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雑記ノート(二冊目) 2020年

「雑記ノート(二冊目)」についての注意

 このページは、個人的な雑記という体で書かれており、基本的に読者への配慮はしておりません。
 特にネタバレに関する配慮はしませんので、ご注意ください。

更新履歴

2020.12.24 カクヨムWeb小説短編賞に応募する
2020.12.02 "Dead by Daylight" 血の渇望をなくすテストに追記


2020.12.24 カクヨムWeb小説短編賞に応募する

 カクヨムの短編賞に、まず絶対入選しないような作品で応募している。本当はもう少しは入選する可能性がなきにしもあらずなものを出そうと考えていたのだが、急遽出来上がってしまった作品がちょうど応募規定を満たせそうだったので、そっちを優先して仕上げてしまった。おかげで、本来とっくの昔に書き上がっていたはずの作品が未だに最後の詰めで手こずっている有様である。

 私は私小説なんてクソだと思っているし、小説に書かれた内容が実話かどうかなど、どうでもいいことだと思っている。小説として書かれた以上、それはフィクションだからである。実話を実話として語りたいなら、ブログやエッセイや自叙伝でも書けばいい。私はエッセイではなく小説という形式を選んだ。それが答えである。

 とはいえ、実話かどうか気になってしまうのが人情というものなので、ここだけの話だが、少しだけ実際の話を書いておく。

 私は「丹後ちりめんの足袋入れ」を、通夜の前日から葬儀の日までの3日間、徹夜して書き上げた。現実に葬儀をしながら、葬儀の話を書いていたわけである。
 実のところ、葬儀は3年前にもやっていて、その時も私は段取りから何から手伝っていた。なので、葬儀屋に遺体を引き取りに来てもらってから、火葬するまでの一連の段取りを決めたり準備したりするのは今回が初めてというわけではない。
 ただ、実際に葬式をやりながら書いたおかけで、いくつかリアリティを付加することができたから、それはそれで良かったのではないかと思っている。たとえば、当初の予定では、主人公の写真を棺に入れるというくだりがあったのだが、いい機会なので葬儀屋に「棺に写真を入れるのはどうなのか」と聞くと、故人以外が写っている写真を入れるのはやめておいた方がいいと言われたので、その展開は削ることにした。

 しかし、葬儀ネタということなら、「知らない街で本屋を物色する」の方が、私としては重要で思い入れの深い葬儀だったりする。
 あの作品の冒頭で、学部長の葬儀に出席する、というくだりがあるが、あれも私が実際に経験した葬儀が元になっている。実はあれ、後藤明生の葬儀なのである。
 私は卒論で後藤明生をテーマにした程度には後藤明生の著作に敬意を払っているが、後藤明生本人とはほとんど何の接点もなかった。なのに、葬儀に行ったらなぜか親族席に座らされ(受付で、親族じゃないしゼミ生とかでもないし、ほとんど無関係の人間だぞと言ったのだが、席が空いてるからとにかく座ってくれと言われて座ることになった。本物の親族にはさんざん、あいつ誰? という視線を浴びせられた。私が何者かはむしろ私が知りたい)、柄谷行人や蓮實重彦の弔辞を間近で聞くという、わけのわからない事態になったのである。帰りに塩をもらったが、私はそんなもん撒かなかった。後藤明生の亡霊が取り憑くなら超歓迎、それでいい小説が書けるならラッキーってなもんである。……そのせいで売れない小説しか書けないようになったのかもしれないが。
 しかし、ある体験が私にとって思い入れが深いかどうかは、読者にとってはどうでもいいことである。なので、作中ではそこまで詳しく触れていない。たぶん、あれを読んで、あの葬儀が作者にとってとても重要な体験だったと気付く人はいないだろう。

 私は非現実的な内容の作品をよく書く。だからこそ、実際に体験したことをちょくちょく入れている。「丹後ちりめん」は非現実要素がほぼないために「実体験かどうか」ということに注目が行きがちになってしまうが、私にとって「丹後ちりめん」が特別重要な作品ということはない。あれが特別ならどの作品も特別だし、あれが私小説というなら、他の作品も私小説ということになる。
 ただ、あそこまで私小説っぽく見える作品を書くのは、最初で最後にしたいとは思っている。


[追記]
 同じネタをエッセイにするか小説にするかでそんなに違うのか、と思っている人もいるだろうから書いておくと、全然違う。小説では「丹後ちりめんの足袋入れを探す話」を中心に組んでおり、そのために話を脚色したり、削ったりしている。また、人物や病院、葬儀屋等が特定されないように配慮している。関わった人が読んだら「あの葬儀が元ネタか」とわかるかもしれないが、知らない人が読んでも解らないはずである。

