの手記全体が、鉄棒からわざと転げ落ちてウケを狙うのと同じ構造になっている。で、多くの人はそれに騙されて勝手な共感を覚え、そうすることで葉蔵(『人間失格』という作品)は社会的地位を得るのです。
 葉蔵がヒモをやっていたことを忘れてはいけません。彼は人を笑わせるだけでなく、同情や共感を誘う天才でもあるのです。初対面の女のところにいとも簡単に転がり込める才能のある奴が、この手記にだけその能力を発揮していないと、どうして言えるでしょう?
 この作品の、勝手な共感を覚えさせる力は悪魔のようで、どう読んでも「太宰はこういうつもりでこの小説を書いたのか!」と納得できてしまいます。

 ちなみに、それに気づいて「ワザ。ワザ」と言った奴は、今度は別の角度から太宰に懐柔されることになります。つまりはまあ、私のことですが(笑) 実際、試しにいくつかの角度から分析してみましたが、やる度にこの作品は私の分析を肯定するのです。否定されたらその分析が間違っていることがはっきりしますが、やること全てが肯定されてしまったら、本当にどれが正しいかは永遠に分かりません。
 この文章自体、もう4回も書き直しています。どう書いても一時は本作の本質を捉えたように感じられ、しかしもう一度読み返すと、その「正しさ」がいかがわしく感じるのです。

 結論としては、この本には深く関わらない方がいい、ということです。感想文など書くべきではないし、分析なんかするべきではない。ライフワークに選んだりするのは以ての外。
 彼の道化ぶりは完璧であり、自分を全肯定してくれるから、あまりに居心地がいいのでつい長居したくなってしまう。そのうち太宰と心中する羽目になるでしょう。こんなものを高校生に読ませようとする国語教育の気が知れません。こいつは神様じゃない、悪魔だ。悪魔はいつでも優しい笑顔で、人を堕落させようとするんだ!(笑)
 ただ、その性質を分かった上で、文学部の卒論の課題に選ぶという手はアリかもしれません。どうとでも書けるので。でも、もし本当に課題に選ぶのなら、魔除けに構造主義の知識は入れておいた方がいいでしょう。

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2010.3.2「文房具:文具屋物色記」

 本項はもともと2月25日付「本屋物色記」の余談として書かれたものですが、余談のくせに本題より長くなったので分離しました。文章の細部手直しと、後日談を追記。

 ついでに近くの文具屋も物色。私は別に文具マニアではないですが、文具屋に行くと無駄にいろいろ欲しくなるので困ります。

 まず、車の中で使う用に三菱鉛筆のパワータンク スタンダードを購入。リフィル内のインクが加圧されており、上向きにして書いても大丈夫というやつ。持ち手が私にはやや太すぎて使いづらいですが、車の中でのちょっとしたメモ用に使う程度なので、それほど問題ありません。ただまあ、ゼブラがジムノック軸で加圧インクのものを出してくれたら、喜んで乗り換えますけどね。

 ついでにOHTO MINI-B ミニボールペンを試しに購入。手帳に差して使うタイプのミニボールペンと同じ長さで、軸が太いボールペンです。携帯性に便利で書きやすいというのがウリ。
 この小ささと軸の太さ、なにより安価なのはとても魅力的で、玄関先にでも置いておけばかなり使い勝手が良さそうですが、持ち手のゴムが固く、変なでっぱりがあって使いづらいのが残念なところです。ゼブラがジムノックの短いのを出してくれたら、喜んで以下略(笑)

 続いてKOKUYOのメモ帳 メ−C353を購入。A7サイズのダブルリング製本メモ帳で、切り取り線が入っています。ポケットに入るメモ帳が欲しかったのですが、表紙がプラスチック製なのが気に入りました。表紙を下敷きとして使える。
 今はKOKUYO キャリーメモ F-WKM100Yを使っていて、こちらは名刺サイズで携帯性は抜群なのですが、表紙の取り回しがやや煩雑なのと、一枚ずつ切り取って使わないと、だんだん使い勝手が悪くなるのが気になるところ。リング式だと、その辺に柔軟性があるんですよね。残しておいたり切り取ったり。
 ポケットに入れるならF-WKM100Yの方がいいのかなあ。メ−C353は確かに胸ポケットに入りますが、入れているとちょっと気になる。スーツを着ている人なら、内ポケットに入れれば問題ないのでしょうが。名刺サイズでダブルリングで表紙がプラスチックなら最高ですが、どこかでそんなメモ帳を出してくれないだろうか。結構需要あると思うのですが。

 名刺サイズといえば、私は去年から、住所録に名刺サイズのカードと名刺ファイルを使っています。今まで住所録用のノートを使っていたのですが、メールアドレスが変わったりすると書き換えるのが大変だったんですよね(鉛筆で書けばいいというのはこの際言いっこなし)。スカスカなページと密度詰まりすぎのページの差が激しかったり、ある人とある人の間に新しい人のデータを入れたくてもできなかったり。その点、カード式にすれば差し替え並べ替え自由で、ものすごく便利です。
 あと、細かい覚え書きを保管するにもカードとファイルの組み合わせは使える。すぐ使って捨てるだけのメモなら普通のメモ帳で充分ですが、「Caps Lock+Shiftで英大・英小切り替え」などの、長期保管したいメモに威力を発揮します。一枚だけ抜いて財布に入れたりもできますし。
 私はこの手のメモはまず一括で大学ノートに書き留めておいて、その中から特に取り出したい情報をルーズリーフかカードに書き移して保管する方式を採っています。

