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雑記ノート


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2018.1.22 Windows プッシュ通知システム サービスがメモリを消費する

 タイトルの通りですが、昨年の12月頃から、Windows プッシュ通知システム サービスが際限なくメモリを空費する症状が出ていました。私のパソコンは物理メモリを16GB搭載しているのですが、これが不足したことはこれまでありませんでした。なんとも懐かしい、メモリ不足によるビシー状態を経験することに。

 Windows プッシュ通知システム サービスというのは、最近のWindowsのタスクバーに付いている不要なサービスのひとつで、いちいち余計なポップアップを出しては邪魔をするアレです。以前はこのサービスを無効化しても問題なかったのですが、最新版でこのサービスを停止するとスタートメニューを開けなくなるので、有効にせざるを得ません。
 しかし、メモリを消費するのはWindows プッシュ通知システム サービスそのものではなく、「Windows プッシュ通知システム サービス_xxxxx」と、後ろに英数字のくっついている方です。この英数字は起動の度に変化するので、このサービスを狙って無効にすることはできないようです。Windows プッシュ通知システム サービス自体を無効にしても、Windows プッシュ通知システム サービス_xxxxxのほうは結局起動してしまい、やはり謎のタイミングでメモリを食い出します。

 この症状の出るタイミングは予測不可能で、起動直後に起きることもあれば、何時間も普通に使えた後に突然起きることもあります。起きたときは、タスクマネージャーからタスクを終了すればいいのですが、メモリを使い切ってしまうために延々とビジー状態が続き、タスクマネージャを開くだけでも大変です。それで最近では、パソコンを起動したらまずタスクマネージャーを開き、その状態で使っていました。

 こういう症状が出る場合、Windows プッシュ通知システム サービスそのものが壊れていることも考えられますが、通常は問題なく動くのに、突然症状が起きることを考えると、サービスそのものの不具合よりも、このサービスを使っているアプリなどの方に問題があると考えられます。それでとりあえず、ライブタイルと通知を全部オフにし、いらないアプリをアンインストールし、ストアの設定でアプリの自動更新を停止し、タイルの数も減らして様子を見てみたのですが、それでも症状が収まらない。

 検索サイトでこの症状について調べてみると、アカウントを作り直すことを薦める記事くらいしか出てこなかったのですが、それならいっそOSをクリーンインストールし直した方がマシだと思うので、最終手段とする。

 そんなこんなで新年になり、1月も半ばになったのですが症状は改善せず、クリーンインストールしかないかと諦めかけていたのですが、この症状に関して英語で書かれたサイトを巡回していて、気になる情報を見つけました。"C:\windows\SoftwareDistribution"を削除して再起動したら直ることがある、というものです。
 このフォルダはWindows Updateのキャッシュを保管しており、基本的には削除してはいけません。しかし、Windows Update周りで不具合が起きている場合、これを一旦削除することで改善されることがあるのも事実です。そして、今回の問題の原因がWindows Updateだと考えと、わりと納得がいくのです。
 以前のWindowsではアップデートを手動にすることができたのですが、最新のWindows10では自動更新を止めるのが困難になっています。私もある程度対策してはみたのですが、どうしても完全手動にはできませんでした。
 余計なタイミングで余計な更新を始めて、パソコンに余計な負荷をかけて非常に迷惑なのですが、こいつが元凶だと考えると、変なタイミングで症状が起きることに説明が付きます。ということで、早速SoftwareDistributionを削除してみることに。……たぶんこのフォルダは、普通は簡単には削除できないようになっているはずですが、私の環境ではなぜかそのまま削除できました。Windows Updateサービスが停止していたからかもしれません(一応自動で開始しないように設定している。それでもなぜか勝手に開始してしまうのだが)。

 それから数日経過しましたが、今のところ症状は出ていません。まだはっきりとしたことは言えませんが、なんとなく直ったような気がします。

 Windowsは本当に安定した時期が長続きしなくて困ります。

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2018.1.21 Layers of Fear

 ホラーアドベンチャーゲームの"Layers of Fear"をプレイ。
 実はこのゲーム、昨年の12月に無料で入手可能だったらしいのですが、私は知らずにウィンターセールで500円になっているのを購入しました。ついでにDLCの"Inheritance"もセットで購入。

 もともと私はこのゲームではなく、">observer_"の方に興味がありました。"Layers of Fear"と同じくBloober Team SAが作ったアドベンチャーゲームで、主人公は捜査官で、息子の失踪事件を調査する、という内容です。
 特徴的なのは、プレーヤーは捜査の一環として、事件関係者の脳と接続して記憶を覗くことができるデバイスを所有している点で、その過程で、その人物の「恐怖」を追体験することになるそうです。
 サイバーパンクな世界観といい、特殊なガジェットを使用して事件を捜査するシチュエーションといい、私の好みにはぴったりだったのですが、どこかのレビューサイトが序盤の1時間ほどをデモプレイした動画があったので見てみたところ、ほとんど推理要素はなく、A地点からB地点へ移動しながらイベントを見る感じのゲームのようでした。あと、レビューを見ると、つまらない隠れんぼ要素があるらしい。"SOMA"ですらそこを反省してセーフモードを追加したというのに、なぜ不要なゲームオーバー要素を入れるのかね。
 それで購入を見送ったのですが、代わりに、安くなっている前作の"Layers of Fear"の方をプレイしてみようかなと。

"Layers of Fear"は、狂ったアル中の画家が自身の最高傑作を描き上げるために自身の心的世界をさまよう、といった感じのアドベンチャーゲームです。館の中をさまようことになりますが、自由に歩き回れるわけではなく、ほぼ一本道になっています。ときどき行き止まりになって、トリガーとなる行動を取ることで展開していきます。
 少しだけ分岐があって、それによって展開が若干変化します。また、収集要素も少しあって、思い出の手紙や写真などを回収します。