 エッセイとして書くなら、実際にあった面白エピソードの数々は外さなかっただろう。親父に葬儀代等、当面必要な金を渡したら、全部お布施として包んでしまい、坊さんに電話して返してもらう羽目になったりとか、火葬場で火葬代の領収書をもらったとき、「いま親父に渡したら絶対なくすだろう」と思い、わざわざ家に帰ってから「これは重要な書類だから絶対になくすな」と念を押して渡したのに、結局「なくした(厳密には「渡されていない」と言っていた。無責任なクソ親父めが)」と言い出して家中探し回る羽目になったりとか。……こんなことなら、私が喪主を務めた方が良かった気がする。
 ただ、そうしたエピソードは作品には調和しないので、残念だがカットである。


2020.11.22 "Dead by Daylight" 血の渇望をなくすテスト[2020.12.02 追記]

  1ヶ月前から"Dead by Daylight"をプレイしている。おおまかな感想等はカクヨムにアップした。今後はゲームのレビュー的なのはカクヨムでやることにする。

 こちらでは日記的な話を。

"DbD"では突然、11月21日から3日間、「血の渇望」をなくしてみるテストをやると言い出した。現在"DbD"ではパブリックテストを行っているが、なぜか正規版で実施している。
「血の渇望」とは、チェイスが長引くとキラーの移動速度が上がるシステム。これによって、単調なパターンでチェイスしていると、そのうち追いつかれてしまうことになる。
 運営によると、"DbD"のシステムは「大きく進歩」したらしく、血の渇望がなくても大丈夫になったらしい。

 私はほぼキラー専門でプレイしている。DLCなし。アドオンなし。ナースを除く初期キラーでプレイしているが、血の渇望なし期間はレイスでのみプレイしている。現キラーランクは14。10月末から半月ほどプレイして20から13まで行ったが、13日にリセットされて17に。それから再び14まで戻った。

 実際のところ、私は血の渇望をアテにしていない。血の渇望が発動するまでチェイスをしているということは、チェイスに時間を掛けすぎということである。そんなことをしている間にどんどこ発電機は修理される。
 あと、血の渇望があると、板を壊すべきかどうかで躊躇することがあって、むしろ邪魔な気もしていた。血の渇望がなければ、板を壊すのに余計なことを考えなくていい。

 というわけで、私はなくなっても別に構わないが、血の渇望は、同じところをぐるぐる回ることしかできないサバイバーと、それを延々追っかけてしまうキラーとの、つまらん勝負を終わらせる意味では機能していると思う。
 血の渇望がなくなったら、キラーはチェイスを見切る技術を修得できて上達が早くなる一方、サバイバーは単調なチェイスに頼るようになって上達しないだろう。あと、血の渇望頼みだった初心者キラーが減るかもしれない。結局はサバイバーにとって不利なんじゃないかと思う。


 もともとアテにしてないものがなくなっても影響ないので、私は気にせずプレイしていたが、妙に赤ランクとばかりマッチングした。このゲームのマッチングはろくに機能していないので、ランク20の時からランク1と当たるが、それにしても赤ばかり。
 私は赤ランクと当たることは構わない。うまい奴らとやらないと上達もないからである。しかし、それにしても赤とばかり当たりすぎる。しかも、準備完了から数秒で相手が見つかる。なぜなのか。

 考えられる理由は2つ。ランク1を目指しているサバイバーが、血の渇望のない今をチャンスとみている。もうひとつは、キラーのプレイ人数がめちゃくちゃ少ない。……そんなに血の渇望って影響力あったのかね。


 おそらく凜やフレディが跋扈する中で、私のレイスと当たったサバイバーはラッキーだったかもしれないが、全然吊れなかったマッチでは、それはそれでサバイバーも評価を稼げなかったような気もする。
 あと、私の屋内戦でのヘタクソぶりは酷い。道に迷う。特に食肉工場に当たると勝てる気がしない。ドクターなら適当に放電爆破してれば叫びまくってくれて楽なのかもしれないが。

 この2日でランク評価は上下したが、結局はプラスになった。16から14へ。何回か全滅できたが、1人混ざっていたヘタクソが無理救助したり、無理救助に怒って自殺したりした結果であることが多かった。サバイバーの敵はキラーではなく仲間であることがよくわかる。いくら赤ランクでも、早期に2人だけになったらどうにもならない。……キラーが5メートルも離れていないのに助けるのはさすがにどうかと思ったし(吊って発電機の方を振り向いて鐘を鳴らし始めた瞬間に後ろで爆発音がした。せめて透明化してどっか行ったのくらい確認せんのかね)、それに怒って自殺した人の気持ちもわからんではない。しかし、関係ない2人に迷惑をかけるのはどうなのかね。
 あとは、たまたま地下室に吊れたとき。地下室の近くにある発電機を何度も修理に来る人がいて、殴り倒して地下に吊り、救助された後でまた修理に来ていたので殴って地下に吊るというマッチが2連続であった。あれはよくない。1回目は地下室の位置を知らなかったかもしれないからしょうがないにしても、2回も地下に連れ込まれるのはダメすぎる。あんなの救助しないで発電機修理したらいいのに、これがまた救助に来るから、救助者も吊られることになる。目茶苦茶である。
 単純に緑ランクと当たっただけのマッチもあったが、さすがに赤とばかりやっているとすんごい楽に感じる。あまりにも修理が遅いので、「下手そうなレイスだからと、わざと手を抜いてる?」と思ったくらいである。


