←涼格インダストリィ トップページへ

雑記ノート


カテゴリ別表

雑文

ゲーム

映画


2016.12.27 100分de名著で『野生の思考』

 2016年12月の「100分de名著」はレヴィ=ストロースの『野生の思考』がテーマでした。
 この本は人類学の本ですけど、文学にとっても重要で、大学で現代文学をやっている人なら書名くらいは知っているでしょう。また、『野生の思考』の最後にはサルトル批判があるため、哲学にとっても重要な本です。ということで建前上、現代文学と哲学を専門とする人なら、みんな読んでいることになっています。

 私は「100分de名著」は観ていないのですけど、親が観ていて、毎月テキストも購入し、テーマとなっている本も、可能な限り購入しており、おかげで私はタダで『野生の思考』の新品を手元に置くことができました。

 ……でまあ、この件はもともと、タダで高い本が手に入ってラッキーだった、というだけの話で、別に雑記に書くほどのことも無かったのですけど、そもそも『野生の思考』の解説を誰が書いているのか? ということが気になって、テキストを見てみたのです。すると、中沢新一とかいう、なんか聞いたことのあるような名前が。
 誰だったかね? と思って調べてみたら、オウム真理教を擁護していた宗教学者じゃないですか。あんなのがなんで、レヴィ=ストロースの解説なんかするのでしょう?

『野生の思考』は、西洋文明が「野蛮」としている未開人の文明が、実は西洋文明と大差ないほど知的で理性的な思考に基づいて成立していることを論じた論文です。
 従来の西洋人の価値観では、文明は進歩するもので、我々は先進的な文明であり、未開人の文明は発展途上で遅れている、と考えていました。しかし実は、未開人の文明は遅れているんじゃなくて、西洋文明とは異なったアプローチで成立しているだけで、実は西洋文明と大して差がないことを論じているわけですね。そのアプローチをここでは「野生の思考」と呼んでいるわけですね。

 ここまでは問題無いのですけど、どうも中沢新一は、明治大学に野生の科学研究所なるものを設立し、「野生の思考」に基づいたものの見方を研究しようとしているらしいです。で、元が宗教学者で、チベットで解脱を体験した人なだけに、どうもその内容がいかがわしい。下手すると新興宗教でも立ち上げそうな雰囲気が漂っています。

 そもそも『野生の思考』は、優れた書物ではあるのですけど、すでに問題点も指摘されているのですよね。彼の手法で扱えるのは不変的な要素のみで、だからこそ彼は「交換」という要素を重要視する一方で「歴史」や「宗教」などを軽視したのですけど、文明とは変化するものですし、そもそもなぜ「交換」という要素を重要視し、一方で「歴史」を軽視するのか、という根拠が怪しかったのですね。「交換」が重要だと思うのは、レヴィ=ストロースがそう思うからに過ぎなくて、文明を形成している要素はもったいろいろたくさんあるだろう、と。
 そこで現代の構造主義(ポスト構造主義と呼ばれたりするが、この言い方は誤解を生む。どちからというと、初期の構造主義にあった問題点を改良したものというのが正しい)では、不変的な要素のみを抽出するのではなく、「歴史」や「宗教」などの変化する(変化させる)要素も重視しますし、それ以外のノイズも重視します。
 そうする過程でわかってきたのは、そもそも何かを重要視するということ自体が主観的判断に基づくもので、そこから得られる結論もまた主観的だということです。「事実などない。あるのは解釈だけだ」というニーチェの言葉が、(ポスト)構造主義によって再発見されるわけですね。
 つまり(ポスト)構造主義を通して、論理で証明できることには限界がある、ということがわかってきたわけです。学者どもはいろいろ理屈をこねまわすけど、結局のところ、それは主観的意見のひとつに過ぎないのです。だから、自分の意見が唯一絶対だとは思わず、他の人の見解も聞き入れようね、というのが、現代の構造主義的な考え方です。

 問題は、レヴィ=ストロースが宗教を軽視した、ということで、レヴィ=ストロースの構造主義は、宗教と、それに伴う暴力といった問題に対して脆弱です。そのため、カルト宗教の擁護に使えるんですよね(実際、初期の構造主義は、共産主義者を擁護した結果、共産主義運動に伴う暴力を事実上容認することになった。日本だと全共闘運動みたいなやつですね。ポスト構造主義が登場したのは、その反省に基づくところがある)。中沢新一はどうもこの辺でドツボに嵌まっているような印象を受ける。だからこそオウム真理教に著書が利用されたり、擁護したり、あんな事件があった後でもろくに反省もしないままに怪しい研究所の所長をやっていたりするのではないかと。

 まあ、中沢新一が何をしていても別に構わないのですけど、今日『野生の思考』を読むなら、批判的に読む目も必要になるよ、ということで、その辺は気をつけた方がいいかと思います。……まあ、もう、『野生の思考』の回は終わった後みたいですけど。

↑カテゴリ別表へ


2016.12.25 Steam版 "METAL GEAR SOLID V"

 Steam版の"METAL GEAR SOLID V"をプレイ。"GRAND ZEROES"と"PHANTOM PAIN"、両方同梱のやつを買いました。
 MGSシリーズは"3"まではプレイしていたのですが、"4"以降はPS3を持っていなかったこともあって、未プレイ。そもそも"3"をプレイした頃には、このシリーズそのものに興味が薄れてしまっていました。ストーリーはわけわからんし、操作性は快適とは言いがたいし、なによりステルス要素のあるゲームは海外を中心にどんどん増えてきて、MGSでなければ味わえないものがなくなりつつあったんてすよね。

 ではなぜ今頃"V"なのかというと、はっきり言えば野次馬根性です。小島プロダクションの解散や小島監督のコナミ退社など、いろいろいわく付きのゲームでしたからね。内部がごたごたしていたならゲームとしてのデキは期待できないのですけど、そのわりには海外で結構評価の高いゲームでもあるので、実際どんなものなのか確かめたくなってきた、というわけです。

 で、実際やってみた感想なのですけど、"GROUND ZEROES"をプレイした時点では「これじゃ無印の焼き直しに過ぎないじゃん。進歩が感じられないぞ」でした。「オブリビオン」のシステムでMGSを焼き直した感じ、といった印象でしょうか。「オブリビオン」は一人称視点で、"MGS V"は三人称視点ですけど、言いたいことは分かると思います。
 あと、"GROUND ZEROES"は、ムービーのカメラワークや演出が酷すぎました。特にオープニングムービーが最低で、カメラはずっと近くばかりを映していて絵的にちっとも面白くない上に鬱陶しいですし、登場人物が出てくる度に場違いなキャプションや演出が入り、こんなに観る気の失せるゲームのムービーは珍しい、というほど酷かったです。あれなら無い方がマシ。

 もうひとつ問題なのが、"GROUND ZEROES"には初プレイの人向けのフォローが皆無なんですよね。チュートリアルがないですし、前作("3"と"PEACE WALKER"のこと。"4"は"V"よりも後の時代の話なので、知らなくても問題無い)をプレイしていない人へのフォローも無い。
 前作までのあらすじについては、文章と音声で見聞きできるようになっていて、それを閲覧すれば分かるようにはなっているのですけど、初めてプレイする人が、まずは設定資料をじっくり閲覧しよう、とは普通ならないでしょう。この辺はいくら廉価版のゲームとはいえ、もっと丁寧にやるべきだったと思います。
"GROUND ZEROES"の不親切さは、本編である"PHANTOM PAIN"の売り上げに少なからず影響しているんじゃないかと私は思います。現に私は"GROUND ZEROES"をプレイした時点では、"PHANTOM PAIN"を買ったことを後悔したくらいでしたからね。


 では、"PHANTOM PAIN"はどうだったかというと……これはほぼ文句なく、良くできたゲームだと思います。実は"GROUND ZEROES"とは全く別物のゲームなんですよね。潜入ミッション中の操作系統が共通しているだけで、他の部分は全く違う。

 そもそも"PHANTOM PAIN"はオープンワールドのゲームで、戦場を自由にふらふらできるし、ミッションを受注したら、好きな装備と方法でそれをこなすことができます。従来のように単独での潜入作戦(武器は現地調達)を強いられることなく、充実した装備とバックアップを付けてミッションに挑めるようになっているのです。もちろん全てのバックアップを断って、クラシックに遊ぶことも可能。
 オープンワールドのゲームはもう珍しくなく、似たようなゲームはいくらでもあります。最近プレイした"Just Cause 3"は、実は"MGS V"とプレイ感が結構似てるんですよね。
 しかし"MGS V"は、ライバルがたくさんいるオープンワールドゲーの中にあっても、ちゃんとオリジナリティを出せています。システム的にもいろいろ独自性がありますけど、特に面白いのが、敵の警備が結構厳しいこと。オープンワールドのゲームで、ここまでちゃんと敵が警備体制を敷いているゲームは珍しいです。
 それなら難易度が高いのかというとそうでもなく、空マガジンを投げまくったり、犬に吠えさせまくったりなどして気を惹き続けるなどの手段で、結構ゴリ押しステルスも可能だったりします。敵の警備に隙ができるのを待っていたら、全然隙が無くてどうにもならなくなることが多いのですけど、こちらからアクションを起こすことで、思ったよりも簡単にすり抜けられることがよくある。
 また、完全ステルスにこだわらなければ難易度は落とせます。潜入がバレたらダメ、敵兵を殺したらダメ、という条件が付いているミッションはほとんどなく、身を隠しつつ敵をひとりずつ暗殺していけば比較的簡単に制圧できますし、RPGで敵を吹っ飛ばしつつ正面突破するというワンマンアーミーな攻略方法が通じることもあります。また、いざとなれば空爆要請やヘリによる支援攻撃も受けられます。金がかかるので多用すると赤字になってしまいますが。

 あと、このゲームには簡易的な経営ゲームの要素もあります。これは"V"の前作にあたる"PEACE WALKER"からあった要素らしいですけど、プレーヤーは傭兵団を擁しており、ミッションをこなして資金を確保し、戦場で兵士を拉致したりしてスタッフを集め、基地を拡張したり、武器を開発させたり、諜報や支援砲撃などの支援をしてもらったりできます。この要素が好きという人もいれば、面倒くさいという人もいるでしょうけど、敵兵を拉致して洗脳して(劇中では「説得」と言っているが、拉致した兵士の説得成功率は100%なので、つまり洗脳しているのだろう)仲間にするという酷いシステムは、あまりに酷すぎて笑えます。プレーヤーの行くところ、行方不明者が続出するという(笑) 私はプレイを通して1000人くらい拉致しましたけど、戦場で1000人もの兵士が姿を消したら、それはもう怪談でしょう。いいのかよ、これ。

 シナリオに関しては、もともと私はMGSシリーズのストーリーがあまり好きじゃないんですよね。言い訳がましい設定の山や、なんでもかんでも陰謀ということにするワンパターンな展開にはうんざりするのです。
 たとえば、このゲームの冒頭で、スネークは事故のせいで頭にでっかい破片が刺さっているのですけど、その破片は視神経を圧迫しており、幻視を見ることがあるかもしれない、という話が出てくるんですよね。こういう都合のいい設定がMGSシリーズにはよく登場するのですけど、こんな設定があったら、下手すると「ここまでプレイしてきた内容すべてが幻でした」というオチを付けることだってできるわけですよ。こうした便利すぎる設定の山に築かれているのがMGSなのです。一見複雑で緻密なように見えて、実は砂上の楼閣に過ぎないのが見え見えで、だからあまりのめり込めないんですよね。どんな展開になっても、どうせ都合のいい設定があるんでしょ、と思えて、一歩引いて見てしまう。
 一方で、メタ・フィクション的な要素や寓話的な話に関しては面白いものもあって、全く嫌いというわけでもありません。
 というわけで、もともとこのシリーズのシナリオに対してはあまり期待していないので、そういう立場からすれば、思ったよりは楽しめたかな、といった感じです。詳しくは後のネタバレありコーナーで。

 総評としては、日本でこんなゲームが作れることに、まずびっくりしました。この手の本格的なオープンワールドのゲームを作れる日本のゲームメーカーがあったんですね。そのうえ、既存のゲームの物真似ではなく、きちんと独自性を持たせたゲームを作ってきたことにも驚きました。いろいろ欠点はありますけど、そんなことは問題ではありません。これを日本のメーカーが作ったこと自体がすごい。
 そしてそれをコナミが手放してしまったことについては心底がっかりです。社内で何があったか知らないですけど、これだけのゲームを作れる体制を潰してしまうとは。……まあ、もしかしたら、小島プロダクション無しでも作れるのかもしれないですけど、どうなんでしょうね。
 ともかく、"Fallout 4"や"Just Cause 2"などが好きなら、たぶんこのゲームは楽しめると思います。


 なお、このゲームにはオンライン要素があって、ある程度メインミッションを進めると、強制的にFOBを建設することになります。このFOBは他プレーヤーに潜入されたり、逆に自分が他プレーヤーのFOBに潜入することができ、資源や人材を奪ったり奪われたりといったことが可能です。他プレーヤーから盗むのは効率が悪いので、はっきり言って潜入する意味はないですし、仮に潜入されて被害が出ても、報復するよりはソロプレイで稼いだ方がてっとり早いです。それでも潜入してくる人はいるので、警備体制はしっかり固めておいた方がいいでしょう。
 また、入れ替えでNPCの基地に潜入するFOBイベントが行われていますが、こちらはパターンを構築すれば楽々潜入成功できて、資源やスタッフ、GMPを獲得し放題です。お金や資源に困ったらイベントFOBで稼ぐのも手です。ただし「捕らわれた翼竜」は難易度高めで、「スカルズ襲撃」は強力なミサイルランチャーを開発していないと厳しいかもしれません(スカルズは登場時にプレーヤーの前に横一列で並ぶので、狭いところにC-4を大量設置してから銃を発砲して誘導し、CGM25を撃ちまくると、高い確率で瞬殺できる。霧が出るのでナイトビジョンがあるとやりやすい)。
 マルチ対戦モードと思われる"MGO"については未プレイなのでなんとも言いようがありません。

 以下はネタバレありの話。


 まず最初に言っておかなければならないのは、ネタバレなしのところにも書いた話ですけど、私はMGSのシナリオや設定の、取って付けたような整合性が嫌いです。このシリーズの設定は、いかにも緻密で整然とした外見を装っていますけど、その実体は「ケミカルバーガー」なんですよね。都合のいい設定をてんこ盛りにして、緻密で整然としているように見せかけているに過ぎない。どんな創作物でも、作者にとって都合のいい添加物はいくらか使うんですけど、MGSは使いすぎなんですよ。
 なので、その辺に関してはどうでもいいし、興味もありません。人が宙に浮こうが、発火しようが、超都合のいい寄生虫がいようが、そんなことはどうでもいいです。実は誰が誰だったとか、実は死んでたとか、生きてたとか、スパイだったとか、そんなことは私にとって何の意味もありません。

 しかし、スカルフェイスの描いた構想については興味深かったです。英語を殺して、代わりに核兵器という「共通言語」を持つ、という。べらべらと計画をしゃべった挙げ句に油断死するという、見事な死亡フラグ立てとその回収を為し遂げた彼の死に様は笑えましたけど、そのとき披露された計画については、一理あるようにも聞こえるんですよね。特に私は日本人で、英語に支配される側の立場だからこそ、共感するところがある。
 もっとも、これは一面的な見方に過ぎなくて、英語は共通言語であるが故に、「英語」としての本来の個性を剥奪されてしまった、とも言えるのですよね。顔のない男が憎んだ英語もまた、顔を剥奪された言語に過ぎないという皮肉もある。
 それはそれとして、悪役の計画としては、ちょっと変わっていて小粋だと思うんですよね。メタルギアなんぞというポンコツ兵器で世界をどうにかするとかいう計画よりは、よっぽど現実味があって面白い。声帯虫という、都合のいい生物兵器が存在すること前提の計画ではあるのですけど。
 ただ、実際に声帯虫をバラ撒いても、本当に英語を根絶できたかというと疑問ではありますが。すぐに対策が研究されそう。
 あと、スカルフェイスの長演説が魅力的なのは、正直に自分の気持ちを告白する、数少ないシーンのひとつだからでしょう。このシリーズに登場する連中は、たいがいスパイだったり拷問で精神をやられていたりしていて、その言動に信用が置けないんですよね。だいたい、こっちに入ってくる情報のほとんどはオセロットとミラーという、何重スパイだかわらかん連中を通してのものですし、その上主人公は幻視を見るから、実際に見聞きした情報すら信用できないし。

 ネットの評判など見ると、第二章は評判が悪いようで、確かに使い回しの水増しミッションは面倒くさくて嫌でしたし、敵がいなくなったことで第一章から一気にトーンダウンしてしまうので、つまらなくなってしまうという気持ちもわかります。
 しかし、シナリオ的に見ると、"MGS V"にとって重要なのは、むしろ第二章だという感じはしました。敵のいなくなった武装勢力の末路、という。
 たいがいのゲームは、敵を倒して良かったねで終わるのですけど、楽しかった殺戮の後、その後始末はどうするのかという点は大問題なのですよね。湾岸戦争はアメリカにとって大興奮でしたけど、楽しかった日々が終わってしまえば、残されたのは地獄のような後始末だったわけです。そして、湾岸戦争の勝利で、ベトナム戦争の痛みが消えるわけでも無いことを思い知らされることになる。

 あと、このゲームのラストが巨大ロボとか黒幕との一騎打ちではなくて、クワイエットとの最後の共闘だったというのは、私は高く評価したいところです。結局、ヴェノム・スネークやプレーヤーにとっての「真実」とは、オセロットやミラーや小島監督の手垢が付きまくったシナリオになんか無くて、戦場で戦い抜いたことにのみあるわけです。プレーヤーが自由になるのはオープンワールドの中だけでもありますし。だから、そのオープンワールドの戦場で、背中を預けた戦友と派手にやらかして最後の別れを行って終わるというのは、このクソいまいましい情報統制の塊のようなクソシナリオのゲームにしては気が利いていると思いました。私はもう、このシリーズに溢れる「言葉」にはうんざりなのです。最後くらいは黙って欲しい。
 いや、このゲームのラストは「病院」でしょ? という反論もありそうですけど、私はあれは蛇足であって、ラストではないと認識しています。……まあ、なんですか。理屈はいいんですよ。あれがラストと思うよりは、クワイエットとの共闘がラストだと思った方がいいじゃないですか。それだけ(笑)

 なお、実はヴェノムがメディックだった、ということまでは、さすがに予想していませんでしたけど(冒頭の写真だと、ヘリのパイロットの顔がフルフェイスヘルメットで見えなかったので、こいつという設定なのかな、程度の当たりは付けていましたが)、少なくともプレーヤーのアバターが影武者になった姿だろうとは容易に予測できたところでした。冒頭で"Fallout : New Vegas"よろしく、医者に名前とか聞かれますし、クワイエットが「隣の患者に見られた」と言ってますし。あれで、ああ、ワタクシは影武者なのね、とすぐ気付くところ。その他にも、背中に「液体人間」と書かれたジャケットを羽織っている、どう見てもリキッドさんな子供と自分のDNAが一致してなかったり、ザ・ボスのAIに「あんた違う人ね」と言われたり、オセロットが妙に冷たかったり("3"での崇拝ぶりを見ているから、"V"のスネークに対する冷淡さにはすぐ違和感を覚える)、いろいろヒントはあります。
 なによりMGSシリーズって、いつもプレーヤーキャラは「コピー」という扱いなんですよね。スネークは常に誰かのコピーなのです。だからまあ、わざわざネタばらししなくても、そんなことはわかってるよ、という気はしました。

 あとは、ヒューイの件がネットで話題になることが多いみたいですかね。ヒューイが内通者だったかどうかは、私はそうだったとほぼ確信しています。というのは、スカルフェイスがヒューイに対して「お前と一緒にするな」「裏切り者」などと言っているからです。あのシーンは、オセロットやミラーを通した情報や、ヴェノムの幻視といったノイズが入り込む余地がほとんどないシーンでしたので、このゲームにおける情報としては、かなり信頼できる部類だと言えます。
 そもそも、核査察受け入れが仕組まれたことだったかそうでなかったかに関わらず、彼の独断が仲間を殺すことになったのだから、それに対する責任と罪はあるんですよね。なので、彼を回収した後、捕虜にして拷問して情報を吐かせて、いらなくなったら処分されても、それは当然の報いだと言えます。もしくは、あの件を不問にして、正式に仲間として迎えるか。まあ、それはミラーが許さなかったでしょうけど。
 ただ、ダイヤモンドドッグズに回収された後に働いた工作活動については、それが仮にヒューイによるものだったとしても、ヒューイの責任ではないと私は考えます。なぜならヒューイは正式な仲間として迎えられたわけではなく、研究室に閉じ込めて強制労働に従事させたり、拷問して情報を聞き出したりしているに過ぎなかったからです。要するに、捕虜や囚人の扱いなのですよ。もし囚人が脱走して悪さしたら、そりゃ脱走した当人にも罪はあるでしょうけど、脱走を許した刑務所の所長や警備担当者の責任も問われるべきでしょう。
 だから、感染の再発やサヘラントロプスを奪われた件に関する責任は、主にオセロットやミラーにあると私は考えます。ヒューイの管理責任は彼らにあるのですから。ヒューイを野放しにしたこと自体が問題なのです。
 まあ、むしろ、オセロットあたりがヒューイを誘導して、そうするように仕向けた、というのが実情なんじゃないかと私は思います。リキッドにサヘラントロプスを引き渡しても、ヒューイには何の利益もありませんが、オセロットにはありますし。あと、ヒューイに対するプレーヤーの心証を決定的に悪くしたのは、おそらく、プレーヤーが仲間を「介錯」しまくるシーンで、ヒューイがプレーヤーをなじってくるからだと思いますが、あれだってあんな無線通信は、ミラーあたりなら遮断できたはずなんですよね。それをなんでずっとプレーヤーに聞かせ続けたのかを考えたら、理由はひとつしかない。
 ただ、サヘラントロプスに関しては、回収を命じたのはヴェノムらしいのですが、あれは不可解でしたね。テレキネシスでアレを動かせる奴が身近にいるのだから、あんなものを展示していたら、ろくなことにならないに決まっているのに。放置するわけにもいかないので回収するのはいいとして、即解体して再生資源にするとか、早いこと処分した方が良かったと思います。思い出の記念品にしては危険すぎる。
 ストレンジラブ殺害やHALに対する問題については、どうでもいいです。ヒューイは、情状を酌量してもなお、技術者として危険で最低な性格をした奴ではありますけど、「仮に殺したとして、君らと何の関係がある」という言い分には一理あると思います。確かに関係ない。
 なお、メタ・フィクション的な側面から言うと、ヒューイは後半、小島監督愛用のメガネをかけているんですよね。ヒューイは小島監督のアバターであり、工作員だったとも取れる演出です。ヒューイが通じているのはサイファーではなく、実はこの世界の「神」だった、という。馬鹿馬鹿しい解釈ですけど、そう考えると、ヒューイの不可解な行動には納得がいきます。すべては小島神が、シナリオの都合でヒューイにお命じになったのだ、と。
 あと、ヒューイは諜報班能力がA++なんですよね。

↑カテゴリ別表へ


2016.12.17 SRS-HG1(h.ear go)

 ソニーのワイヤレススピーカー、SRS-HG1(h.ear go)を購入。
 今までは、親が使いこなせなくて引き取ったSRS-X33を使っていたのですが、返して欲しいと言われたので、代わりに購入することに。
 SRS-HG1は、見た目はSRS-X33と似ていますが、実際はかなり性質の異なる製品です。それは、HG1の方が接続方式が豊富になり、できることが増えた、という点でもそうですが、一番大きな違いは、出音そのものです。

 音に関しては、何の補正もかけない状態で鳴らすと、やや低音寄りで中音域が聞き取りづらい印象です。EXTRA BASSをオンにすると、重低音の音圧が増すのですが、同時に中音域も補正されて、全体にはっきりした音になります。このスピーカーはEXTRA BASSをオンにした状態をデフォルトとして調整されているような気がしますね。
 このEXTRA BASSはなかなか良くできていて、単に特定の周波数帯にブーストをかけている感じではなくて、全体に音の輪郭をはっきりさせた上で、低音楽器の音圧を補正している感じになります。

 EXTRA BASSをオンにした際に問題になるのは、本体のイコライザ機能が使えなくなる点と、疑似ハイレゾ音源に補正する機能のDSEE HXと併用すると、音のバランスが悪くなりがちな点です。EXTRA BASSをオンにするときは、DSEE HXはオフにしておいた方がいいんじゃないかと思います。

 SRS-X33との比較は、X33は中音域、高音域が得意で、メインメロディが聞き取りやすく、華やかな音なのが特徴です。比較的どの音楽でもそこそこ鳴らしてくれる。
 それに比べるとHG1はかなり低音重視で詰まったような音です。外見は似ているのに、全然音の個性が異なります。
 どちらの音がいいかは好みの問題ですけど、X33の方が扱いやすいですし、万人受けすると思います。HG1はうまく調整したときの出音はサイズを超えた感動モノですが、そこに行き着くまでが大変です。ただ、HG1の音に慣れてしまうと、X33の音は少し高音に寄りすぎてうるさいように感じますね。

 また、HG1には複数の接続方式が用意されていますが、それによっても音質は変化します。
 USB接続とWi-Fi接続はほぼ同じですが、これとBluetooth接続の音ははっきりと異なり、やや補正された音になります。
 LDACコーデックを使用したときの音は全体に聞こえやすく補正されていい感じなのですけど、接続が不安定で、電波状態が悪いとすぐに音がブチブチ切れます。家の中で安定した電波状態で使う分には問題無いのですけど、外で使うには不向きです。特に移動しながらの使用は厳しい。外で使う場合はSBCコーデックを使うか有線接続するかになるでしょう。
 なお、Wi-Fi Directには対応していないようです。Wi-Fi Directに対応してさえいれば、わざわざ扱いの難しいBluetooth接続なんてしなくていいので、だいぶ使い勝手が良くなったと思うのですけどね。

 あとはもちろん、置き場所によっても音質は大きく変化します。特に重低音の響き方は置き場所で全く変わりますね。低音がうるさ過ぎると感じる場合や、逆に思ったより低音が響かないと感じる場合などは、イコライザをいじるよりは、設置場所を変えてみた方がいい結果をもたらすことも多いです。

 使い勝手に関しては、このスピーカーは本体だけでは細かい内部設定を変えられません。"SongPal"というスマホ用のソフトから操作する必要があります。いくらスマホの普及率が高いからとはいえ、本体だけで完結しない仕様はあまり感心しません。特に、音質に関する設定を本機のボタンひとつで操作できないのは非常に不便です。本機で変えられる音質設定はEXTRA BASSだけで、しかも、仮にイコライザの設定をしてある状態でEXTRA BASSをオンにし、再びオフにすると、イコライザの設定がオフになってしまいます。いちいち"SongPal"からイコライザを設定し直さなければならない。一度設定を決めたらもう変えないのであればいいのですけど、どうすれば一番好みの音になるか試行錯誤している時などは、ものすごく面倒くさいです。そもそもこのソフトは微妙に使いにくいんですよね。レスポンスも悪いですし。この辺のシステム周りはもっと改善して欲しいところ。
 あと、このスピーカーは遅延が大きすぎることが問題になっていますが(アナログ接続でも遅延が起きる)、ファームウェア3.00の現在では、かなり改善されています。ただ、全く無くなっているわけでもなく、X33よりも遅延が大きいことは変わりません。たとえば、同時に二台のスピーカーで音を鳴らすと、X33だったらほぼ同時に鳴るのに対して、HG1だと結構なディレイがかかります。
 音楽を聴く分には問題ありませんし、テレビの視聴くらいなら気にならないと思いますが、作曲や音ゲーなど、遅延が大きいと困ることには使えません。