[2010.2.25 追記]
 名刺サイズでダブルリングで表紙がプラスチックのメモ帳ですが、よく探したら割とどこにでも転がっていました。100円ショップにすら、2冊105円で売ってた。
 その中から、ミドリカンパニーのダイヤメモ(S)を購入。今まで使ったことはなかったですが、定番メモ帳ブランドの小型版ですね。かなり使い勝手がいいです。携帯用はこれで文句ない。
 メ−C353はバッグに入れて、F-WKM100Yは家でのメモ帳として使うことにします。
 ついでにジムノックを2本購入。ジムノックは大学の卒業記念でもらった1本しかなく、それもほとんど使っていませんでしたが、ジムニーライトが貴重品化しそうな昨今ですので、キャップが無くても問題ない家庭での使用はこいつで賄うことにします。

[2010.2.27 追記]
 ジムニーライトを追加購入。メーカー廃盤品ですが、売れ残っている文房具屋を1軒だけ知っていたので、そこで仕入れてきました。黒6本、青2本、赤2本。あるだけ買い占めようかとも思いましたが、同志のために残しておくことに。まだ結構あります。一体何年前から売れ残っているんでしょう(笑)
 ついでにジムノックの赤と青を2本ずつ購入。赤青はあんまり使わないのですが、たまにないと不便なので。

[2010.3.2 追記]
 A5の20穴バインダーノートの見出しが必要になったので、四度文房具屋に行く。A5サイズのノートやバインダーは結構売れているようで、文房具屋のルーズリーフコーナーを見ると、たいがいの店でA5のB罫だけが異様に少ないのを目にします。そのくせ、A5の下敷きとか、A5の見出しなどを扱っている店は少ないんですよねえ……ノート売って下敷きを売らないとか、バインダーとルーズリーフ売って見出しを売らない理由は何なのでしょう。
 3軒巡って、ようやくマルマンのA5ラミネートタブインデックスを発見。この店でもA5は人気のようで、A4、B5、A5と三種類のルーズリーフやクリアファイル、見出しが売っていましたが、A5だけかなり減っていた。見出しに到っては、他のサイズは10冊以上あるのに、A5だけ2冊しかない。
 本当はKOKUYOの、色紙を使っているのが欲しかったのですが、あまり贅沢も言ってられません。残っている2冊とも購入。

 目的のものは手に入ったのでレジに向かおうとしたところ、ふと、ひとつのバインダーノートが目に付く。メイレイのKPE450。リングが平らになっており、従来品より圧倒的に薄型を実現したA5バインダーノートです。収納枚数は40枚で、厚さはノート2冊分くらい。
 プラスチックのリングを使ったバインダーノートはリングのかみ合わせが悪く、使っていると隙間からルーズリーフが抜け落ちたりしがちですが、このバインダーはその辺も良くできていて、きっちりホールドできる構造になっています。
 プラスチックリングのちゃちさが嫌で、私はずっと金属リングを使ったCampus ル-102Bを使っているのですが、丈夫で収納力がある分、携帯性や取り回しには若干難があるんですよね。ルーズリーフの一括管理にはル-102Bを使って、持ち運んだり、よく使うルーズリーフをKPE450に挟んでおけば、かなり便利かもしれない。大学時代にコレがあれば、白紙のルーズリーフをこれに挟んで持ち歩く、という使い方ができたんですけどねえ。まあともかく、試しに一冊買ってみました。
 実際、この薄さはかなり便利で、バッグに入れても邪魔にならなかったり、パソコンとスピーカーの間に挟んでおけるサイズなのは重宝します。ただ、リングが平らなので、若干ページをめくりづらいですかね。昔の四角穴ルーズリーフを使っているのと同じような感覚です。薄さを取るかめくりやすさを取るか、ですね。携帯用に特化したバインダーと言えます。

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2010.2.25「本:本屋物色記」

『ネトゲ廃人』(芦崎治・著 リーダーズノート・版)という本が前々から気になっていたので、立ち読みして良さそうだったら買ってみようと思い、本屋に行く。
 拾い読みしてみると、ネトゲ廃人のドキュメンタリーのような内容で、後半には韓国でのネトゲ中毒対策について書かれている様子。ネトゲ廃人のドキュメンタリーならネットで探せば日記なり掲示板なりで読めるから、本を買ってまで読む必要はないかなあ、という結論に。

 ついでに新書コーナーもぶらつく。『デフレと円高の何が「悪」か』(上稔司・著 光文社新書)という本が目に付く。「デフレと円高はマスコミで騒がれているほど悪くない」と言いたい本なのかと勘違いし、「デフレ+円高はダメだろ! 何考えてるんだ!」と思って読んでみたら、全く逆だった。つまり、近頃の経済学者どもはデフレと円高を是とする輩が多いが、それは間違っているんだ、と言いたい本らしい。デフレ+円高がOKだとする学説が主流(かどうかは知らないが、主流だからこそ、この著者は反逆しようとしているはず)だということ自体、初めて知りました。ニュースなど見ていると、ダメだとする報道の方が多いような気がしていたのですが。こうなるとむしろ、デフレ+円高がOKとする意見がどういう根拠から出てくるかの方が知りたい。
 後ろの方の見出しに「日銀は金を刷りまくれ」みたいなことが書かれているので気になったが、買ってまで読みたくなる本ではなかったのでやめておくことに。その理由の多くは、自説と異なる説に「トンデモ」などとレッテル張りをしているのが散見されたからです。イメージ支配に頼るようじゃ話にならない。新書とは知の領域を広げるためのもので、誰かの押しつけたイメージに支配されるために読むものじゃないのです。