 ほとんど全滅か全員脱出しかない極端なリザルトばかりの中でランクが2つ上がったということは、私のキルレシオはおそらく50%を超えているのだろう。
 アドオンなし、DLCキャラのパークなしのレイスでキルレシオが50%超なのだから、平均キルレシオ50%を理想だとする運営がキラーをナーフしたいのもわからんでもない。しかし、キラーが強いかどうか以前に、うまいサバイバーと下手なサバイバーの落差が激しすぎることと、ヘタクソが混ざる弊害が大きすぎるのが根本的な問題だと思う。

 実際、立ち回りを理解できているサバイバー4人に対しては、私はほとんど何も出来ずに全員逃がしている。殴って負傷させるのがせいぜい。吊れたらラッキーである。血の渇望があれば、発電機を捨てて長いチェイスをすることで無理矢理吊り回数を増やせた可能性はあるが、結果に大差はなかっただろう。
 ところが、ヘタクソが1人混ざっており、それを私に気付かれただけで、全滅まで持って行ける確率が大幅に上がる。あまりにも極端すぎる。これは明らかに、私がうまいか下手かの問題ではない。

 そもそも、平均キルレシオ50%という開発の理想には問題がある。キラーはかなり低いランクのうちから、3人は処刑しないとランクが上がらない。つまり、開発が理想とする「2逃2処刑」よりも高い成績を出せるキラーしかランクが上がらないのである。
 それなのに本当に平均キルレシオ50%になるように調整したら、キラーからはものすごく文句が出る。ほとんどのプレイヤーはランクが上がらなくなるからである。
 そしてそのことは、初心者サバイバーにとっても弊害が出る。実力があるのに低ランクに留まるキラーが増える。うまい奴はさっさとランクを上げてくれないと、サバイバーとしても損なのである。


 私はいままでゲート前で挑発してくるサバイバーにほとんど出会わなかったが、今回は妙にたくさん出会った。棒立ちだろうと屈伸してようとエモートしてようと、殴ることに変わりはないからどうでもいいが、有利になった途端に威勢がよくなる連中は、何が楽しくてゲームをやってるんだかよくわからん。実生活でよほど辛い目にでも遭っているのかね。
 そもそも、ヘタクソキラーやレイスなんか使っている奴を挑発するのは損だろう。それでレイス使いがキラーを辞めたり強キラーを使うようになったら、地獄を見るのは自分達である。どうしても挑発したいなら、ガチパークアドオン構成の強キラー相手にすべきである。まあ、やらんほうがいいと思うが。名前を覚えられて、次会ったときに戦術無視のトンネルキャンプをされるかもしれないし。

 しかし、ゲート前で殴られてから脱出するのには、サバイバー側に何かメリットがあるのだろうか。実績解除のためかもしれないが、そんなにあの実績を解除していない人が多いとも思えない。こっちとしてはちょっとでもBPが稼げるからいいが、わりと謎である。マゾなのかね。


[追記]
 血の渇望に関する意見を見ていると、日本ではほとんどの人が削除に否定的。Steamの英文によるディスカッションでは半々といった感じ。おそらく日本で削除に否定的な人が多いのは、キラープレイ人口が少なすぎてサバイバーのマッチング時間がかかりすぎることが影響しているのではないかと思われる。プレイできなきゃ有利も何もあったもんじゃないと。

 血の渇望をなくすなら、ランプキンレーン(マイヤーズさんのお家のあるところ)をなんとかしてくれという意見が多かったのは驚いた。私はあのステージは一番好きである。全員逃がしても楽しい。
 車の周りを回るだけで時間が稼げる阿呆みたいなグルグルポジションもあるが、家と庭を利用した立体的なチェイスでは、読み合いに勝てば、サバイバーの方から近づいて来てくれたところを殴り倒せる。二階からわざわざ眼前に向かって飛び降りてきたところを殴ったり、窓からこっちに向かって入ってきたところをキャッチした時は最高に楽しい。あのステージは一番チェイスらしいチェイスができると思う。

 逃げ込まれると絶対捕まえられないお家もあるが、あそこに立て籠もっている間、サバイバーは吊られているのと同じだから、何も問題ない。一生そこでキャンプしていればいい。その間に他のサバイバーを一人ずつ消してやるだけである。