 総合的な感想は、とんがっていて扱いの難しいスピーカー、という印象です。スイートスポットを見つけると、すごくいい音を出してくれるのですけど、それを外すと驚くほどチープな音に聞こえたりもする。また、遅延の問題も無視できません。
 人に勧めるなら、X33の方が使い勝手がいいと思います。もう販売終了しているので、在庫限りか中古で買うしかないですが。
 ただ、一度好みの音にチューニングしたHG1の音を聞いてしまったら、X33ではやや物足りなく感じるくらいには高いポテンシャルを秘めていることも確かです。

[2017.6.9 追記]
 ソフトウェアのアップデートにより、Bluetooth接続の安定性が向上しました。スマホと本機をLDACコーデックのBluetooth接続で繋ぎ、車の中で走行しながら4時間使ってみましたが、その間全く問題なく使い続けられました。ただ、Song Palを起動しながら音楽を聴くと、相変わらずブチブチ途切れます。

↑カテゴリ別表へ


2016.12.10 Steam版"Just Cause 3"

 Steam版"Just Cause 3"をプレイ。
 前作よりボリュームが少ないというレビューをよく見かけたので、買わなくてもいいかなと思ってパスしていたのですけど、セールで2000円を切っていたので、この値段なら買って損ということはないだろうと思い、購入しました。

 その、ゲームボリュームに関しては、全拠点を制圧してストーリーをクリアするのに50時間前後。"2"は全拠点を制圧してクリアするまで30時間程度だったので、これだけ見るとゲームボリュームは前作よりも増えているようですけど、なにをやり込むかによってもプレイ時間は大きく変化するので、一概には比較できないです。拠点数は明らかに前作よりも減っていますが、攻略が難しい要塞が増えたので、密度は高くなっているんじゃないかな、と思います。
 また、前作では、カーレースとかはやらなくても良かったのですけど、今作はやらないとリコの能力が強化されないので(単に特殊アクションがアンロックしないだけでなく、精密射撃やグレネードの所持数増加などの基本能力も開放されないし、ファストトラベルや物資投下の回数も1回のみに制限されてしまう)、ある程度まではほぼプレイ必須となっています。プレイ時間が前作よりも長くなる理由のひとつはコレだと言える。ミニゲームをほぼ強制的にやらされるのは、あまり嬉しくない仕様だと言えます。

 ローカライズは、日本語音声、日本語字幕。特に不満のないデキです。
 ただまあ、いいのか悪いのか、今回の敵役であるディラベロ将軍の声が、"Fallout 3"のエデン大統領と同じでして、ディラベロの演説がエデン大統領の演説に聞こえてしょうがないんですよね。いつ「ではここで霊的な引用を」と言い出すかとワクワクしてしまいます(笑) この配役は絶対狙ってやっていると思う。

 難易度は、前作より簡単になっている印象があります。前作は特にストーリーミッションが長丁場でかなり大変だったのですけど、今作はわりかし短く区切られていて、そんなにキツくない。
 ただ、味方を防衛するミッションが多いのですが、味方がすぐ死んでしまい、なんどもやり直す羽目になるのはいただけないところですが。やり直すと防衛対象の体力がある程度回復するので、リトライを繰り返すことで一応ゴリ押しもできます。
 拠点制圧は、やり方次第で簡単にも難しくもなります。攻撃機を盗んで爆撃できるようになると、爆撃を繰り返すだけであらかた制圧できてしまいますが、中途半端に戦車やヘリで乗り込んで、早々に失ってしまうと、生身でヘリや戦車の大部隊と戦う羽目になり、かなり苦しくなります。下手に乗り物に乗って突撃するよりは、生身でこそこそ爆弾テロを仕掛けた方が楽なことも多いです。あと、高いところからヘリにぶらさがって、アウトレンジからスナイパーライフルでちくちく施設を破壊したりすると、警戒レベルが上がらずに一方的に施設を破壊できたりすることもあります。

 ゲーム内容については、ほぼ従来通り。グラップリングフックとパラシュートを組み合わせた特殊な高機動アクションができることがウリのTPSです。島を支配する独裁者にテロを仕掛けて反乱軍を勝利に導く展開も従来通り。ただ、前作はハリウッドらしい派手でバカさ加減全開の内容でしたけど、今作は少しシリアス方向に振っています。舞台となるメディチが主人公であるリコの故郷だから、ということもあるかもしれません。

 前作は地域によってがらっと変わる景色が特徴的でしたが、今作はどこへ行っても似たり寄ったりです。この辺は少しつまらなくなったところか。ただ、細かくは変化してはいるんですよね。植物の生息の分布がリアルになったとか、そういった地味なところでは。

 アクションについては、ムササビスーツが追加され、うまく使うとより高速で空を飛び回れるようになった他、チャレンジをクリアして特殊能力をアンロックすることで、リール中にフックを再発動できたり、ロープの強度を上げて、より思いものを引っ張れるようになったりなど、いろいろ多彩なアクションが取れるようになっています。この辺はより面白くなった点と言える。

 また、前作では、破壊目標がどこにあるかわからなくて、無意味にうろうろする羽目になることが多かったですが、今作ではマップにおおざっぱではあるものの目標の位置が表示されるようになりました。使い勝手はそんなによくないので、もう少し快適に標的がわかるようにして欲しいところですけど、あるのとないのとでは大違いです。

 今作は反乱軍がひとつになり(前作は3つの勢力があり、互いに牽制し合っていた)、反乱軍個別のミッションというのがなくなったので、そういう部分では少し面白味がなくなったところがあります。その代わり、エンカウント式のランダムミニミッションが追加されています。

 あとは、多少ネタバレになるかもしれないですけど、このゲームでネタバレも何も無いと思うので書いておくと、ラスボスの将軍がわりとあっさり死んでつまらんです。前作のパナウ大統領は、単なる無能なクソガキかと思ったら、バズーカなんぞ抱えて戦いを挑んで来たり、死んでも死んでも生き返るしぶとさがありましたけど、それに比べると今作の将軍様は、まあ、普通の独裁者らしく普通に死にます。普通っちゃ普通なのですけど、前作の大統領がいろいろおかしかったので、それと比べるとあっけなさ過ぎてびっくりしました。そういうわけで、ストーリーミッションのラストバトルについては、あまり期待しないように。

 そのほか、システム関連については、今回はあまり意味の無いオンライン機能があるのですけど(キルスコアなどをフレンドと競うくらいで、なくても全く問題無い)、スクエニのサーバーがちょくちょくダウンして、その度に繋ぎ直そうとしてプレイが中断されることがあるのが鬱陶しいです。いっそのこと、オフラインモードでプレイした方が快適かもしれないです。
 あと、相変わらずバグが多いです。ちょっとしたことで異常終了する。そのうえ、起動からゲーム開始までにやたらと時間がかかるのでやり直す度にイライラします。

 総合的な評価としては……前作までをプレイしたことがないなら、オープンワールドで、気兼ねなくいろんなものを爆破して回りたい人や、作業ゲーが好きな人なら、遊ぶ価値のあるゲームだと思います。警察に追われない"GTA"みたいな感じです。政府軍にちょっかいをかけると追いかけられますが、民間人は何があってもプレイヤーの味方で、クルマを盗もうが爆発の巻き添えで何人か吹っ飛ばそうが、英雄として歓迎してくれます。かえって罪悪感が芽生えるかも(笑)
 前作をプレイした人にとっては、フルプライスならちょっと値段に見合ってないかなあ、という印象でしょう。前作からいろいろ改善されてはいますが、基本的には同じようなゲームですし、ミッションとかも前作に比べるといまいちインパクトに欠けますからね。特に最終決戦の盛り上がらなさは残念すぎる。きっと、灰とヒッコリーのバットで武装して襲いかかってくると信じてたのに(笑)
 ただ、内容そのものは悪いものではなく、前作の正常進化版とは言えるので、ある程度割引されていれば買って損はないはずです。

 なお、DLCはプレイしていないのですけど、どうもロボとか空中要塞とか、無茶な兵器が出てくるみたいですね。なんとなく本編より面白いんじゃないかと思うので、そのうち購入するかもしれません。

↑カテゴリ別表へ


2016.12.5 Steam版"Life is Strange"

 Steamのセールにて"Life is Strange"を購入。このゲームの日本語版はPS4にしかないと思っていたのですけど、Steam版のDLCとして日本語訳追加パッチがあったのですね。
 全5エピーソードで1エピソード目だけ無料、全エピソードセットの定価は1980円で、すでに充分安いのですけど、セールで495円になっていて、購入するときに恐縮するほどの激安でした。いいのかね、これ。
 ただ、日本語訳を導入してしまうと、コントローラーの設定がPS準拠になるらしくて、XboxコントローラーだとBで決定、Aでキャンセルになってしまいます。コンフィグでボタン割り当てを変えられたら良かったのですけどね。
 英語音声の日本語字幕、という組み合わせもできますが、日本語音声もよくできていて、数カ所、台本の誤字をそのまま読んでいるようなところとか、声のトーンが変わりすぎるところなどもありますが、大部分において文句ないです。

 エピソード1が無料でプレイ可ですから、このゲームについて知りたければ、実際にデモプレイした方が手っ取り早いと思いますが、概要としては、少しSF要素や推理要素の含まれた学園ドラマ、といった感じです。行方不明の女生徒を捜索するという素人探偵的な話が主軸になりますが、それよりも、人間関係をどう構築するかという、日常的かつ面倒くさい問題と関わる機会の方が多いです。実は結構、古典的な恋愛ゲームに近いような気がします。

 基本的にはポイントクリック式、会話選択式のアドベンチャーゲームですが、このゲーム独特の仕様として、"Braid"みたいな時間巻き戻し能力を駆使して、ちょっとしたパズルを解いたり、情報を聞き出したりする要素があります。難易度は"Braid"と比べるまでもないですが、プレイした感触はわりと似ています。プレイしたことのある人にとっては、ちょっと懐かしいかもしれない。

 時間巻き戻しのガジェットが目立つので、そこに注目が行きがちですが、本当にこのゲームが優れているのは、演出面だと思います。全体に絵画のようなテクスチャが使われており、イラストでもリアルでもない独特な雰囲気を出していますし、イベント時のカメラワークや音楽の使い方などもよく練られています。また、物語への引き込み方もうまい。

 一方で、シナリオについては、タイムリープという題材をあまりうまく使い切れていないように思います。このゲームのシナリオは、人間ドラマの方に力を入れていて、SF要素は補助的なものではあるのですけど、そうはいっても、時間を巻き戻せることが人間ドラマにも大きく関わってくるわけですから、もっとうまく処理して欲しい気はしました。後半の展開はややグダグダした感じになっているように感じましたね。

 ともかく、エピソード1が無料プレイできるわけですから、プレイしてみて気に入ったら、購入してプレイする価値はあると思います。


 というわけで、ネタバレありの感想について。


 このゲームは、大きな意味ではシナリオの分岐はしないも同然で、どうやったってエンディングは最後の分岐で2通りしかないのですけど、細かい部分では意外と大きく変わるのが面白いところです。目立つところではケイトやフランクが生きているかどうか、といったものがありますが、意外に分岐が多いのはケイトの自殺騒動の後、誰が処分を受けるか。あそこは、たいがいの人はネイサンが停学処分になる展開を選んでいると思いますが、下手するとマックスが停学になることもあったりします。

 冒頭シーンでマックスはぼっちオーラ全開だったので、話し掛ける相手も大していないのだろうと思い、初回プレイでは序盤の会話イベントをほとんどスルーしてしまったのですけど、2周目でひたすらみんなと話し掛けてみると、意外とエピソード1の序盤から、そこそこコミュニケーション能力が高いことに驚きました。絶対ソリが合わないようなボルテックスクラブのメンバーの男子生徒に話し掛けられるだけでも驚きですが、その上ちゃんと会話を成立させている。さらにすごいのが、エピソード2で通行人とも話せることです。
 話題に失敗したときのフォロー能力はイマイチですけど、わずかな情報を頼りに、相手に調子を合わせるのは得意なようで、実は結構世渡りがうまそうな感じがします。なんであれで1ヶ月もぼっちだったんでしょうかね。あと、なぜクロエと5年も連絡を取らなかったのか(このゲームにおける一番の謎と言える)。
 どちらかというとこのゲームのシナリオは、マックス自身よりもクロエが成長する物語になっているんですよね。マックスはもともと、時間巻き戻し能力なんかなくてもそれなりに自立できていて、問題はそのことをプレーヤー(マックス自身)がいつ気付くか、というだけだったりします。気付いてさえいれば、エピソード1から意外とハイスペックだったりする。ただまあ、本にジュースはこぼすんですけど。

 このゲームの面白いのは、エピソード終了後に他のプレーヤーがどの選択肢を選んだかの統計が出ることです。だいたいは予想通りですし、私もほとんど多数派の選択をしていますけど、いくつか少数派なのもあって、興味深いです。

 まずは、「ケイトとデイビッドが揉めているときに写真を撮った」。これは意外なほどに選んだ人が少ないですね。
 写真を撮るとケイトに恨み言を言われるんですけど、あのとき「この写真を見せて校長にチクって、あの警備員クビにしてやるから」とかなんとか言っておけばフォローできたと思うんですけどね。もしくは、写真を撮ったらすぐ出て行って、「今すぐやめないとこの写真を校長のところに持って行くぞ」と脅すとか。
 写真は何かと使い途があると思って選んだのですけど、実は大して役に立たなくてがっかりでした。
 ところで、2周目プレイの際、写真を撮った後、時間を巻き戻して仲裁に入れば、写真を撮りつつ仲裁もできるんじゃないか、と思って試したのですけど、どうやら両取りはできないらしいですね。フランクの鍵は盗めるのに、写真はダメなのか。

 次に、「拳銃を撃った」。
 これは撃つ人の方が多くて、私は多数派に入っているわけですけど、この選択肢を選んだ人はおそらく、撃つのと撃たないのと、両方のシーンを見て、撃ってもどうせ弾が入っていないことを確認した上で「撃つ」選択をした人が多いのだと思います。
 しかし私は、「撃たない」選択肢を選んだことがありません。つまり、わりと殺る気満々で撃ったことになります。だって、ナイフで脅されて怖かったんだもん(笑)
 そもそも「撃つ」といったって、地面を撃つとかして威嚇するだけかと思ったら、銃口を人に向けて引き金を引くから恐ろしいものです。ゴルゴ13も、素人は何のきっかけで引き金を引くか分からんから余計に危ない、みたいなことを言ってましたからね。
 どうでもいいですけど、弾を4発しか装填していなかったというのは、なんか中途半端な気もします。もともと瓶は6本あったので、当初のシナリオでは6発撃つことになっていたのでしょうか。もしくは、クロエが弾を抜いて渡したのか。

 次に、「ケイトの説得に失敗」。
 ケイトを説得するには、いくつかフラグを立てた上で、最後の家族の選択肢を間違わなければ成功すると思われるので、たいがいの人は失敗しないのでしょうけど、私はものの見事に「母親」を選んで失敗しました。
 正解を知っておくには、ケイトの部屋で、鬱々としている本人のいる中、堂々と机とか棚とかを物色して手紙を読んだりする必要があるのですけど、さすがにそれはダメだろと思って、私は読まなかったのです。そのせいでケイトの家庭事情がさっぱりわからず、何を選んでいいか分からなかった、というわけです。だいたい家族のことをよく知らないなら、最初から説得の材料にしないか、「家族が悲しむよ」みたいに当たり障りのないところから始めて相手の反応を見ながら、具体的に的を絞っていく手を使うべきです(霊能力者や詐欺師の手口)が、まあ、仕方ない。
 なお、ストーリー展開としては、ケイトが自殺している方がしっくり来ます。特にエピソード5の悪夢はそうですね。ケイトが自殺していると「どうして止めてくれなかったの?」なのですけど、自殺を止めていると「どうして死なせてくれなかったの?」となり、精神攻撃としてはあまり意味の無いものになります。

 次に、「別世界のクロエを殺さなかった」。この選択肢は割れていますけど、若干殺した人が多いですね。
 私は基本的に、安楽死や自殺は否定せず、死にたいなら死なせてやろうと思う方で、ゲームで介錯を頼まれた場合、ほぼ引き受けています。なので、殺す選択をしなかったのは珍しいのですけど、この場合、クロエの両親に無断で殺すわけにはいかんと思うのですよね。両親を説得する役を引き受ける、ということなら、やらんでもないですけど。
 しかし、この世界のマックスはボルテックスクラブに入ってイケイケねーちゃんになっているのですけど、クロエの父親が死なないだけで、マックスがダメな方向に性格が変わるものなのかね、と思うと疑問ではあります。

 次に、「フランクが負傷」
 顧客の本名を教えてもらう交渉ですが、何度やってもフランクが死ぬか怪我するので、死ぬのは困るけど、怪我ならいいや、ということでそのまま進めることにしました。
 2周目で怪我させない方法を見つけましたが、あれならさっさとレイチェルの話を持ち出した方がいいんじゃないかと思えますね。売人にいきなり「顧客リストをくれ」と言って「いいヨ」という返事が来るわけないですし。

 次に、「ネイサンの携帯電話のPINコードを見つけた」。
 これ、総当たりすれば確実に解けるのですけど、見つけられなかった人が多いということは、PINコード無しで解く方法もあるようです。どうするのかわかりませんけど。ちなみに正解は誕生日。だから誕生日をパスワードにするなと言うのに(笑)
 なお、いかにもパスワードのメモっぽいのに書かれた暗証番号については、3桁のやつを暗室で使います。私はすぐ気付きましたけど、あれ、気付かなかった人はどうやって解いたんでしょうね。何か別にヒントがあるのか。
 そういえばもうひとつ、デイビッドのロッカーの錠前の番号も、以前見た番号を覚えていないと開けられないわけですが、あれも気付かなければ(もしくは、以前に錠前を見落としていれば)ハマりそうな部分です。つまりあれも別の解き方があると思われるのですが、具体的にどうやって解錠するのか、ちょっと想像が付かないですね。ネイサンの部屋のドアみたいに、何かで壊すのだろうか。

 最後に、「街を犠牲にした」。これも割れていますが、クロエを犠牲にした人が多いですね。
 クロエを犠牲にすることを選んだ人は、「クロエがそれを望んでいるから」「クロエが嫌いだから」「1人を救って多数を犠牲にするより、1人を犠牲にして多数を救う方がマシだから」といった理由が主に考えられ、街を犠牲することを選ぶ人の多くは、おそらく、マックスならどうするかを考えたのではないかと推測されます。「クロエだけは守る」「ずっと一緒にいると決めた」などと言っていますからね。
 私が街を犠牲にした理由は、ここでクロエを犠牲にすることを選ぶと、このゲームを通してやってきたこと全部を否定することになると思ったからです。これだけさんざんプレイしてきた挙げ句、実は何もしない方がマシでした、だから全部リセットします、なんてオチは認められん。私がこのゲームに長々と付き合ってきたことが過ちだったというなら、私はその過ちを無かったことにするよりも、その過ちと共に生きることを選びます。
 だいたい、「タイムリープできるけどしなかったから何も起きなかった」なんて実のないエンディングのどこがいいというのか。そんなつまらん終わり方を選ぶくらいだったら、「タイムリープして見知らぬ少女を救ってみたら、嵐が来て街が壊滅しちゃった」という方が遙かにマシです。
 プレーヤーとしての意思はともかく、マックスはどう反応するのかな、と思ったら、一言「関係ないよ」とだけ言って写真を破り捨てるという、予想外に男前な振る舞いでシビレました。少し前まであれだけ自己嫌悪の塊だったのに、あの瞬間、ついに覚悟を決めたわけです。あの表情を見たとき、私はこの選択の正しさを実感しましたね。
 というか、そもそも事前に仲のいい人には避難するように言っときゃ良かったんじゃないかと思うんですけどね。変態教師を捕まえるのはともかく、嵐は時間を巻き戻したって防げるわけないんだから、避難するように言うくらいしか手がないと考えるのが普通だと思うのですが、なんでホームレスの女性以外には警告しなかったのか。
 まあ、マックスって、しっかりしているようでかなり抜けているところがありますからね。クロエに5年も連絡しないでしれっと「親友」とか言ってるし、本にジュースをこぼすし、高いところにあるビンを取ろうとして割るし。後に進歩して、ちゃんと高いところにある除草剤を取るときに椅子を使いますけど、最初からそうしとけよと(笑) 抜けていると言えばクロエもかなり肝心なところで抜けまくっているので(放っておいたらすぐ死ぬし。そういえば義理の父親のデイビッドも、元軍人とか偉そうにしているくせに変態教師に殺されまくるので、いい親子のような気がします)、この最強コンビ、実はすごく不安な組み合わせだと言える。ウォーレンも仲間に入れておいた方が良かったんじゃないかと思いますね。まあ、そうすると、話としては常識的すぎてつまらない方向になってしまうかもしれませんけど。
 私はこのゲームをプレイしていたとき、マックスが犠牲になって嵐を止める展開はありえるかもしれないと思っていました。しかし、クロエが犠牲になるというのが面白いですね。最初は「こんな街、吹っ飛ばしてやりたい」と言っていた彼女が、自らを犠牲にして街を守りたいというところに趣がある。まあ、私は聞き入れなかったんですけど。


 シナリオや設定については、おおむね文句はないのですが、気になる点はいくつかありました。
 特に、時間巻き戻しやタイムリープの設定に関しては、深く突っ込んで考えるといろいろ問題がありそうなんですけど、あまり気にしないことにしています。
 たとえば、マックスの能力は、マックス自身の時間はそのまま進行するんですよね。周囲の時間を巻き戻したり、写真を使って過去の世界に行ったりはできるのですけど、その間もマックスの時間は進んでいるわけです。となると、未来を予知したことや、最初にクロエがネイサンに撃たれたときに授業中まで自分自身を含めて時間が戻ったのはなぜなのかの説明が付きません。特に、嵐を予知したことはシナリオ上でも重要な要素なのですけど、なぜ予知できたかはさっぱりわからんのですよね。
 あと、蝶を撮影した時に戻って力を行使しなければ、なぜ嵐が来なくなるのか、ということ。嵐の原因が時空を歪めたことであるなら、蝶を撮影した時に戻ること自体が、歪めたことになると思うのですよね。なぜなら、あそこからやり直しても、完全に元の世界には戻らないからです。マックスには別の世界を経験した記憶が残るわけで、それは、時空を歪めないとありえないことですから。あの辺は納得がいかない。
 他にも、写真の世界で、その写真を焼いたり破ったりしていますけど、それってパラドックスが起きないかとか、なんでサンフランシスコからコンテストの写真経由で写真を撮った日に戻り、写真を破ったら暗室に戻るのか(写真を破ると、マックスがその写真を日記に保管し、変態先生がそれを暗室で発見して日記を焼くから日記の写真経由で通報することができなくなる、ということなんでしょうけど、この辺はいろいろ整合性に問題があるような気がする)とか。
 しかしまあ、そもそも過去を改変したらどうなるかなんて誰にもわからないことなので、あまり深く考えても仕方ないとは思います。

 もうひとつは、ジェファソンが性癖を隠しつつプロの写真家として活動できるのか、ということ。
 仮にジェファソンの性癖が、写真と結びついていないなら可能だと思うのですけど、少女にクスリを盛って監禁緊縛して写真を撮りたいという願望があって、それを実際にやってしまうほど抑制の効かない人物が、プロとして活動し続けるのは不可能なんじゃないかと私には思えます。少なくとも、マックスやビクトリアが感銘を受けるような写真を撮れないような気がする。作品に闇が漏れるでしょうし。だいたい、被写体を自分の思い通りにして撮影したいなんてのは、写真家として最低の発想でしょう。それでよく世界的に有名なプロになれたもんだと思う。

↑カテゴリ別表へ


2016.12.4 Steam版"INSIDE"

"Limbo"の間接的な続編、"INSIDE"をプレイ。
 ゲームシステムなどが共通しているので、いちおう続編という扱いでいいんじゃないかと思うのですけど、実のところ、内容はほとんど一新されていて、特に前作との繋がりはありません。なので、前作をプレイしていなくても全く問題無いです。
 ゲームとしての歯ごたえは"Limbo"の方がありましたけど、ゲームとしては"INSIDE"の方が面白いと私は思いました。単なる二番煎じではないところがいい。

"Limbo"はモノトーン調の2Dアクションパズルゲームで、光と影の演出が特徴でしたが、"INSIDE"は色味がありますし、背景も立体的になっています。また、"Limbo"はその名のごとく地獄のような世界が舞台でしたが、"INSIDE"はもっと現実的です。
 あの2Dモノクログラフィックが良かったのに、そこを変えたらダメなんじゃないかと心配になるかもしれませんけど、プレイしてみたらすぐに「あ、これは"Limbo"だ」とわかるはずです。"Limbo"以降、見た目だけパクったゲームがたくさん出ましたけど、本家はあえて最も特徴的だった見た目を捨てて、その上で別角度から"Limbo"の続編を作ってきたわけです。これはなかなかできることではありません。

 ゲームボリュームは3時間。実績全解除までやりこむと、だいたい6時間。実績を全解除するとやることがなくなるので、ボリュームだけ考えると結構短い作品です。これを物足りないと感じるか、「プレイする映画」と考えて結構長いと感じるかは人によるでしょう。私は一気にプレイするにはちょうどいい長さだと思います。これ以上長いと疲れる。

 難易度は、"Limbo"よりも低くなっています。前作がクリアできたなら躓くことはないでしょうし、前作がクリアできなくても、こちらはクリアできるだろうと思います。相変わらずの初見殺しですが、何度かやれば攻略法はすぐわかるはずで、特にシビアな操作も必要ないです。
 難易度が下がったらつまらなくなるのではないか、という懸念もあると思いますが、今作は前作よりも面白い仕掛けがたくさんあり、ゲームとしての質そのものは高くなっていると思います。また、見えづらいところにベアトラップが仕掛けてあるとか、真っ暗な中を適当に歩かされるなどの、鬱陶しいだけのトラップはなくなっていて、前作においてプレイしていて不快だったところは改善されています。

 シナリオについては、前作よりもわかりやすいですけど、とはいえ、わけわからんのも相変わらずです。あまりすっきりした終わり方などは期待しない方がいいでしょう。

 具体的にどういうゲームかを書いてしまうと、プレイする楽しみを奪ってしまうゲームなので、興味のある人は情報など調べず、ともかくプレイした方がいいと思います。そんなに高くないですしね。


 以下はネタバレありの話。


 前作は、せっかく前半はいい雰囲気なのに、後半に行くにつれ、雰囲気を壊すようなトラップが増えたためにつまらなくなってしまうのが難でしたが、今作はその辺がうまく解消されていて、最後まで一貫性があり、かつ、面白いのは良くなった点だと思います。

 難易度そのものは下がりましたけど、犬などから逃げるのが結構ぎりぎりに調整されていて、かつ、本当にシビアな操作が求められるわけでもないという絶妙なバランスで、こうした演出面はだいぶ巧みになっていると思います。攻略しがいのあるゲームもいいですけど、こういう演出重視でサクサク進むのもいいですね。

 このゲームの演出等をどう感じるかは人にもよるのでしょうけど、私はホラーというよりは、シュールなコメディのような受け取り方をしました。ゾンビ(?)集団を操ってみんなで走ったり、最終形態で暴れ回ったりするのは、なんだか知らないけどすごく楽しかった(ちょっと"ABE a GOGO"とかを思い出す)。さんざん暴れ回った挙げ句のあのエンディングは、「これで終わりかよ! このゲーム面白すぎだろ」と謎の大興奮でした。たいがいの人にとって、あのエンディングは肩すかしなんでしょうけど。

 シナリオに関しては、そんなに深読みしなくてもいいような気がします。表面的な設定としては、あの企業は"Limbo"で出てきた虫を応用して、死者を労働力として使っているのでしょう。で、より高度な仕事ができる個体か、もしくは死体労働者を指揮する人工知能的なものを作るための研究をしている。
 隠しエンディングを見た人ならわかると思いますが、まあ、これはゲームに対する皮肉なんでしょうね。少年はプレーヤーに操られているわけですけど、プレーヤーはゲームデザインに操られてエンディングまで少年を導いているわけですし。プレーヤーはバグの間隙を突いて、たまに制作者の予想を越えた行動を取りますけど、結局は狙ったとおりの場所に着地させられるわけです。