 続いて『予習という病』(高木幹夫+日能研・著 講談社現代新書)をチェック。
 前回取り上げた『日本辺境論』を読んだとき、「学ぶものの意味や有用性を事前に知ってしまえば真の『学び』は得られない」という説に違和感を感じたわけですが、そんな私に反論するかのようなタイトルではないですか(笑)
 こちらは立ち読みしただけでは内容を把握できず、また、本書に書かれていた教育に関する問題のいくつかに興味が沸いたので、購入してじっくり読んでみることに。講談社現代新書はしっかりした内容のものが多いので、それで少し信用した、というのもあります。もちろんハズレを掴まされたこともありますがね。余談ですが、今本棚を確認すると、買った新書の半分以上が講談社現代新書でした。波長が合うのか。残りのレーベルはバラバラですが、強いて言えばちくま新書が多い。
 まだ最初の方を読んだだけですが、ここで著者が批判している「予習」とは、私が考える「予習」の定義とは異なるようで、「学校の先生にとって都合のいい出来レースを展開するための予備学習」を指しているようです。予想通り読み応えのありそうな内容なので、少なくとも読書本としては楽しめそうな雰囲気。

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2010.2.12「本:内田樹『日本辺境論』」

 読売新聞の広告欄に、武田鉄矢や養老孟司が絶賛していて、レヴィ=ストロースがどうこうと書かれているうさんくさい新書を見つける。内田樹『日本辺境論』という本。絶賛している連中の顔ぶれを見ると危険な雰囲気が漂いまくっているが、そんな本がレヴィ=ストロースをどう料理しているのかは気になったので、本屋に行って立ち読みすることに。
 何度も書いてますが、私は心眼によって、たいがいの本はタイトルと目次に目を通すだけで、ダメな本かそうでもないかを判別できます。端書きと、気になる箇所を少し確認すれば、より確実。
 しかし、この本は目次を読んでもちっとも本性が見えてきません。いくつかポイントとなりそうな箇所を拾い読みしてもダメ。論点のはっきりしない散漫な作品なら、こういうことはありますが、その場合は散漫さが文体に現れていて、「買うに値するほど中身が詰まってないな」と判断できます。この作品にはそういう兆候もない。なかなか珍しいタイプです。埒があかないので買うことに。

 その実態はというと、日本人の特性を客観的に捉えるためのツール集のようなものでした。自論を展開するというよりは、日本人とはどんな連中なのかを理解するために有用そうな情報を詰め込んだ本。もちろん、作者が使えそうだと思うから詰め込んでいるわけですが、かといって「これは絶対有用だから使え」と強要するわけではなく、「使えそうなら使えば?」という、悪く言えば突き放したようないい加減さのある内容です。珍しい形態ですが、新書とはかくあるべきという見本のような本でもある。喩えて言えば、えらくやる気のない武器屋が素性のいいAK-47を投げ売りしているかのような……って、余計わかりにくいか(笑)

 一般に見かける新書は、「俺の意見は正しいんだ!」ということを説得するために書かれるわけですが、この本は説得することを最初から放棄しているのです。自説の正当性や証拠を並べる手間や字数を省いて、その代わり著者の経験上、「役に立つかもしれない」と「思う」知識をひたすら並べまくっている。その見立ては、レヴィ=ストロースの『悲しき熱帯』の論点を正しく捉えていることなどからわかるように、まあまあ信頼できます。大学の講義に似ているところがあるかな。講師が壇上で、その筋の人にとっては貴重な知識を垂れ流している状態。聴講するか否かは学生次第という。

 というわけで、大学で真面目に講義を聴講してなかった、自ら学ぶ姿勢のない人には合わない本ではありますが、最近の新書にしては珍しく、使える部類のものだと思います。というか、まあほんと、大学で日本文学を専攻していたときの講義内容を復習しているような気分になった。

 ただ、私の場合は「復習」ですが、ここに書かれている文化論の断片を初めて知る人にとっては、結構読むのが大変な可能性がなきにしもあらずです。初めてギターを買おうと楽器屋に立ち寄った時の心境に陥るかもしれない(笑) 結局、どの知識が自分の手に馴染むかを知るには、ある程度の経験を要するので、どれが使えるかなどはあまり気にせず、とりあえず使ってみればいいんじゃないかと思います。

 唯一気をつけなければならないのは、この新書のオビの文句を本気にしないことです。養老孟司氏がオビに「これ以降、私たちの日本人論は、本書抜きには語られないだろう」と絶賛の句を書いていますが、これは端的に間違っています(この辺の読解力のなさが、養老氏らしいとも言える)。著者自身、本書の冒頭で「本書のコンテンツにはあまり(というかほとんど)新味がありません」と書いているように、これは使えそうな知識を並べた便利な本に過ぎません。日本人論を考える上での予習復習には使えますが、これそのものを武器にして論陣を張れるほどの強度はないし、そのために書かれているわけでもない、ということを念頭に置いておかないと、扱い方を誤ります。この本を読んだ人向けに説明すると、本書は「虎」ではない、ということ。この本の威を借りてしまうと、赤恥をかくことになります。