 操作性については、主人公はアル中の上に頭がおかしく足も悪いので、デフォルトでは立っているだけでも視界が揺れており、歩くと片足を引きずっている感じに揺れます。この揺れはあった方がより主人公と一体感が生まれますが、酔う人はオフにするといいでしょう。私は問題なかったですが。
 あと、ドアや引き出しなどは、ボタンクリックで開閉するのではなく、掴んで引っ張る動作が必要になります。"SOMA"にもあった操作法ですが、"SOMA"は開けるべき引き出しが多くなかったですし、バルブの開閉などの回転操作もスムーズで苦になりませんでしたが、このゲームは無駄に棚とか引き出しが多く(その大半は開ける必要がないものの、たまに重要な物が入っていたりするから結局全部開けることになる)、クランクなどの回す動作の操作性もイマイチのために、結構イライラします。

 難易度は、単にクリアするだけならゲームオーバーもなく、大した謎解きなどもないので、誰でもクリア可能です。一部のフラグ立てが面倒でわかりにくいですが、行き詰まるほどではないでしょう。
 ただ、収集品を全て回収しようとしたり、エンディングを全て見ようとすると、なかなか面倒なことになります。わかり辛いところに収集品が落ちていたり、分岐が解りづらかったりします。

 ホラー演出は、中途半端です。ホラーものを期待するとがっかりしますが、かといって、ホラーが苦手な人でも遊べると言えるほどでもない。
 突然大きな物音が立ったり、目の前に突然何かが現れたりといった低レベルなドッキリ要素が多く、不意打ちされるとドキッとしますが、慣れてしまえばタイミングがわかってきて、どうということもなくなります。
 それ以外の演出に関しては、理屈が通っているので怖くないというか。このゲームのホラー演出は、すべて主人公である画家の家庭や仕事絡みのトラウマなんですよね。なので、なぜプレーヤーがそういう幻覚を見るのかがはっきりしているわけです。となるとあんまり怖くないのです。ただ、ホラーの定番ネタに慣れていない人は、それなりに怖いだろうとも思います。そういう意味で「中途半端」ということです。ホラーが苦手でも大丈夫、とも言えないし、ホラー好きなら是非、とも言えない。

 ストーリーは、メインの目的は「最高傑作を描き上げること」で、そのために絵を描くための材料を集めることになります。
 ただ、この画家が何者で、なぜ最高傑作を描き上げたがっているのかについてはプレーヤーに伏せられています。手紙や写真、思い出の品、新聞記事の切り抜きなどを集め行くことでわかるようになっている。
 この仕様は失敗だったと私は思います。主人公の動機がわからないまま、主人公の都合に付き合わされることになるからです。
 プレーヤーに情報を与えないのであれば、主人公は画家ではなく第三者にすべきだったでしょう。怪死した画家にまつわる記事を書こうとしている新米記者とか。それなら館で奇妙な体験をして、情報を集めることそのものが主人公とプレーヤーの動機になり、ゲームの仕様と合致したでしょう。
 画家を主人公にするなら、せめて「亡き妻をキャンバスに甦らせようとしている」くらいの情報は最初からプレーヤーに与えておいても良かったはずです。

 あと、この画家が抱えているのは「恐怖」ではないと思うんですよね。それなのに恐怖をあおる演出に傾いているのには違和感を覚えます。

 ゲームボリュームは、1周3時間。定価だと割高感があるかもしれません。全エンディングを見るなら最低3周必要ですから、9時間。こうなるとそこそこですが、同じイベントを何度も見ることになるのはちと辛いか。

 総評は、全体的に中途半端なゲームという印象です。ある人物の深層心理に潜り込んでいくというコンセプトは面白いのに、それを下手にホラーゲーム仕立てにしようとしたために、単なるお化け屋敷みたいなゲームに成り下がってしまった感じがします。いっそホラーの文法にこだわらず心理描写に重点を置いた方が、よりストーリーも掘り下げられたし、かえって怖いゲームになったように思います。もしくは画家ではない第三者を主人公にするか。
 とはいえ、このゲームには独特な趣向もあって、その点については高く評価しています。ただ、それはネタバレなしでは書けない点なので、詳しくは後述。


 DLC"Inheritance"は、画家の娘が主人公となり、両親の足跡を求めて館を探索します。一本道だった本編とは異なり、DLCでは部屋を巡る順序はプレーヤーの自由になっています。トリガーとなる物に近づくと、過去を振り返るシーンになります。
 本編はホラー演出にこだわりすぎた結果、ホラーとしても心理ものとしても中途半端になっていましたが、それを反省してかDLCではホラー演出にはこだわらず、主人公の幼少期を振り返ることを重視しています。
 あと、過去のシーンは主人公が子供の頃なので、目線がかなり下なのが特徴的な演出といえます。

 過去のシーンでプレーヤーがどういう行動を取ったかで、その思い出に対する主人公の考えが変化します。エンディングは3つに分岐。この分岐条件は本編よりも緩めで、わかりやすいものになっています。
 一方で、収集品を全回収しようとすると、本編よりも大変です。一回のプレイで全ての収集品を回収する必要があり、取り逃すと最初からやり直しになります。

 また、一部の謎解きが面倒なのは相変わらず。無意味に歩かせたり、つまらない仕掛けを作動させたりするだけのイベントは必要ないと思うんですけどね。
 なお、これはややネタバレ気味ですが、重要な情報なので書いておきます。剣を抜くときは、掴んでから、一旦下に押し込んでから引かないと抜けません。この仕様は正直、意味がわからないです。なぜ押し込む必要があるのか。これがわからなくて、私は10分も剣を引き続けることになりました。

 私は、本編よりもDLCの方がデキがいいと思います。ホラー演出は弱まっているので、それを期待するプレーヤーには物足りなくなっているのかもしれませんけど、作品の内容に適したゲーム構成と演出になっていると思うのです。本来本編も、こういう形で作るべきだったと思う。
 そういうわけで、本編を買う人は、DLCをセットで買うことをおすすめします。