 実績が絡む隠し要素については、ノーヒントだと結構大変でしょうけど、実績のコメントにヒントが書かれてあるので、それを利用すればそんなに難しくないです。ただ、隠しエンディングを見つけるためのパスコードは、ちょっと意地悪だと思いましたね。
 私は最初、謎の"U"看板がヒントなんじゃないかとか、見当違いなことを考えていたのですけど、U看板を探して通しプレイをしている途中で気付きました。もうちょっとでドツボに嵌まるところだった。

 隠しエンディングへのパスコードは、下手すると難しく考えすぎて、かえって見つけられなくなる可能性もあるので一応軽くヒントを出しておきますけど、一度、隠し部屋(実績解除できる球のあるところ)を含めて通しプレイするといいでしょう。比較的前半の、とある場所でパスコードがわかるはず。
 このゲームはロード機能が便利なので、ついシーンを飛ばしてしまいたくなりますけど、そうするとパスコードのある場所を逃してしまう可能性があります。

↑カテゴリ別表へ


2016.11.23 ゲームロフトのサポートメール

 メールボックスに変なメールが届いたので、何かと不審に思っていたら、ゲームロフトのサポートからのものでした。

 Win10のアニバーサリーアップデートをすると、スタート画面が勝手に一新されるのですけど、その際、ゲームの欄に『アスファルト8』が登録されます。
 このゲームは基本無料の課金レースゲーで、あらゆるものが現金で買えるという、初めてプレイするときはドン引きするほど清々しい課金ゲーっぷりなのですが、実は全く課金しなくても遊べるゲームでもあります。
 レースゲーとしては結構良くできて面白いのですけど、課金ゲー特有の、時間を浪費しすぎるゲームデザインになっていることや、バグが酷すぎることなどから、今はもうプレイしていません。

 で、それをプレイしていた8月20日に、ゲーム内クレジットが吸われるバグに遭遇したので、私はサポートにメールしたのです。クルマの改造をするためにゲーム内クレジットを支払ったのに、クレジットだけ減らされて、クルマの改造はされなかったのですよね。ゲーム内クレジットは基本的にはゲーム内のレースで勝つことでもらえるものですが、課金でも買えるので、冗談では済まされないバグです。課金ゲームで課金がらみの部分にバグがあったまずいでしょう。
 しかし、サポートからは音沙汰無く、また、その後も何度か同じバグに遭遇して、合計すると相当な額のクレジットを吸われました。

 もうプレイしていないですし、そのことはもうどうでもいいのですけど、サポートにメールを出してちょうど3ヶ月後の11月20日に、なぜか返事が来たのですよね。内容はゲームロフトのサポートメールのテンプレートで、詳しい状況を教えろ、スクリーンショットを送れ、というものです。

 こんなことならいっそのこと、返事を寄越さない方がまだ印象が良かったです。ゲームロフトのサポートは太陽系の外にでもあるんでしょうかね。確か冥王星でも、通信ラグは片道5時間半くらいだったと思うのですけど。
 ボブ・ディランもずいぶん電波状態の悪いところに住んでいるらしくて、交信に1週間ほどラグがありましたけど、ゲームロフトのサポートに比べればどうってことないですね。

『アスファルト8』自体は結構面白いレースゲームで、特にタイムアタックはやりがいがありました。後ろから追突すると、追突された方がクラッシュするという謎の仕様のせいで、対人戦は大味でつまらないものでしたけど、その点を除けばおおむねいいゲームだったと思うのです。それだけにサポート体制の劣悪さは本当にもったいないと思います。せっかくベースとしていいゲームを作っても、アップデートの度に致命的なバグを増やし、それについて問い合わせてもろくな返答が返ってこないのでは話になりません。
 特にこのゲームは、課金に関わるシステムへの不具合が多すぎるんですよね。課金したらろくなことにならないのが目に見えている。しかしなんで、よりにもよって現金の絡む部分に限って不具合を起こすんでしょうね。

 まあともかく、私は二度とゲームロフトのゲームはプレイしないと思います。いいゲームを作っているだけに本当にもったいないと思うんですけど、もうあのメーカーには関わりたくないです。


[2016.11.23 追記]
 なぜこのゲームをプレイしなくなったのかを思い出しました。上で書いた金を吸われるというバグの他、イベント中に何日もイベントに参加できなくなったくせに補填も無しとか、リーダーボードの上位がチートタイムで埋まっていて、やっていて馬鹿馬鹿しくなるとか、いろいろあったのですけど、一番腹が立ったのは、普通にプレイしていたら、なぜかチートをしたことになって隔離部屋に入れられたことです。
 そのときちょうど、マルチプレイで一定ポイントを稼いだら報酬がもらえる、というイベントをやっていたのですが、普通にプレイするならそんなに大変でもないはずのイベントが、隔離部屋に入れられたせいでめちゃくちゃ苦労させられたのです。
 隔離部屋に入れられると、そもそも人数が少ないのでマルチプレイのマッチングに死ぬほど時間がかかるのですけど、仮にマッチングが成立しても、参加人数が少ないために1位になってもろくにポイントがもらえない上、プレーヤーの大半はチートを使っているわけでなかなか上位に入賞できず、ちっともポイントが貯まらない。

 結局、なぜ隔離部屋に入れられたか、はっきりした原因は分からないのですが、ある程度見当は付いていて、『アスファルト8』では、特定のイベントレースで、購入していないクルマに試乗できる場合があるんですよね。その試乗できるクルマのセッティングをいじって(ゲームをプレイしたことのある人向けに説明すると、このセッティングとはエリートチューンのこと。もちろんチートではなく正規の行為)、イベント終了後、再びそのクルマが試乗できるイベントが開催されると、そのクルマは、前回試乗したときにいじったセッティングのままで登場するのですけど、それをゲーム側が「不正行為」と認知したのではないかと思われます。
 つまり、不正検知アルゴリズムの不具合によって、正規ユーザーをチーター扱いして隔離したり、アカウントを停止しても構わないというのが、ゲームロフトの運営方針なのです。これは私に限ったことではなくて、ゲームロフトのゲームの評判を調べていると、ちょくちょく見かける問題です。
 金が吸われる問題よりも、こっちの方がよほど深刻で、もちろんサポートにメールしようと思ったのですけど、結局、メールして隔離部屋から出してもらうにしても、応答に何日も何週間も何ヶ月もかかるようでは、肝心のイベントが終わってしまって意味が無いので、この不具合についてはメールしませんでした。しかし、このゲームに対する熱も冷めて、以来、あまりプレイしなくなり、"Forza Horizon 3"を購入したことをきっかけに、全くプレイしなくなった、というわけです。

 ゲームロフトのゲームがいくら良くても、いつ隔離されたりアカウント停止されるかわからんようでは話になりません。クソゲー以前の問題です。

↑カテゴリ別表へ


2016.11.20 ギダドラ難易度表ロケテ版

 ギタドラのロケテがいつの間にか始まっていますが、どうも次回作では難易度が大幅に調整される予定のようで、公式サイトにロケテ版での難易度一覧表が公開されました。
 ドラムの難易度についてはよくわからないですけど、ギターに関して言うと、GITADORAになったときだったか、難易度が一律0.2〜0.3ほど引き上げられたことがありましたが、あれを再び引き下げた上で、さらにみんながスキル対象に入れている曲を一律下げたような感じです。ぱっと見た印象だと「これってスキルが1000くらい下がるんじゃね?」と思える。
 というわけで、実際どのくらい下がるか確認してみました。

 現在の私のギタースキルは8018ですが、まずは単純に、スキル対象曲の難易度を、ロケテ版の難易度に変更してみました。すると、スキルは7574(-444)になりました。ぎりぎり金ネームからぎりぎり銀ネームへと転落。
 しかし、単純に難易度を変更しただけだと、本来だったらスキルが低すぎて対象から落ち、別の曲が入るはずの曲が残ってしまっています。そこで、152点未満の曲は、すべて152として計算してみることにしました。そうすると、7676(-342)となりました。

 ところで、よく考えてみると、今作の新曲は、次回作では旧曲扱いになるはずです。そこで、50曲の中からスキルポイントの高い順に25曲抽出して合計してみました。次回作の旧曲枠の予想値が出るわけですね。
 すると、現在の旧曲枠が3980なのに対して、ロケテ版難易度における旧曲枠は3937(-43)となりました。難易度が低下することにより下がる分を、旧曲が増えることにより上がる分が補った結果、旧曲枠については思ったよりも下がらないようです。

 次回作の新曲枠がどの程度上げやすいかにもよりますけど、計算結果から予想される私のスキルの低下は200前後なんじゃないかと思われます。つまり、7800くらいなのではないかと。


 もっとも、あのロケテ版の難易度は機械的に下げているだけっぽくて、実際の譜面の難しさとは大きく乖離しているものも多いので、あのまま製品版の難易度になるとはとても思えないのも事実です。
 たとえば、"War evasion"の紫ギターが8.70→8.30になったのに対し、紫ベースは8.50→7.45と激減しているのですけど、正規譜面でプレイした時の難しさは、ギターもベースもほぼ同じです。紫ギターが8.30なら、ベースは差を付けるにしても8.00くらいまでが限度でしょう。7.45はありえないです。
 では、なぜこんなめちゃくちゃな数値になっているのかというと、紫ベースはスーパーランダムをかけると簡単になるので、それを利用してスキルに入れている人が多いからです。つまり7.45というのは、スーパーランダムをかけた場合の評価なのですね。
 しかし、難易度というのはあくまで正規譜面を基準に付けるべきですから、7.45という数字は製品版では修正するはずです。していなかったらサポートにメールします(笑)

 ギターはランダム、スーパーランダムをかけることで難易度が大きく低下する場合があるので、ドラムよりも難易度表記の調整が厄介です。ランダム、スパランをかけたらスキルに入らなくすれば簡単ですけど、ランダム、スパランをかけてスキルを詰めている人は多く、むしろ正規譜面だけで詰めいてたら変態扱いされるくらいなので、たぶんそうはならないと思います。
 となると、ランダム、スパランをかけると難易度が下がる曲で稼げるスキルの値を是正したいのであれば、ランダム、スパランをかけた際に難易度の値が変わるようにするしかないんじゃないかと思います。つまり、"War evasion"の正規紫ベースは8.00だけど、スパランをかけると7.45になる、とか。

 私はほとんど正規譜面でしかプレイしておらず(スキル対象曲でランダム、スパランをかけているのは「ラジカル少女」と「風神雲龍伝」だけ)、スパラン補正が導入されようがされまいがほとんど影響ないので、どちらでも構わないです。ただ、スパランをかけることを前提に正規譜面の難易度を付けるのはやめて欲しいですけど。

 そもそも、通常のプレイとスコアアタックは別物で、同じ基準値を使おうとすること自体が問題だと私は思うのですけどね。難易度というのは本来、クリアしやすいかどうかや、しんどいかどうかの目安になるもので、ハイスコアが出しやすいかどうかを基準に付けるものではないはずです。
 なので、難易度とは別に、その曲で稼げるスキルの上限値を設けて、併記すればいいんじゃないかと思うのです。"War evasion"紫ギター8.70(skill 166)みたいな感じで。

↑カテゴリ別表へ


2016.10.26 今年のノーベル文学賞のこと

 今年のノーベル文学賞にボブ・ディランが選ばれたということで、話題になっています。普通、ノーベル文学賞は受賞者が決まる前だけ(村上春樹が受賞するかどうかで)盛り上がって、決まってしまえば一気に関心がなくなっていくものですが、今年は受賞者が決定してからの方が盛り上がっているようです。
 盛り上がる理由は明白で、ボブ・ディランが有名だからでしょう。ノーベル文学賞の受賞者の多くは日本では知られていない人物なので、その人が受賞しましたとか言われても、反応のしようがないのですね。その点ボブ・ディランなら、たいがいの人は知っている、あるいは知ったかぶりができる、ということです。

 私がこのニュースを聞いたときの第一印象は、ノーベル賞は終わったな、でした。音楽を文学的に評価して賞を授与すること自体は別に構わないのですけど、すでに音楽業界でレジェンドとなっている人物を選んでどうするのかと。せっかく文学の視点から音楽を評価するのであれば、音楽業界が見過ごしてきた人物に光を当てるべきでしょう。追従するだけなら政治家でもできる。
 あえてボブ・ディランを選ぶのであれば、ピューリッツァー賞を受賞する前に選ぶべきだったと思いますね。今やボブ・ディランは2008年にピューリッツァー賞特別賞、2012年に大統領自由勲章、あとなぜか2013年にフランスのレジオン・ドヌール勲章まで受勲しており、いまさら文学がのこのこやってきて賞を授与するのは恥ずかしいだけです。

 では、ボブ・ディランの作品は本当に文学的に見て価値があるのでしょうか?
 私は英詩の専門家ではないので、この点はあまりはっきり言えないのですけど、ボブ・ディランの詩を文学的に評価するということは、ディラン・トマスやT・S・エリオットなどと同列に扱うことになるんですよね。ボブ・ディランの詩がそれに耐えうるかどうかは怪しいんじゃないかとは思います。
 ボブ・ディランは彼らの詩に影響を受けて歌詞を書いているので、自分の詩が彼らに匹敵しうるかどうかは自分で判断していると思われます。匹敵しうると思えば授賞式に出席するし、思わなければ出席しないんじゃないでしょうか。
 私の知る限り、および調べた限り、彼は数々の賞や勲章を受けていますが、辞退したことはないようです。それなのにノーベル文学賞に対しては音信不通というのは、T・S・エリオットに遠慮してのものなのではないかと私は思うんですよね。
 世間ではノーベル文学賞なんかクソだと思っているから、という説が流布していますけど、ノーベル文学賞がクソだと言えば、受賞者のT・S・エリオットも間接的にクソだと言うことになるので、たぶん彼はそんなことは思ってないような気がします。
 ノーベル賞の授賞理由にもありますけど、彼はポピュラー音楽の歌詞に文学的要素を持ち込んだ人物なのですよね。だからこそ、ノーベル文学賞の審査員以上に、文学のことを真剣に考えているんじゃないでしょうか。まあ、結局は本人でなければわからないことですけどね。

 ところで、この話題になると決まって付随するのが、村上春樹が受賞するのか、という件。
 この話が聞かれる度に、鬱陶しいなあ、その話何度目だよ、と思っていたのですけど、今年、ふと悟ったのです。ノーベル賞って、毎年受賞者が出るんだと。
 私はなんとなく、4年に1回くらいのペースだと勝手に思い込んでいて、まあ、たまのことだし騒いでたっていいか、くらいに考えていたのですけど、実は村上春樹がカフカ賞を受賞したあたりから毎年、実に10年も同じ話題で盛り上がっていたんですね。いい加減飽きないか。
 だいたい村上春樹本人は、ノーベル文学賞なんかむしろ欲しくないでしょう。本物のファンなら、むしろ受賞しないようにお願いするべきなんじゃないかと思うんですけどね。

 しかし、村上春樹はボブ・ディランに影響を受けている作家なので、今回のことで、今度アジア地域にお鉢が回ってきたとき、村上春樹が受賞してしまう可能性がちょっと出てきたような気もします。
 私は村上春樹が嫌いなので、受賞したら「やれやれ、君は厄介な荷物を背負わされることになったようだね。やーいざまあみろ」とでもコメントしようと思いますけど。


[2016.10.30 追記]
 ボブ・ディランとスウェーデン・アカデミーとの連絡がようやく付いたらしいですね。この時勢にどうして連絡が付かなかったのかは興味深いところですけど。山ごもりでもしてたんですかね。

 10月29日のデイリー・テレグラフ電子版にボブ・ディランに対するインタビュー記事が載ったとのことなので、原文の方をチェックしておきました。こういうのは可能な限り一次資料に当たるべきですし、電子版なら簡単に読めますしね。……日本のニュースの素っ気なさに比べて、原文は意外と長文で、翻訳に結構手こずりましたが。原文のリンクはこちら。

 まあ、原文の記事の大半はさほど中身がなく、結局、要約すると、ボブ・ディランはノーベル賞を授賞したことについて“It’s hard to believe”、“amazing, incredible. Whoever dreams about something like that?”(信じられないよ、夢みたいだ)と言ったこと、授賞式に出席するのかとの問いに“Absolutely,”、“If it’s at all possible.”(もちろん行くよ、できることなら)と答えた、ということ、あとは、なぜ今まで音信不通だったのか、という点については、はぐらかされた、ということくらいで、結局は日本のニュースと大差ないことになります。
 Twitterなど読んでいると、“If it’s at all possible.”の部分がいろいろ邪推されているようですが、文脈からすると、これは「本当に僕なんかが出席してもいいならね」みたいな謙遜の意味で言っていると思われます。もしくは「そのとき生きていたら」みたいな、明日のことなんか誰にも分からないから確約はできない、みたいな考えから言ったことか。

 自分の詩の評価については、 “I’ll let other people decide what they are,” 、“The academics, they ought to know. I’m not really qualified. I don’t have any opinion.”(それは僕が決めることじゃないよ。学者達が知っているはずだ。僕にはそんな資格はないし、意見も持っていない)とのこと。ただ、歌詞が詩として評価されるようになったことについては喜んでいるそうですね。

 あと、彼はいま、絵画展を開いているみたいですね。そのうち絵画の方でも何か授賞するんですかね。

 しかし、いくらノーベル文学賞の授賞が信じられなかったからとはいえ、こんなに長いこと連絡できなかったとは、いい年こいて恋する乙女みたいですね。ちょっと萌える(笑)

↑カテゴリ別表へ


2016.10.17 Steam版"Hacknet"

 Steam版"Hacknet"をプレイ。
 このゲームは少し前にSteamで見かけて気になっていたのですけど、テキストベースのゲームで翻訳されていないのはかなりキツイと予想されたので、手を出していませんでした。そうしたらなんと、日本語訳が追加された上に記念セールまでしていたので、これ幸いと購入。

 このゲームは、その名の通りのハッカーなりきりゲームで、ネット上のパソコンをハッキングし、情報を収集することで進めていきます。
 面白いのが、このゲームでの行動のほとんどはLinuxコマンドで進めていくことです。psコマンドで実行中のプロセスを表示し、kill [PID]でプロセスを終了したりするわけです。つまり、昔のテキストベースのアドベンチャーゲームみたいな感じなんですよね。"go west"とかコマンドを打ち込むと「西へ進んだ」とか表示されるアレです。
 コマンドを知らなくても、チュートリアルでわりと親切に教えてくれます。ただ、helpコマンドで表示されるコマンド一覧表は紙にでも書いて手元に置いておいた方がやりやすいかと思います。

 最初はわりと何をすればいいか親切に教えてくれるので、その通りにやっていればいいのですが、後半になるとヒントが減り、実際の知識が無いとわからない謎解きもちょっとだけあるので、その部分は難易度が高いかもしれません。

 数時間でクリアできるボリュームですけど、実際に犯罪行為をせずにハッカー気分になれて、なかなか面白いです。ただ、人を選ぶゲームではあると思います。パソコンがトラブった時に自己解決するのに喜びを感じるような人向き。


 以下、大した内容ではないですが、ネタバレありの話について。


 もしかしたら回避できるイベントなのかもしれませんが、中盤でGUIが使えなくなって、コマンドプロンプト上から復旧するイベントがありましたよね。あれをプレイしている時の私は、パソコンが起動しなくなって復旧を試みているときの私と全く同じ感覚で、ものすごくリアリティのあるデジャブを感じました。特に最近は、Win10のアップデートでこけて、復旧を試みたりしていましたしね。なんでゲーム上でまでトラブルシューティングせにゃならんのかと(笑)
 あまりにリアルなんで、ついdirコマンドとか打ち込んで「使えないのかよ! ……ああそういえば、このゲームはLinuxコマンドだからlsなのか」とか、ありがちなことをやっていました。rmを打つところをdelと打ったりとか。なまじcdコマンドが使えるだけに、ついMS-DOSの気分で入力することが度々あったり。

 ただ、このトラブルシューティングをやっている過程で、実はこのゲームは結構リアリティのある仕様になっている、ということに気付いて、長ったらしいファイル名をmvコマンドで短くして、入力時間を短縮する手が使えることに気付いたのは大きかったです。ツールは全部短縮して、Tabを押してファイル名を補完しなくても、"ssh 22"などのコマンドで起動できるようにファイル名を整理しました。特に104番のポートを開くツールは、直感的にファイル名が思い出せないツール名なんですよね。だからもう、わかりやすく"med"にしたりとか。

 あと、某サーバーのパスワードを入手したとき、ユーザーネームがわからなくてちょっと行き詰まったことがあったのですけど、あれは実はノーヒントなんですよね。気付くのに時間がかかりました。いくら強固なセキュリティを誇っていても、ユーザーネームがあれじゃダメだろと思わないでもない。

 その他気になった点は、クリア後に入れるサーバーにあるテキストによると、隠しルートが存在するとありましたけど、あれはこっちのパソコンをクラックしてきたハッカーに対してやり返したら行けるルートのことなんでしょうかね? あのルートは、気付くのは簡単だと思うのですけど、依頼者に依頼完了の返信してしまうと行けなくなるので、タイミングが難しいかもしれません。

↑カテゴリ別表へ


2016.10.7 Windows版"Forza Horizon 3"

導入編

 PC版の"Forza Horizon 3"を購入したわけですが、ゲームの内容に関してはひとまずおいておいて、導入時の話について。

 私のパソコンのスペックはCPU:i7 3770、GPU:GeForce GTX 960 VRAM 2GB、メモリ16GBで、一応必須動作環境は満たしていたのですが、VRAMが2GBという点に不安がありました。本当なら体験版をプレイしてから購入を検討したかったのですが、少なくとも私が購入した時点では体験版は出ていませんでした。代わりに"Forza Mortersports 6 Apex"を動かしてみたところ、問題無く動作したのですね。なので、たぶん大丈夫なんだろうと思って購入しました。

 しかし、実際遊んでみると、「ビデオメモリが不足しています」という警告が度々出たり、突然電源が落ちる症状が起きました。遊べなくはないんですど、なんか不安定。

 ビデオメモリの不足については、当初から懸念していたVRAM 2GBでは足りないんじゃないかという点だったわけですが、実は、動作自体は2GBでも何の問題もありません。警告が出続けるのが鬱陶しいだけです。なので、このまま警告を無視するという手もあったのですが、GTX960からGTX1060に乗り換えることにしました。
 GTX960を買って1年もしないのに乗り換えるのはどうかとも思ったのですけど、GTX1060はGTX960から大幅に性能が向上しているのですよね。消費電力はほぼ同じで、性能は約1.8倍増。VRAMは6GB。このスペックから考えるに、GTX1060は比較的長く使っていけるグラフィックボードなのではないかと予想されます。であれば、中途半端に引っ張るよりは、GTX960の下取り価格が高い内に乗り換えた方が、結局は得なのではないかと考えました。

 電源が落ちる症状については、いろいろ検証したところ、CPUのフェイルセーフが働いた結果だとほぼ断定しました。このゲームはCPUを酷使するらしく、他のゲームよりも使用率が高いです。そのためにCPUの温度が上がりすぎ、安全装置が働いて電源が落ちるわけです。
 ただ、他のゲームよりCPUを使うとはいえ、平均使用率は50%程度です。その程度で落ちるのは解せません。それで原因を探っていると、CPUクーラーのファンの回転数が、低温時でも高温時でも変わらないことに気付きました。

 使用しているマザーボードはECSのB75H2-M2ですが、ECS製マザーボードのBIOSには、CPUの温度に応じてファンの回転数を制御する設定項目があります。設定では、初期値は1600RPMで、60度を超えたあたりで最大回転数の2550RPMまで上昇するはずなのですけど、70度を超えても1600RPMのままなのです。
 それで、いろいろ設定をいじって確認してみたのですが、初期値をいじると起動時の回転数は変化するのですが、CPUの温度に連動して回転数が変化する部分については、なにをどういじっても変化しませんでした。理由は不明ですが、ともかく回転数の可変機能については使えなくなっているようです(なお、BIOSは最新のバージョンに更新してある)。
 仕方ないので"SpeedFan"を導入することにしました。ファンの回転数を制御するソフトです。望み通りの設定にするのに少してこずりましたが、ソフトはきちんと機能を果たして、CPUの温度と連動してファンの回転数が変わるようになりました。

 しかし、ファンの回転数を調整してもなお、電源が落ちることがありました。
 こうなるとCPUクーラー自体を交換するしかないわけですが、ひとまず、高温時にCPUのパワーを落とす方法を試してみることにしました。具体的には、コントロールパネルの電源オプション→プラン設定の編集→詳細な電源設定の変更で、プロセッサの電源管理→システム冷却のポリシーを「パッシブ」にしてみました。これで温度は60度台以下で落ち着くようになり、電源も落ちなくなりました。

 その他の問題としては、GTX960 VRAM 2GBだと、メニュー画面が全体に重めになります。GTX1060だと改善されますが、チューニング画面だけは重いままでした。特にホイール選択画面は、ホイールを選ぶ気が失せるほど重いです。これはマシンスペックの問題ではなく、ソフト側の問題だと思います。メニュー画面の方が走行時よりもスペックを要求するのは馬鹿げています([2016.10.17 追記]パッチが当たって、メニュー画面の重さはかなり改善されました。ホイール選択画面もまだ重めですが、選べないほど酷いということはなくなりました)。

 あとはフレームレートに関してですが、現状では60fpsに固定するのは難しいようです。GTX1060で画質や解像度を思いっきり下げても、都市部などの処理の重いところではフレームレートが45〜55fps程度まで落ちることがあります。Xbox one版では30fps固定らしいので、もともと60fpsで動かすことを前提にした作りになっていないのかもしれません。ただ、ゲームをプレイする分にはおおむね支障はありません。
 現状だと、画質が低かろうと高かろうとフレームレートにはほとんど影響がないので、であれば画質高めの設定にした方がいいだろうと思います。

[追記 2016.10.14]
 CPUの熱問題を解決して、ようやく安定したと思いきや、なぜかまたゲームをプレイ中に突然電源が落ちる不具合が起きました。
 イベントログを確認すると、どうやら"igfxCUIService1.0.0.0"というサービスが怪しい感じ。これは、Intel製CPUに付随しているGPU機能に関するサービスです。
 今のIntel製CPUにはGPU機能が付随していて、グラフィックボードがなくても描画が可能なのですが、グラフィックボードを積んでいるパソコンでこのサービスが動くと、突然電源が落ちるなどの不具合が起きることがあります。そういえば、Win10のアニバーサリーアップデートをクリーンインストールした際、このサービスを停止しておくのを忘れていたような気がします。

 コントロールパネル→管理ツール→サービスで"Intel(R) HD Graphics Control Panel Service"を選択して、サービスを停止し、スタートアップの種類を無効に。これで電源が落ちる不具合は完全に解消されました。今のところは。

プレイ編

 ようやく実際のゲームについてですが、このシリーズは"Need For Speed"や"Test Drive Unlimited"の、警察が出てこないバージョンだと考えるといいかと思います。
 音楽のクルマの一大イベント、という設定になっていて、イベント開催中は好きなだけクルマをぶっ飛ばしてもいいらしいです。また、クルマは畑や民家の庭を爆走したり、壁に衝突してぶっ壊れたり、飛び跳ねてひっくり返ったりしますが、怪我人は今まで一人も出ていないらしい(笑)

 1作目はコロラド、2作目はフランスとイタリアが舞台になっていましたが、3作目の本作はオーストラリアが舞台となっており、道路は左側通行となります。日本と同じなのですけど、クルマゲーは右側通行のことが多いので、なぜか違和感があります。