 余談ですが、私の「文字精錬研究部」も、本書と似たスタンスを取っています。使えそうな道具をひたすら並べるという。そういう意味で、ちょっと親近感のある作りの本でした。


[追記 2010.2.17]
 この本は結構売れたらしく、つまり今後検索してこの項を読む人も多くなるかもしれないので、もう少し内容についても言及しておこうかと。
 本書の内容は、日本人の性質を歴史的な視座で客観的に捉えるには有効ですが、日本人がこういう性質なのは「辺境人」だからだ、と持って行くための論拠は弱いです。「中華」と「辺境」との比較材料が少ないですし、提示された証拠も非常に怪しい。たとえば、「辺境の学び」と称しているものの出所が「中華」の張良の話というのは矛盾していますよね(笑) 彼が「辺境の学び」と呼んでいるものは、日本が地理的、文化的に「辺境」だから身についたと考えるよりも、中国から輸入したものだと考える方が妥当です。

 というわけで、本書が唱える「日本人が日本人たる理由は日本が『辺境』だからだ」という説そのものは非常に怪しいのですが、だから本書はまるでダメだということはありません。日本人がどんな連中なのかを思い出すこと、そしてそれは軍国主義や明治維新やマッカーサーによって突然作られたものではなく昔からこんな感じだった、ということを思い出すのは大事です。つまり、「日本辺境論」をぶち上げるほどの説得力はないけれど、「掃除」の本としての機能はある、ということ。それで充分役立ちます。

 あとは、個人的な感想を少し。
 本書の中で、シラバスを批判している箇所がありましたが、これに関しては賛同できませんでした。これから学ぶものの意味や有用性を事前に知ってしまえば真の「学び」は得られない、というのが氏の考えなのですが、私は、なんだかよくわからんものを盲目的にやるのは「学び」ではないと思うのです。だから弟子が師匠に「記号論って何の役に立つの?」などと尋ねること自体は正しい姿勢だと私は思う。そういう弟子をウザがる師匠が多いのも事実ですが、それは「役に立つ」の意味を悪く捉えている(就職や出世の役に立つのか、という類の質問と勘違いしている)か、説明できないかのどちらかでしょう。

 あと、張良と黄石公との伝説ですが、あれは氏の拡大解釈が入りすぎている感じがします。黄石公が沓を落として履かせろと言った時点では、張良は黄石公を兵法の極意を授けてくれるじいさんだとは知らなかったわけですから、沓を履かせることに兵法の極意が隠されていると張良が推察したと解釈するには無理がある(『史記』によると、沓を取ってきて履かせた後、お前に兵法書をやるから明朝ここに来いと言われる)。あの伝説は汚いじいさんが実は高貴な人間だったという典型的な物語パターンに過ぎず、学びの極意が隠された伝説だと解釈するのは飛躍しすぎですね。

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2010.2.11「雑文:評判システムと国民性」

 Xbox360には、評判システムというのがあります。遊んだ相手に対して、「好ましいプレーヤー」か「避けたいプレーヤー(言葉が乱暴、妨害的、プレイスタイルが正々堂々としていない、攻撃的、など)」かの票を投じることで、マッチングしやすくなったりしにくくなったりする。
 これは、何パーセントの人が何に投票したかが確認できるようになっていて、日本ではすこぶる評判の悪いシステムになっています。「何も悪いことしてないのに悪評が入った」とか「正々堂々戦って勝ったのに悪評入れてきた」とか、つまらない諍いの原因になるからです。

 私もこのシステムのことはまあまあ気にしていて、嫌な気分になったこともあったのですが、ふと今日、思い付いたことがあるのです。これって、日本人特有の感情なのではないだろうか? と。アメリカをはじめ諸外国では、悪評が入ろうが入るまいが、たいがいの人は気にしてないではないか?

 360はアメリカのマイクロソフトが作ったハードで、彼らにとっては何らかの合理的理由があって評判システムを取り入れたのだと思います。それが何なのかわかりませんが、いずれ、もし仮にアメリカでも「評判システムはなんか嫌だ」という意見が多数を占めるようなら、このシステムは早晩なくなったはずです。それが未だに健在ということは、あっちの人は、悪評が入っても大して気にしていない可能性が高いように思えるのです。
 つまりアメリカにおいて評判システムは、純粋にマッチングの操作のためだけに使われている可能性が高い。理性的に正しいかどうかではなく、感情的にムカついたら避けたいし、楽しかったら好ましい。ただそれだけのこと。
 日本人は「評判システム」を深刻に受け取りすぎているのかもしれません。

 そう考えると、日本人の周囲の顔色を気にしすぎる特性は、現実の世界でもネットの世界でもよく見られる光景ではあります。外国人の多くは、強い戦術を躊躇なく使う傾向がありますが、日本人は悪評を恐れて使いません。もしくは、「あえて不利な状況で戦いたい」という理由で使わないか(私の場合は後者が多い)。いずれにしろ、自分がゲームを主導するのではなく、受動的、相対的にゲームに参加しようとする考え方は、典型的な日本人の特性と言えます。オリンピックとかね(笑)

 もっと図太い精神を持たなきゃならんのでしょうけど、何世代にも渡って文化的に染みついた癖は、そう簡単に抜けるもんじゃないですわな。
 だからまあ、とりあえず日本人は評判の項目を見ないようにした方が幸せなんじゃなかろうかと思います。