 以下はネタバレありの話。


ネタバレあり編






 私がこのゲームで一番評価している点は、ネタバレなしではどうしても書けなかったことですが、妻の幽霊に自分から突撃できる点です(笑)
 突然襲われるパターンもあるものの、基本的に幽霊は簡単に回避可能で、「振り返るな」というのにあえて振り返ったり、自分から突撃しない限りは襲われないんですよね。
 私は"SOMA"をプレイしたとき「どうせ"SOMA"の隠れんぼは簡単なのだから、いっそ怪物に自分から見つかって殺されたくなるような要素を追加したら良かったのでは」と思ったのですが、まさか本当にその仕様を採用しているゲームが存在するとは思いませんでした。
 面白いのは、妻にわざと殺されに行くことがエンディングの分岐条件になっている点でしょう。これを目指してプレイすると、このゲームはもう、ホラーではなくてギャグのようです。わざわざ怖い展開の方へと自ら突撃することになるのですが、そうなるともう怖さはなくて、破滅する快感で満たされるようになります。なんだかあの幽霊が愛おしいようにすら感じてくる。こういう形で、自滅願望や主人公の妻に対する愛情を表現したゲームは斬新だと思うんですよね。

 ネタバレなしの方にも書きましたが、このゲームの最大の問題は、画家が妻を愛しているということを隠そうとした点にあると思います。亡き妻をキャンバスの上に甦らせようとしていることを最初からプレーヤーに伝えて、それに沿ったゲーム内容にするべきだったはずです。その上で、妻への愛と狂気をこじらせる方向に進むか、それとも正気に戻らせるかをプレーヤーに選択させれば良かったと思うのです。

 そもそも、自分の皮膚を剥いじゃうくらい(明言されていませんが、たぶんあれば自分の皮膚ですよね? もしくは妻の死体から剥いだか)妻を愛しているのに、なぜ本編のホラー演出は「恐怖」なのでしょう。そこにすごく違和感があります。
 あのちぐはぐさは開発経緯にも原因があるようで、このゲームはもともと早期アクセスという形で、未完成の状態で販売されていたそうなのです。途中の章までしかできていない形で販売された。だから、開発途中でこのゲームの根本的な矛盾や問題点に気付いても修正できなかったのだろうと思われます。

 DLCは、表面的にはホラーという点では後退した印象がありますが、ゲームプレイを通してプレーヤーに選択させ、その結末に責任を持たせるという点では、よりホラーらしくなったように私は思います。父親に赦しを与えないエンディングはベタな展開ですが、本編の低レベルなドッキリホラーよりはよっぽど上質なホラー的結末で、私はわりと満足でした。しかしそれよりもすさまじいのは父親の遺産を見つけるエンディングでしょう。一見まともそうな娘が狂気へと引きずり込まれる。そしてその手引きをプレーヤーがしてしまう。心理ホラーはかくあるべきと私は思うんですよね。突然大きな物音がしたり、物陰から何か飛び出てきたり、モンスターに食い殺されたりするのは、サバイバルホラーに任せればいいんです。心理ホラーは静かな狂気と恐怖を描くべきでしょう。







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2018.1.14 The Room / The Room Two

 Steam版の"The Room"と"The Room Two"をプレイ。
 どちらもクリック式のアドベンチャーゲームとなっており、気になる部分をクリックして進めていく、古典的な形式になっています。

 タイトルだけ見ると、閉じ込められた部屋から脱出するゲームっぽいですが、"The Room"については部屋を調べる要素は全くなく、仕掛け箱を開けるゲームになっています。"Two"はタイトル通り部屋から脱出するゲームに。



↑本当は仕掛けが動いている画像を見せた方がこのゲームの魅力が伝わるものの、ネタバレになってつまらなくなるので、一番最初の箱(というか金庫)の、何も動かしていない状態。
すんごくホラーっぽい絵面だが、ホラー要素はない。


 このゲームの特徴は、クリックできる部分が絞られていて、謎解きに関係ない部分はクリックできない点です(ストーリー背景を説明するための手紙や手記は例外)。おかげで無駄な部分に時間を費やすことが少なく、スマートに遊べます。
 また、"The Room"に関しては、机の上に置かれた仕掛け箱のみに焦点を絞っており、箱を精査して機械仕掛けのギミックを解除していく感じは、他のゲームにはない独特の雰囲気があります。"Two"は調べる箇所が部屋の数か所になり、普通の脱出ゲームみたいになってしまったのが残念なところ。それでも、無駄なクリック可能箇所がない点は健在ではあります。

 ストーリーに関しては添え物程度のものですが、一応、とある錬金術師の残した物を調べる、といった内容になっています。
 見た目やタイトルにホラーっぽい感じが漂っていますが、実際にはホラー要素はありません。ただ、不気味な感じが全くないと言うとウソになり、特に"Two"は少しそれが多くなっていますが。

 日本語訳はなく、英語テキストのみですが、"The Room"に関しては、英文が読めなくてもほぼ問題ありません。ほぼ全ての謎解きが、見ればわかるものになっています。どうしてもわからないとき、ヒントボタンを押すと英文でヒントが表示されるため、英文が読めないと実質ノーヒントということになりますが、そもそもヒントは必要ない程度の難易度ですし、ヒントの英文は単純で、適当に読んでもだいたいの内容は理解できるはずです。
"The Room Two"になると、英文を使った謎解きがいくつか登場しますが、英文をちゃんと読む必要はなく、重要な単語のみ断片的に理解するだけでクリア可能です。
 ストーリーに関する説明が英文の手紙という形で登場し、これの読解はやや手間ですが、ストーリー背景は知らなくても特に問題は無いです。だいたいなんとなくわかるはず。