[2020.11.24 追記]
 血の渇望が復活してから、ひととおりのキャラ(使える限りで。ナースは除く)でプレイした。やはり私のプレイスタイルだと血の渇望はほとんど発動しない。すぐ板を壊すし、チェイスを一旦切って先回りしたり、発電機巡回に戻ることの方が多い。全く恩恵がないわけではなく、当然、ないよりあるほうがいいが、なきゃどうにもならんという気はしない。
 もしかすると、私はチェイスの見切りが早すぎるのかもしれない。いいことかどうかはわからない。

 血の渇望が復活すると、煽る人とは出会わなくなった。ただ、マッチングがめちゃ早なのは相変わらず。
 今日はなぜか、開始してすぐに切断されるマッチが多かった。わざと切ったのか、切れてしまったのかは不明。

 ところで、なんとなくキラーのランク査定が甘くなった気がするのは気のせいだろうか。今日は妙に1処刑や全員脱出で評価が上がった。今までこんなことはなかった。ランク20くらいの時に2処刑で上がったことはあったが、1処刑以下で上がったのは今日が初めて。トラッパーでやっていて、めちゃくちゃ罠にかかってくれたものの、近くのフックは壊されていてかえって困る事態になったマッチだったため、処刑以外の評価はかなり高かったのだが。ちなみにもちろん自分でも罠にかかった。トラッパーをやっていて、足が無傷で済むマッチはほとんどない。

 最近、妙にサボタージュ持ちと当たる。なぜか知らんが、流行してる? 私はダウン放置される方が吊られるより厳しい事態だと思っているから、公然とダウン放置できて得だけど、いいの? と思う。ダウン放置された方が救助に手間がかかるからである。起き上がらせるにも時間がかかるし、キラーも近くをうろうろする。吊りキャンプよりも面倒くさい事態になる。それよりは、さっさと吊られてさっさと救助された方がサバイバーにとっては得なんじゃないかと思う。
 担ぐのをライトや肉壁で妨害するのも同じ。次吊られたら死ぬならならともかく、1回目から妨害するのは時間の無駄じゃないかと思う。だいたい1回目にやられたら、肝心な時にはキラーが学習しているから引っかからなくなる。
 吊り妨害は、サバイバーとしては楽しいだろうし、いいことをした気分になるのだろうが、実際はそんなことをしている暇があったら発電機を修理した方がよほどキラーは嫌がる。積極的に吊り妨害をしているということは、そいつは発電機修理にはあまり貢献していない可能性が高い。というわけで、吊り妨害する連中は有り難いなといつも思っている。

 今日は面白いチェイスのできたマッチがあった。相手もうまかったし、こちらも2〜3手先を読んでの先回りで何度かダウンが取れた。あまりにも面白かったので、最後の最後、脱出ゲート前でぎりぎり追いついてダウンを取って吊れたかもしれないのに、鐘を鳴らしながら追っかけたせいで逃がしてしまった。手加減するつもりはなく殺る気満々なのに、なぜか鐘を鳴らしまくるという謎の行為をしてしまった。
 エンティティは不機嫌だったが、勝手に不機嫌にさせておきゃいい。


 情報を漁っていると、ランプキンレーンでひたすらキラーを煽るだけの迷惑パーティーがいるらしい。名前が晒されていたが、マッチングしたことがある。ランプキンレーンを指定してきたから覚えている。
 どうやらチェイスで誘導してロッカーアタックを狙うらしいが、私があまりにチェイスを切るのが早く、ライトチカチカしても吊り妨害しても深追いしてこないから(私は、こういうことをしてくるプレイヤーのヘイトを下げる)、うまく行かなかったらしい。リザルトはよく覚えていないが、たくさん殴ったことだけは覚えている。

 ああいうのが迷惑煽りパーティーなのだとしたら、私は結構そういうのとやりあっている。さして煽られている自覚もなかった。単に発電機修理が遅いから楽な方だとか、吊り妨害してくれる間は修理されないからラッキーくらいにしか思ってなかった。そして、行動パターンを読んで、どうやって裏をかいて殴るかばかり考えていた。
 ああいうのとやりあって心が折れるキラーが多いのだとしたら、やはりキラーをプレイするには鈍感さが必要なのかもしれない。


[2020.11.27 追記]
 血の渇望テスト以降、本当に赤とばかり当たるようになった。
 煽りボイスチャットパーティーともよく出くわすように。私はさして気にしていないが、さすがに4連続でそういうのと当たるといい気分ではない。
 こっちが準備完了したらそそくさと血まみれ衣装に替えていた奴らがいたが、似たような名前が並んでいるのを見ればボイスチャットパーティーなのが丸わかりだったから、ずいぶん阿呆だなと思った。それで偽装したつもりなのか? わかってて遊んでやってるんだっての。煽りプレイがどうこうよりも、頭が悪いくせに賢いと思い込んでいることに腹が立つ連中だった。
 こういう連中の遊び相手をするのは他のプレイヤーのためにならないから、今後は名前を覚えておいて、見かけたら対戦拒否するようにする。