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2010.2.8「時事:自白責任の有無」

 最近、世事がうっとうしくなってきて、あまり情報を仕入れたくもないし、関わり合いたくもないと思ってはいるのですが、どうにも気になることがあるので少し。

 民主党幹事長の小沢氏の事務所が、妙に手の込んだ資金操作をしている問題について、ことあるごとに「小沢氏は説明責任を果たしていない」と言われています。
 この問題に対して、小沢氏は違法性はないとして、金の出所はタンス預金だとか、4億も一気に入れたら銀行がびっくりするからとか、まあ、本当かどうかはともかく、一応説明はしているわけです。

 ……で、それでもなお「説明責任を果たしていない」と考える人たちは、一体何を「説明」して欲しいのでしょうか? 自白しろと言いたいのか?
 自白を強要されて冤罪になった事件が報道されてから日も浅いというのに、それを報じたマスコミが、大っぴらに自白を強要するのはどうなんでしょうね。

 確かに小沢氏の説明は妙ですし、そもそもマネーロンダリングっぽい資金操作自体が疑わしいのは事実ですが、疑わしい説明をしているから「説明責任を果たしていない」というのは、おかしいと思うのです。
 たとえば、「なぜマネーロンダリングみたいな真似をしたのか?」という指摘に対して無回答であったりするなら、それは確かに説明責任を果たしていないと言えるでしょう。しかし小沢氏は「4億も一気に銀行に入れたら云々」と説明をしているわけです。この返答は確かに妙ですし、満足のいく回答ではないですが、これ以上突っ込みようがないのも事実です。そして、質問側が口を閉ざしたなら、回答者がそれ以上答える義務はない。

 小沢氏の行為が違法かどうか、説明が事実か嘘かを調べるのは、検察、あるいは「疑わしい」と思っている人たちの仕事でしょう。

 私はどちらかというと、小沢氏を引きずり下ろしたいあまりに、マスコミが自身の権力を濫用してイメージ操作をしていること自体が疑わしい手法だと感じています。ここまでおおっぴらに個人攻撃してはいけないと思う。

 個人的な意見としては、小沢氏は、マスコミや検察が公権力の限りを尽くして叩き潰さねばならないほどの大物ではないと思っています。ここ1年ほどの立ち振る舞いを見ると、底が知れたように思う。この感情は、小泉元首相に失望した時のそれと似ている。
 ここで潰されても惜しくない人物ではあるのですが、かといって、検察やマスコミがやりたい放題やっているのを見過ごすわけにはいかない。害悪の点ではこちらの方が裏献金などよりよほど酷いです。

[追記 2010.5.8]
 最近、考え方が少し変わったので補足しておこうかと。というのは、マスコミの持っている「力」の見積もりを下方修正したのです。今のマスコミには思い通りに情報操作できるほどの力はなく、ウェブ上で「俺のブログが世の中を変えていくんだー!」などと勘違いした人が偉そうに好き勝手なことを書いているのとそう大差ないと思うようになったのです。確かに閲覧者数が多い分だけ新聞やテレビの影響力は強いですが、それは他の情報発信源……たとえば、私のこの雑記なんかもそうですが、それとの差は絶対的ではないのです。私の雑記が1日に1000万ビューを達成すれば、発行部数1000万部の読売新聞と同等の力を持てる、ということ。実際には10〜20ビューですが(笑)
 新聞が偏向記事を書くのも、どこぞの右翼サイトが過激なことを書くのも一緒のことだと思えば、マスコミに対して憤りを感じるのも馬鹿馬鹿しくなり、好きにしたらいいよと思えるようになってきたわけです。……逃避的な考え方とも言えますがね。
 しかし、シャーロック・ホームズの時代には既に新聞は「当てにならないもの」と言われているわけで、そんなものに公共性とか公平性とか中立性を求めること自体が無謀なのも事実です。
 無理なことに腹を立てるよりは、そのエネルギーを創造的なものにでもまわした方が地球に優しいでしょう。どうせ小沢なんかもうどうでもいいし。

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2010.1.29「音楽:ヘッドホンATH-SX1a購入」

 ヘッドホンは10年以上KOSS A/130を使っていたのですが、一部破損してポリパテで接着していたり、革がはげてボロボロになったりしており、ついにはイヤーパッドが破れて定位感がおかしくなってしまいました。イヤーパッドを交換できればいいのですが、輸入品&生産終了品ということで純正のは見つからず、他のイヤーパッドが移植できるかどうかもわからない有様。仕方ないので買い換えることに。……最近支出がやたらと激しいのだが、これは何かの呪いか厄年か?

 2万前後でモニターとリスニング両用で使える密閉型ヘッドホン、ということで検討した結果、オーディオテクニカのATH-SX1aを買うことに。業務用のヘッドホンだそうなので実店舗で扱っているところがなく、試聴できなかったのが不安材料ですが、同価格帯、同メーカーのATH-A900の音を聞いた感じでは、まあ、問題ないんじゃないかと。

 さすがに業務用ということで、箱は真っ白。中身のデザインもそっけない。あまりに地味なので、ぱっと見だと安物ヘッドホンに見えるかもしれません(笑) 今まで使っていたA/130は大型かつ両耳からコードが出ていてごちゃごちゃしていた分、小型軽量、片耳出しコードで、だいぶ取り回しがいいように感じます。
 プラグは標準プラグ。メーカーの説明だと、ミニプラグ+標準プラグ変換器付きとのことでしたが、仕様変更したのでしょうか? 私としては標準プラグの方が都合がいいので構わないのですが。
 側圧は、今まで使っていたA/130に比べると若干きつめに感じますが、付けていれば気にならなくなるレベル。長時間付けていると耳が痛くなってきますが、そもそもヘッドホンは長時間使用すると耳を悪くするので、これはこれでいいんじゃないかとも思う。新品だからきつめ、ということもあるでしょう。使っていればもう少し緩くなるはず。