"The Room"については、箱の仕掛けの多くは歯車やクランクなどを用いた物理的な感じで、なかなか見ていて楽しいです。"Two"になると、機械仕掛けな感じが薄れてしまっているのが残念なところ。

 パズルとしての難易度は、パズル初心者でも解ける程度の簡単なもの。アクションゲームやアドベンチャーゲーム、RPGのミニゲームとして、ちょっとした仕掛けやパズルが仕込まれていることがありますが、ああしたミニゲーム的なものを少し本格的にして、それに絞った感じです。
 謎掛け自体は簡単ですが、隠されたスイッチや引き出しを見つけるなど、細かい点に気がつくかどうかの方が重要。

 ゲームボリュームは少なめ。値段相応ではあります。パズルゲームのクリアタイムは個人差がありますが、私は両方とも2時間前後でした。
"The Room"はクリアすると「え、もう終わり?」という物足りなさを感じるものの、雰囲気や仕掛け箱のギミックなどは面白く、あんまり損した気分にはなりません。
"Two"は無印よりはボリュームがあり、シチュエーションも多岐に渡るので結構満足できますが、振り返ってみると、無印のように仕掛け箱を開けるゲームであってくれた方が良かった気がするなあと思ってしまいます。

 本格的なパズルを期待してはいけませんが、ちょっとした暇つぶしにプレイするにはいい感じのゲームです。

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2018.1.12 The Witness

 "The Witness"をプレイ。
 このゲームは"Braid"の開発者が制作したパズルゲームです。パズルだらけの島でひたすらパズルを解きまくります。
 Steamでは、単体版と"Braid"がセットになったものが売られています。"Braid"は360でプレイ済みですが、私がこのゲーム買ったのはセール中で、セット版を買っても50円も差が無かったので、セット版を購入しました。

 パズルは基本的に一筆書きパズルです。スタートからゴールまで一本の線で結ぶ。最初は簡単な迷路を解くだけですが、そのうちマーク付きのものが出てきたり、特殊なルールだったりするものが登場してきます。
 ただし、マークの意味が何なのかや、どういうルールなのか、といった説明はありません。試行錯誤して自分で法則を見つけ出すしかない。
 ほとんどのマークやルールにはチュートリアル的な簡単なパズルがあって、それを解いていくことでルールを理解できるようになっています。しかし、チュートリアルパズルだと完全にはルールを理解できない場合があり、応用問題で行き詰まります。そこで立ち止まって考えて、「では、実際にはどういうルールなのか?」と再考するところが、このゲームの醍醐味です。
 そういう意味でこのゲームは、科学的なゲームだといえます。考察と実験を繰り返し、物理法則を理解しようとする物理学者になったような気分が味わえるわけです。ニュートンの物理法則が完璧だと思っていたところにアインシュタインが登場した、みたいな。



↑最初はこんな感じで一目瞭然。


↑マークについて説明はないものの、こうしたチュートリアルパズルを解くことで理解できるようになっていく。


↑スタート地点からはそこそこ近いところにあるパズル。でも、序盤はマークの意味がわからない。
マークの意味を推測して解くことも可能だろうが、大変な労力がかかるので後回しの方がいい。


↑マークも何もなし。これだけ見てもどうすりゃいいんだというパズル。


 公式の情報によると、パズルの種類は500以上とのこと。全部解く必要はなく、エンディングを見るだけなら半分くらいでいいんじゃないかと思われます。また、隠し要素を開放するにも全部解く必要はありません。解かなくても影響のないパズルも結構あります。
 パズルの多くはシンプルで、解き方さえわかればどんどん解けます。このゲームはどちらかというと、パズルそのものよりも、パズルのルールを推測する謎解きに重点が置かれています。ただ、一部のパズルについては、解法がわかった上でよく考える必要があるわけですが。ビデオゲームのパズルゲーとしては珍しく、紙(方眼罫がいい)と鉛筆があると便利です。
 パズルを解く順序は自由なので、行き詰まったら別のパズルを解けばいいでしょう。



↑ここ数年で一番鉛筆と消しゴムを使ったかもしれない。これは私が一番行き詰まったパズル(1日半かかった)。
クリアした人なら何のパズルかわかるかもしれないけど、いずれにせよ正解は書かれていないのでネタバレにはなっていないはず。


 私はこのゲームを買うかどうか、結構迷いました。"Braid"は、本編に関しては素晴らしいパズルアクションゲームだと思うのですが、隠し要素の星探しは結構エグい謎解きだったからです。一部の星の隠し方は、難しいかどうかという以前にアンフェアに感じましたし、やたらと時間がかかるだけのつまらない謎解きもありました。そうした「悪問」が大量にあるゲームだったら嫌だなあと警戒したわけです。結局、買ってしまったわけですが。
 実際プレイすると、パズルの9割はフェアでやりごたえがあるものでした。ほとんどのパズルはシンプルかつ奥が深く、たいがいのものは発想力や観察力が重要で、解き方さえわかれば複雑な手順を延々とこなす必要のないものでした。おおむね満足です。
 ただ、一部にはやはり悪問もあって、保護色で見えにくいとか、パズルに正対できなくてすんごくやりづらいとか、パズルの画面にノイズがかかって見えにくいなどの、難易度以前の趣向のものもありました。私は、視点で殺すゲームと、プレイヤーに正確な操作をさせないで難度を上げているゲームは無条件でクソゲーだと考えています。ということで、"The Witness"の1割はクソゲーだと評価します。

 パズル以外の部分に関しては、島は四季折々の観光スポットがたくさんあって、うろつくだけでも楽しいです。いろいろ隠し要素などもあります。また、パズルを解いていくことで、今まで行けなかったところに行けるようになったり、といった探索要素もあるので、そういうのがこのゲームのモチベーションに繋がります。ただ、ストーリーや、"Braid"みたいなすごい展開などは期待しない方がいいです。