 このゲームの一応の目的は、レースに参加してファンを集め、イベントの規模を大きくしていくことなのですけど、どちらかというと、好きな車でドライブを楽しむことがメインのゲームだと考えた方がいいです。というのも、言っては何ですが、レース自体は大して面白くないんですよね。
 この"Horizon"シリーズは"Forza"シリーズのスピンオフということもあって、ドライビングシミュレーションの性格が強くなっています。そのため、「レースゲーム」として作られている"Need For Speed"などとくらべると、コースにしてもライバルカーのAIにしても、あるいはシチュエーション等に関しても、地味な印象なのです。
 それでも無印の時は「無名のドライバーがレースで勝つことで名を上げて、最後には王者と対決する」というストーリーによって、結構盛り上がりました。また、ライバルのドライバーも複数人いて、レースで優勝すると、リベンジとばかりに公道での対決を挑まれて、それがまた面白かったわけです。
 しかし今作では、プレイヤーの立ち位置は主催者で、ライバルドライバーもいないんですよね。強いて言えばオンラインの他PCがライバルということになるわけですけど、ゲーム自体としての盛り上がりはあんまりありません。列車やボートなどとレースするショーが5つあって、それはシチュエーションも派手で面白いんですけど。

 そういうわけで、このゲームの本質は、レースやイベントそのものよりは、好きな車で好きなように走ることそのものにあるわけです。そんなの楽しいの? と思うかもしれませんけど、クルマ好きなら案外これが面白いんですよね。
 特にこのゲームは、車内のディティールがちゃんとしていて、インパネ周りを眺めるだけでも楽しかったりします。私のモニターの環境はレースゲーム向きではなく、小さいモニター一台でドライバー視点だとプレイしにくいため、もっぱらバンパー視点で走っていますけど、大きいモニターを使っているとか、モニター3台体制が築けるような人は、スーパーカーのインパネを眺めてニヤニヤしながら公道を走れる至福を存分に堪能できるでしょう。
 あと、今作はオンライン機能が充実していて、どうやら"Test Drive Unlimited"みたいに、PCが走っている公道をぶらぶらできるようになっているっぽいです(まだプレイしていないので不明ですが)。

 総評は、ゲームとしては無印の"Forza Horizon"の方が面白いかもしれないです。ストーリー的にもコースにしても。ただ、金を稼いで好きなクルマを購入し、公道をぶらぶらする楽しみは相変わらずです。あと、今作はオフロードバギーなどが存在するので、そういうのが好きな人には今作は面白いかもしれません。また、オンラインの環境は充実しているので、マルチプレイを重視する人にとっても今作は面白いでしょう。公道をPCと走れるゲームは"Test Drive Unlimited"と、強いて言えば"Grand Theft Auto"シリーズくらいしかありませんからね。

↑カテゴリ別表へ


2016.9.22 続・人生に、文学を。

 関連記事はこちら。「2016.7.22 人生に、文学を。」

 久々に「人生に、文学を。」の公式サイトを覗いてみたら、新しいコピーが掲載されていました。

時に失意の闇に沈んでいると、光を射してくれる。
それなのに、どうしようもないことは
どうしようもないのだと突き放す。
それでも、その人生を生きていくことには、
かけがえのない価値があることを思い知らせてくれる。

文学は、人生のそばにある。

(一年に二度、芥川賞と直木賞)

 ……まあ、今回の文章は、前回のように問題を起こすことはないと思います。しかし、依然として、根本的なところで重大な欠陥を抱えています。
「芥川賞をはじめとした小説賞を主催する団体が、こんな駄文をコピーに使っていいのか」ということです。
 この文章は悪文の典型でしょう。こんなに短いのに読みにくいし、読んだところで何の中身もない。しかもバランスがものすごく悪い。

 この文章自体、最初から考え直す必要がありますけど、とりあえず簡単な推敲をするだけでも、ずいぶん読みやすくなります。

失意の闇に沈んでいると、時に光を射してくれる。
しかし、時に冷たく突き放すこともある。
どんな道程にも、かけがえのない価値があることを教えてくれる。

文学は、人生のそばにある。

 元の文章は接続詞の使い方がめちゃくちゃですし、「どうしようもないことはどうしようもない」「その人生を生きていくことには」などと、冗長な言い回しを使っています。
 また、文章のバランスが悪すぎます。「光を射してくれる」の対句が「どうしようもないことはどうしようもないのだと突き放す」ですよ。何考えてるんでしょう。
 そして、決め台詞が「文学は、人生のそばにある」であるなら、それ以前に「人生」という言葉はなるべく使わない方がいいです。今回は「道程」という言葉を代用していますが、本当ならもっといい言葉を選びたいですね。
「一年に二度、芥川賞と直木賞」は、「こたつにみかんと、文学を」みたいな軽い調子の文章にくっつけるならいいのですけど、人生を云々するこの文章の雰囲気には合いませんのでカットです。なぜ真面目な調子の文章に、ふざけた蛇足を付けて平気でいられるんでしょうね。センスが悪すぎです。

 あとは、バランスを考えるなら「失意の闇に沈んでいると、時に光を射してくれる。しかし、時に冷たく突き放すこともある。」の対になる二行を足して、それから「どんな道程にも」と続けた方がいいでしょう。

 この程度の推敲すらしていない文章を、文学のプロジェクトのコピーに使うなんて信じられないです。このプロジェクトはまだ始まってもいないですし、推敲する暇もないほど急ぎで用意する必要なんかなかったはずです。こんな駄文だったら、ない方がマシだと思うのですけど。

↑カテゴリ別表へ


2016.9.11 Monsters(モンスターズ/地球外生命体)

"AVGN: The Movie"にて言及した"Monsters"も、ついでなのでレビュー。今回のレビューするにあたって、一応見返しました。

 この映画は、タイトルからするとモンスターもの、パニック映画っぽいですが、実際はモンスターなんかほとんど出てこなくて、危険地帯を通ってメキシコからアメリカへと帰るアメリカ人を描いたロードムービー、といった趣の方が強いです。そのため、肩すかしを食った観客からは低評価を受け、一方で批評家連中からは高く評価されることになりました。
 評価された理由の多くは、この映画が50万ドルという低予算で作られていることにあるでしょう。一部には「制作費1万5000ドル」という情報もあるのですが、それは撮影機材費のことで、全体の制作費は50万ドルとのことです。まあ、スタッフ全員が無給で働いたとしても、1万5000ドルでこれは作れないでしょう。

 この映画は、モンスターが出てくるシーンはほとんどなくて、おおむねメキシコの密林地帯を行く越境サバイバルみたいな内容になっています。マヌケで世間知らずなアメリカ人が、メキシコの戦地(この場合はタコみたいな地球外生命体がうようよしていて、それを空軍が爆撃している地域)でアメリカや自分を見つめ直す、といった感じの内容ですね。
 モンスターが出てくるシーンや、軍隊が登場するシーンなどは、少ないですし、結構使い回しているのですけど、かなり効果的に使っています。まず序盤で派手なシーンを出しておいて観客を引きつけておいて、それから安くても済むヒューマンドラマのシーンへと入っていく。で、観客が飽きかけたところでミリタリなものやモンスターなモノを出していく。そんな感じで、金はかかるけど観客の気を惹けるシーンをかなりぎりぎりに配置しているのです。この編集はかなり巧みだと言っていいでしょう。

 あと面白いのは、主役となる男と女のやりとりが、結構リアルだということ。男と女が旅をする映画というのは、たいがい女はぴーぴーわめいて男はぎゃーぎゃーうるさく、とにかく相手の批判と揚げ足取りばかりしていがみ合ってたくせに突然仲良くなったりするものなのですけど、この映画では、そうした映画特有のステレオタイプなウザい演技がほとんどなくて、そのために見られるものになっているのです。ウザい展開がない分、展開に起伏はなくて、わりと淡々とメキシコ越境のシーンが続くのですけど、ウザい起伏があるよりはよっぽどマシだと私は思います。もういい加減、映画で男と女がぎゃーぎゃー言い合うのは鬱陶しいからやめて欲しいと思っていたところですしね。

 というわけで、モンスター映画モノだと思って観ると肩すかしを食うでしょうけど、越境ロードムービーとして観ればなかなか面白いですし、特に予算のことを頭に入れて観れば、大興奮間違いなしな映画といえます。一部のVFX丸出しのシーンや、使い回しの多用はありますけど、ほとんど低予算を感じさせないデキですからね。

 ……ただこの監督、確か2014年版「ゴジラ」の監督でもあったと思うのですけど、こっちでもモンスターを小出しにしてたんですよね。"Monsters"は低予算だから仕方ないですし、ヒューマンドラマに焦点を当てたスクリプトのおかげで作品として成立していたわけですけど、1億6千万ドルもの予算があり、かつ、ゴジラが主役の映画でゴジラを小出しにするケチくさい演出はやめてほしかったところです。しかも2014年版「ゴジラ」の場合、ヒューマンドラマもイマイチという。この監督は低予算映画向きなのかもしれないですね。
 そういえば、暗すぎて何が何だかよくわからんシーンを多用する悪いクセも「ゴジラ」に引き継いでいましたね。"Monsters"でも、暗くてよくわからんシーンがいくつかあって、それは不満です。あれは演出とか味とかではなくて、単に暗いシーンを撮るのが下手なだけだと思います。


 以下はネタバレありの話。


 まず、この映画は倒叙が使われているわけですが、これはなかなか巧みな構成でしたね。最初に派手なシーンがあることで観客の気を惹けますし、冒頭の歌がラストの死亡フラグになることで、映画としてはきれいに終わらせつつ、冒頭のシーンを覚えている人にとってはスリリングかつ、モンスターものらしい酷いエンディングにもなるという。

 モンスターに関しては、裏ではいろいろ設定があるのかもしれませんが、映画を観ている分にはよくわからないですし、存在感が薄くてイマイチな感じでした。はっきり言ってこの映画って、モンスターが出てくる必要なんかないんじゃないかと思える。普通にワニとかヘビとか反政府ゲリラとかでも成立したような気がするんですよね。
 ただ、この映画のモンスター描写で特徴的なのは、特に人間を襲う気があるわけでもない点と、交尾シーンがある点でしょう。普通、モンスターというのは人間に敵意があるか食欲があるかして、見つけたらとりあえず襲ってくるものなのですけど、この映画のモンスターは、特に人間に敵意があるわけでも、捕食する気もなく、ただ、人間が襲ってきたら反撃したり、あとは特に理由もなく襲ってみたりと、わりと動物的なのです。地球外生命体でこういう描き方するモンスター映画は珍しいような気がする。あと、モンスターの交尾を見て主役達が泣くシーンは、かなり変わっていて面白かったです。モンスター映画であんなクライマックスシーンなんか見たことないです。この監督はド変態ですね。

 モンスターや、それを爆撃する空軍、そして国境に万里の長城的な「壁」を作ったいたりなどが、現代アメリカへの批判になっていたりする点については、あからさまなわりにはさほど突っ込んだ描写はなく、だったらもっと薄味にした方が良かったんじゃないかな、とも思えます。

 ヒューマンドラマに関しては、実は特に大した内容はないんですけど、それがかえってリアルでいいんじゃないかと私は思います。「僕には帰らなければならない理由があるんだ」とか、変に強い動機があったりするよりは、「そりゃまあ、こんなところにいるよりは日常に帰りたいんだけど、帰ったからといって何かあるかと言われたら別にない」という方が普通だと思うんですよね。危機的状況に置かれているにもかかわらず、どこかヌルい二人の雰囲気なども、かなりそれっぽい。で、ヌルいから死ぬわけでもないところもリアリティがありますよね。まあ、ラストはアレですけど。
 この映画は、ハリウッド的な使命とか、成長とか、男女関係などを廃して、極力普通の遭難者っぽさを演出しており、また、それがうまくはまっていると思います。
 あと、私がいいと思ったのは、男がやたらとカメラでパシャパシャ撮りまくっているのに対して、女がいちいち「こんな非常時にやめてよ! キー!」とか言ったりしない点です。嫌がってはいますし、「なぜ人の不幸を撮るのか」と質問したりしたことはありましたけど、あからさまにケンカをふっかけたりはしないんですよね。映画やリアリティショーでは、いちいちつまらんケンカをやる演出がよく盛り込まれますけど、とにかくケンカをさせておけばリアルだと勘違いしているんじゃなかろうかと思う。

 ただ、男が女を連れ込んで、その女に舟券やパスポートやらを盗まれた際、痴話ケンカのシーンがばっさりカットされていた点については思い切ったなあと思いました。確かにそんなシーンはありきたりでつまらなくて要らないんですけど、結局作中では、女は男の超絶バカで切腹モノの失態について、一言も批判していないのですよね。……まあ、実際には一悶着あったと思いますけど。あんな目に遭って文句の一つも言わない人がいたら、それは聖人でしょう。
 しかしそもそも、あの展開って必要だったんでしょうかね。まあ、リアルといえばリアルかもしれないですけど、ご都合主義的といえばご都合主義的な展開ではありますし。単に船に間に合わなくて陸路を取るしかなくなった、というだけの展開にした方が、無駄なシーンもカットでき、スマートだったような気がします。

↑カテゴリ別表へ


2016.8.15 Angry Video Game Nerd: The Movie

"Angry Video Game Nerd: The Movie"を観る。
 この映画は、YouTubeのクソゲーレビュー的な動画シリーズ"Angry Video Game Nerd"の映画版で、ファンが出資したり、エキストラとして出演するなどして作られた作品です。そういう意味では「ファンムービー」と言えるでしょう。制作者が映画を作り、観客が観る、というのではなく、ファンが自ら参加して作った映画ですからね。

 日本語字幕が追加されないものかと思ってずっと待っていたのですが、スペイン語やポルトガル語訳とかはあるのに日本語訳はちっとも追加される気配がないので、諦めて英語字幕で観ることにしました。
 私はSteam版のストリーム配信で観ることにしましたが、Steam版だけの問題なのか、この映画の元データからしてそうなっているのか、英語字幕がかなりいい加減なタイミングで表示されます。鬱陶しくなって、途中から字幕を消して観ました。
 私の英語のリスニング能力は実用性皆無ですが、もともとある程度、この映画がネタにしているゲームや事件などに関して予備知識があることと、さほど難しい内容ではないこともあって、そこそこ内容は理解できました……と思います。

 Atari2600の伝説的クソゲー"E.T."には、大量の在庫を抱えたAtari社がカートリッジを砂漠に埋めたという有名な逸話があるのですが(奇しくもこの映画が発表される直前に、埋められたカートリッジが掘り当てられ、逸話が本当であったことが証明された)、その逸話とロズウェル事件を絡めて、実はロズウェル事件で墜落したUFOのパーツが"E.T."のカートリッジに使われていた! ……とかいう、わりと馬鹿げた話が主軸となっています。
 なお、版権の問題で、映画内に登場するゲームはすべてオリジナルではなく、問題の"E.T."からして"EEE TEE"という、そっくりな別ゲーになっています。

 で、映画の感想なのですが……この映画がいかにすごいか、というのは、制作費を知らなければわからないと思います。この映画の制作費は35万ドルで、これは"CUBE"と同等です。この制作費であれだけ見栄えする2時間の長編映画を作ったのですから、それだけで驚異的だと言っていいでしょう。
 参考までにそのほかの低予算映画の予算を列挙しておくと、"SAW"は120万ドル、"Π"は6万ドル、"Following"は6千ドルです。『リベリオン』も低予算映画にカテゴライズされますが、この辺になると2000万ドルに。

 普通、低予算映画は、舞台を狭い範囲に限定したり、登場人物を減らすなど、ミニマルな方向に作品を作ります。"AVGN"シリーズ自体がこの手法を使っていますよね。
 しかしこの映画は、あえて大作映画っぽく作っていて、ナードはいろんな場所に行き、エキストラもたくさん使い、着ぐるみロボが世界中を破壊して回ったりなど、とにかく大規模な作品にしているわけです。あの予算であれだけ大風呂敷を広げて、かつチープになっていないのはすさまじい。

 わざとミニチュア丸出しにしてチープにしている部分もあるのですが、それは特撮映画やB級映画へのオマージュということで、わざとチープ感を出しているわけです。一方で、チープ感を出したくない部分ではVFXを多用していて、それによって、制作費以上に金がかかっていそうな映画に見せかけています。
 あまりにも自然に金がかかってそうな映画に見えるため、低予算映画だということを忘れて不満を言いたくなるのが、この作品の欠点だと言えるでしょう(笑)
 つまりこの映画は、低予算でも大作映画は作れる、というところにあえて挑戦した作品で、この映画自体が大作映画への皮肉にもなっているわけですね。
 そういうわけで、「35万ドル」であることを念頭に置いて観ると、「このやたら金かかってそうなセットはどうしたんだ?」とか、そういうところで見所満載です。低予算映画ならではの楽しみ方ですね。

 一方、予算のことを考慮しないで観ると、「もっと小規模に作った方が良かったんじゃないか?」と思えてしまいます。この作品にはサブキャラクターとして、ナードの追っかけの少年と、販促のためにナードに"EEE TEE 2"のレビューをさせたがっている女が出てくるのですけど、これらのキャラははっきり言って、カットしても何ら問題なかったはずなんですよね。また、悪役の将軍とその手下の女も、間抜けなだけでストーリーに刺激を与える存在になっておらず、特に必要ない役柄だと言える。
 こうした、どうでもいいキャラがどうでもいいストーリーラインを作り出してしまうために、この作品は間延びしている印象を受けます。全くつまらないわけでもないのですが、退屈に感じるシーンも多い。大作映画的なものを目指した結果、大作映画のダメな部分も引き受けてしまっているわけです。
 映画の完成度を重視するなら、この作品はもっとコンパクトにして、作品の時間も70分以内に納めた方が良かったでしょう。でも、この作品は最初から「低予算で大作志向」というコンセプトで作られていますから、それを言っても仕方のないところです。

 あとは、この作品に散りばめられているオマージュ的なネタの数々を、拾いきれるだけの知識が観客にあるのか、ということと、拾えたとしてそれで笑えるのか、という問題があるでしょう。
 この作品は様々な映画のオマージュがパッチワークされているのですが、そのせいでひどいシーンになっているところがいろいろあるんですよね。わかりやすいのだと、馬鹿げたキャットファイトとか、悪役が高所から落下するときのひどい合成とか、あの辺のシーンはひどいとしか言いようがないデキですけど、わざとひどくしていることは明らかで、その点をどう評価するかは難しいところです。ああした要素がギャグだと気付いて笑うには、相当詳しくないといけない。私も初見では「なにこのクソシーン」と思ったところが随所にあったのですけど、それがギャグだと気付くには、何度か見直す必要がありました。相当マニアックな作品だと言えます。まあ、この辺はファンムービーならではというべきでしょうか。

 私が純粋に面白いと思ったシーンは4つです。
 ひとつは、ナードがツバ吐いたクソゲーを、ファンが喜んで買っていくシーン。これは自分を含めてあらゆる方面に対しての皮肉になっていますし、そもそもクソゲーなのに喜んで買っていく絵面がいい。もともと"AVGN"は、ゲーマーをクソゲーから解放するための活動、という建前なんですよね。こんなクソゲーはやるな、と。しかし実際には、"AVGN"の影響を受けて、あえてクソゲーをプレイするクソゲーマーを生んでしまっているわけです。
 次に、"EEE TEE"の発掘現場にオタクどもが群がるシーン。それだけですでに面白いですが、そこで売られているクソゲーの続編(もちろんクソゲー)を買って喜んでいるのがまた酷い。この一連のシーンでは、ギターガイとマイク・マテイや、Pat the NES PUNKなどが出演しており、はっきり言って一瞬出てくるだけでメインキャストよりも目立ってしまって困りますが(モブがメインキャストを食うのは作品的は大問題)、一番の驚きは、"E.T."の開発者であるハワード・スコット・ワーショウ本人が登場することです。これは面白いというか、びっくりしましたね。思わず本当に本人なのか、ネットで調べた。
 次に、"EEE TEE"のカートリッジが空を飛んでいくシーン。このシーンではNostalgia Criticが一瞬登場しますが、ついでにロイド・カウフマン(『悪魔の毒々モンスター』の監督)まで出演しています。なぜ出演しているのかさっぱりわからんですが。あと「見ろよ、クソゲーが窓から飛んでいったぜ! ハハハ! ……じゃあ別のゲームやるか」とか言っているゲーマーがいるのですけど、あの台詞はこの作品で一番冴えている台詞だったと思います。
 最後に、エンディングテロップの背景で流れる"EEE TEE"のクソゲーレビュー。……結局、いつものスタイルのクソゲーレビューが面白いわけで、だったら映画作る必要ないじゃんという突っ込みが飛んできそうですけど(実際そういうレビューは多い)、この本編をやるために2時間の茶番をやったと考えると、なかなか馬鹿馬鹿しくて、それはそれで面白いような気もします。そんなにこのゲームをレビューしたくなかったのかよと。ただ、2時間も引っ張ったわりに、いざレビューを始めると、そこまで嫌がってないのが物足りないところではありますが。『ジーキル博士の彷魔が刻』の方がよほど嫌がってた。

 もともとこの映画は、ファンが出資し、エキストラとして出演するなどして、ファンによって作られた自主映画なんですよね。つまり、みんなで参加して一緒に作るものだったわけです。そのためこの映画は、単なる客として観るだけでは、何が面白いのかわからないところがあります。
 参加者でない人がこれを楽しむためには、「制作費35万ドル」を念頭において観るのがいいんじゃないかと思います。普通、観客にとって、制作者の苦労なんてどうでもいいのですけど、自主映画や低予算映画では、そこを楽しむのがひとつの醍醐味なんですよね。
 この映画はあまりにも見栄えがいいので、低予算の自主映画だということを忘れがちになりますけど、「制作費35万ドル」ということを思い出せば、随所に見所があることに気付くはずです。

 このタイプの映画で似たのだと、"Monsters(『モンスターズ/地球外生命体』"がありますね。あの映画も、ただの客として観たらクソつまらんと思いますが、制作費50万ドルということを知っていたら、それだけで大興奮でしょう。

[2016.8.18 註]"Monsters"は、どちらかというとモンスター自体はあまり出てこなくて、ヒューマンドラマに焦点を当てた映画なので、そういう意味では"AVGN: The Movie"と比較すべきではなかったかもしれません。"AVGN: The Movie"は特撮などをあえて多用しているんですよね。金のかかるシーンを低予算でやるから凄い。"Monsters"は、金のかかるシーンは極力廃していますが、その上で世界観を大きく見せる工夫をしています。
 両者に共通しているのは、その予算でやる規模の作品ではない、ということです。

↑カテゴリ別表へ


2016.8.7 Win10 Ver.1607

 Windows Updateのほうに、Windows10のバージョン1607へのアップデートが来ていました。これはAnniversary Updateと呼ばれるものだそうです。何の記念か知りませんが。
 そういうわけで、とりあえずアップデートを試みてみたのですが、起動時に小さな白丸がくるくるするところでフリーズしてしまいました。
 一旦元のビルドに戻し、今度はUSBなどを全部外して、なるべく最小構成でもう一度アップデートを試みましたが、やはり起動せず。
 というわけで、現在このアップデートは保留中です。

 これはなんですかね、Windowsの不安定っぷりを記念したアップデートなのでしょうか。起動すらしなくなるアップデートなんて要らないんですけど。
 原因は不明ですが、調べてみると、結構不具合を起こしている人はいるようなので、そのうち改善されるかもしれません。 急いでアップデートしなければならない理由もないですし。

 しかし、なんでWindowsは、せっかく安定してきたと思ったら不安定なバージョンを出すんでしょうね。

[2016.8.9 追記]
 あの後、起動時に変なエラーが出るようになり、何度か再起動しないとログイン画面まで行き着かなくなったので、結局、クリーンインストールすることにしました。
 しかし、クリーンインストールでも結局、白丸くるくるで止まって先に進まない現象が起きて、インストールが完了しない。
 USBやらHDMIやらは限界まで外していますし、一体何が原因なのかさっぱりわからなかったのですが、よく見ると、グラフィックボードのファンが回ったり止まったりを繰り返しているのが見えました。……このグラフィックボードは、起動時にLEDが光るのですけど、箱の中でLEDが光ったって意味ないだろとずっと思っていました。ケース内部をいじる時に明るいなら便利ですが、整備中は電源を切るので光らないですし。しかし今回、あの無意味な光のおかげで、ファンが回転したり止まったりを繰り返しているのが、光のちらつきとなって見えたわけです。
 となると、グラフィックボードが問題を起こしている可能性が高いので、一旦外してみたところ、ようやくインストールに成功しました。つまり、別にクリーンインストールしなくても、グラボを外すだけで良かったのかもしれないです。

 こんなにマイクロソフトに殺意を抱いたのは初めてです。nVIDIAのグラフィックボードなどというありふれたパーツでWindowsのアップデートがこけるなんて信じられません。アニバーサリーアップデートとかいう、おめでたい名前が付いているだけに、余計に馬鹿にされた気分になる。

 でまあ、現在、ソフトをインストールしたり、設定を直したりなどの鬱陶しい作業をしているわけですが『ホームページビルダー19』だけ、どうしてもインストールDVDが見つからなくて、ずいぶん家の中をひっくり返す羽目になりました。
 あんなでかい箱を紛失するはずないだろ! と、家中探し回ったあげく、Amazonでダウンロード購入したことを思い出す。……ちゃんとバックアップHDDの中に、ライセンスナンバーを控えたテキストデータごと入っていました。

 はっきり言って、今回のアップデートは不愉快以外の何者でもありませんでしたが、システムがきれいになったことや、パーツを外しまくったついでにケースやマザーボード、グラフィックボードなどの掃除ができたことは、良かったと言えるかもしれません。

[2016.8.9 追記]
 さんざん苦労してインストールした『ホームページビルダー19』が、終了時に毎回エラーを吐いていることに気付く。
 ソフトの動作そのものは全く問題なくて、終了時に保存がうまくできないとか、そういった実際的な問題は何も起きていないのですが、ただ、終了したときに必ずエラーを吐いている。
 実用上問題ないですし、そもそもビルダー19からして、必ずしも必要ではないのですけど(もともと編集作業はビルダー2001を使っていますし、転送は19付属の転送ソフトを使えばいい)、しかし、せっかくクリーンインストールしておいて、こういう問題が起きるのは腹が立ちます。何がアニバーサリーだ。

↑カテゴリ別表へ


2016.8.2 "The Talos Principle" DLC"Road to Gehenna"

"The Talos Principle"本編のレビューはこちら。

"The Talos Principle"のDLC"Road to Gehenna"をプレイ。
 このDLCは本編同様、テキストが多量にあるのですけど、日本語未対応となっています。日本語訳が追加されるんじゃないかと期待して、しばらく待っていたのですけど、どうもダメそうなのでプレイすることに。

 このDLCでは、本編でも度々名前が登場していたUrielとなって、本編よりも辛くなった新規パズルを解いていきます。
 日本語訳はされていないので全編英語ですが、テキストは読めなくてもとりあえず問題ありません。

 パズルの数は20以上と、本編に比べると少ないですが、ひとつひとつのパズルの中身は詰まっているので、さほどボリューム不足は感じません。そもそもパズルゲームは量より質が重要ですし。

 難易度は、本編をクリアした人向けなのでチュートリアルはなく、初っ端から難しいですが、シビアなタイミングを要したり、操作が難しめなパズルは本編よりも減っていて、解法が見えない内は「無理じゃないの?」と思えるけど、わかりさえすれば簡単に解けるようになる感じは本編よりも強くなっています。これはパズルゲーとしてはいいことだと思います。
 ただ、ワールド1の"Open Field"のように、無駄にエリアが広いだけのパズルはやめて欲しかったです。オブジェクトを広範囲に散らばせることで難易度を上げるのは、いいパズルの構造とは言えないです。