 音質は、使い始めは音が曇っていましたが、1日慣らしたら改善されました。A/130と比べると、かなりフラットで素っ気ない音で、そういう意味ではモニターヘッドホンらしいと言えるかもしれません。機械的にかけたパンやリバーブがそのまんま機械的に聞こえたり、本物のヴァイオリンの音とシンセヴァイオリンの音を嫌と言うほど聞き分けさせてくれたりします(笑) A/130は音の分解度は高いものの、その辺は結構リスニング用に振っていて気持ちよく聞こえたのですが、SX-1aは全然ごまかしてくれません。ミックスの善し悪しがそのまんま出音に反映される。スタジオ音源の楽曲の多くが若干詰まったような音に聞こえます(このヘッドホンで違和感のない楽曲はミックスがうまい、ということでもある)。もう少し伸びやかな音を出してくれるヘッドホンの方が、聴いていて気持ちいいでしょうね。それを求めるならATH-A900の方がいいだろうと思う。
 そういうスパルタンな仕様ですが、分解度が高い割には音のエッジは鋭くなく、聴き疲れすることはなくて、作業をするにはいい感じです(逆に言うと全体にマイルドな音質なために派手さがなく、それが素っ気なく感じる要因だろうと思われる)。アラを拾いすぎるので、リスニング用として使うにはやや厳しい面がありますけどね。普通の楽曲を聴く分にはまず問題ないですが、ノイズが乗っていたりビットレートが低かったりすると結構気になるので。
 総合的には、リスニングにも使える、狙った通りのモニターヘッドホンでした。ただまあ、音楽鑑賞にしか使わないならリスニング用のヘッドホンを買った方がいいとは思いますけどね。業務用だからきっとすごい音が! とか思って買うと後悔すると思います。エアコンオーディオ遮音装備なしのクルマみたいなもの。

[2010.4.4 追記]
 いまさら気づきましたが、ヘッドホン本体のプラグはメーカーの説明通り、ミニプラグでした。最初から標準プラグ変換器がくっついていたため気付かなかっただけです。
 この変換器はねじになっており、引っ張っても抜けませんし、デザイン的にも全然違和感がありません。なにしろ2ヶ月も気が付かなかったくらいで(笑)

 ちなみに、側圧はだいぶマイルドになってきました。さすがにATH-A900の超ソフトな付け心地とまではいきませんけどね。私としては、少しくらい装着感があった方が安心できますので、これくらいでちょうどいい。

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2010.1.20「パソコン:HDD初期不良」

 文書や音楽などのデータ類を保存している500GBのHDDが、そろそろ容量が厳しくなってきたので、HDDを買い足すことに。多少余裕がないと、バックアップを取ったりし辛くなりますからね。
 買ったのはHitachi HDS721010CLA332(1TB)。旧HDDからデータを入れ替えて、しばらくは問題なかったのですが、買って二日目、メールを受信していたらCRCエラーが出る。
 瞬間的にヤバイと察知し、S.M.A.R.T.を確認すると、不良セクタがある様子。スキャンディスクを試みるも完走せず、しかもなんだか読み書きのスピードが異様に遅くなり始める。この現象は覚えがあります。HDDの寿命が尽きる前兆。HDDのご臨終にはこれまで二度立ち会いましたが、買って二日目で壊れたのは初めて。CRCエラーが出て、いきなり問答無用で読み書きできなくなったのも初めてですね。今まではたいがい不良セクタができても、見た目上は問題ない範囲で収まっていたので。

 このとき、旧HDDに入っていたデータが残っていれば問題なかったのですが、何を間違ったか、コピーではなく移動してしまっていたのが不幸の始まり。
 すっかり忘れてましたよ。HDDは信用しちゃダメなんだって。特に買ったばかりのHDDを過信するなんて、よほどの世間知らずか間抜けとしか言いようがありません。買ったばかりのはバックアップかCドライブに回して様子見するのが鉄則じゃなかったのかね。というか、今までそうしてきたのに、本当に壊れた時に限ってやってないって、どうなのよ(笑)

 総容量約400GBのデータのサルベージを試みましたが、フロッピーディスクかと思うほどノロい読み出しのせいで3日がかりの作業に。しかも、時間を追うごとにどんどん破損データが増えていき、結局200GBほど救出できず。その大半はそれほど重要でないかバックアップが存在するデータですが、作曲データを中心に、音楽関連が全滅しました。一番痛いのは、Battery用のドラムキットが全滅したことかな。素材集から寄り集めて加工したデータだったので、作り直すのは大変。作り直した方がいいのが作れるだろうから、そう考えれば悪くないかもしれないが。
 文書データもほぼ全部飛びましたが、こちらはまあ、大した物はないので問題ない。結構手間をかけて作った三四郎ワークシートをサルベージ出来たのが、不幸中の幸い。使いやすいように自作した予算表(小遣い帳とも言う)とか、ギタドラのスキル計算表とか、もう二度と作り直したくないものもあったので。
 最初に不調を来したメールデータは全滅を覚悟しましたが、結局読み取れなくなったのは迷惑メールフォルダとゴミ箱だけという、なんだかアクロバティックな壊れ方をしてくれました。もっとも、メールデータはマザーボード交換時に一度全滅しているので、今ここで10日分ばかり助かっても、それほど有り難みもないのですけどね。メールデータはサーバーの方に全部残っているし。仕分け設定が残ったのが手間が省けて助かったくらいか。
 その他、ネットでデータ購入したプログラムや、今では手に入らないアップデートプログラムのいくつかが消失。その多くは再ダウンロード可能だったり、現在使っていない物で、痛いのは痛いがそれほど大きな問題でもない。