 クロスマッチを切ると、マッチングまでの時間が長くなる代わりにマナーの悪い連中とは当たりにくくなる。赤と当たるのは変わらない。うまい人と対戦すること自体は文句ない。ただ、相手としては物足りないんじゃないかと思わんでもない。

 渇望の有無よりも、テストによる影響の方が深刻である。予想されていたこととはいえ、想像以上にキラーの数は減ったようである。血の渇望云々よりも、あまりにも運営がキラープレイヤーをないがしろにしているのがわかるテストだったからだろう。休日にいきなり勝手な理由で不利にしておいて補填もないし。
 残ったキラーは相手が厳しすぎて、アドオンなしレイスでキャンプなしとか、そんなプレイをしている場合じゃなくなってしまった感がある。


[2020.12.02 追記]
 一時期の酷いマッチングはある程度解消され、クソプレーヤーと当たることはなくなった。相変わらず赤とは当たるが、まともな人間でさえあればなんでもいい。
 今回のことで分かったのは、名前や服装の怪しい奴は、やっぱり悪質プレイヤーだということ。人は見た目で判断すべきではないというが、ゲーム内で名前や服装をわざわざ変なのにする奴は、やはり心根がねじ曲がっている可能性が高い。そのため、直感でヤバそうと思った場合、その直感はほぼ当たっている。というわけで、今後は直感を信じて、ヤバそうな奴には関わらないことにする。

 レイスのアドオンに、透明化しても脅威範囲が消えないというのがある。縛りプレイ用のアイテムとしか思えない。無駄にたくさんあるので、試しに使ってみることにした。実戦で使う初アドオン。ついでに苦悶の根源も付けて、うるさいレイスの誕生。
 透明化してもいるのがバレバレじゃ話にならんだろうと思っていたら、意外と奇襲攻撃が当たる。心音はするけどどこにもいないから、どっちに逃げていいかわからないらしい。サバイバーに近づくと、みんな「何こいつ」という反応をするのが面白い。このアドオンを付けているレイスはあまりいないのかもしれない。
 もともと私は脅威範囲は広い方が好みだから、意外と合っているのかもしれない。しかし、アドオンは有限なので毎回使えるわけではない。


2020.11.08 アルファポリスの問題

 メインの小説置き場をアルファポリスにしようとしていたが、あのサイトは問題があるのがわかってきた。管理がずさんすぎる。
 規約違反の作品や利用者になかなか対処せず、放置している。何のための規約なんだかさっぱりわからない。挙げ句に、青空文庫から転載しているユーザーを放置。青空文庫は転載を許可しているが、小説投稿サイトで自分の作品以外を投稿するのはダメだろう。

 画像データを投稿できるので、サイトコンテンツのバックアップとしては扱いやすいのだが、小説を投稿する場としてはカクヨムを利用することにする。カクヨムには投稿しても読まれないという重大な問題はあるが、利用に不安のあるサイトは使えない。

 それに、アルファポリスの24hポイントの仕組みもわかってきて、実は思ったよりPVはないことがわかった。たとえば、現代文学の1話完結の作品の場合、1PVが49ptとして計上されているようである。2PVで49x2+1=99pt。最初は1PV=7ptだと思っており、現代文学を、読んでる人がこんなにいるのかと驚いたが、実は案外読まれていなかったのであった。また、自分自身による閲覧も1PVとして計上される。

 小説家になろうは、システムが古くて管理しづらいので、今後は使う予定はない。一番読まれると言えば読まれるサイトではあるのだが。

 ここ1年でいろんな小説投稿サイトを見たり、利用したりしてきたが、それでわかったことは、ニッチな小説の居場所はない、ということである。おそらく、そうした小説にもニーズはあるはずだが、どこの小説サイトも、そういうニーズに応える仕組みを作っていない。一番手っ取り早く儲かるタイプの小説だけ優遇していればいいや、ということである。

 結局どこでも同じなら、比較的使いやすいカクヨムに利用を絞った方が管理もしやすい。本当は使い勝手ならアルファポリスの方がいいのだが……


2020.10.22 ディスカバリーチャンネルの字幕がズレている

 2週間ほど前から、ディスカバリーチャンネルの字幕が1秒ほど遅れて表示される現象が起きていた。
 最初に私が気付いたのは「ザ・爆破ショー!」という、「怪しい伝説」にも出演していたトニー・ベレッチがホストの爆破番組だったが、一時的な問題だろうと思ってさほど気にしていなかった。超観辛かったが。なまじ英語がところどころ聞き取れるから、今喋っている内容と字幕の内容が違うと、訳が分からなくなるのである。