 星探しについては、ワールドあたりのパズルの数が減ったことで本編よりも可能性が絞られているため、本編よりも簡単な印象を受けます。例の時計のような解法を必要とするものもないですし。もちろん、パズル同士を連動させた大掛かりな解法は今作も健在。あれは面白くていいですよね。
 星のパズルで一番難しいのは、ワールド1です。難しいというか、面倒くさいというか。なので、ワールド1の星は後回しにした方がいいんじゃないかと思います。序盤で躓くのは精神衛生上よろしくないですし。
 ワールド1の星は、複雑な手順を考えてこなす、正統派な難しさのものもあり、それはいいんですけど(私がこのゲームで唯一メモ帳を使って手順をまとめたパズルが、ワールド1の星のひとつだった)、単にレベルデザインが散漫なせいで、どこに注目すべきかがわかりにくくなっているものもあります。これは難易度が高いのではなく、単にパズルとしてのデザインが悪いだけです。
 もっとも、今回は星を全部集めなくても隠しワールドに行けるようになったので、取り方がわからない、そもそもどこにあるかわからないような星は、ある程度無視しても良くなりましたが。

 星を集めたら隠しワールドに行けるようになりますが、隠しワールドにあるパズルよりも、隠しワールドの入り口を見つけるのが大変だったりします。意外と見落としがちなところにある。私がこのDLCで一番詰まったのはここでした。パズルそのものじゃなくて、入り口探しで詰まるという(笑)
 広いフィールドをうろうろして、どこにパズルがあるか探して回るのはパズルゲーの本質から外れていると思うので、やめてほしいところです。そういうのはイースターエッグだけでいい。
 さらに残念だったのは、苦労して見つけたわりに、隠しワールドのパズルがえらく簡単だったこと。ワールド1〜4のパズルに比べると、どれも小粒で見劣りするんですよね。似たような解法のものが多かったですし。

 総評としては、本編をやりつくした人なら、買って損はないDLCだと思います。
 パズルゲームの難易度を上げようとすると、指先のテクニックを要する方向に行きがちですけど、このDLCはむしろそういうパズルは本編よりも無くなっており、かなりいいデキです。
 ただ、なぜかワールド1は、やたらとプレイヤーのモチベーションを削る要素が多いので、ワールド2からやった方がいいかもしれないです。

 あと、これはネタバレには当たらないと思うので一応情報提供しておくと、ワールド3に入ってすぐ、真正面の遠くに見える小島は、少なくとも星や隠しエリアとは無関係です。もしかしたらイースターエッグのひとつで、なにがしか行く方法があるのかもしれませんが、どうあれ本編の攻略には絡みません。

↑カテゴリ別表へ


2016.7.30 電源ユニット交換

 パソコンの電源ユニットを買い換えました。

 最近、たまにパソコンが変なタイミングでフリーズすることがあり、しかし、イベントログを見ても原因らしきものが見つからなくて困っていたのですけど、いろいろ試した結果行き着いたのが、電源ユニットの出力不足ではないか、というものでした。

 私の使っているパソコンはパソコン工房のLesanceシリーズで、電源ユニットは付属していた450Wのものでした。パソコンの電力を考える上で一番問題となる+12Vは180Wの2系統。
 これは、買った当初に付いていたグラフィックボードのGTX650を動かすには問題無かったのですが、換装したGTX960を動かすには、微妙にパワーが足りなくなることがあるようです。
 この「微妙に」というのが曲者で、いくつか条件が重ならないと落ちないため、なかなか原因が掴めなかったのです。起動時や、高負荷のゲームをプレイしたから落ちるわけでもなく、特に何も動かしていない状態で落ちることもあるという。

 もちろん、GTX960に換装する以前にはフリーズしたことがなくて、換装以後にフリーズするようになったのであれば、原因はすぐ特定できたでしょうけど、このパソコンは以前からOSやソフトウェアの問題でフリーズすることがあったので、それに紛れてしまったのです。
 ただ、OSやソフトの問題でフリーズした場合は、KP41などのエラーを吐き出していたのですよね。それが、最近のフリーズでは全くエラーログを吐かないので、OSやソフトの問題ではなく、ハードの問題ではないかと。


 計算上は500Wの電源ユニットでも問題なさそうなのですが、余裕を見て600Wの電源ユニットを買ってきて交換したところ、とりあえず1週間は全くフリーズしていません。

 ただ、今回はパソコン工房の店舗で購入したのですけど、店舗価格がネット価格よりも2000円高かったのはいただけない点でした。
 普段だったらこういうのは下調べしてから購入するもので、今回も実はちゃんと下調べしたのですけど、体調が優れない中で無理して買いに行ったこともあって、よく考えないで買ってしまいました。
 1000円未満ならともかく、2000円も違ったら、1グレード上の電源が買えるじゃないですか。
 この店舗ではHDDやGTX960も購入しているのですが、このときは店舗価格とネット価格がほぼ一緒(全く同じか、送料を考えたらほぼ同じ)だったので、油断していました。


[2016.8.5 追記]
 電源ユニットを交換して以来、いくつかのパターンのフリーズはしなくなったので、フリーズの原因のいくらかは電源ユニットにあったことは確かなようです。しかし、一部のゲームや動画を再生している最中にフリーズする現象だけは、未だ残っています。なお、この種類のフリーズの際には、KP41エラーを吐きます。
 今のところ可能性として考えているのは、サウンドドライバの不具合です。

 私はUA-4FXを使っていて、マザーボードに付属しているサウンドデバイスのドライバは、すでに削除しています。ただ、GTX960のドライバに付属している、NVIDIA High Definition Audioドライバがあって、もしかすると、これがUA-4FXと競合して問題を起こしているかもしれません。
 HDMI端子から音を鳴らせるのは便利なこともあるので、できれば両立したいのですけど、問題の特定のため、とりあえず現在、無効にして様子を見ています。もちろん、UA-4FXが問題を起こしていることも考えられます。

↑カテゴリ別表へ


2016.7.22 人生に、文学を。

 関連記事はこちら。「2016.9.22 続・人生に、文学を。」

 日本文学振興会が、イベントの告知用の広告を打ったそうなのですけど、その内容がこちら。

http://www.jinsei-bungaku.jp/
人生に、文学を。

文学を知らなければ、
目に見えるものしか見えないじゃないか。
文学を知らなければ、
どうやって人生を想像するのだ(アニメか?) 

読むとは想像することである。
世の不条理。人の弱さ。魂の気高さ。生命の尊さ。男の落魄。女の嘘。
行ったこともない街。過ぎ去った栄光。抱いたこともない希望。
想像しなければ、目に見えるものしか知りようがない。
想像しなければ、自ら思い描く人生しか選びようがない。

そんなの嫌だね。つまらないじゃないか。

繰り返す。人生に、文学を。
(一年に二度、芥川賞と直木賞)

 引用元のページにある広告は消えてしまうかもしれないので、全文引用しておきます。この文章は是非とも後世に残すべきですので。

 日本文学振興会とは、主に芥川賞や直木賞などの選考、授与を行っているところです。1938年から活動しており、2009年に公益財団法人に認定されたそうですね。
 つまり、日本で最も知名度の高い小説賞の選考を行っている団体なわけですけど、そこが打った広告の文章がこれですよ。いかがです? 素晴らしいでしょう。私なんか感動して涙が止まらないです。一体誰が書いた文章なのでしょうね。この純文学的名文をもって、芥川賞を授与すべきでしょう。

 それでは、この名文を、じっくりと鑑賞してみましょう。 

文学を知らなければ、
目に見えるものしか見えないじゃないか。
文学を知らなければ、
どうやって人生を想像するのだ(アニメか?) 

 このくだりで一般の人が食いつくのは「(アニメか?)」の部分でしょう。これは、貧困な創造力しか持たない広告代理店の常套手段で、とりあえず何かを煽っておけば、怒った誰かが勝手に宣伝してくれるというものです。くだらない手ですが、ネットでの反応を見る限り、成功していると言えるでしょう。

 しかし、私が注目すべきだと考えるのは、「文学を知らなければ、どうやって人生を想像するのだ」という想像力の無さです。これこそまさしく純文学的な純粋性というものでしょう。文学に人生を捧げた者にとって、文学以外の手段で人生を想像することなど、想像すらできないのです。

 では、純文学的人生の求道者が想像する人生とは、どんなものなのでしょうか。

世の不条理。人の弱さ。魂の気高さ。生命の尊さ。男の落魄。女の嘘。
行ったこともない街。過ぎ去った栄光。抱いたこともない希望。

 なんという素晴らしい想像力でしょう! 超絶に貧困かつ、つまらない想像の数々! 十年一日のこどき珠玉の想像ばかりではありませんか! これは本当に21世紀に書かれたものなのでしょうか? この文章こそが日本文学の限界を体現していると言っても過言ではありません。日本文学がなぜダメなのか? それは、旧態依然としたつまらん想像力しか働かせてないからだということです。
 「(アニメか?)」に注目が行きがちなこの広告ですが、この箇所こそが白眉であると私は強く主張します。

読むとは想像することである。
(中略)
想像しなければ、目に見えるものしか知りようがない。
想像しなければ、自ら思い描く人生しか選びようがない。

そんなの嫌だね。つまらないじゃないか。

 自分に酔いしれたナルシズム溢れる文章ですね。視野の狭い純文学的求道者らしい高揚感がよく表現されています。特に「そんなの嫌だね。つまらないじゃないか。」のあたりは、いかにも時代遅れのにわか文学馬鹿っぽさがにじみ出ていますね。このセンスは70〜80年代くらいのものですよ。

 想像の原動力としてなら、別に文学(読むという行為)でなくとも、実体験でも伝聞でも音楽でも絵画でもなんでも良さそうですけど、純文学を求道する者には文学以外は「見えていない」ので、当然このような表現になります。ファンタスティックです。

 あと、「想像しなければ、自ら思い描く人生しか選びようがない。」は、何を言いたいのか、書いた本人もよくわかっていないと思います。「思い描く」って、要するに「想像」じゃないですか。想像しなければ、想像した人生しか選びようがないって、わけわからんですよ。

繰り返す。人生に、文学を。
(一年に二度、芥川賞と直木賞)

 もちろんこれは日本文学振興会の広告なので、芥川賞と直木賞を宣伝しなければなりません。お茶目ですね。
 しかし、「人生に、文学を」とか言っている人が、芥川賞と直木賞しか取り上げないのは、実にリアリティ溢れる表現だと言えるでしょう。実際、文学を持ち上げている連中に限って、ろくに文学を知らないんですよ。

 この文章を考えたのがどこぞの広告代理店の文学かぶれの誰かなのはわかりますし、そういった連中がこのような恥ずかしい文章を書くこと自体は何の驚きもありません。
 問題は、この広告を、よりにもよって日本文学振興会が打った、ということです。どこぞの新聞社が打った程度ならまだマシだったのですけど、芥川賞をはじめとする大きな小説賞をいくつも主催する団体が、こんな酷い文章を使ったのですよ。冗談じゃ済みません。
 こんな広告を打ったら、日本文学振興会が主催する各賞のレベルもこんなものだと思われてもおかしくないじゃないですか。ひいては、文学そのものが「この程度」と思われて、ますます読者が減り、業界全体の首を絞めることになると思うのですけど。
 そもそも、あの広告が冗談なのか本気なのか、判断に苦しみます。結局、日本文学振興会という団体は、旧弊で偏狭でステレオタイプな純文学を信奉する連中だと認識していいのでしょうかね? まあ、以前から、ある程度旧弊な思想に凝り固まっている印象は受けていましたけど、この文章に何の疑問も抱かないくらい末期的だったとなると、さすがに驚きます。こんな連中が「文学」を標榜するから、文学嫌いが増え、日本文学はダメになるのです。

 なお、イベントそのものは、大学に一般人を集めて、そこで作家や批評家と「本を読むこと」について語る、というイベントだそうで、たぶん奥泉光といとうせいこうがやっている文芸漫談みたいなものなんじゃないかな、と思います。だとすれば、企画そのものは悪くないと思うのですが……久々に大学に行って、文学についてあれこれ考えるのも悪くないかな、と思ったりもするのですけど、主催している連中の文学観がコレだとなると、ものすごく行きたくなくなるのですけど。

[2016.8.4 追記]
 この自滅的な広告は意外と長く掲載されていましたが、本日サイトを確認したところ、取り下げられていました。広告取り下げにあたって、「(アニメか?)」にアニメを侮辱する意図は無かったとする、文学を振興する団体としては恥ずかし過ぎる反省文が添えられていましたが、文学を侮辱したことに対しての反省は書かれていませんでした。たぶん、そういう抗議はなかったのか、あったとしても声が小さかったのでしょう。文学畑の連中の多くは、抗議する代わりにネタにしたのだと思われます。もしくは、抗議は受けたけど、その点については反省しないことにしたのか。

 これに関連した記事がBuzzFeed Japanにて掲載されていましたが、それによると、このコピーの採用を決めたのは文藝春秋の副社長だったとのこと。一人で決めたのかどうかまではよくわかりませんが、せっかく自社で編集者を雇っているのだから、何人かに意見を求めた方が良かったと思いますね。まともな編集者だったら、あのコピーが使い物にならないことくらいは見抜けたでしょう。
 また、直接電話で抗議したきたのは4件だったそうです。

 記事によると、この副社長は「文学は狭いものではない。芥川賞の対象となる純文学だけでなく、ミステリー小説や翻訳物も文学。イベントには現在ライトノベルは入っていませんが、ライトノベルも含めて、いろいろなものが文学です」とコメントしたそうですけど、本当にそう考えていて、あのコピーに疑問を抱かなかったとしたら、よほど読解力が無いのか、もしくはろくにチェックしなかったかでしょう。この副社長にこそ、ちゃんとした文学知識が必要でしょう。人に薦めている場合じゃない。
 でも、このコメントが本心ではないことは、新しく掲載された文章に表れています。「文学の現在は、かつてほど良好なものではありません。将来も決して明るいと言える状況にはありません」とあるからです。本当にライトノベルやアニメも文学に入ると思っているなら、こんな悲観的な現状認識をするはずがありません。

 まともな文学知識があって、かつ、アニメやライトノベルもチェックしている人だったら、実は文学的要素の混ざった作品が結構売れているという事実にはとっくに気付いているはずです。つまり、娯楽性と文学性を高いレベルで融合させられる人がいて、その人の作品をちゃんと宣伝してやりさえすれば、いくらでも売れる余地はあるんですよね。

 日本文学の問題は、娯楽性と文学性を分断したことに尽きます。純文学論争で探偵小説をくだらないと切り捨てた瞬間から、すでにずっと最悪なのです。
 そこに気付かないから、あのコピーを読んでも変だとも思わないのです。あのコピーは日本文学のダメな部分を凝縮したような、もはや自虐的なギャグとしか思えないようなものでしたからね。

[2016.8.6 追記]
「本当にライトノベルやアニメも文学に入ると思っているなら」と書きましたけど、よく読んだら、アニメも文学だとは言ってないですね。

 アニメも文学なのか? という点については、アニメが文学に含まれる、というよりは、アニメを構成する一要素として文学が含まれている、といった方が正しいでしょう。演劇や映画やアニメを制作するには脚本が必要で、脚本は文字で書かれますからね。
 そう考えると、文学の活動領域は実はかなり広くて、しかも重要な役割を担っていることがわかるかと思います。

 そこに気付かない……というか、どうしても純文学にこだわりたがるのが、文藝春秋の文藝春秋たる所以でしょう。かつては文藝春秋と並んで純文学臭かった新潮社ですら、娯楽性と文学性の両立を目指して「新潮文庫nex」なる試みを始めたというのに(ライトノベルレーベルの立ち上げ、と行かないところが新潮社らしくはある。ただ、現状だと中途半端というか地味なレーベルになっているので、もっと恥も外聞もかなぐり捨てて無茶苦茶やるようなレーベルに育てないと難しいと思う)。『群像』の講談社と『すばる』の集英社は漫画の大手でもあるので、あんなコピーが採用されるわけないですし。
 そう考えるとあのコピーは、文藝春秋の体質的な問題を浮き彫りにしたものだったとも言えるかもしれませんね。

[2016.8.6 追記]
 文藝春秋のサイトに、「はじめての文学」シリーズの紹介ページがあるのですが、その紹介文が、今回の「人生に、文学を。」の原型のような文章でした。

http://www.bunshun.co.jp/book/hajimete/
読書の楽しみ、とりわけ小説を読む楽しみが、
人生をいかに豊かなものにしてくれるか──
それを知らない若者たちが増えています。
ゲームやビデオ、インターネットなど……楽しみの選択肢は飛躍的に増えました。
たしかに映画や音楽、美術や演劇も人生を豊かにしてくれます。
しかし、文学は文学にしかなしえないやりかたで、感じさせ、考えさせ、
ひとそれぞれの人生と精神に深く関わってきました。

 この文章なら誰も文句を言わないでしょう。まあ、本当に小説を読む若者の数が減少しているかどうかは議論の余地がありそうだとは思いますけど、それはともかく。
 つまり、自社で抱えている編集者に今回のプロジェクト用の文章を書かせておけば、このレベルで仕上げてくれたはずなのに、わざわざ電通に依頼して酷い文章を作ってもらったわけです。

 ここからわかることは、さすがにあのコピーは、文藝春秋の基準からいってもあり得ないレベルの酷さだった、ということです。そりゃそうでしょうけど。 

↑カテゴリ別表へ


2016.6.29 Steam版"Angry Video Game Nerd Adventures"

 Steam版"Angry Video Game Nerd Adventures"をプレイ。

 このゲームをプレイするにあたって、私は360コントローラーを新調しました。というのは、今まで使っていたコントローラーはアナログスティックがヘタっているらしく、操作にノイズが入るんですよね。"Battleborn"などのゲームでは問題無く使えるのですけど(遊びを大きく取っているのか?)、ドット単位でのシビアな操作が求められるゲームでは致命的な誤操作を引き起こしてしまいます。
 実際、私は初回プレイの際、チュートリアルステージの最初の穴で6回も死にました。最初私は、自分がヘタなのか、もしくはこのゲームの操作性がクソなのかを疑ったのですけど、結局、もっと現実的な可能性としてコントローラーを疑い、買い換えてみたところ、問題が解消された、ということです。
 ただ、結局、その壊れたコントローラーで初回はクリアしたんですけど。あまりにキツかったんで、途中で難易度をノーマルからイージーに変えたんですけど、本当は難易度を変えるのではなく、コントローラーを変えるべきだったという。

 本作は、怒れるゲームオタクが主にクソゲーをレビューする"Angry Video Game Nerd"を題材に、8ビット風横スクロールアクション化したゲームです。AVGNのゲーム自体はインディでたくさんあるのですけど、このゲームは本人が出資しているそうで、半分くらい公式ゲーということになります。
 ゲーム画面下に英語でセリフ等が表示されますが、基本的には下品なセリフで怒っているだけなので、特に読めなくても問題ありません。なにかにムカついてるんだなと思っておけばだいたい合ってます。

"AVGN"でレビューされたゲームや、登場したキャラクターを中心に、様々なゲームのパロディネタが満載ですが、元ネタを知らなくても、普通の昔懐かしい8ビット風横スクロールアクションゲームとして遊べます。まあ、全体にやや下品ですけど。

 ジャンプや射撃、敵やトラップの配置、好きなステージから攻略できるなどといった基本的な仕様は『ロックマン』っぽいです。そして、難易度ノーマルでは3回ヒットで死亡なので、ライフ制はほぼ『魔界村』。また、ステージ内に隠れているキャラクターを見つけることで、そのキャラが使えるようになります。
 あとは、BGMも全体に『ロックマン』を意識した感じのものになっている印象です。

 ステージ数は9。『ロックマン』形式で、最初に表示されている8つは好きな順序で攻略でき、8つともクリアすると最終ステージが登場します。
 各ステージは、AVGNでレビューされたゲームのパロディ的な内容になっています。『悪魔城ドラキュラ』風ステージなどはまあ普通なんですけど、ATARIのエロゲーステージという酷いのもある(笑)
 ゲームボリュームは、ノーミスで速攻クリアすればかなり短いですが、普通にプレイすれば、だいたい1時間30分から3時間くらいだろうと思われます。

 難易度は、イージー(ライフ6、残機無限)だと簡単ですが、ノーマル(ライフ3、残機30)になるとやや厳しくなります。30機もあるんですけど、死にゲーで30機というのは意外と心許なくもあります。オールドスクールは、難易度自体はノーマルと同じですが、残機15のコンテニュー5回となり、ノーマルをほぼノーミスでクリアできる腕前がなければ無理に。オールドスクールをクリアするとさらにキツい難易度が登場するそうですが、敵が強くなっているのにライフが2に減ったりしていて(つまり真の『魔界村』仕様に)、だんだんクリアさせる気がなくなってきます。ハードコアなゲーマーがやり込む要素もあるということですね。
 ライフについては、このゲームは即死トラップが多いので、ライフなんか3でも6でも大差ないだろと最初は思うのですけど、ライフが多いとゴリ押しできる場面が結構あるんですよね。特にボス戦はかなり楽になります。
 また、仲間を見つけると、やはり楽になります。特にギターガイはサイン波状に障害物貫通弾を撃てるので、壁越しに敵を倒したり、敵と軸をずらしながら攻撃できるので、かなり強力です。いくつかのボス戦では、ギターガイの有無でだいぶ難易度が変わります。ギターガイ以外のキャラは、いてもいなくてもそこまで大きな差は無いです。
 あと、このゲーム自体は決してクソゲーではないんですけど、クソゲーにありがちなムカつくトラップを多数採用しているので、プレイしていると結構腹の立つことがあります。もっとも、ネタ採用元のクソゲーの酷さに比べたらだいぶマイルドになっており、理不尽すぎるということはないですが。
 ドット絵をはじめとしたゲームスタイルは8ビット時代さながらですが、難易度はわりと現代的だといえます。クリアするのにそこまで多大な努力や苦痛は必要ない。とはいえ、現代のカジュアルなゲームほどには甘くもないですが。

 総評としては、クソゲーレビューが元ネタになっているだけあって、意図的にクソゲーっぽくしてあるゲームではあるのですが、それにも関わらずゲームバランスはいいです。やや難しめですけど、クリアできないほど酷くはない。
 基本的にはファンゲームなので、AVGNを知っている人なら楽しめる内容となっています。ですが、知らなくてもファミコンゲーをプレイしたことのある人なら、わかるネタ満載なので、それはそれで楽しめるんじゃないかと思います。もちろん元ネタを知らなくても、普通に横スクロールアクションゲームとしても遊べるかと思います。
 ただし、現代のゲームほどのボリュームを期待してはいけないことは注意。


"II"の方もプレイしたので、ついでに。
 無印との違いは、ステージ構成が『ロックマン』から『マリオ3』風に変化したこと。全部で5ワールドあり、1ワールド4ステージ構成。そのうち1ステージはボスステージなので、実質3ステージです。全ワールドをクリアすると最終ワールドが出現しますが、このワールドは2ステージのみです(ただし、ここのステージ1は他のステージより長め。前作のステージくらいはある)。
 仲間がいなくなった代わりに、ステージ上で装備アイテムを拾うことができ、それによって能力が増えるようになりました。キャラの切り替えの手間がなくなったのはいいことといえる。
 アクションに関しては、壁張り付きが可能になり、『忍者龍剣伝』っぽくなっています。また、ジャンプや移動といった基本的な操作性も、前作より若干良くなっています。より遊びやすくなった。
 その他、今作では、前作から出演の要望が高かったと思われるNostalgia Criticが登場します。『ロックマン3』のブルース的な立ち位置で出てくるのですが、ちっとも強くないんで、やや肩すかし感はあります。
 BGMは、前作の『ロックマン』っぽい感じで通していたのと異なり、今作はワールドごとに曲の雰囲気が大きく異なります。

 難易度については、一応クソゲーのオマージュということで、前作同様、クソトラップもあるにはあるのですが、今作はレベルデザインや敵の配置などが洗練されたため、前作よりもムカつく局面は激減しています。そのことは「良くなった」と言うべきなんでしょうけど、そのせいで難易度がかなり下がってしまい、簡単になりすぎた印象があります。前作をクリアできる腕前があるなら、本当にキツイのは最終ステージだけでしょう。

 ゲームボリュームは、実際には前作と同等かそれ以上あるはずなのですが、難易度が下がったことと、ワールドが前作の9から6に減ったことで、ボリュームが前作よりもないような印象を受けます。制作が大変でも、ワールド数は8つは用意した方が良かったかもしれない。

 ゲームシステムに関して、ひとつどうしても気に入らないのが、今作は中ボスやボスが喋るときにゲームの進行が止まるようになったことです。
 チュートリアルで、いちいちダイアログが出る度に進行が止まる点については、クソゲーのオマージュということでまだ許容できるのですけど、本編中に度々ダイアログが出て進行が止まるのは本当に勘弁して欲しいです。"AVGN"では、さんざん『ドラキュラII』の「ソシテ センリツノ ヨルガ オトズレタ」がクソだと言ってるじゃないですか。実際クソですよ。
 特に最悪なのが、エリア52のボス戦では、ボス戦が始まるときだけでなく、ボス戦の真っ最中にダイアログのせいでゲーム進行が中断されることです。なんでよりにもよってボス戦の真っ最中というこのタイミングで進行を止めるのか。少なくともこの点だけでもアップデートで修正してほしい。

 その他の点としては、隠し装備は隠さないで、各ワールドのボスを倒したら手に入るようにした方が、演出的に『ロックマン』っぽくて良かったような気もします。
 この辺は前作でも気になったところなんですけど、前作はワールドが8(最終ステージは除く)なのに対して仲間は3人しかいなかったので仕方なかったところがあったと思うんですよね。しかし、今作はワールドが5つで装備も5つなのだから、ボス撃破報酬にしても良かったように思う。


[2016.7.1 追記]
 無印ラスボスの第三形態で、安全地帯らしきものを見つけました。もしかしたら周知の事実なのかもしれませんが、一応書いておきます。
 左端の、ビールが置いてあるブロックから数えて3つめ(つまりは2つめのピンクブロック)の上に立つと、隣のブロックが傘になって、ラスボス第三形態の攻撃を防いでくれます。
 もしかしたら完全な安全地帯ではなく、パターンによっては当たるかもしれませんけど、少なくとも私がやった限りでは、攻撃は当たりませんでした。

↑カテゴリ別表へ

2016.6.22 今年のル・マン24時間でにわかに芽生えたファン心理の真相

 私はスポーツを観るとき、どこも応援しないで観ています。強いて言えば、いいプレイそのものを応援している感じです。私は見応えのある試合さえしてくれれば、結果はどうでもいいんですよね。
 そのため、特定のプレーヤーやチームを応援して観戦する人の気持ちが、推測することはできても、実感としてはよくわかりません。

 しかし、今年のル・マン24時間の最終ラップで、首位を走っていたトヨタ5号車が止まったのを見て、私はなぜだかテレビの電源を切ったんですよね。
 切った後で、考えたのです。私はなぜ電源を切ったのかと。しばらく考えて、理解したのです。これがファン心理というやつなのかと。巨人が負けたらすんごく不機嫌になるとか、逆に勝ったら気前がよくなるとか。

 私は本来どこも応援してないから、当然トヨタファンでもないんですけど、中継の実況、解説者達は当然、どうしてもトヨタに肩入れしがちな言動になるんですよね。どうやらそれに巻き込まれて、にわかにファン心理が根付いたらしい。まあ長い中継番組の間、ずっとトヨタを応援する言説の中にいたら、感化されても不思議ではないでしょう。
 応援? していたチームが負け確定したからって、そこで観るのをやめるようなことは初めてだったんで、自分のことながら、なかなか不思議な体験をしました。

 ……とまあ、私もついに人並みなファン心理というやつが理解できたぞと喜んでいたんですけど、しかし、もっとよく考えると、実はファン心理ではなかったような気がしてきました。だいたい私は別に、トヨタが負けたことに対して、悲しくも悔しくも残念でもないんですよね。そんなのファンじゃないでしょう。
 そこで、もっと詳細にあのときのことを思い出してみると、だいたいこういう感じだったのです。