↑景観を眺めて一休みすることも。見所は多い。


 総評は、とりあえずこのゲームはパズルを解きたい人向けのものです。得意か不得意かはともかく、パズルゲーが好きという人でなければ、このゲームにはついていけないでしょう。"Portal"や"Braid"、"Limbo"などは、パズルがあんまり好きでない人でもモチベーションを維持するように工夫されていましたが、"The Witness"はとにかく、ありとあらゆるところにパズルがあって、パズルが好きでない人は、その物量だけでやる気を無くすはずです。
 パズルゲーと探索ゲーが好きな人なら、このゲームは合っているでしょう。"The Talos Principle"が好きな人なら特に合っていそう。プレイするならぜひノーヒントで挑戦してみてください。ネタバレ情報を含んでいるものが多いので、レビューや感想を書いているサイトも、なるべく見ない方がいいです。私は一応、ヒントになりそうな情報は一切伏せたつもりですが(後述のネタバレあり編は除く。これからプレイする人はクリアするまで読んではいけない)。
 ただし、終盤の斜めっているクソパズルや、ノイズで見にくいクソパズルについては、攻略サイトを見て解いてもいいと私は思います。あんなのは面倒なだけで面白くも何ともない。
 あと、色覚異常があると解けなさそうなパズルや、色合いがきつくて直視するのが辛いパズルもいくつかあるので、その場合も無理せず解答を見ればいいと思います。

 以下はネタバレありの話。


ネタバレあり編












 現時点での攻略状況は、とりあえずのエンディングは見て、謎のムービーは5つ解放しましたが、チャレンジは未攻略です。一度挑戦したら、橋を渡る前に時間切れになりました(笑)
 解くのが遅いのもあるのですが、そもそもどこにパズルがあるかわからなくて、探すのに時間がかかりすぎたんですよね。
 ロード時の情報によると、解いたパズルは446+46とのこと。結局全部でいくつあるのか。エンディングを見るまでのプレイタイムは34時間。光を全部出さなきゃダメだと思い込んでいたり、風景パズルを探したりで時間がかかりましたが、実はエンディングを見るだけならもっと早くに到達可能だったみたいですね。

 このゲームの面白いところは、チュートリアルだけだと、マークの意味を微妙に誤解することがあるところだと思います。たとえば、私は結構長い間、白黒マークを、「白と黒の境目を通過する」だと思っていました。その理解の仕方でもそこそこ解けてしまいます。しかしいずれ、それではダメになる時が来るんですよね。そのとき「あれ? じゃあ理解の仕方が間違っていたのか」と気付く。で、正しい法則がわかると、今までの不完全な法則よりも解きやすくなるんですよね。天体の軌道を計算するのに、天動説から地動説に乗り換えたような感じ。……まあ、私は天体の軌道なんか計算したことがないので実体験に基づくと、文章読解に構造分析を導入した時のようだと表現すべきでしょうか。構造分析を用いた読解を理解したときには、高校国語の超面倒くさい上にいい加減な文章読解のやり方は一体何だったんだと思ったものです。

 パズルは今のところ全て自力で解きましたが、一番行き詰まったのは竹林の隣の枯山水がある建物のパズルです。最初はそもそも、基本の解き方自体がわからなくて、何度も行ってはわからず、後回しにしていました。結局、あのパズルの解き方は、裏手の洞窟(隠しムービー解放用の紙が置かれているところ)の扉で初めて理解しました。たぶんあの扉は、あのエリアでは一番最後に開けるはずのものだと思うのですが、一番最初に開けることになってしまった。
 笑えるのが、私が初めて風景パズルに気付いたのがあそこなんですよね。で、グラス型のやつとかはすでに解いていたのです。だったら基本パズルの解き方もわかりそうなものなのですが、実は、シャッターの開け方を完全には理解していなくて、パズル側のシャッターを開けたことがなかったのです。ゲームが進展したら開くようになるのかな? と思っていた。
 一度わかるとあのエリアのパズルはほぼ全部簡単なのですが、最後のひとつでまた行き詰まりました(先ほどの画像で紙に書いてたやつですね)。どうもあそこのパズルとは相性が悪い。
 左を合わせるだけだと要素が欠けているのは明らかで、何か他に材料が必要なのは明らかですが、私はずっと、それを「右を合わせる」ことだと思っていたわけです。左と右の複合で解くのだと。そういうパズルもありましたからね。で、何度も合わせてみて、しまいには写真を撮ってフォトショップで画像合成したりしたのですが、結局ダメで。考えられる限りのパターンを総当たりしても解けない。
 1日半経っても解けないもんだから、いい加減攻略サイトを見るべきかとも思ったのですが、そのときふと思ったのです。「仮にお前、今やっているような総当たりで解けたとして、それで納得できるの?」と。「いや、納得できない。総当たりでしか解けないなら最低なクソパズルだと思う」「だったら今考えている、右と左の複合で解くという解法そのものが間違っているんだろうが」「でも他に材料がない」「よく考えてみろ。今、お前はなぜ総当たりをしているの? これだと思う解法が見つかっていないからだろ?」「確かにそうだ。左はスタート位置が目印になっていて、この位置以外に焦点を合わせる選択肢はない。一方で、右は横にマスをずらしても焦点が合う。つまり、1点に絞れていない」「だったら、右の合わせを解法に使うというアイデア自体が間違っていることだ。違うか? そもそも右のやつって、ひとつ前の問題で使ったやつで、今取り組んでいる問題でも使うという保証はないだろ?」「そうかもしれないけど、他に材料がない」「材料はないんじゃなくて、見つけてないだけだ。右の合わせを使うという考えに固執しているから他のものが見えなくなるんだ。解法は他にある。そして、それは明白な要素で、パズルの周辺に必ずある。よく探せ」
 探せっつったって、思い当たるところは全部見たぞ……と、自分の心の声Aに毒づきながら周囲を見回して……それでようやく、明白な要素を見つけたわけです。わかってしまえばあまりにもあっけないことで、なんでこんなものを見落としたのかと思いますが、同じことは『ワイルドアームズ』のデ・レ・メタリカで経験したので、今更驚きはしません。