 それから一週間後。「ザ・爆破ショー!」の第2回を観ると、またズレていた。「ザ・爆破ショー!」の字幕担当のミスなのか? と思った。
 しかし、それからさらに後に、たまたまテレビを付けていたらやっていた「トップ・ギア」を観ると、やはりズレていたのである。つまり、ディスカバリーチャンネル全体で字幕がズレているわけである。

 他のチャンネルを確認すると、字幕は正常に表示されていた。ムービー・プラスとかナショジオとかJSPORTSとかでは字幕は正常表示されている。


 これだけ大きくズレているのだから、ディスカバリーチャンネル側も問題を認識しているだろうとも思えたが、一応カスタマーサポートに連絡することにした。
 すると、ディスカバリーチャンネル側ではそうした問題が起きているという報告はあがっていない、という回答だった。
 私はサポートに連絡する際、わざわざディスカバリーチャンネルで字幕放送をやっている時間を選んだ。なので、「今、字幕放送をやっていて、ズレているから、確かめて欲しい」と言ったのだが、どうも意味が伝わらなかったらしく、「そうした報告はない」の一点張りだった。
 普通に考えたら「字幕ズレてるんですけど」という客がいたら、実際に放送を観て、ズレているか確認するのがてっとり早いと思うのだが、カスタマーサポートの世界では、そういう常識は存在しないらしい。

 どうにもならないので一旦電話を切って、eo光の方に問い合わせてみた。
 eo光のサポートの方でも、なかなか実際に放送を見て確認してくれなかったが、最終的にはなんとか字幕がズレていることを確認してもらえた。つまり、私の環境の問題ではなく、少なくともeo光全体でディスカバリーチャンネルの放送は字幕がズレているわけである。そして、eo光の話によると、eo光では送られてきたデータをそのまま放送しているだけだから、字幕の調整はできない、とのこと。要するにディスカバリーチャンネルから送られてきたデータの時点で字幕は遅れている、ということである。
 実際にやってくれるかは望み薄とは思ったが、eo光の方からもディスカバリーチャンネルに字幕が遅れていると報告して欲しいと要望を言い、通話を終えた。

 夜に字幕放送を確認すると、まだズレていた。
 翌朝8時頃に「トップ・ギア」の放送があるので、そこでまだズレていたら、またサポートに連絡して、eo光でも字幕の遅れを確認したという事実を突きつけて、より突っ込んで調査するように言おうと思っていた。

 そして、今日の朝8時。「トップ・ギア」を観ると、字幕は正しく表示されていた。
 2週間もズレっぱなしだったものが今になって直ったことを考えると、どうやら私が昨日電話したのは無駄ではなかったらしい。
 と同時に、不具合を発見したらすぐ連絡すべきだとも思った。私は電話が嫌いで、サポートに連絡するのは憂鬱だが、そこで面倒くさがっていたらいつまで経っても問題が解決しないこともあるわけである。

 というわけで、ディスカバリーチャンネルの視聴者で、最近字幕がズレていて困っていた人は、私に感謝してくれてもいい(笑)


2020.10.12 フィット(GD1)のCVTオイル、バルブ交換

 最近、フィットで立て続けにトラブルが起きた。

 まず、1ヶ月前に父親が車庫入れでミスって左テールライトのカバーを割ってしまった。
 それで交換が必要になったのだが、ホンダのディーラーに持っていって、ついでにCVTのオイル交換もすることにした。

 初代フィットや、同時期にリリースされた頃のホンダのCVT車には、発進時にジャダーが出る有名なトラブルがある。ジャダーそのものはちょっと不快なだけだが、これを放っておくと発進時にエンストを起こしたりするので、早めに対策しておきたい。
 完全に治すならCVTそのものを対策済みの新型に交換しなくてはならないが、それをやると日本では改造車扱いになる。ジャダー問題は、純正である限り不治の病ということ。
 ただ、ホンダでは対策用のオイルや添加剤を用意しており、これを入れることで一時的にはマシになる。

 前回は4万kmあたりでジャダーが出始め、車検を依頼している中古車ディーラーで対策オイルを入れるように言った。それでしばらくは問題なく走れたが、7万kmあたりから、再びガタつくようになった。それでまたCVTオイルの交換を依頼したが、今度は半年でジャダーが出始めた。
 ちょっと早くないか? と思って整備記録を確認すると、4万km時ににオイル交換を依頼した際は、中古車ディーラーはホンダのディーラーに持ち込んで対策オイルを入れていた。しかし、7万kmの時は自社で交換しており、これは対策オイルではなかったようである。私は「ジャダーが出るからCVTオイルを交換したい」と言ったのだが、整備の人がみんなホンダのCVT車の持病に詳しいわけではない。ホンダが出している対策オイルを入れるようにと、はっきりと伝える必要があったわけである。
 それと同時に、CVTオイルを交換するなら、ホンダのディーラーに直接持ち込んだ方がてっとり早いこともわかった。