「え? なんでポルシェはピット入るの? 勝負放棄? ガソリン足りなかった? どっちにしろ事実上の敗北宣言じゃないか。つまらんなあ。せっかくなんだから最後まで戦えよ。
 ええっ、5号車ここに来てトラブル? いや、いくらつまらんとはいえ、その展開はもっとつまらんぞ。首位が自滅して、敗北宣言した奴が勝つの?
 というかポルシェ陣営喜び過ぎだろ。こんな勝ち方でいいのかよ。だいたいまだゴールしてないだろ。同じことが自分達に起こらないってなんで確信できるんだよ。もういいよこんな馬鹿なレース」

 要するに、事実上ポルシェがレースを諦めた瞬間にトヨタがトラブり、ポルシェ陣営がまだゴールもしてないのに大喜びしている様を見て、ル・マン24時間の首位争いの結末としてはあまりにも酷い光景で見るに堪えなかった、というのが実情のようです。
 たぶんアウディだったら、5号車が止まったのを見たら、かえって緊張の面持ちをしたと思うんですよね。自分達はゴールできるのかと。

 もちろん、実際ポルシェがヌルかったかというとそんなことはなく、そもそもトヨタにプレッシャーをかけて1-2を崩し、同一周回で2位に付けていたからこそあのチャンスを拾えたのだから、そのこと自体は優勝に値するとは思うんですよね。最後のピットインが何だったのかはわからないですけど。
 また、5号車のトラブルについても、別にトヨタが間抜けだったとも思いません。トヨタの敗因はあのトラブルではなく、1-2体勢を崩したことの方が大きいでしょう。ああいう不運があり得るからこそ、耐久レースでは複数台エントリーするわけですからね。
 ただまあ、今から振り返っても、ゴールしてないのに大喜びするポルシェ陣営は、やっぱりヌルいなあとは思いますけどね。

[2016.7.21 追記]
 ポルシェの謎のピットインは、タイヤのスローパンクチャーが原因だったそうですね。だったら、あの喜びようもわからんでもないです。
 あと、5号車はゴールライン手前で止まったら良かったんじゃないの? という点ですが、仮にゴールライン手前で止まって、ポルシェがゴールした直後にちょろっと走ってゴールしても、結局完走とは認められなかったそうです。

↑カテゴリ別表へ


2016.6.16 Steam版"Antichamber"

 Steam版"Antichamber"をプレイ。
 詳しくはよく知らないのですけど、このゲームはインディゲームで、Steamでたまたま見かけて、気になったので購入したものです。
 英語のみで日本語訳なしですが、各所に人生訓的なテキストが散在している程度なので、読めなくても支障はありません。読めた方が味がありますけど、それぞれのテキストは短く、使われている単語もわりと被っているので、いくつか調べるだけでいいでしょうし、自動翻訳にかけても、だいたい意味がわかると思います。
 また、コントローラーには対応していません。コントローラーでプレイしたい場合は、マウスやキーボードの操作をコントローラーに割り当てられるソフトが必要です。

 ゲーム内容としては"Portal"タイプの主観視点パズルゲーで、謎の空間をうろうろしてパズルを解いていくゲームとなっています。雰囲気としては映画の"Cube"に似ています(遺憾ながら続編クソ映画の"Cube2"の方に似ている。なお、別にグロい即死トラップとかはありません) 。
 インディゲームということもあって、グラフィックはシンプルですが、白黒原色を使用した色使いで、独特な雰囲気を醸し出しています。

"Portal"や"The Talos of Principle"と異なる点は、このゲームの空間がだまし絵的にねじ曲がっていることです。ただ、無秩序に無茶苦茶なわけではなく、一定の法則はあって、プレイし続けているとだんだん慣れてきます。
 また、"Portal"みたいにステージクリア型ではなく、"The Talos of Principle"のようにパズルの在処がはっきりしていることもなく、迷路の中をうろうろしながら徐々に行けるところを増やしていく、アドベンチャーゲームの要素が強いゲームになっています。
 ステージクリア型だと、解けないパズルがあると、延々それをやる羽目になりますが、このゲームの場合、ダメだったら別のに挑戦すればいいので、そういう意味では煮詰まってどうしようもなくなることはあまりないです。ただ、最初に見つけた時点ではクリア不可能なパズルも存在するので、見切りを付けるのが大事になります。
 迷路にはなっていますが、各パズルにはファストトラベルできるので、やりたいパズルのところに戻れないとか、そういうことはないです。ただ、そこにあるはずのパズルが見つからないことはわりとある。
 なお、特にストーリーはないです。変態企業にモルモットにされたとか、殺人公共事業迷路に放り込まれたとか、そういう設定はない。一応、申し訳程度の謎のエンディングはあるのですけど、深く考えない方がいいかと思います。

 パズルの難易度は、結構高いです。わかってしまえば簡単で、難しい操作をする必要はほとんどありませんが、ほぼノーヒントなので、わからないと本当にハマることも。
 ただ、このゲームで覚えるべきことは、ゲームをプレイしていると徐々に理解できるようにはなっているので、完全にノーヒントというわけではないですし、理不尽ということもありません。ただ、ヒントがヒントらしく存在しているわけではなく、罠などの別の形で出てくるので、プレーヤーが自分で気付く必要があるのですが。
 私はノーヒントでエンディングを見るところまでは行きましたが、いくつか未到達の場所が残っているみたいです。だいたい場所はわかっているのですけど、このゲームはパズルを解くのはともかく、探索をするとなると空間がねじ曲がっているので、なかなか厄介なんですよね。

 ゲームボリュームは、パズルをどれだけ素早く解けるかによって個人差が出てくるでしょうけど、だいたい8時間程度。解き方が解っていれば、たぶん1時間かからないでしょう。エンディングを見るだけなら解かなくてもいいパズルも結構あります。
 一度解けてしまうと、次やるときは簡単過ぎるので、繰り返しプレイできるゲームではないです。しかし、1周限りのゲームだと考えても、充分満足できる内容ではあります。

 感想は、シンプルだけど独特の味わいがあり、インディゲームにありがちな酷い難易度バランスということもなく、かなりよくできたゲームだと思います。
 メーカーのゲームとは違って人手をかけられないので、ストーリーや世界観などの部分で奥行きは出せていないのですけど、パズルとアドベンチャーという、ゲームの本質的な部分での完成度はメーカー製と遜色ありません。労力の突っ込みどころをよくわかっている。
 アドベンチャーゲームとしては、スリルのあるところはちゃんとスリルがあるし、新しい場所へ行ける喜びもきちんとある(余談ですけど、"SOMA"はこの辺が残念だったんですよね)。
 パズルゲームとしては歯ごたえがあり、ヒントの出し方も絶妙で、自力で解いた時の達成感があるようになっています。ただ、このパズルの体感難易度は個人差があるとは思いますが。カジュアルなパズルゲームを期待すると、あまりにもノーヒントで不親切な点に不満を感じる人もいると思います。

 特に優れているのが、ゲーム内の法則がきちんと統一されていること。インディゲームは独り善がりになりがちで、ゲーム内でのルールがころころ変わることがあるのですけど、このゲームはだまし絵的にねじれたレベルデザインになっていながら、きちんと統制が取れていて、理不尽なことがないんですよね。

 難点なのは、銃の使い方に慣れが必要なこと。基本的な使い方にはチュートリアルがあるのですが、発展的な使い方は使っている内に自分で修得しなければならないんですよね。で、正しい使い方がわからないと、ものすごく操作性が悪いように感じることがあります。マスターすると快適になるのですけど。私は特にLv3の銃の正しい操作方法を理解するのにしばらくかかりました。

 セールで安くならないかとしばらく待っていたものの、結局安くならなかったので定価1980円で購入しましたが、価格分の価値はあるゲームだと思います。

[2016.6.16 追記]
 全部屋の探索と、全壁画? の発見が完了しました。視点を合わせると移動する謎の紫ブロックについては、全部見つけたかわからないですけど。特に意味はなさそうですし。
 ひととおり再訪してみると、意外と見落としているヒントの矢印が出る場所が多いのに気付きました。

 最後まで残ったのは、"Many Different Angles"の隠し部屋と、"Breaking The Ark"から続く部屋です。わかれば簡単なんですけど、意外と盲点なんですよね。"Breaking The Ark"は煙突に入ることばかり考えていましたし(入るのは簡単なんですけど、あれのせいで本命の鍵に気付きにくい。さり気なく嫌らしい)、"Many Different Angles"はなまじ2つも扉開けパズルがあるせいで、それに埋もれて別の可能性に気付きにくくなっている。
 もしもっと早く"Many Different Angles"の隠し部屋を発見していれば、"Breaking The Ark"は簡単に攻略できたと思います。同じ手を使いますからね。実際は"Breaking The Ark"の方を先に解いたのですけど、それだとあの解き方は他の部屋で使わないので、なかなか気付かないんですよね。

 オールクリアまでにかかった時間は13時間でした。

↑カテゴリ別表へ


2016.6.11 Steam版"Battleborn"

 Steam版の"Battleborn"をプレイしております。
"Battleborn"は、"Borderlands"を協力プレイしやすくした感じのゲームとなっています。

"Borderlands"シリーズは毎回4人プラスアルファのキャラが使えますが、それぞれのキャラを使う楽しみは、少なくとも1周クリアする程度にはLvを上げないと味わえません。また、協力プレイの際にLv差がありすぎると、様々な不具合が起きる仕様になっていました。
"Battleborn"ではその辺を簡略化して、ストーリーモードの各ミッションが始まる際には全キャラLv1から始まり、速いテンポでLv10まで上がるようになっています。で、Lv5になったあたりで、そのキャラの真価をほぼ引き出せるようになっています。
 と同時にやり込み要素もあって、ミッションを何度もクリアすることで、そのキャラには経験値が溜まっていき、それに応じて新しいスキルがアンロックするようにもなっています。
 Lv上げが簡略化された代わりに、使えるキャラは25人プラスアルファとかなり多くなっています。

 ストーリーモードはミッションクリア型にしてライトにした"Borderlands"といった感じで、"Borderlands"が好きならなかなか楽しめると思います。
 ミッションは全部で8つ。各ミッションは30分程度ですが、ミッション8だけは60分くらいかかるので、全部でだいたい5時間程度のボリューム。難易度はノーマルとアドバンスドがあるので、2周して10時間といったところです。もちろん、いろんなキャラクターを使い込んでスキルをアンロックしていったり、ボスドロップアイテム獲得を目指して周回したりといった遊び方をするなら、繰り返しプレイすることになります。
 内容は、"Borderlands"みたいにステージを進んでボスを倒すだけのものもあれば、護衛や防衛ミッションなどもあります。
 最大5人で協力プレイできますが、ソロでも問題なく攻略可能。難易度は"Borderlands"シリーズ準拠だと考えていいです。最初は意外と難しく感じるけど、慣れると簡単な感じ。
 キャラによってはミッションの内容と噛み合わなくて難易度が上がりますが、一応どのキャラでもクリア可能なのではないかと思います。
 ただ、やはりボリュームが足りないですし、もう少しミッションに多様性があっても良いんじゃないかとも思います。追加DLCがあるらしいので、一応それに期待してみますが。

 協力プレイに関しては、"Borderlands"にあった協力プレイにまつわる諸々の問題は解消されていて、知らない人とでもわりと気軽にプレイできるようになっています。レアアイテムも、誰かが拾ったら全員が拾ったことになるため、取り合いになることもないですし。
 意図的にプレイを邪魔する人がいた場合、そのプレーヤーを排除することはできず、ゲーム進行に致命的な問題を起こしてしまいますが(一部に全員でボタンを押さないとゲームが進行しないギミックがあり、それをわざと作動させない人がいると、そこでゲームが進行しなくなる)、少なくとも日本サーバーでプレイする分には、そもそもプレーヤー自体が少ないので、その少ない中でわざわざゲームを妨害しようという人はそういないはずです。回線の不具合か何かで一時的に動かなくなった人はいましたが、意図的にゲームを妨害する人には、少なくとも私は出会ったことがないです。とはいえ、なにがしか対策を講じて欲しいところではあります。
 あと、プレーヤーが少ないからか、Steam版でダウンロード地域を日本にしてプレイしていた場合でも、日本以外のアジア各国のプレーヤーと当たることがあります。そのため、必ずしも日本語が通じるわけではないので、その点は注意する必要があります。ただまあ、プレイ中にチャットする必要は普通ないので、そのことで支障が起きることは滅多に無いですが。
 現在、日本サーバーにて野良で5人フルパーティで遊べることはまずなく、たいがいは2人プレイになります。3人集まれば良い方。とはいえ、絶対10人必要な対戦モードに比べたら、まだ遊べなくもない環境だと言えます。
 2人プレイだと、ほとんどソロと変わらないっちゃ変わらないのですけど、それでも意外と楽しいです。このゲームは結構、金稼ぎや経験値稼ぎ、レアアイテム狩りなどの理由で、同じミッションを何度も周回することになるのですけど、ソロでひたすら周回するよりは、誰かしらと一緒にやった方が面白いです。知らなかった宝箱の位置を他の人が知っていたりなどの、意外な発見もあったりしますし。


 なお、このゲームにはオマケで対戦モードが付いています。メーカーや一般的な認識としては、たぶん対戦モードの方がメインなのでしょうけど。
 私はこのゲームのオープンベータの際、ストーリーのソロプレイしかしていません。ソロプレイが楽しいから買ったのです。だから、私にとっては対戦モードはオマケです。

 対戦モードは、FPSには良くある、陣地を取り合うキャプチャーモードの他、ミニオン(NPCロボット兵隊)を率いて敵陣のセントリー(ボスロボット)を倒しにいく「侵入モード」、ミニオン(NPCロボット兵隊)を敵陣に送り込む「溶解モード」があります。このふたつはタワーディフェンス+FPSといった感じの仕様になっており、知っている人なら"Monday Night Combat"だと思えばほぼ間違いないです。MNCはTPSですし、ゲームデザインやレベルデザインなど、全体的にMNCの方がよくできていると思いますが。
 MNCを知らないなら、"Team Fortress 2"とも似ています。個人成績よりもチームの勝利が大事で、わりとカジュアルな多人数対戦FPSとなっています。
 ただ、"Battleborn"の対戦モードは、MNCやTF2と比べると大味なんですよね。マップは各モード2つしかなく、そのうち一つは不人気で滅多に選ばれず(実際つまらんので仕方ない)、選ばれる方もレベルデザインが単純で単調。
 ストーリーモードでは金を突っ込んだら起動するギミックや、特定のアクションによって開く扉、ジャンプ台など、いろいろギミックがあるのですけど、そういうのを対戦モードにも取り入れたら良いのにと思うのですが。金を突っ込んだら一定時間ミニオンの別ルートが開くとか。
 とはいえ、プレイ可能キャラは個性的なのが25人もいるわけで、それによって一般的な対戦FPSにはない、複雑さというか、雑多さみたいなものがあるのも事実です。そういう、大味かつ雑多な感じは、"Borderlands"プレーヤーなら琴線に触れるところがあるかもしれません。

 あと、このゲームには降伏投票のシステムがあるんですよね。過半数の人が降伏に賛成したら、その時点でゲーム終了。おかげで、ちょっとでも不利になったらすぐに降伏投票を始めて、通らなかったら怒り出して無気力プレイしたり抜けたりする人が結構います。
 回線落ちしたプレーヤーがいて圧倒的に不利とか、相手が故意にとどめを刺してこなくて無意味にゲームを引き延ばしているなど、特殊な状況下でゲームを強制的に終了させるシステムがある、ということならともかく、単に不利だから降伏投票ができるような対戦ゲームは、その時点でクソゲーだと私は思います。
 しかも、Gearboxの開発者と同じチームになったことがあったのですけど、その人はチームが不利になったときに率先して降伏投票を始めて、チャットで「なんで降伏しないの?」などと言い出す始末なのです。開発者からして不利になった途端に放棄したくなるほどつまらんわけですから、対戦モードを目当てにこのゲームを買うのはやめた方がいいでしょう(ちなみに侵入モードで、降伏可決時は50-100で残り約10分。回線落ちしたプレーヤーはなく、1体目のセントリーのいる広場に何回か中央のスロールを送り込まれている状況だった。逆に言えば、相手も最終防衛ラインを崩す決定打を打てていなかったといえる。最終防衛ラインが崩れた後に降伏投票を始めるなら、それにしたって開発者がすべきことではないとはいえ、まだわかるんですけど、一応逆転もあり得る状況で開発者が降伏投票を始めるのだから、要するにそれだけつまらんゲームだということです)。
 そもそも、すでにもはや日本サーバーでは対戦が成立せず、アメリカサーバーでも結構待たされることがあるくらい過疎っていますし。

 開発者ですら不利になったら最後まで遊べないようなつまらん対戦モードに力を入れる暇があったら、ストーリーモードをもっと強化してくれたらいいのにと、ストーリーモード目当てで買った私は思います。もしくは、不利な状況でも楽しめるような仕様を考えるか。
 たとえば侵入モードは、どちらもセントリーを倒せなかったら引き分けになるのであれば、少なくとも今よりは不利な状況でも抵抗する意味が生まれますよね。チームポイントが1ポイントでも劣っていたら負けというシビアな判定のせいもあって、途中放棄したがるプレーヤーが増えるのです。もしくは、残ったポイントに応じてクレジットが加算されるけど、降伏したらゼロとか。
 あと、このゲームは途中参加ができないんですよね。対戦を始めるには絶対10人必要で、その後誰かが抜けたら抜けっぱなし。そのくせ抜けたプレーヤーには一切ペナルティがありません。抜けてもペナルティなしにするなら途中参加ありにすべきですし、途中参加なしなら、抜けたらペナルティを課すべきでしょう。

 ともかくこのゲームの対戦モードは、競技性の高いゲームにしたいのか、みんなでわいわいやるゲームにしたいのかが中途半端なことになっていると思うんですよね。両立を目指して共倒れした印象がある。おそらく、競技性を高くするのはこのゲームのテイストに合っていないでしょうから、もっとカジュアルな方向に振った方がいいんじゃないかと思います。

 でもまあ、私はもともと対戦モードが無くても構わなかったので、別にどうでもいいんですけどね。全く期待してなかったわりには結構遊べたので、私としては満足です。ただ、対戦モードで特定条件を満たさないと解禁しないロア(やり込み要素のひとつ)がある点だけは困りものですが。事実上、解禁がほぼ不可になっているロアもありますし、全部ソロでも解禁できるようにならないかね。


[2016.6.11 追記]
 そういえば、奇しくもGearboxの開発者が敵チームにいる侵入モードの試合があって、その際は序盤に30-100くらいまで押し込まれて、一度は降伏投票に私が珍しく賛成票を投じたのですけど、そこからなぜか徐々に盛り返して、30-15くらいで相手が降伏して終了しました。
 相手チームでなにがあったかは知らないですけど、Gearboxの開発者達は、味方になったプレーヤーの気分を盛り下げるキャンペーンでもやっているのだろうか(笑)

[2016.6.18 追記]
 ダウンロード地域日本でギアの整理中、ついでになんとなく対戦モードでプレイヤー待ちをしてみたら、1回だけ侵入で対戦が成立しました。
 とはいえ、日本人は私の他に1人だけで、残り8人はオーストラリアとかニュージーランドとか、環太平洋寄せ集めメンバーでしたが。

 序盤、こちらにいいところは全く無く、押されっぱなしで、何度も2、3方向からセントリーを狙われたのですけど、なぜかセントリーは無傷のままという珍しい展開が続きました。普通、あの状況になったら、ちょっとくらいは削られるものなのですけど。敵側がキル数を稼ぎたくて、わざと手を抜いてるんじゃないか? とさえ思いました。
 いつもだったらこの辺で降伏投票が始まるものなのですけど、珍しく投票は始まらず、淡々と防戦を続ける。
 中盤、ついに1体目のセントリーが倒され、そこで防衛体制が崩れたために2体目にもダメージが入り、本拠地に敵がなだれ込んできたので、さすがにもうダメかと思ったのですが、なぜだかぎりぎり持ちこたえて、敵プレイヤーを同時に4人倒せました。
 そこでラッシュをかけて、敵セントリー1体目を撃破。ただ、そこから2体目を削れる体勢にまでは持っていけず、最終的には40-50で敗北しました。

 面白かったのは、最終的にチームのキル/アシストスコアは173-174で1点差だったこと。中盤までは20-50くらいの差があり、私も普段にないくらい死んだので、キルスコアは圧倒されるだろうなと思っていたのですが、結局キル数がデス数を上回っていたのは、お互いのチーム1人ずつだけでした。相手がチームオーダーとしてキルスコア狙いで手を抜いていたわけでもなかったようです。もしくは、序盤の優勢でこっちを舐めすぎたのか。
 あと考えられるのは、敵のオスカーがキル数稼ぎばかりしていて、セントリーを狙わなかったか。ステルスでこっちの陣地の影に隠れていて、瀕死で戻ってきたのを何度か倒していましたから、そういうことばっかりしていてセントリーにエアストライクを撃たなかったのかもしれない。

 クラスベースでLvの概念がある対戦ゲームの場合、Lvが上がってくると形勢が変わってくることもあるので、序盤に不利だからといって試合放棄するのはもったいないです。
 それはそうなんですけど、今までの試合では、プレイヤーが劣勢に我慢できないことが多かったのですよね。開発者ですらそうでしたし。勝てそうな試合で降伏させられたことも何度かありますし、これから厳しくなりそうだなあと思った矢先に相手が降伏したこともよくありました。
 それが、ずっと押されっぱなしの試合で誰も文句を言わず、誰も降伏しようとせずに最後まで戦ったのは意外でした。
 まあ、これだけ過疎っていてもプレイしている人達ですし、ダウンロード地域が本国のままでは対戦が成立すること自体が少ないから、というのもあるかもしれませんけど。

[2016.7.9 追記]
 このゲームの最大の問題点は、対戦モードとストーリーモードを独立させなかったことにあると思います。

 対戦モードを遊ぶ側からしたら、レベルを上げないとキャラやスキルが使えなかったり、ストーリーモードを遊ばないとギアが手に入らなかったりするのはうっとうしいですし、ストーリーモードを遊ぶ側からしたら、ロアの達成に対戦モードのプレイが必須だったり、対戦モードの都合でキャラが弱体化したりギアが使えなくなったりするのは困りものです。
 たとえば、対戦モードにとって、初期のアラーニは癌でしかなかったわけですけど、ストーリーモードからすれば、扱いやすくて強いキャラの存在は必要なんですよね。

 だいたいCoDやHaloなど、対戦モードとストーリーモードのあるゲームの先輩達は、だいたいモードごとに独立しているじゃないですか。ストーリーモードを一切やらなくても対戦モードを遊ぶ際に影響はないですし、逆もそうなっています。で、ストーリーモードにある強力な武器が対戦モードにはなかったり、同じ武器でもモードによって性能が違ったりします。なぜあれを真似しなかったんでしょうね。

↑カテゴリ別表へ


2016.4.25 エド・ウッド監督の映画とティム・バートン『エド・ウッド』

『市民ケーン』の話の際にエド・ウッドについて触れたので、ついでにこちらについても言及。
 エド・ウッドは「(ハリウッド)史上最低の映画監督」の二つ名で知られる変な人です。もちろん、彼の作品より最低な映画はいくらでもあり、そういう映画は記憶にすら残らないので、どうあれ「最低映画」として記憶に留められている分、エド・ウッドの作品にはただ最低なだけではない何かがあるとも言えます。

 彼の映画の最低ぶりを示すのによく言われるのは、謎すぎる唐突な展開や、昼と夜がめまぐるしく変わる無茶苦茶な編集、資料映像の多用、チープすぎるセットや小道具などですけど、これらはダメな部分ではなく、むしろ面白い部分だったりします。そもそも、こうしたことは安物映画にはありがちで、エド・ウッドだけが無頓着なわけでもないですしね。……まあ、こういう超安物映画をハリウッドで作っていたというのが伝説の伝説たるゆえんなのかもしれないですが。

 しかし、エド・ウッドの作品が最低な理由はそうしたことではなく、長くて無意味なセリフやシーンにあります。説明台詞や無意味な会話が多くて、退屈な時間がものすごく長いのです。
 たとえば『プラン9・フロム・アウタースペース』なども、もし30分映画として作っていれば面白い映画になっただろうと思うんですよね。しかし、制作上の都合なのか何なのか、80分の尺で作った結果、中身がスカスカで退屈な時間の多い作品になってしまっているわけです。
 また、カメラもほとんどが固定か、ごく基本的な動きをするのみで、絵的にもつまらない。カメラワークか、その他の演出か、セリフか、役者の演技か、どこかひとつでも光るものがあれば、他がダメでもなんとか見られるのですけど、全滅しているシーンが結構あって、観続けるのが辛いこともしばしば。
「史上最低」なんて、どうせ大げさに言ってるだけなんだろ? と、ナメてかかったら地獄を見ます。

 それでは、観たことのある彼の作品について、ざっと感想を書いていきたいと思います。

 まずは『グレンとグレンダ』。もともとこの作品は、実際に性転換した人物の伝記的な作品を作ろうとしたらしいのですが、その当人から出演を断られたために、エド・ウッド自身の女装趣味をテーマにした自伝的作品へと切り替えて作られたそうです。
 この作品は『市民ケーン』をかなり意識しています。冒頭で女装趣味の男が自殺し、その件について精神科医がコメントをする、という形式で、そのまんま『市民ケーン』なんですよね。『市民ケーン』より偉いのは、他人を笑い者にしたりしないで、監督自身が女装趣味をカミングアウトしたこと。この点はどうあれ賞賛すべきだと思います。
 しかし『市民ケーン』的なストーリーの中に、なぜか「神」としてベラ・ルゴシが登場するからものすごく変なことになるわけです。
 ベラ・ルゴシは語り部として頻繁に登場するのですけど、はっきり言って、登場する必然性は全くありません。たぶん、ベラ・ルゴシが出演してくれることが決まったので、急遽役どころを作って無理矢理突っ込んだんじゃないかと思えるような作りです。では、ベラ・ルゴシのシーンはダメなのかというとむしろ逆で、ベラ・ルゴシが無意味なタイミングで謎なセリフを鬼気迫る迫力満点の演技でやってのけるからこそ、この映画はカルト的異彩を放ち、ダメ映画からバカ映画へと昇華しているのです。
 面白いことに、この映画におけるベラ・ルゴシの演技は、彼のキャリアの中でも最高傑作かもしれません。当時のベラ・ルゴシは忘れられた俳優で、かつ麻薬中毒患者でしたが、若い頃では出せなかったであろう迫力があるんですよね。

 さらに変なのは、後半の方でシーンをいきなりぶった切って、唐突にSM(?)シーンが10分ほど入ること。どうやら、エロいシーンを入れて欲しいという要望が上からあったり、尺が足りないといった制作上の都合があって無理矢理突っ込んだらしいです。基本的にエロくもなければ面白くもなく、クソつまらないのですが、なぜかベラ・ルゴシの迫力満点のどアップリアクションが度々入るため、それで笑えるのが救いです。

 ……これだけ読んだら結構面白いんじゃないか? と思えてしまうでしょうから言っておきますが、わりと頻繁に長々と退屈な説明セリフのシーンがあるので、それなりの覚悟はした方がいいです。
 ただ、この作品の説明セリフは、要するにエド・ウッド本人の女装趣味に対する思いの丈をぶちまけている内容なので、全く無意味だったり退屈だったりということもなく、比較的楽しめなくもない内容ではあります。少なくとも『プラン9』に比べたらずっとマシです。