 あとは、木の上の時間制限のある扉もしばらく行き詰まりました。何回かやって、走って間に合う距離じゃないことはすぐにわかりましたが、かといって他に打つ手が見つからない。
 たぶんショートカットできるんだろうと当たりは付けていましたが、具体的にどうやったらショートカットできるかが思いつかなかった。
 腹が立つのが、小屋の中の開閉ボタンが、壊れた壁越しに見えることです。そして、ぎりぎり押せそうで押せない。隙間越しに開けるなどという馬鹿な解法じゃないことは重々わかっていながら、何度も試してしまいます。「ホントこのゲームの開発者は底意地が悪いな。隙間越しに開けようとするプレーヤーを見て、あいつら笑ってるんだろう、畜生!」と毒づきながら、見え見えのトラップについ何度も嵌まってしまうわけです。この辺の意地悪さは"The Talos Principle"と異なる点です。"Talos"はむしろ、こうした隙間越しに扉を開けようとするプレーヤーの「ズル」の創意工夫を容認して、それを推奨する節があるのですけど(それがゲームのテーマにも繋がっている。"Portal"もそう)、"The Witness"は「お前らのやろうとすることなんかお見通しなんだよバーカ」と、からかう感じがあるんですよね。そうした高慢さが、パズルにノイズをかけたりすることに繋がっているのだと私は思います。プレーヤーのズルを防ぐのはいいのですが、からかうのはやめて欲しい。
 結局、この解法がわかったのは終盤で、ビームを出したのは10番目でした。ここまでプレイすれば、解法が複数あるパズルは解き方で結果が変わることもいい加減理解しますわな。

 三角パズルも、毎回適当にやったら解けてしまったために解き方がよくわからなくて、終盤で悩みました。結局、一旦戻って三角パズルを片っ端からスマホで撮影して見比べて、ようやくどういう法則なのかわかった。

 1割の「クソパズル」については、ひとつは池のパズル。黄色背景のパズルが保護色になって見えづらい上に、画面が黄色く光って目が痛い。どうしたらあんな配色にできるのか。そもそもあのパズルは保護色にする理由がないはずです。
 温室のエレベーターも目が痛い上に保護色で勘弁して欲しいですが、あれは最上階に行くときの解法を導き出す過程はエレガントなので、一応許してやろうと思います。
 次に、何度も書いていますが、山頂地下のノイズ入りパズル。あれがクソな理由を説明する必要はないでしょう。良問だと思う人は目隠ししてパズルを解けばいいと思います。
 それと、同じ部屋の、ゴミに埋まっている斜めのパズル。視点と操作性で難しくするゲームはクソです。異論は認めない。同じ理由で、ノイズパズルのお向かいさんもクソです。あれなんか操作しづらくて開始方法が解りづらいだけで、問題自体は面白くも何ともないじゃないですか。最低です。要するにあの階は全部クソということですね。無かった方が良かったと思います。
 あとは、円柱に書かれたパズルも酷い。あれも問題自体に目新しいものはなく、ただ見にくい、操作しづらいだけです。
 最後は、時間制限のあるチャレンジ。今のところ未クリアなのではっきりしたことは言えませんが、いずれにせよ、パズルゲームに時間制限を設けて欲しくないんですよね。この手のゲームは早解きしたら偉いってもんじゃないと思う。せめて並べて配置して欲しい。あんなバラバラとあったら、どこのを解いて、次はどこのかわかり辛くてしょうがない。大して複雑な配置じゃないんですけど、パズルを解く際に、別の要因で邪魔されるのが嫌なんです。パズルの配置などという余計なことに頭を使いたくない。
 あと、クソと言い切れるかどうかは微妙ですが、難破船のパズルも悪問だと思います。仕掛け自体は面白いんですけど、あれに透明の鏡合わせ線を複合させたのは良くない。せめて線は透明じゃなくて実線にして欲しかったです。複雑にすりゃいいってもんじゃないです。

 ざっとネットの声を見てみると、竹林の波形型パズルで躓いた人が多いみたいですが、あれは私は意外と早くわかりました。というのは、どうしてもわかんないものだから、その場で小休止したからです。で、「人が悩んでいるのにのんきにさえずってるんじゃねえよ鳥ども!」と、理不尽な八つ当たりをしていたのですが、それで気付いた(笑)
 と同時に、難破船のパズルの解法も理解したわけですが、難破船のは解法がわかってなお面倒くさいパズルでしたね。あのパズルはこのゲームでも屈指の面倒くささのような気がする。結局私は録音して、波形編集ソフトでカットして、ACIDで並べて順番を確認しました。

 砂漠のパズルもチュートリアル的なものがなくて嵌まりやすそうですが、あれは最初の砦(?)を出て一番最初にクリアしたエリアでした。うろうろしていたらたまたまわかった。

 風景パズルは、なにか隠し要素の開放とかあるのかな、と思っていたのですが、どうやら何にもないみたいですね。攻略サイトを見ていないのではっきりしたことはわかりませんが、オベリスクが光るだけ? あれだけ派手な演出の割にはちょっとがっかりです。
 しかしまあ、あれはいい隠し要素ですよね。パズルばっかり解いていると、なんでもかんでもパズルに見えるようになってくるわけですが、それが実際にパズルとして解けるという。