 どこに出しても恥じることのない立派な初期不良なので、販売店で交換してもらいましたが、データ総容量が半減してしまった今となっては、1TBという大容量など無用の長物に。
 結局、なんだね。買わなきゃ良かったんじゃないか、これ。データの無差別リストラされるくらいなら、自分でいらんデータを整理して500GBのまま運用した方が、金もかからず良かったんじゃなかろうか(笑)

 思い返せば、なくなったら絶対困るようなデータはなかったわけで、意外と深刻なダメージはなかったんじゃないの? と思っていたのですが、交換したHDDを初期化して、サルベージしたデータをコピー(今度は当然バックアップを残してある)中、突然夕飯を戻しそうになったのには自分でも驚きました。どんだけ細い精神してるんだ、お前は貴族か! とか思いましたが、これはまあ、喪失感からというよりは、3日に渡る緊張が緩んだ反動という方が正しいかもしれません。

 まあつまり、HDDは信用するな、ということですね。特に最近のHDDは大容量なんで、サルベージに時間がかかることを念頭に置いた方がいいです。


[追記 2010.1.22]
 この手のバックアップを取ったり戻したりする作業をする度に、マイドキュメントを移動できないのかなあと思っていたのですが、今日、何気なくデスクトップにある「マイドキュメント」アイコンを右クリックしてプロパティを開くと、フォルダの場所を変えられる設定項目が、でかでかとあった(笑)
 さっそくテンポラリ用のEドライブに移動させておく。

 もうちょっと早く知っていたら、いろいろ面倒なことをしてバックアップ取ったり、ソフトごとに保存場所の設定をいじったりしなくても済んだのになあ。

 ついでにDocuments and Settingsそのものも移動できたら、Cドライブを読み込み専用に出来るのですが、さすがにそれは無理っぽい。junctionを使えば可能ですが、システムに影響のあるフォルダを無理矢理移動させるのは、安定性を損ないそうでどうもね。

[追記 2010.2.8]
 調べてみると、レジストリをいじればDocuments and Settingsを移動できるようなので、早速やってみることに。別のOSから立ち上げて(XPを2つ持っているので、ひとつを緊急ブート用として16GBHDDに入れている)フォルダをコピーした後、レジストリの"%SystemDrive%\Documents and Settings"だとか"C:\Documents and Settings〜"になっている部分を片っ端から書き換えていきます。危険な作業なので、詳細はここでは書きません。
 とりあえず今のところ問題なく移動は完了して、念願のGoogle ChromeのCドライブからの移動も果たしましたが、システムに関わる部分の書き換えなので、今後どういうトラブルが起きるかは未知数です。

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2010.1.8「パソコン:マザーボード更新」

 5年振りにマザーボードを更新することにしました。思えば、これまで使ってきたA7V880は、何かやれば必ずトラブルを発生させて随分楽しませてくれたものです。ようやく安定したと思ったら、昨年には日立製HDDとの相性問題で頭を悩ませてくれましたし。
 Senprom 3000+を積んで以来、長らく同じ構成で引っ張ってきましたが、さすがにマシンパワーに不足を感じるようになってきて、もはや耐えきれなくなってしまいました。

 年末あたりからパーツ構成をどうするか考えていたのですが、結局今回もAMD系マザーを選択することに。Intelに恨みがあるわけじゃないですが、IntelよりもAMDの方が自作改造する際にパーツ構成の選択肢の幅が広くて、自由に選びやすいんですよね。
 AMDはAthlon IIもPhenom IIも同じSoket AM3に載りますが、Intelの場合、Core2、i5、i7でそれぞれ違ったマザーが必要になるのです。とりあえず安いCore2を積んでおいて、後で型落ちしたi7に載せ替えて……といったことがやり辛い。
 しばらく構成を変えないつもりで一発セッティングするならIntelですが、ちまちまと改造したいならAMDの方が面白い、というのはあります。あとはまあ、性能の割に安いのも魅力ですかね。マイナー故の面倒くささもありますが。

 で、結局購入したのは、CPU:Athlon II X2 250(3.0GHz)、M/B:ASRock M3A785GXH/128M、電源:玄人志向 KRPW-V2 600W、あとはメモリが、DDR3 PC10600の2GBを1枚。
 32bit版XP Home Editionがデュアルコアを認識することは事前に確認したのですが、クアッドを認識するかどうか怪しかったのでX4は却下。同様に、L3キャッシュが有効なのかどうかわからないのでPhenom IIにせず、Athlon IIにしました。電源は、計算によると500Wあれば問題ないはずですが、後にビデオカードを追加したりするとちと不安なので、容量大きめを選択。メモリはデュアルチャンネル無視。ビデオカードはとりあえずオンボードを使用します。……最近のオンボードVGAって、私が今まで使ってたGeForce6600GTと同等の性能があるんですよね。
 全部で3万円を少し切る出費でした。マザーから電源まで替えた割には控えめな値段。