 次は『怪物の花嫁』。ベラ・ルゴシがマッドサイエンティストとして登場する、『恐怖城』を彷彿とさせる映画! ベラ・ルゴシによって体裁を保っているのも『恐怖城』とそっくり(笑) ……と言ったら、ホラー映画ファンから怒られるのだろうか。でも『恐怖城』って、史上初のゾンビ映画ということと、ベラ・ルゴシ以外に見どころなくないですかね。
 ……というわけで『怪物の花嫁』についてですが、たぶんエド・ウッド監督の映画の中では一番マトモな作品だろうと思います。ベラ・ルゴシの出番が多いことで、それだけで体裁を保てている、という点も大きいですけど、ベラ・ルゴシの助手、「ロボ」役のレスラー、トー・ジョンソンやインコ(笑)などが、比較的いい演技をするんですよね。エド・ウッド基準ではありますけど。
 例によってつまらんセリフの羅列やつまらんカメラワーク(というか大して動かない)などの退屈要素はたくさんあり、クソ映画を見慣れていない人にとっては絶望しかない映画でしょうけど、クソ映画を観慣れている人の基準からすれば、意外と楽しめる程度の質はあります。
 繋がっているようで実は支離滅裂な展開、資料映像丸出しのクリーチャー(というか普通のタコが泳いでいる映像)や迫力ゼロのゴムダコに、役者が自ら絡まりながら叫んでいる映像など、失笑モノの展開がまあまああります。そういうシーンが目白押しだったらバカ映画として楽しめるんですけどね。
 まあ、私はインコの演技だけで充分満足です。エド・ウッドのことだからあのシーンも一発撮りなんでしょうけど、だとするとあのインコは素晴らしい演技したと言えるでしょう。


 次は『プラン9・フロム・アウタースペース』。UFOゾンビモノ。UFOでやってきた異星人が、支離滅裂な目的で死者を甦らせてみたり、存在しない謎兵器(将来地球人はそれを作るらしい)について地球人をお説教したりする反戦映画。

 ベラ・ルゴシを出演させたかったものの、彼が亡くなってしまったため、ありあわせのフィルムと代役によって無理矢理出演させるという離れ業をやってのけたのがこの作品の特徴と言えます。しかし、本物のベラ・ルゴシが登場するシーンは昼の墓場なのに対し、ニセルゴシは安物セットの墓場に夜のシーンで登場。そのせいで、ベラ・ルゴシが登場すると、昼と夜がめまぐるしく入れ替わります。しかも、ニセモノは顔を隠しているけどニセモノだとバレバレなため、下手をすると代役ということが認識できず、観ていて混乱します。

 この作品は、『グレンとグレンダ』や『怪物の花嫁』とは比べものにならないほど退屈なシーンが長く多く、クソ映画としても視聴難易度が高いです。宇宙人の謎挨拶や、宇宙人の支離滅裂な物言い、謎理論によって解説される謎兵器の仕組み、屋外だか屋内だかわからないセット、墓に引っかかってなかなか出られないゾンビ、どう見てもおもちゃの糸吊りUFOなど、突っ込みどころは満載で、そういうところは楽しめるものの、突っ込めるシーンとシーンの間の退屈なシーンに辟易する時間の方が長い。「史上最低」というのは言い過ぎにしても、基本的にクソ映画なのは事実なので、観るならそれなりに覚悟して観た方がいいです。


 最後に『死霊の盆踊り』。邦題がズルいために面白そうな印象を受けてしまいますが、実際は上っ面の設定だけホラーっぽいソフトポルノ映画で、おねーちゃんが裸でふしぎなおどりを踊るだけの作品。
 これはエド・ウッドは監督をしておらず、謎の人が監督をしています。そういうこともあってか、エド・ウッドの特徴である説明長ゼリフはあんまりありません。では、観られたものなのかというと……。
 この映画は、「正真正銘の史上最低の映画」として評価されることも多いですが、この手のソフトポルノ映画は腐るほどあって、この映画だけが突出して悪いということはないです。もちろん良くもなく、はっきり言ってよくある映画のひとつに過ぎない印象。
 どんなに酷い映画でも、エロいならそれなりに楽しめるだろう、と思うかもしれないですが、実際のところ、特にエロくもありません。素人丸出しのふしぎなおどりは、最初の何十分かはまあ観られるのですが(別に観てて楽しいわけでもないですが)、だんだん苦痛になってきて、最後の方になると「まだあるのか! もういいよ。早く終わってよ!」となってくる。私の場合、50分まではなんとかなったのですが、そこから残り40分はキツかったです。

 この映画はもともと真面目に観るモノではなく、背景やBGMとして流すのが正しい鑑賞法です。そういうわけで私も正座して観ていたわけではなく、別のことをしながら観ていたのですが、それでも後半はうっとうしくてしょうがなかったです。最後の20分はもう途中で切ろうかと思ったほど。
 たぶん実際に作品としても、前半の方は比較的マシで、後半は作りが粗いんじゃないかと私は思います。どっちにしても素人踊りが延々続くんですけど、後半の素人踊りは前半よりつまらない気がする。……どこがどうダメなのかはわからないですし、確認したくもないですが。


 私がエド・ウッドの作品で観たことのあるものは以上ですが、ついでに、エド・ウッドを語る上で欠かせない映画についても言及しておきます。ティム・バートン監督の『エド・ウッド』です。
 私は歴史的なことはわからないのでなんとも言えませんが、おそらくこの映画があるからこそ、エド・ウッドはこれだけ有名になったんじゃないかと思います。
 この映画は『グレンとグレンダ』から『プラン9』を製作するまでのエド・ウッドを描いた伝記的な映画で、エド・ウッドのチープなセットを見事に再現しているのが特徴です。特にオープニングのデキが素晴らしい。
 また、ベラ・ルゴシ役のマーティン・ランドーが神がかっていて、なんだか知りませんが本物のベラ・ルゴシにしか見えません。……そういえばこの人、TVドラマ『スパイ大作戦』で変装の達人ローラン・ハンドを演じてましたよね。

 この映画はなかなか罪な映画で、エド・ウッドの作品を実際に観たことがない人が観たら、エド・ウッドが「才能があるのに評価されない不遇の人」に見えます。時代に翻弄された、なんてかわいそうな人なんだ! ……と思って彼の映画を観たら、あまりの酷さにぶっ飛ぶことでしょう(笑)
 他にも、エド・ウッドの作品を観ている人と観ていない人で反応が変わるような仕掛けはたくさん仕掛けられていて、かなり凝った作りになっている作品だと言えます。ティム・バートン監督の力の入れようはすさまじいもの。
 たとえば、エド・ウッドが「どんどん脚本が良くなっていくよ」と言っているシーンがあるのですが、その「良くなっていった脚本の映画」を観たことがあるかないかで、このセリフの受け取り方は丸っきり変わります。観たことがないなら「エド・ウッドがんばってるな」くらいにしか感じないでしょうけど、観たことがあるなら「良くなった結果があれかよ。良くなる以前はもっと酷かったのか? むしろ悪い方向に良くしたんじゃないだろうな」などといったツッコミどころになるのです。
 特に強烈な皮肉になっているのは、ラストの『プラン9』のプレミア上映。『プラン9』なんかがあんな華やかなプレミア上映をしたわけがないので、あれは完全に架空のシーンですけど、場内では拍手喝采が沸き起こる一方、外はウソみたいなどしゃ降りなんですよね。エド・ウッドはオープンカーで乗り付けたのですが、帰るときにドアを開けると、車内に溜まった水が思いっきり流れ出してくる。で、「角を曲がったらすぐ止むよ」みたいなことを言いながら車に乗り込んで走り去るわけですが、この雨は見るからに「降らせてる」雨なんですよね。
 私は雨を降らせてるスタッフの姿でも映すんじゃないかと冷や冷やしながらあの一連のシーンを観ていたのですが、結局そんなことはなく終わったわけですけど、あのプレミア上映のシーンをモロにセット感丸出しにしたあたりは、ものすごく皮肉が効いていて、ティム・バートンらしいと思いましたね。
 そう思って注意して観ると、エド・ウッドがデートするシーンでも、観覧車が異常に速く回っていたりしますし、ベラ・ルゴシを車に乗せるシーンも昔の合成っぽいですし、ところどころ、わざと「作り物」感を出しているっぽいんですよね。

 額面通りに受け取っても面白い映画ですし、ティム・バートンらしい屈折した感じを楽しめる箇所もいろいろあって、そういうところでも楽しめる映画でもあります。夢を追いかける映画関係者を、応援しているようでも皮肉っているようでもあり、そのさじ加減が絶妙。

↑カテゴリ別表へ


2016.4.24 『市民ケーン』

 英国映画協会が10年に1度選ぶ、「批評家が選ぶ史上最高の映画」に長いこと君臨していた『市民ケーン』を観る。むしろ観てなかったのかよ。

「史上最高の映画」とはいっても、しょせんは映画批評家が選んだものであり、素人が観て面白い保証は全く無いわけですが、少なくとも技術的には優れたものがあるんだろうと思って、その点だけは期待して観ました。
 するとどうでしょう。ナレーションによる説明台詞の羅列と、つまらん映像資料的なものが延々と続くじゃありませんか。この時代の映画が、現代人の感覚からすればややかったるいことはある程度覚悟していましたけど、これは時代的なことを考慮してもダメ過ぎです。
 これのどこが名作なんだ、むしろ最低の映画と評されるエド・ウッドの『プラン9』と大差ないぞと思ったわけですけど、実は冒頭の10分くらいで流れるそのクソ映画的なシーンは劇中劇なのですね。
 この劇中劇が終わった後は、見違えるほどにカメラは動的になり、話のテンポも格段に良くなります。最初の10分がクソ映画並みに退屈だからこそ、そこから一気に動的になる映像とストーリーがより印象深くなるのです。私は最初観たとき、「最初の10分はわざとクソ映画にしてたんだな。策士家め!」と思ったのですけど、たぶんウェルズはそれを狙ったわけではないだろうと思います。

 この劇中劇は、新聞王ケーンの死亡についての報道と、その生涯について振り返る内容なのですけど、当時の人ならば、このケーンという人物が、実在かつ存命の新聞王ハーストをモデルにしていることをすぐに理解したはずです。存命の有名人を勝手に殺してニュースにしているのだから、当時の人にとってはこの劇中劇は面白かったはずです。ハーストのことを知らなかった私にはその面白さが伝わらなかった、というだけのこと。

 そういえば、この映画の監督であるオーソン・ウェルズは、ラジオドラマ『宇宙戦争』の制作者なんですよね。このドラマは生中継ニュース仕立てで火星人の襲来を描いたため、本物のニュースだと勘違いした人が結構いたそうです。

 ともかく、本編が始まると、さすが批評家受けするだけあって、これでもかと言わんばかりに多彩なカメラワークや、モノクロ映画ならではの影の演出を駆使して、やたらと凝った映像を見せつけてくれます。
 私は映画史に詳しくないので、どこからどこまでが正しいかは知りませんが、『市民ケーン』で使われているカメラワークの技術は、すでに他の映画で使われたことのあるもので、この映画が最初、ということはないらしいです。仮にそうだとしても、様々な技術を駆使して印象的な映像を作り出していることは事実で、現代から見ても古さを感じさせないのは見事です。
 あと、白黒映画ならではの影の演出が特徴的ですね。序盤でケーンが宣言文を読み上げるときに、脇の二人は普通に光が当たっているのに、中央のケーンだけ影になったりなど。現代の目からすればわざとらしく感じますけど、ちゃんと効果的に使われていて、印象に残るシーンになっているんですよね。

 ストーリーや構成に関しては、フィルム・ノワール的な印象を受けます。新聞王として君臨したものの、最後には没落したケーンが死の間際に残した「バラのつぼみ」という言葉が何を意味しているのかを調べるために、とある記者がケーンについて調べたり、インタビューするという形でケーンの生涯を回想するわけですけど、事件が終わったところから始めて、なぜその結末を迎えたか、という謎を追いかけるために過去へと遡る、というのは、フィルム・ノワールがよくやる形式です。
 私は「バラのつぼみ」という謎自体には惹かれるものがなく、そこにミステリー的な興味を感じることはできなかったのですけど(特に観客がこの言葉の意味を知りたいと思わせるような演出はできていないですし)、インタビュー形式で人物を回想するという構成そのものに魅力を感じます。
 登場人物の心理を直接描写するのではなく、他者から見たケーン、という客観的評価を積み重ねることで人物像を作り出すわけですけど、この形式だとひとつの物事をいろんな視点から捉えて、それぞれの立場からの評価を提示することができるので、作品が立体的になるんですよね。単一の視点から描かれるよりも深みのある作品になる。

 ただ、存命中の人物をモデルにして、勝手に殺してスキャンダラスな作品を作ってしまったことについては、いくら相手が悪人とはいえ、ダメでしょう。ハーストやマスコミを批判するために命を懸けてこの映画を作ったのならともかく、ウェルズはたぶん、自分がやっていることのまずさを理解していなかったと思うんですよね。映画を観る限りでは、単に面白いからハーストをネタにしただけなのだと思われる。ハーストをダシにして作ったこの映画が、ハーストのやっていることと同類だという自覚が、ウェルズにはおそらくなかったわけです。
 公開当時の1941年には、メディアリテラシーという概念自体が存在していなかったので、この点でウェルズを批判する気はないですが、現代において創作に携わる人は、この作品の技術的な面は参考にするとしても、倫理的な面については反面教師としなければならないでしょう。そういう意味でも重要な作品だと言えそうです。

 あと、興味深かったのは、エド・ウッドの『グレンとグレンダ』がモロに『市民ケーン』の影響を受けているとわかったことです。なんであんなわけのわからない構成にしたんだろうと思っていたのですけど、『市民ケーン』っぽくしたかったんですね。

↑カテゴリ別表へ


2016.2.29 Steam版"Witcher 3"

ネタバレ無し編

 Steam版"Witcher 3"をプレイ。"Fallout 4"の情報を集めていると、度々このゲームが比較対象に挙がっていたので、興味が出てきたのですよね。

 このゲームはポーランド産の客観視点RPGで、小説をゲーム化した作品のようです。原作小説はポーランド語で書かれており、1巻だけ日本語訳されているらしい。
 ポーランド産ゲームということで、スラヴ神話が多用されているのが特徴。人狼と吸血鬼の本家なだけあって、そういうのももちろん登場。また、複雑な事情のあるお国柄だけあって、なかなかダークでエグい世界観をしています。
 たとえばアメリカのゲームの場合、"Fallout"みたいに救いようのない世界でも、やはり正義というか大義名分が重要だったりしますけど、このゲームはもっと醒めていて、現実的というか露悪的なんですよね。あと、わりといろいろ下品なところがあったり、やたらウィスキーやらウォッカやらを飲んでいたり、海賊的精神がちらほら見受けられたりといったところも民族的なものなのでしょう、多分。
 また、ゲーム中で表現されている人種差別や民族・国家間の争いに関しても、実際に国が引き裂かれたり、消滅したりした経験のある国だけあって、かなり切実なものがあります。ただ、シリアス一辺倒ということもないです。基本的にはシリアスな内容ですけど、たまに変なクエストがあったりする。

 ローカライズは、日本語音声、日本語字幕対応。海外産のゲームであることを、時折忘れそうになるほどよくできている。ローカライズを手掛けたのはスパイク・チュンソフトだそうで、ここは"Bioshock"でも素晴らしい仕事をやってのけたところですね。

 このゲームは完全な続き物となっていて、前作までをプレイしていないと、わりと何がなんだかわからないままストーリーが展開することになります。そのことで不都合が起きることもあるのですが、とはいえ、おおむね問題なくプレイすることはできます。
 私は前2作をプレイしておらず、せっかくだから1からやるべきかとも思ったのですが、どうも、操作性がかなり悪いとか、"2"にはゲーム業界の悪霊、QTEが取り憑いているという話だったので、遠慮しておくことに。

 ゲームボリュームは相当なもので、サブクエストまでやりきると100時間超はあります。メインクエストだけ進めるにしても、必要最低限のレベルアップのために、いくつかサブクエストをこなす必要がどうしても生じるので、たぶん50時間くらいかかるんじゃないでしょうか。
 ただ、この時間は会話をスキップしなかった場合で、スキップしたらかなり短縮できます。とはいえ、このゲームは会話が結構面白いんですよね。
 何種類かの結末が用意されているマルチエンディングとなっており、プレーヤーの行動によって世界情勢に大きな変化が生じますが、そもそも主人公は基本的に局外中立を謳っており、"Fallout 4"みたいにどこかの勢力に所属したりすることはないので、どこの国が勝とうが滅びようが、結局はどうでも良かったりします。なので、複数のエンディングを見るためにセーブデータを複数用意して……といったことは、特にしなくてもいい類いのゲームだろうとは思います。結局みんながハッピーになる結末はなく、誰かが得をすれば誰かが損をすることになるわけですし。

 インターフェース的にはハック&スラッシュの進化形とでもいうべき仕様になっています。『ルナテックドーン』みたいなやつというとわかりやすいかもしれません。操作系統やアイテム欄の仕様(アイテムボックスが四角いマスで区切られていて、一般アイテムは1マス、剣は縦に2マス占有する)などは、まさしく一昔前のパソコンRPGっぽい。……つまりはもう少しなんとかして欲しい気が。
 ただ、システム周りが一昔前のハック&スラッシュっぽいというだけで、実際にはハック&スラッシュの要素はありません。強い装備を入手するために同じ敵を何度も倒す必要はほぼないですし、自動生成クエストも一切ありません。膨大な量のクエストは全部一点物。どのクエストもよく作られていて、ワンパターンな印象がほとんどありません。この点は、他のどのRPGよりも優れていると言えます。

 また、足跡やわずかな痕跡を頼りに敵の居所や種族を特定したり、ちょっとした会話の中からヒントを得たりと、クエストには探偵っぽい要素が多分に含まれています。たいがいのクエストでは手がかりを探して追うだけでクリアできるのですが、たまに頭を使わされたり、重大な選択を迫られることもあり、なかなか気が抜けません。クリアの仕方によっては真相を知ることなく終わってしまったり、後の展開に影響があったりすることも。こういう仕掛けは面白いですね。

 一方で操作性は悪くて、特に戦闘ではそこそこ駆け引きを要求されるのですが、そのわりには煮詰め切れていないように感じます。
 移動などの基本操作に関しては、客観視点ゲームは総じて狭いところが苦手で、狭いところに入ると視点がめちゃくちゃになって操作しづらくなるものですけど、そういうところで戦闘したりするシーンが結構あります。こういうのはなるべく回避するようにゲームデザインして欲しいところ。
 あと、アイテムを取ったり、はしごを登ったりするのと、明かりを付けるのが同じボタンなのですが、決まってはしごやアイテムの近くに明かりがあり、誤操作を引き起こしやすいのです。プレイヤーをイライラさせたくてやっているとしか思えない配置。
 戦闘に関しては、間合いが離れているときに、一気に間合いを詰めながら突きなどで素早く攻撃するモーションが欲しいところです。変に空振りしやすい。

 なお、戦闘のしにくさに関しては、慣れてくると、実は印(要するに魔法)がめちゃくちゃ使えることに気付くはずで、敵の攻撃を最低一発は無効化するクエンや、ボスを含めてわりと多くの敵を気絶させるアクスィーなど、状況に応じてうまく使うことで、かなり有利に戦闘を進められるようになります。また、レシピを揃えると、霊薬もかなり強力になる。そうしたものの活用で、ある程度不満は軽減されてきます。

 難易度については、最序盤、レベルが低いときには不当に難しすぎる印象を受けますが、Lv10を超えた辺りからは、まあまあ妥当なバランスかな、と思えるようになってきます。とはいえ、操作性は改善の余地があると思いますが(初期バージョンよりは改善されているらしい)。
 難易度は4段階ありますが、おおざっぱにはデスマーチとそれ以外、と考えていいです。結局最序盤はどの難易度でもキツい。低難易度だと瞑想(フィールド上のどこでもキャンプが張れるようなもの)で体力が回復しますが、体力を回復できる食料は結構たくさん拾えるので、瞑想がないとものすごく困る、ということはない。
 デスマーチはやたらと被ダメージが大きく、怪物よりも狼の群れの方が恐ろしいという、わけのわからんことになります。もっと操作性のいいゲームなら挑戦してもいいんですけど、私は遠慮しておくことに。

 ミニゲームは、トレーディングカードゲームの「グウェント」というのがあります。ゲームバランス的には怪しい感じで、強いカードをデッキに入れる際の枚数制限が無く、また、強いカードを入れることでデメリットが生じるルールも存在せず(コストが高すぎて出しにくいとか、そういうのがない)、弱いカードに存在意義がないため、ひたすら強いカードで固めれば強いデッキが完成してしまいます。なので、一旦カードを集めきってしまうとつまらなくなりますけど、カードの揃っていない序盤に工夫して戦うのは、なかなか面白いです。

 総評としては、じっくりプレイできる時間があるなら素晴らしいゲームだろうと思います。RPGとしては各クエストのデキが突出して良くて、おつかいゲーっぽさが感じられないのは何気にすごいことだと思う。
 一方で、メインクエストだけでもクリアするまでに相当時間がかかりますし、操作性の劣悪さに最初の10時間くらいで投げ出す可能性もあるため、ある程度人を選ぶゲームでもあるでしょう。あと、お子様には目に毒な、各種エロかったりグロかったりする(血しぶきや内臓が飛び散る見た目上のことよりも、人間の精神的醜悪さが描かれまくっているという意味で毒々しい)シーンも多いので、その点も注意。

ネタバレ有り編

 とりあえず、1周目クリア時点でのステータスについて。

アビリティ
小攻撃:身体強化Lv5 精密攻撃Lv5 回転剣舞 Lv5 急所攻撃Lv5
大攻撃:強撃Lv1
防御:俊足Lv5
トランス:不屈の精神Lv5 蘇生Lv5 精神集中Lv5
イグニ:防御力消失Lv5
アクスィー:幻惑Lv3
グリフィン流派の戦技Lv1

装備
狼流派の鋼の剣(最高級)攻撃力アップ(大)ルーンx3
狼流派の銀の剣(最高級)防御力貫通(大)ルーンx3
狼流派防具一式(最高級)ルーンは全部イグニ(大)

 ネットで調べるとクエンが大人気みたいなのですが、私はほとんど使いませんでした。クエンを使うよりも、回避した方が確実だと思うんですよね。というわけで、回避中ダメージを抑えるらしい俊足を取っているのですが、役に立っているのかどうかはイマイチわからない。
 印は敵の防御を崩す目的で、アクスィーをよく使っていました。敵が多いときはイグニかアード。アクスィーの幻惑Lv3を取っているのは、会話を有利に運ぶためです。アクスィーそのものは成功しても、印を使っているのを周囲に気付かれて結局意味がない、ということも多々ありますけど。
 剣や防具はグリフィン流を使っていましたが、DLCで狼流が取れるようになってからは狼流に乗り換え。
 武器のルーンは、急所攻撃を取る前までは出血ルーンにしていましたが、急所攻撃を取った後は、出血確率を高める意味がなくなるような気がするんですよね。というわけで他の効果のやつに。
 防具のルーンは正直無くてもいいような感じもするのですが、せっかくスロットがあるんで、とりあえずイグニにしています。
 印は第二段階や第四段階のアビリティを取るとかなり強力になるものもあるのですが(イャーデンとか)、ポイントを使いすぎるんですよね。一周目はそこまで手が回らない。それよりは小攻撃を強化した方が手っ取り早い気がする。あと、序盤は最大HP増加やHP自然回復強化などの1ポイントで強力なお手軽アビリティを取ると楽ですね。

 次に世界情勢の分岐について。

 血塗れ男爵→死亡
 幽霊屋敷→夢見術士とゴドリングが同棲
 ノヴィグラドの魔術師→逃亡、異種族が火刑に
 ホアソン・ジュニア→死亡、ドゥードゥーが化けて後釜に
 ラドヴィッド王→死亡
 キーラ・メッツ→生存
 ニルフガード→戦争勝利
 テメリア→帝国の属国として再興
 スケリッジ→セリスが女王に
 ゲラルト→イェネファーとダラダラ過ごす
 シリ→ウィッチャーになる

 トリスは「またとない機会」の最後で告白しなかったからか、特に後日談がなかったです。ケィア・モルヘンの防衛には来てくれていましたが。

 このゲームは、分岐によってゲームそのものに影響を与えることはほとんどなく(所属勢力によって受けられるクエストが変わるとか、そういったことがほとんどない)、また、分岐時の選択が与える影響がある程度時間が進んでから来ることもあって、気に入らない結末だからやり直す、ということはせずにプレイしました。
 村人が森の精霊(?)に復讐され、血塗れ男爵が首吊った時はやり直そうかなとも思ったのですけど、でも、何度考えても、あの時に精霊だかなんだかを助けた選択は間違っていないとも思うのですよね。まあ、結局、誰かが幸せになれば誰かが死ぬんだろうから、別にいいやということでそのまま続けることに。と同時に、このゲームの選択とそれによる結果は、なかなかシビアなものがあるんだなとも思わされました。
 この件があったからこそ、魔術師をノヴィグラドから逃がす際に、逃げ遅れた人を見捨てる選択をしたのですよね。これが"Fallout"とかだったら、プレイヤーの超人的なワンマンアーミーぶりで無茶苦茶な作戦もゴリ押しできたりするでしょうし、そもそも「仲間は一人たりとも見捨てない」というアメリカ的精神によって、この手の逃げ遅れた仲間を助けに行く展開は肯定的な結末を迎えるもんですけど、このゲームでそんな甘いことはないなと。
 実際トリスも「そんなっ、仲間を見捨てていくなんてできないっ!」とか、わけのわからんことは一切言わなかったですし。こういうところのシビアさは日本やアメリカのゲームではあまり見られないんで、なかなか面白いです。
 そういうこともあって、エピローグの際、エムヒル皇帝にシリの死亡を伝えるシーンを見たときは「もしかしてバッドエンドかよこれ」と、結構冷や冷やしました(笑) まあ、シビアなゲームのわりには、意外と落ち着くところに落ち着いた終わり方をしたように思います。

 あと、このゲームの特徴は、意外と頭を使わされる点です。ほとんどのシチュエーションではガイド通りにこなせばクエストクリアになるんですけど、たまにノーヒントで謎解きをさせられたり、相手のウソを見抜かないと真相に行き着かなかったりすることがある。毎回頭を使う必要があるわけでないのがミソで、突発的に生じた問題に、即座に対応する必要があるんですよね。この辺がクエストのマンネリ化を防いでいる要素のひとつになっているわけです。
 ペスタのクエストはその最たるものでしょう。ペスタに騙された場合、どうなるのかはわからんですし、たぶん、それはそれでクエストクリアにはなるんだろうと思いますけど、あのシチュエーションで骨を持ち出さないのを選択するには、かなり頭を働かせていないと難しいと思うんですよね。私が持ち出さないことにした理由は、相当憎んでいるはずの彼を「許せるかも」とかあっさり言うから、絶対こいつ許す気ないだろと思ったからなのですけど。

[2016.3.17 追記]
 2周目時修得アビリティ。

小攻撃:身体強化Lv5 精密攻撃Lv5 回転剣舞 Lv5 急所攻撃Lv5
大攻撃:強撃Lv5
防御:俊足Lv5
オイル:樹脂塗布Lv5
変異:耐性知識Lv3 組織変成Lv5 相乗効果Lv5
アクスィー:幻惑Lv3
グリフィン流派の戦技Lv1

 アドレナリンや印のアビリティを削って錬金術を入れている。レシピが揃っている2周目は、錬金術のアビリティの価値が飛躍的に上昇する。
 レシピがほぼ揃った状態で耐性知識Lv3があると、変異抽出液を2つ同時に使えてかなり強力。特にエキドナがあると、印で体力回復ができるようになり、かなり便利。組織変成Lv5で体力+1000。樹脂塗布Lv5の防御力アップも馬鹿にならない。あとは相乗効果で、アドレナリン系のアビリティを削った分の攻撃力低下を補っている。
 錬金術のアビリティを取っていくと体力が上がるキャラメイクになるわけだが、となるとクエンが剥がれにくくなり、使い勝手が向上する。エキドナの変異抽出液と併用すればバリアを張りつつ体力を回復でき、さらにグリフィン流の戦技があれば3秒に1回張り直し&体力回復が可能に。というわけで、防具のルーンは全てクエン(大)に変更した。