 あとは……そうそう。エンディングについてなんですが、エンディングそのものはまあ、予想の範囲内だったのですが、「今更最初からやり直したくないよ。ロードしよう」とロード画面を開くと、エレベーターに閉じ込められた状態のセーブデータと、山頂に入ったばかりのデータしか無くて、それはもう焦りまくりました。
「なんでエレベーターに閉じ込められたデータがあるんだよ! 意味ないだろ! で、なんでその次のデータがよりによってクソノイズパズル未攻略のデータなんだ! やり直したくないんだよ! 特にノイズはもう嫌なんだ! ちくしょう、クソゲーめ! クソクソクソ!」などという呪詛を吐きながら、半泣きでノイズパズルの手前のデータから再開しましたが、やはりもう、あれをもう一回解くのは、たとえ攻略サイトで答えを見て書き写すだけでもやりたくない。
 で、なんとか出る方法は無いものかと、最後の望みを託してエレベーターのデータから再開したのですが、エレベーターを閉めたときのパズルはもうない。
 すり抜けバグとかないのかねとか、無駄な抵抗をグリグリやっていて、ようやく扉を開くパズルを見つけたときといったら、エンディングそのものよりも感動が溢れました(笑) これでノイズパズルをやり直さなくて済むよ! と。
 ……しかし本当に、このゲームの開発者は性格悪いです。わざわざエレベーターの扉を閉じた状態でオートセーブして、開くパズルを見えにくくするなんて。

 醜態についてはさんざん書いたので、ファインプレーについても。紹介画像の3番目で紹介した、砂漠の海岸にあるパズル(後回しがいいとか書いてたやつ)ですが、私はあれを、テトリスっぽいマークと青い四角マークのチュートリアルパズルなしで序盤に解きました。そのときわかっていたのは、白黒マークと黒点の意味だけです。
 テトリスっぽいマークはすぐ推測が付きましたが、問題は青い四角で、これの意味するところがなかなかわかりませんでした。ただ、いくつか考えられる可能性を試して除去していくと、テトリスブロックを消す効果くらいしか残らなかったのですよね。それで試したら正解だった、と。
 ただ、なまじこのときテトリスの意味を推測して正解を出したせいで、テトリスブロックを組み合わせられる、ということにはなかなか気付かず、それでかえって苦労したパズルもあったのも事実です。「このテトリス、どうやったってパズルからはみ出すだろ、バグってるんじゃないのか?」とか思ってた(笑)

[2018.1.12 追記]
 記事を投稿してすぐに、隠しエンディングらしきものを見つけました。隠しエンディングへのパズルは紙に写して、紙の上ですでに解いていたので、あの形状のパズルを見つけたときはすぐ気がつきました。……まあ、本当は風景パズルを探していただけで、まさかあれが隠しエンディングだったとは全然思っていませんでしたが。太陽は絶対どこかで風景パズルで使うと思っていましたが、ようやく出番が来ました。
 隠しエンディングは絶対あるだろうと思っていましたが、チャレンジの完走が条件だと思っていました。まさか関係なかったとは。……ということは、チャレンジの報酬は6つめの隠しムービーということでしょうか。で、6つ目のムービーがまたエンディング的な内容だったりして。ムービー鑑賞ルームには風景パズルが作れそうな箇所があるので、6つ目のムービーで作れるパズルでまた別のエンディングに行けるとか、そんなことはあり得るのか。……さすがにないか。
 あんなオチで良かったのかどうかはなんとも言えませんけど、パズル中毒っぽい挙動は笑えました。いちいち丸いものに反応したり、ドアを開ける前にカギを回したり。私もムービーを見ながら「そこに風景パズルがあるじゃないか! ポイントするんだ!」とか思っていたから主人公と同類なんですけどね。でも、それだったら額縁に飾っているパズルも解こうとする挙動があっても良かったような気がしますけど。あからさまなパズルはあえて無視するという。
 作品分析的な側面から考察すれば、解けそうなパズルをあえて解かないのは「現実世界でパズルを解いたらどうなるか」という結論をぼかすためでしょう。普通、現実世界でパズルを解いても、発光パーティクルが飛んでいったり音がしたりはしないんですけど、もしかしたら何か起こるかもしれない、という期待感をあえて残すためにああしているのだと思います。
 あとは、現実でゲームの世界の様子を再現したらどうなるか、というのを再現してみた意図もあるでしょう。ゲームの世界では、要所要所にパズルがあるのは必然であり当然なんですけど、現実世界で、いたるところにパズルがあったら、一気にシュールな絵面になります。そのギャップを描きたかったのだと考えられる。壁にパズルを飾っているだけで、なんとなくピンクフロイドのムービーみたいな雰囲気になりますからね。
 でまあ、ムービーに出てくるパズルは、見るからに解いても意味なさそうなのも事実で、だから主人公は解こうとしない、と考えることもできると思います。現実世界で壁にパズルが飾ってあったって、そんなものに意味がないことは誰でもわかることで、主人公もその程度の常識はあるわけです。でも、何か隠し要素があるんじゃないかと期待してしまう、と。

[2018.1.13 追記]
 チャレンジを何度かやって、全体の仕組みは把握しましたが、やはり時間がかかりすぎてクリアできず。論理矛盾のある問題を見抜かせる趣向や、黄色点のある場所に問題があるという仕掛けは面白いですけど、序盤の出題順序がランダムでいちいち無駄に走らせるのは知的活動とは言いがたくて気に入らないですし(実は何か法則があるのだろうか)、何より最後が円柱パズルというのが嫌すぎます。よりによって見づらい、操作性悪いパズルに厳しい時間制限を設けるってどうなのよ。
 このゲームの面白さは、わからない状態で試行錯誤して、わかる状態になることだと私は思うのです。しかしチャレンジはそうではなくて、すでにわかっていることの処理の速さを磨くだけです。そういうのは音ゲーやアクションゲームの領域で、それがやりたいなら、何もこのゲームをプレイする必要はないと思います。
 おそらくチャレンジの報酬はムービーで、これが見られないのは残念な気がしますが、私はもう、チャレンジのクリアは狙わないことにします。風景パズルを探す方が面白いですからね。
 そういえば、同じ理由で"Braid"のタイムアタックもプレイしなかったんですよね。タイムアタックの実績だけ解除していません。