 ジャダーは出るものの、それほど酷いわけでもなかったのでだましだまし使っていたが、そうこうしている内に走行距離も10万kmを越えた。バック時にエンスト気味な挙動が出ることもあったので、そろそろホンダに持ち込んで対策オイルを入れてもらおうと思っていた。そんなときにテールライトが割れたのである。オイルを入れてもらうのにカバーを割る必要はなかったが、修理のついでに頼めるという意味では都合がいいとも言えた。
 調べると、ホンダではジャダー対策オイルの他、添加剤も用意しているとわかった。効果のほどは不明だが、試しに入れてみることにした。

 CVTオイルの交換と左テールライトユニットの交換は、作業としては全然別なので、まとめてやったからといって工賃が安くなるかは怪しいと思っていたが、結局、別々にやるより多少工賃はまけてくれたようである。あと、ついでに右テールライトのバルブも切れていたので、それも安く交換してもらえた。
 まだ2ヶ月しか経過していないので、対策オイルと添加剤の効果がどれだけ続くかは分からないが、今のところ快調である。


 さて。車の調子が良くなってから2ヶ月経過した今日の夜。右ヘッドライトのバルブが切れているのに気付いた。
 ちょうど近くに行きつけのガソリンスタンドがあったので、立ち寄って交換を依頼すると、3300円と言われたのでお願いすることにした……が、ボンネットを開けて確認すると、フィットのヘッドライトのバルブにアクセスするにはバンパーを外す必要があるらしく、それだと工賃が増えて6600円になるとのこと。
 ガソリンスタンドの人の話によると、この構造だと、どこに頼んでも工賃は同じくらいかかるだろうが、ディーラーだったらタイヤを外して、タイヤハウスからアクセスすることで多少安くやってくれるかもしれない、とのことだった。

 普通、ディーラーの整備は割高というイメージがある。そして、ガソリンスタンドは必死でガソリン以外のものを売りつけようとする。ガソリンスタンドにとってバルブ交換なんてボロい商売のはず。それなのにガソリンスタンドの人が、自分のところではなく、ディーラーでの整備を勧めるのである。変な話である。
 ともかく、その場で依頼するのは止めて、出直すことにした。

 近所でバルブ交換を一番安く請け負ってくれる可能性が高いのは、おそらくオートバックスだろう。ただ、そのときはもう20時近くで、今から行ってもオートバックスは閉店時間になってしまう。
 しょうがないから、明日出直すかな、と思って帰ろうとしたら、近所のホンダのディーラーがまだ開いているのに気付いた。閉店時間が何時だか知らないが、開いているなら見積もりだけでも聞けないかと思い、一応行ってみる。
 すると、ちゃんと対応してくれて、見積もりを出してもらった。5500円とのことだった。ディーラーの方がガソリンスタンドよりも安いのは、ちょっとびっくりである。とは言っても、高めと言えば高めだが。

 明日、オートバックスの見積もりを取ってからでも遅くはなかったが、ガソリンスタンドで提示された見積額から考えると、そう大差はない気がしてきた。自力でやるという手もあるが、工賃がかかるということは、それだけ面倒くさいということであり、素人が気軽にDIYしようとしない方がいい気がする。
 また、てっきり予約してまた今度来い、という話になると思っていたのに、すぐ交換できるということだった。ならば、ということでお願いすることにした。
 頼んだ後で閉店時間を確認すると19時だった。本来ならとっくに閉まっている時間である。いいのかね。5500円には残業代が含まれていたりして。

 交換作業をまじまじと見ることができたが、ガソリンスタンドの人が言っていたように、タイヤハウスからアクセスしていた。ただしタイヤは外さず、ハンドルを切ってタイヤを斜めにした状態でカバーを外し、無理矢理アクセスしていた。あれだと変な体勢で手探りで交換することになり、経験がないと無理そうである。自分でやろうとしないで良かったかもしれない。
 ただ、その作業に入る前に、ボンネットを開けて(GD1のバルブ交換にボンネットを開ける必要はない)整備士が数人集まって話をしていたので、「えっ、GD1の球交換って、ボンネット開けなくていいんですか?」「そうだぜ、お前もホンダの整備士ならGD1のバルブ交換の仕方くらい知ってなきゃな。ただし、マニュアルにはタイヤを外せとあるが、熟練した整備士なら外さずやるんだ。まあ見てな」とか、そういう話でもあったのかもしれない。