↑カテゴリ別表へ

2016.1.21 Steam版"Fallout 4"

導入編

"Fallout 4"の日本語版が配信されたので、Steam版にてプレイ。
 ゲームの感想は後にして、まずは導入時の諸問題について。

 購入当初の私のパソコンのスペックは、CPU:i7 3770、GPU:GeForce GTX650、メモリ:16GB。CPUとメモリは、いくらなんでも不足ということはないでしょうけど、GPUのGTX650というのは、かなり心許ないです。"Fallout 4"のビデオカードの必須環境はGTX550となっており、GTX650だとぎりぎり動くといった感じ。
 実際このスペックでプレイしてみると、画質設定は全部最低にしないと、フレームレートが30を切ってしまい、まともにプレイできませんでした。

 私はさほどゲームに画質を求めていないので、最低画質でもわりと問題なくプレイできて、10時間ほどはそのまま進めていたのですが、ある程度キャラが育ってきて狙撃できるようになると、遠距離のオブジェクトや敵がフェードすることがゲームプレイの障害になってきました。そこで、ビデオカードを新調することに。

 買い換えるとなると、どのビデオカードを購入するか、という問題がありますが、そんなに選択の余地はありません。最初からGPUはGTX960と決めていました。価格は25000円前後。
 安く済ませるならGTX950でも問題なかったはずですが、GTX960と比べて5000円も違わないんですよね。GTX970だとVRAMが4GB(なんちゃって4GB仕様だそうで、実質3GBらしいですが)となり、VRAMを使いまくりそうな"Fallout 4"には良さそうですが、40000円前後と結構な値段になり、さすがにここまでは出せない。
 となると後は、GTX960の、どのカードを買うのか、という問題。ビデオカードは各メーカーから似たようなのが出ていて、どれがいいのかさっぱりわからん感が漂っていますが、背面のコネクタの種類と数、カードの大きさ、オーバークロックの仕様、冷却の仕様、消費電力、要求する電源コネクタの種類と数など、結構いろいろ考える要素はあります。
 一番重要なのは物理的な問題で、そもそもマザーボードにちゃんとささるものを選ぶのが肝心。マイクロATXのケースなのにATXのカードを買ってしまった、とかいうのは、意外とありがちです。あとは電源まわり。通常、ビデオカードにはコネクタの変換器が付いていますけど、電源コネクタの規格が合わないとか、電力が足りないとか、いろいろトラブルになりがちなところではあります。

 今回購入したのは、GALAX GF PGTX960/2GD5 EXOC WHITE。店頭でなぜかこれだけ妙に安かったんですけど、別に粗悪品でもないし、少しオーバークロックしています。あと、なぜか稼働中にLEDライトが光ってケースの中を照らす(笑) 整備の時に便利だなと思ったんですけど、整備中は電源を抜いてるんだから光らないわけで、意味がありません。

 購入、取り付けは特に問題なく済んで、あとは、ゲームプレイ中にfpsが50〜60くらい出るように画質を設定。
 コンシューマ版"Fallout 4"は30fps固定だそうで、実際、30fps出ていればプレイ中に違和感はありません。Steam版は60固定ですが、iniファイルをいじると無制限にできるとか。

 まず、ゲームを立ち上げると、ゲーム側は自動でウルトラ設定にしました。
 解像度1920x1080でウルトラ設定でも40fpsくらいは出ており、意外とほぼ問題なく遊べますが、オブジェクトが多いところに行くと、さすがに30を切ることが多くなる。

 で、実際、ここから何をどう調整すればいいかですが……正直良くわからないので、"GeForceExperience"の挙動を参考にすることに。これはビデオカードのドライバにくっついてくるソフトで、ゲームの画質設定を自動で調整します。このソフトの設定を、画質重視からパフォーマンス重視にしていった場合、何を削ろうとしているのかを見てみるわけです。
 すると、どうやら影とゴッドレイが、処理を重くする主要な原因だとわかってきました。
 そこでまず、ウルトラ設定から影描画距離を「中」に変更すると、それだけでほぼ50fps程度で安定し、だいたいゲームをプレイする上では問題ないレベルに。ただ、木がたくさんある場所や作り込んだ居住地でダッシュしたりすると30を切ることも。
 ここから影の品質、ゴッドレイ品質を「中」まで落とすと、これでほぼ60で落ち着くように。思った以上に高画質設定でも快適にプレイできるようです。

 とりあえず私としては、遠距離のオブジェクトがきちんと表示されさえすれば文句ないわけで、遠距離オブジェクトのディティールやフェードの設定を低くしなくて済んだことはなによりでした。

ネタバレ無し感想編

 というわけで、続いてゲームについて。この項では、ゲーム未プレイでもほぼ問題ない内容のみに留めています。

 まず、プレイして最初の感想としては……オープニングが英語音声字幕無しなのかよ(笑)
 なんだか知りませんが、Steam版ではムービーが全部英語のままです。公式によると「仕様」とのことで、修正する気も無いとか。……せめて字幕出そうよ。
 ただまあ、オープニング、エンディングムービーで言っていることはさほど難しくないので、英検四級のひどいリスニング力を誇る私でも、まあまあ理解はできました。
 英語の攻略サイトに英文が載っていたので、ざっと訳してみました。


 人は過ちを繰り返す。

 1945年、俺の高祖父は第二次世界大戦で戦っていた頃、何時になったら妻と子供の元に帰ることができるのかと思っていたそうだ。
 その戦争は、アメリカが広島、長崎に原爆を投下することで終わった。

 世界は終末を迎える運命にあるように思われた。だが、奇蹟が起こった。人々は原子力を兵器ではなく、無限のエネルギーとして利用し始めたのだ。

 人々は、SFの世界でしかありえないと思われたテクノロジーの恩恵に与ることになった。ロボット、車、ポータブルコンピューター。
 しかし21世紀、アメリカンドリームは終わりを迎えた。

 年々、様々な資源が枯渇し、世界は崩壊した。平和は遠い思い出となった。
 そして今年、2077年。世界中を巻き込んだ大戦が勃発したとき、俺は恐怖した。妻、息子、そして、自分自身はどうなってしまうのかと――
 なぜなら、俺は兵役を通して、ひとつのことを学んだからだ。

 人は、過ちを繰り返す。

 そりゃまあ、できればちゃんと日本語音声にして欲しかったところですが、"War. War never changes."を聴けたのは良かったかもしれません。

 おおまかな感想としては、『オブリビオン』以来、久々にメジャーバージョンアップしたベセスダゲー、といった印象です。
 もともと"Fallout 3"は『オブリビオン』のシステムで"Fallout"シリーズを再構成したゲームで、基本的なシステムは共通していたのですよね。"New Vegas"、『スカイリム』も、マイナーバージョンアップはしていましたが、根本的なところは『オブリビオン』だったわけです。"Fallout 4"はついに『オブリビオン』を離れ、メジャーバージョンアップしたように感じました。
 また、作品としては"Fallout 3"の直系で、"New Vegas"とは雰囲気が異なります。なのでサバイバルモードはありません。もともと"New Vegas"は外伝的扱いですからね(本来の"Fallout"らしさが強いのは"New Vegas"の方ですが)。

 大きな変化は、まずはパワーアーマーが乗り物扱いになったこと。歩く戦車みたいな扱いになり、高い防御性能を誇る代わりに燃料を消費し、修理しないと壊れてしまいます。
 これに伴い、パワーアーマーを装備していない時の戦闘がかなり厳しくなり、ヌルいヌルいと言われ続けていた戦闘が緊張感あるものになりました。
 特に今回は、核攻撃や強力な近接攻撃を仕掛けてくる敵が多く、これらの攻撃は生身だとだいたい即死します。
 なんとなく、イメージとしては『メタルマックス』っぽくなった感じですね。
 ただ、レベルを上げたり、装備を調えたりすることで、パワーアーマーなしでも核爆発に耐えられる、異常に丈夫な身体にもなれます。

 次に、アイテムを解体して再生資源にし、それでアイテムや建物などを作れるようになったこと。
 今作は居住地を建設して住民を誘致し、運営できるようになったのですが、そのためには大量の資源が必要で、その調達手段の大半は、その辺に落ちているゴミを拾って解体することになります。
 この居住地建設は面白いんですけど、これのせいで、気ままに放浪する従来のベセスダゲーの雰囲気が薄れ、居住地を充実させるためにスカベンジングをし、クエストはついでにこなしている、みたいな感じになりがちなのは、やや問題があるかもしれません。
 また、居住地から度々救助依頼が来るのですが、これがクエストを進めている途中で入ってきたりして、しばしば水を差されます。これはやめて欲しかった。

 また、主人公が喋るようになりました。これは、この作品にはそぐわない変化だと思いましたね。主人公が喋ってしまうと、どうしてもその喋り口調から性格が出てしまうのですが、そうするとプレーヤーの意志を反映しにくくなるのですよね。だったらいっそ、"Grand Theft Auto"シリーズくらい、極端な性格の主人公だったりしたら面白いのですけど、本作の主人公は真面目過ぎてつまらんです。
 これと関連すると、会話の選択肢が最大4つになったせいで、さらにロールプレイがしにくくなっています。今までだったらS.P.E.C.I.A.L.の値に応じて多様な会話選択ができたりしましたけど、そういうのがほとんどなくなってしまった。せっかくイカレた連中がイカレた会話をしてくるのに、プレーヤーがそれにうまく答えられない。「ベースボールは2つのチームに分かれて、バットで相手を死ぬまで殴るゲームなんだ!」「血みどろの殴り合いこそ真のスポーツだ(Strength)」とか、そういう馬鹿な応答ができなくなった。つまらん。

 プレイヤーキャラの成長システムも大幅に変更されており、従来のように、ステルスも鍵開けもスナイプも何でもできるような、万能キャラが作りにくくなっています。プレイヤーの個性が出やすくなった。
 レベルキャップがないため、思いっきりレベルを上げまくれば万能になりますけど、通常、ひととおり遊ぶ程度だと、だいたいどこかに偏りが出ます。

 BGM、ラジオについては、今作のメインとなるラジオでは、"Fallout 3"のGNRで流れていた曲が続投した上で曲が追加されています。この選曲は文句ないのですが……ラジオのDJがドヘタで、プレイ当初は発狂しそうになりました。俺はこれから何百時間も、このヘタクソDJの声を聴かなきゃならんのかよ! と。
 で、クラシックが流れているラジオにしてみたり、いっそラジオを切ってプレイしていたこともあったのですが、不思議なもので、だんだん、このヘタクソDJでないと物足りなくなってきます(笑)
 ラジオを切ったときのBGMは、若干うるさく感じることもありました。もう少し邪魔にならないようにして欲しかった気が。


 従来の"Fallout"や"The Elder Scrolls"は、放浪したり探険したりしている時間が大半だったわけですが、今作は居住地建設に費やしている時間がかなり多い印象です。もちろん、居住地建設をやらなくてもプレイは可能で、従来以上に探険できる場所はたくさんあり、変なクエストもあるのですけど、主人公が喋ることや会話選択肢が少なくなったことから、クエストの面白味が削がれた印象があって、結局何がゲームプレイの中心かというと、居住地の建設と、それに伴う資源の確保のような気がしてしまいます。
 また、それに加えて、今作は組織のしがらみがありすぎるのですよね。居住地とのしがらみと、組織のしがらみに縛られて、どうも従来の作品にあった、放浪者としての面白さは感じにくくなってしまいました。
 ただ、居住地とか組織のことなんかもう知らねえと割り切って放浪すれば、マップに表示されない細かいポイントで様々な発見ができる要素は従来の作品よりもかなり多くなっており、わりと楽しかったりはします。

 あと、これほど居住地の建設と運営が比重を占めるゲームになっているなら、もっと居住地まわりのシステムは改善して欲しいです。誰が何の仕事をしているかとか、誰が何の不満を抱いているかとか、どの設備が壊れていて修理が必要かとか、そういったことがかなりわかりにくい。Ver1.3のアップデートで、居住者が何の仕事に就いているかが表示されるようになったことで、この辺は多少改善されましたけど。

 不満点のいくらかは、今後のバージョンアップで改善されるでしょうし、現状でも充分面白いゲームであることは間違いないです。

 ところで、コンシューマ版ではなく、Steam版でプレイする利点のひとつは、コンソールが使える点です。要するにチートコード入力機能ですけど、これを使えば、ある程度のバグを自力で修復できるんですよね。たとえば地形に嵌まって動けなくなるという3Dゲーにありがちな問題に直面しても、強制テレポートコマンドを使うことで脱出できます。
"Fallout 4"固有の問題だと、バンカーヒルの正門にロックがかかって出入りが超面倒になったりとか、トレーダーのライリーを居住地にスカウトしたら、そのままいなくなってしまうとか、居住地を襲撃しにきたはずの人造人間がスポーンせず、そのせいで防衛成功フラグが立たなくて失敗扱いになり居住地が荒らされるとか、そんなときでも、パッチの配信を待たずに、コンソールで自力修正が可能なわけです。……まあ、そんな致命的なバグは、そもそもないに越したことはないのですが。

ネタバレ有り編

 以下はネタバレありのストーリーの話。今作はなるべく情報を知らないでプレイした方が楽しめると思うので、未クリアの人は読まないのを推奨。

 まず最初に、つまんない話から。私は最初、シンスのアーマーのことをシシスのアーマーと読み間違えていました。なんで核戦争後のアメリカに不浄なる父の名を冠した防具があるのかと思った。まあ、シセロの声のロボットはいますけど。
 気付いたのはインスティチュートに行ってからで、SRBの扉の前に"Synth Retention Bureau"と書いてあったからです。で、ああ、あれはシンスで、人造人間のことだったのかと。

 今作は、メインクエストの途中で荷担する組織を選ぶことになるわけですけど、選べる組織にいまいち魅力がないのが、今作最大の問題だろうと思います。そのせいで後半がつまらない印象になってしまう。

 普通に考えるとミニットメン(公式翻訳では「ミニッツメン」。しかし語源から考えても、Minuteが複数形になったらダメだと思うんですよね)でインスティチュートと戦うのが一番妥当な選択だと思うのですが、このミニットメンのルートは、インスティチュートと敵対しないと始まらないようなのです。つまり、インスティチュート内で暴れたり、スパイ活動がバレたりと、間抜けなことになった場合のフェイルセーフ的なルートで、実際、内容も薄くてつまらないです。でも、一番まともなルートだとも思う。無駄な戦いはしないですし。

 レイルロードは、ミニットメンを除くと比較的マシな選択肢と言えますが、人造人間を解放する以外の目標がなく、本来はインスティチュートやB.O.S.と武力衝突するような組織じゃないはずなんですよね。なので、このルートをプレイしていると、ものすごく違和感を覚える。サブクエストの受注先くらいのほうが似合っていたと思うんですよね。インスティチュートルートでクリアしておきながら、レイルロードとつるんで人造人間を逃がしまくるとか、そういうことができたら面白かったのに。

 インスティチュートを選ぶ理由は……なんかあります? まあ、息子を助けるという目標を貫くならありえなくもないか。
 科学者が引き籠もって好き勝手をしたらろくなことにならないのは、"Bioshock"だの"New Vegas"DLCのビッグエンプティだのの例を見れば明らかですが、それに加えて、インスティチュートの連中は愛嬌もクソもないんですよね。ビッグエンプティのイカれた連中くらい、わけがわからなかったら、面白いから助けてやろうという気にもなるかもしれませんが、あのクソ生意気な連中のしけたツラを見ていたら、殺したくはならないにしても、助けたくはならないです。
 だいたい、あいつらはウチの居住地にスパイを送り込んできて施設を荒らすんですよ。しかもインスティチュートの襲撃にはバグがあって、クエストが絶対失敗し、甚大な被害を被るのです。害獣以外の何物でもない。
 さらに、地上ではみんなインスティチュートが大嫌い。「手違い」で議会の首脳を皆殺しにし、人を殺して人造人間と入れ替え、地上で好き勝手に実験と略奪を繰り返したりと、あれだけ好き勝手してたらそりゃそうでしょうけど。
 ファーザーは、創造物は創造者によって管理されなければ危険で、だから不良人造人間は回収する必要があると言っていますけど、その言葉はそのまま返してやるところですね。
 しかし、人間の進化を目標に人造人間を作っていながら、それに自由意志を認めないというのはどういうことなんでしょうね? 結局、人造人間に対する考え方はB.O.S.と全く同じというところが、インスティチュートのよくわからない点ではあります。
 面白いのは、インスティチュートルートを進めると、なぜだか次期所長として指名され、クリア後に就任できることで、その立場を悪用して、いろいろできたら面白かったのですけど、実際はさほど権限がないんですよね。つまらん。

 今作のB.O.S.は、歪んだ正義感を前面に出し、その歪みっぷりをエルダー本人が信じ切っているという、かなり危ない連中になっています。もともとB.O.S.はハイテク収集癖のある、偏狭で困った連中ではありますけど、今作では変な正義感に燃えており、頼まれてもいないのに巨大飛行船でやってきて、どこにいるかもわからん相手に宣戦布告します。狂っている。
 今作のエルダーは"3"にも出ていたマクソンで、こいつはB.O.S.創始者の末裔なんですけど、これが戦闘狂のバカなんで、どうにもならんのですよね。しかもみんな心酔しきっており、危ない宗教団体のようになっている。人種差別、巨大兵器好き、崇拝される馬鹿な指導者……もはやナチスと大差ない。
 今までのB.O.S.とは異なり、所属している分にはえらく厚遇され、よそ者扱いしないので(一人除く)、何も考えなければ気分がいいんですけど。
 あと、このルートでクリアすると、リバティ・プライムの勇姿が見られるんですよね。

 ……で、この中からどこを選べと。

 こうして並べてみると、今作の組織のリーダーには魅力が無いんですよね。Mr.ハウスやシーザーみたいなカリスマがいない。無所属のニックやコズワース、あとはグッドネイバーのハンコック市長などがよくできているだけに、余計にそれが目立つ。
 エンディングの締めが"War ever changes"になっていたのはなかなか感動的ではありましたが、今作の組織は、どこも未来を託したくないのばっかりなのがなんとも。

(註:英語攻略サイトに英文が載っていたので確認したところ、エンディングの締めは"War never changes."のようです。私は何度聞いても"ever"に聞こえてしまうんですけど、ネイティブの人が"never"と聞き取っているんだからそうなんでしょう。なお、エンディングムービーの意訳はこんな感じ。


 打ち寄せてくる様々なものを、俺は感じていた。熱、力、放射線……恐怖。世界の終わりが、再び訪れた。
(インスティチュートルート:俺はショーンを、再び失った。)

 目を閉じると、核爆弾が落ちる前の、あのときの生活が浮かぶ。

 全ては瞬時に変わってしまう。人の思惑と、責任によって。その結果を予期したかに関わらず。
 ある瞬間に変化は、俺達全員を巻き込んで起きる。

 この世界は、俺が望んでいたものではなかった。しかし、ここが俺の生きる場所だった。
 コモンウェルス、俺の故郷。引き裂かれ、復興する土地。

 俺は思っていた……家族を見つけることができると。時間を戻すことができると。再び一緒になれると。俺達にはそれができると。

 しかし今となっては、俺は知っている。過去には戻れないことを。世界は変わってしまったのだと。これから行く道が険しいことを。
 だが、覚悟はできている。なぜなら俺は知っている。人は過ちを繰り返す。

 このエンディングの台詞は英語独特の言い回しが多いので、かなり意訳しています。で、私は最後の一文を「人は変わることができるものだから(War ever changes)」と聞き取っていたのです。
 なお、「コモンウェルス」と訳している部分は、公式翻訳では「連邦」となっています。しかし「連邦」というとNCRみたいな国家を想像してしまうので、あえてこのように訳しています。そもそもこの作品でいうところの"The Commonwealth"というのは地域を指す言葉で、「キャピタル・ウェイストランド」などと同じ類いのものですし)。

 今作はキャラメイクにだいぶ個人差が出るはずで、他の人のステータスを見るのはなかなか楽しいと思われるので、私のキャラのステータスを公開。

 初期S.P.E.C.I.A.L. 3.6.4.6.7.1.1
 Lv50S.P.E.C.I.A.L. 4.8.6.9.10.2.2

 取得Perks:
 Armorer 4
 Rifleman 5, Locksmith 3, Sniper 3
 Toughness 5, Aquaboy 1
 Lone Wanderer 3, Local Leader 2
 Medic 1, Gun Nut 4, Hacker 3, Scrapper 1, Science! 4, Nuclear Physicist 3

 武器:コンバットライフル、痛打のコンバットショットガン、プラズマ付与のアサルトライフル
 防具:シルバー・シュラウドの衣装、帽子

 現在、私のキャラはLv80を超えてますが、ここまでくると個性があんまり出ないので、あえてLv50のころのステータスを。なお、Lv50時のSPECIALは、ボブルヘッドと息子の部屋の本を全部取った後の数値です。

 序盤はLocal LeaderやScrapperやクラフト系のPerksばかり取っていたので、戦闘がかなり厳しかったです。なんか知らないけど全然ダメージが通らねえと思っていたら、火力アップのPerkをなにひとつ取っていなかったからなんですよね。Luckは1だからクリティカルなんか期待できませんし、Agilityも1だからV.A.T.S.もほぼ単発でしか使えない。武器改造である程度火力は上がるんですけど、Perksを取らないとその真価は発揮しにくい。
 というわけで、自然と防御力が必要となったため、Intelligenceを9まであげてNuclear Physicistを取り、序盤からずっとパワーアーマーを常用して戦っていました。
 基本的に危ないところではずっとパワーアーマー着用なので、防具はそんなに重要で無く、Vaultスーツに適当に拾ったのを付けていましたが、キャッスル解放後はミニッツメン将軍の制服で、後にシルバーシュラウドの衣装に。

 火力が低いと弾薬費もかさみ、10mm弾を買うのにひいひい言う始末。あとから考えたら、序盤はパイプピストルを使えば良かったんですけど。
 結局Riflemanを取ったのはLv40代くらいになってからだったのですが、なぜそこまで取らなかったかというと、どの武器を主力にするかがずっと決まらなかったからです。10mmピストルがかなり優秀だったので、Gunslingerを取ろうかと迷ったのですが、ピストルじゃ最終的に火力不足になりそうで。
 ある程度プレイしているとコンバットライフルとコンバットショットガンの二丁をよく使うようになってきたのと、居住地を襲撃してきた伝説のグールから出血コンバットショットガンを入手し、これが鬼のように強かったので、これなら充分主力にできるな、ということで、ようやくRiflemanを取ることに。

 そんな感じだったので、キャッスル奪還時は本当に死ぬかと思いました。そもそもあのクエストをクリアするにはLvが不足していたような気がする。
 主力の10mmピストルも、サブで使っていたダブルバレルショットガンも、その辺に転がっていた火炎放射器やミサイルも、火炎瓶もフラグも撃ち尽くして、それでもなお敵の体力が半分くらい残っていたので打つ手がなくなり、どうしようかと。何か武器はないかと探していたら、ちょうどミニットメンの死体があり、レーザーマスケットを持っていたので、なんとか戦闘を続行できましたが。最後はMed-Xをキメた後、サイコジェットを三回連続でキメて、マイアラークの肉を食いまくりつつ正面から撃ちまくるという力技でようやく倒しました。

 また、LocksmithやHackerを取ったのもLv30後半くらいからで、結構長い間、Novice以外のロックは解除できないでプレイしていました。従来の作品に比べると、ヘアピンやハッキングはさほど重要じゃないんですよね。なくてもほぼ問題ない。
 確か、ミニットメンのクエストでグループ家の館を解放する際、どうしてもAdvance鍵を開ける必要があって、それで仕方なく取ったのですけど、その後、ポイントに余裕があったら徐々に取るようにしていました。

 なお、私がニック・バレンタインに出会ったのは、Lv60を超えてからでした。仲間を連れ歩いたのもこの時が初めてで、それまではミニットメンクエストで居住地解放と建設、あとはずっと一人で放浪の旅をしていました。息子ほったらかし。B.O.S.には警察署で出会いましたが、レイルロードやインスティチュートとは全然縁が無く、私にとっても長い間、謎の組織という印象でした。まあ、メインクエストを進めたらすぐ出くわしたわけですけどね。

 Charismaが妙に高いのは、シルバー・シュラウドのクエストの時点ではCharismaが6しかなく、シンジンの説得がほぼ無理そうだったことを受けて、上げとかないと変なところで不利益を被りそうだな、と感じたからです。
 実際そのときどうしたかというと、シルバー・シュラウドを演じるだけ演じて、動けるようになった瞬間にサイコジェットをキメ、ダッシュでシンジンに近付いて出血ショットガンを撃ち込んで殺しました。バレットタイムで瞬殺するのは、まさしくアクションヒーローっぽくてやたら格好良く、このゲームをプレイしていて一番興奮した瞬間ではありました。まあ、クスリをキメてショットガンを乱射するのは、どちらかというと悪役のやりそうなことではありますが。
 あんまり気に入ったので、その後サウガス製鉄所で似たような展開になったときもサイコジェットをキメてボスの頭を吹っ飛ばしました。頭を吹っ飛ばされた死体が溶鉱炉に落ちて「決まったぜ」とか悦に入っていましたが、その死体からシシケバブを回収しなきゃならんのをすっかり忘れてた(笑)
 後から調べると、シルバー・シュラウドを演じると、シンジンはこっちが攻撃するまではケイトを処刑しないらしいですね。だったらサイコジェットを使わなくても、ただ接近してコンバットショットガンを頭に連射すれば、ケイトは助けられたみたいです。


 初回プレイ時、私はミニットメンの協力でインスティチュートに行ったので、できればそのままミニットメンルートでクリアしたかったのですが、なぜかクエストが進行しなかったんですよね。後からわかったことですが、インスティチュートと敵対しないと、ミニットメンルートには入れないらしい。
 レイルロードには加入してなかったのでレイルロードルートはもはやありえず、インスティチュートルートはもっとありえない。というわけで、仕方なくB.O.S.でクリアしました。パラディン・ダンスの件が無ければ、そんなに不愉快なルートでもないんですけど、ニックに助けてもらった主人公からすれば、B.O.S.のあの偏狭さはないでしょう。……しかし、あんなに人造人間を毛嫌いしているということは、ニックを仲間に連れているとプリデュエンに入れてもらえないとかなんとかあるのだろうか。仲間に人造人間がいるのはダメだけど、主人公のお供に人造人間がいるのはいいのか? もしくは、人造人間だとはっきりわかるニックは、人間に紛れる恐れがないからまあいいということになるのか。

 ゲームがゲームなだけに、書こうと思えばいろいろ書けるのですけど、とりあえずこれで一旦区切りを付けようと思います。

[2016.1.22 追記]
 もうひととおりクエストはやり尽くしただろうと思っていたら、冷蔵庫が話しかけてくるクエストが唐突に始まったので、かなりびっくりしました。あの周辺は何度も通った場所で、特にあの近くにある検問所では何度も防衛ミニクエストをこなしていたのですけど。
 クインシーの南にある、いかにもクエストがありそうなのに何にも無い、怪しいグール一家はなんなのか、ずっと気になっていたのですが、ようやく謎が解けた。
 かなり見つけにくいはずの、潜水艦のクエストすらも自力で見つけてクリアしていたので、組織クエストと仲間固有のクエスト(何人かは仲間にしたことがない。マクレディ元市長とか)以外はもう、やっていないのは残ってないと思っていたのですけどね。これがあるからこのゲームは面白い。

 明らかにクエストがあるはずで、しかしクエストとして始まったことがないのは、ワーウィック農園の主が人造人間らしい、というやつです。これに関連した手紙やメモやらはスリをせずとも入手可能ですし、インスティチュートにはこの農園に関する詳細な情報の記録された端末もあるのですが、クエストに発展したことがない。たぶんこれは、インスティチュートに属していないと始まらないんじゃないかと思われます。

↑カテゴリ別表へ


←涼格インダストリィ トップページへ