 しかし、チャレンジでかかる曲がグリーグの『ペール・ギュント』(の「アニトラの踊り」と「山の魔王の宮殿にて」)というのは皮肉ですね。この選曲は当然、意図的なものでしょう。『ペール・ギュント』は自分探しの物語で、ペール・ギュントは結婚しようとしては逃げ、トロルの王になろうとしては逃げと、波瀾万丈だけど何も得ることなく過ごすのですが、死を迎える直前に、お前の人生は善でも悪でもない中途半端なものだから天国にも地獄にも行けないと宣告されます。それで、自分の人生が凡庸ではなかったことを証明しようとするわけですが、ゲームプレイの総仕上げにチャレンジに挑戦して実績解除を狙おうとするプレーヤーは、まさしくペール・ギュントと同じようなものだと言えます。結局、ペール・ギュントはそれを証明できなかったわけですが、それはチャレンジの成否に関わらず、プレーヤーもそうだと開発者は言いたいのでしょう。余計なお世話です(笑)

[2018.1.14 追記]
 クリアは狙わないと言ったそばから、チャレンジをクリアしてしまいました。風景パズル探しの息抜きでやってみたら、たまたまえらく簡単な問題ばかり出てきて、円柱パズルまでいった段階で「アニトラの踊り」がまだ終わってなかったのです。白黒問題の方の円柱でかなり時間を取りましたが、それでも余裕をもってクリア。問題の難易度に偏りがありすぎる気がする。
 そういうわけで、最後のムービーも見ました。もちろん裏手から(笑) ……もったいぶって安物電池を掴ますのがせこい行為だとわかっているなら、解くのに1時間もかかる仕掛けを盛り込むなよ。なぜこのゲームの開発者は、こういう講演を聴きながら、あえてダメな要素を盛り込むのかね。わかっててやっているのが本当にタチが悪いです。ムービーくらい落ち着いて鑑賞したいのに、「これ、本当にちゃんと角度合ってるんだろうな。ミスってたらまた1時間やり直しだぞ」と思うと気が気じゃなかったです。もちろん、一度早送りして確認はしているのですけど。なお、講演の内容そのものには文句はなく、興味深い内容でした(勘違いしている人がいるかもしれないので補足しておくと、これは2002年に行われたBrian Moriartyの講演で、"The Witness"の開発者の独白などではありません)。"Braid"みたいに無意味に時間を潰すよりはマシではあります。でももう二度とこういう隠し要素は入れないで欲しい。
 プレイタイムは51時間(ただし、何時間か寝落ちした時間も含まれる)、クリアパズル数は515 +95 +1(この+1は砂漠のもの)です。クリア数はチャレンジをクリアしたら一気に増えたので、チャレンジ中の14問もカウントされるようですね。
 現在、存在を確認していて解けていないのは、チャレンジの洞窟にあるグラデーションのパズルです。あれはパズル画面を眺めていても解けないタイプの問題かもしれません。何色と何色を混ぜたら何色になるか、という色に関する知識を引っ張り出してくるか、山頂地下にあった色パズルを参照するとかする必要がありそうな気がする。それとも考えすぎなだけで、実はすごく簡単なのか。

[2018.1.17 追記]
 風景パズルを全部発見しました。ノーヒントだと全部見つけるのはまず無理でしょうけど、オベリスクのヒントがあるので、ある程度探す場所が絞れるのはいいですね。たとえば左右対称になっていたら、影か水面なんだろうなとわかるとか、きれいな直線だったら人工物だろうとか。
 ただ、オベリスクの面による分類が予想外で、あれでかえって惑わされることがあるのも事実です。たとえば街と視聴覚室が同じ面だったり、洞窟と温室が同じ面だったり。湖のオベリスクは逆に、分類が細かすぎて解り辛かったです。
 大がかりな仕掛けのものは比較的簡単に見つけられました。船を使った風景パズルや、最初の砦のパズルなどは、起点や終点は簡単に見つけられて、でも、途中の道がない、といったタイプですが、こういうのは可能性を絞り込んでいけばやることが見えてきます。ただ、パズルを再利用するタイプのものは、すでに解いたパズルを別の方法で解く必要があって、これは考え直すのが大変でしたが。なまじ正解のパターンを知っているだけに、そこから発想を発展させるのが難しい。
 それよりも難しいのは、特定の位置、角度からでないと起点や終点が全然見えないタイプのものです。パズル自体はめちゃくちゃ簡単で頭を使うことがないかわりに、見つけるまでが苦行。これは辛い。
 最後まで残ったのは、竹林オベリスクの枯山水の面の3番目の直線と、湖オベリスクの花畑の2つ、あとは温室の2つでした。……正直言うと、温室の2つのうち、赤色の部屋のやつは攻略サイトを見て解きました。あの部屋で長時間捜し物をしたら発狂しそうになったので、無理しない方がいいと判断。できるだけ自力クリアしたかったけど、あの部屋は本当によろしくない。
 枯山水の面の3番目と花畑は、わかってしまえば簡単なんですけど、オベリスクの分類に惑わされた感じがあります。

 クリアパズル数は521 +135 +6。パズルが全部でいくつかは知りようがないので、攻略サイトで確認しましたが、523あるみたいですね。2つ見落としていることになる。一応確認したのですが、何を解いていないのかはわからないまま。見落としやすいとされるパズルは全て解いているみたいですし。まあ、コンプリートに固執しなくてもいいでしょう。

 オーディオログも攻略サイトを見て、半分くらい見落としていたことが判明。まあ、あれは小さいですし、風景パズルを探しているとそれどころじゃなくて目に入らないんですよね。ギタリストのアンプの上とか、比較的簡単に見つけられそうなのまで見落としていました。

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