 早速組み直して起動してみたところ、BIOSまでは気持ち悪いくらいあっさり起動したものの、その後ブルースクリーンが出てOSが起動せず。……ま、ほとんど主要パーツ全取り替えなので、簡単に起動するとは思ってませんでしたよ。
 AMD系64bitCPUとXPのIntel系ドライバが競合しているなど、原因はいろいろ考えられるのですが、いくつか試しても一向に起動しないので、いっそクリーンインストールすることに。重要なデータはOSとは別のHDDに入ってますので、比較的気軽に再インストールできるのはいいことです。
 しかし、WinXPの初期バージョンは約130GB以上のHDDを認識しないようで、400GBと100GBに区切ったHDDにOSをインストールしようとしたら、なんだか妙な動作を起こして読み込めないHDDに変えてくれやがりました。ここで、100GBのパーティションに待避させていたメールデータとGoogle Chromeの設定データ、その他細々としたデータが消滅。それほどダメージは大きくないとはいえ、痛いことは痛い。特に、細かく指定していたメールの仕分け設定や、ATOKの辞書登録をやり直さないといけないと思うと……
 もっとも、それは起動してからの話。まずOSを立ち上げないことにはどうにもならない。別のパソコンを使って、一旦このHDDのパーティションをすべて未設定領域に戻し、インストールCDの方でクイックフォーマット(約130GBのHDDとして認識)してOSをインストール。SP2を適用した後、パーティション区切り直しソフトを使って元の400、100GBに設定し直すことで対処しました。
 起動にこぎ着ければあとは問題なく。デュアルコアも認識しましたし、残るは膨大でつまらないインストール作業とシステムの設定のみです。

 ……で、今、ようやくXPの修正プログラムを入れ終えてレジストリを設定し直し、Just Suiteやらなんやらを入れ直している最中なのですが、作業している内、思っていた以上に今まで使ってた構成は酷かったんだなーと思い知らされました。
 起動や終了が速くなるのは、まあ、予想されていたことなので驚きはしませんでしたが、意外な恩恵は、一部の動画データがやたらきれいになったこと。今までノイズが乗っていた動画が、気持ち悪いくらいきれいに映るようになりました。今までてっきり、動画データそのものの画質がこんなもんだと思っていたのですが、Senprom 3000+ではハイデフ動画をまともに映せなかったんですね(笑)
 あと、デュアルコアの処理分散の恩恵にも驚きです。まあ、単独のコア自体がSenprom 3000+とは比べものにならないくらい高性能なのですが、それが2つあるおかげで、結構無茶をさせてもカクカクしたりしません。安心して音楽聴きながら別のことをできるって、いいですね(笑) Athlon II X2でコレなのだから、i7なんかどれだけ高性能なのでしょう? 本当にそんなスペックは必要なのか?


[2010.1.9 追記]
 とか言っている間に、IntelのLGA1156に突然Pentiumからi7まで各種CPUが一気に登場して、だいぶ選択肢が広がってしまいましたね(笑) 今ならIntelCPU+マザーを買う手もあったかも。ただ、デュアルコアのi3はGPUを内蔵していて、どう問題を起こすかわからんところがあるので、即決で買うわけにはいかないところがありますが。やっぱり今でもAthlon IIを選んでいたかな。

 オンボードでいけるかとも思ったのですが、動画をスキップするとWMPが強制終了することがあったので、結局ビデオカードを買うことに。買ったのはPalit製のGeForce GTS 250 GE 512MB。省電力版のGreen Editionにしたのは普通のGTS 250より4000円ばかり安かったから(笑) 省電力版のくせに6ピンコネクタ2本使うので、そっちの方は全く期待していません。AMD系マザーなんだからRadeonにすべきかとも思ったのですが、ずっとGeForceを使っているので、こちらの方が型番がわかりやすいんですよね。
 しかし、今回初めてオンボードとはいえRadeonを使ったわけですが、比較すると若干Radeonの方が発色がきれいな感じがします。好みもあるでしょうけど。今度載せ替えることがあったらRadeonにしようかな。

 ACID Music 3.0をインストールしようとしたところ、メーカーの対応期限切れでオンライン登録できない羽目に。当時のACIDはSonic Foundryから発売されていたのですが、現在はHook Upからの発売になり、長らくHook Upの方で引き続きサポートしてくれていたのですが、ついに2009年、Sonic Foundry版のACIDのサポートが終了してしまったのでした。
 ACID Music Studio 7へのバージョンアップは可能なので、この際更新することに。まあ、8年も3.0のまま引っ張ってきた割には安くバージョンアップ可能ですし(6から7でも同じ値段)、7はMIDIやVSTにも対応しているそうなので悪い出費ではないのですが、いろいろ支出がかさみます。

 とりあえずほぼ復旧。仕上げにレジストリをいじってRUNエントリを掃除したら、全体的に一段と高速動作するようになりました。ハードウェアを入れ替えた時点で充分速くなったと思っていたのに、さらに速くなるとは。いかに不要プログラムがOSに負担をかけているか、という証拠ですね。見た目上はメモリにもCPUにもそれほど負荷をかけてないですが、実際の影響は重大です。ハングアップの原因にもなりますし。

[2010.1.9 追記]
 よく考えたら、メールデータやChrome設定データはHDDに入れず、USBメモリに退避させれば良かったですね。こういう時のために8GBのUSBメモリを安く仕入れていたことをすっかり忘れてました。意味ねえ(笑)

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