 ヘッドライトのバルブ切れは以前にもあったが、そのときは6ヶ月前点検の数日前に切れた。その時もガソリンスタンドに持っていったのだが、そのときはヘッドライトを軽く叩くと一時的に直ったので、「このまま使って、点検の時に換えた方がいい」と勧められた。そういえばあのガソリンスタンドは、あのときもバルブ交換しなかったのである。なんとも商売っ気のないガソリンスタンドである。良心的なのか、もしはフィットのバルブ交換は面倒だからやりたくないのか。
 というわけで数日後、6ヶ月前点検(フィットを買った中古車販売店で実施している無料サービス)のついでに頼むと、1000円もしない価格でやってくれた。部品の実費のみである。ただ、車検や点検の時にいつも都合良く切れるわけではないから、こればかりはどうしようもない。


2020.10.11 ASUS X202Eの充電ができなくなる

 ノートパソコンのASUS X202Eの充電が出来なくなった。電源に繋ぐと赤ランプが点滅する。

 X202Eは2012年発売のノートパソコン。8年落ちだが、最近HDDをSSDに替えて、普通に使う分には問題なく使えた。しかし、こうなるとついに寿命か。

 おそらくバッテリーを新品と交換すれば復活するはずで、調べてみると7000円前後で手に入るらしい。私はそこまでノートパソコンを必要としていないので、7000円出してまで修理すべきかは微妙なところ。それよりはSSDを引っこ抜いて処分した方がいい気もする。

 そのときふと、バッテリーを外した状態でACアダプタから電源を取れば動くんじゃないか、と思い、やってみることに。バッテリーなしでも動くなら、それでも全然構わない。どうせほとんど家でしか使ってないし。
 しかし、実際にやってみたところ、動かないことがわかった。

 バッテリーなしで動かす方法はないのかね? と重い、ネットで調べてみる。……と、バッテリーなしで動かす方法は見つからなかったが、バッテリーを一度抜いて、挿し直したら直った、という例がいくつかあるのを知った。

 そこで、私も一旦バッテリーを挿し直し、ACアダプタを接続してみると……本当にちゃんと充電できるようになったではありませんか。

 理由は分からないが、たぶん静電気が溜まっていたとかなんとか、そういうことなのだろうと適当に納得することにした。

 どうやらもうしばらく使えるようである。


2020.10.07 ノベリズム[2020.10.20 追記]

 私が安住の地を求めて彷徨っている間に、ノベリズムという新たな小説投稿サイトができていた。9月1日から正式オープン。

 このサイトは他の小説投稿サイトと同じように、無料で利用可能。
 PV、評価ポイント、ブックマーク数などから貢献ポイントを算出し、ポイントを溜めると現金化可能。
 また、優れた作品とは積極的に契約を結ぶらしい。契約作品になると有料コンテンツとなり、序盤だけ無料、その後は1000字あたり5円で閲覧可能となる。
 この辺のシステムはアルファポリスと似ている。どっちが高いかとか、どっちが実入りがいいかとかはわからないが、ノベリズムによると、契約作品の還元率は「書籍の印税よりも断然いい」らしい。ちなみに、現代の印税は10%未満という話を聞く。

 また、契約作品には最低限報酬保証というのがあり、月に24日更新し、かつ、更新ごとに3000字以上投稿した場合、皆勤賞として3万円もらえるらしい。
 この金額は月収としてはアレだが、いくら書いても金にならないのが当たり前だった素人ネット作家にとっては嬉しいかもしれない。

 小説の検索システムは変わっており、「舞台」と「ジャンル」を選んで検索する。たとえば「SF」+「スポーツ」とか。ちなみにジャンルに「文学」という項目はない。なくても構わないが、星新一のショート・ショートみたいなやつはどこにカテゴライズされるのだろう。「現代世界」+「日常」? 日常というのは日常系のことを指すジャンルっぽいから、違うか。
 また、評価ポイント、PV、ブックマーク数でそれぞれ検索可能。

 ノベリズムは投稿する作品について特に制限を設けていないが(もちろん過度なエログロ暴力、著作権侵害作品などはダメだが)、サイトの雰囲気から察すると、ライトノベルやライト文芸に的を絞っている感じがする。アルファポリスのようなカオスさはない。

 投稿されている作品の質については、ざっと読んだ感じだと、他の小説投稿サイトに比べると良質だった。他のサイトの作品のレベルの低さに嘆いている読者は、ノベリズムを覗いてみる価値はあると思う。


 書く側としてノベリズムはどう映るか、というと、ライトノベルやライト文芸を書く場所としてはいいかもしれない。長文タイトル、テンプレ、ざまぁが溢れかえっているサイトで書くよりも、周囲のレベルがまあまあ高い分、真面目に小説を書く気になりやすいように思う。もっとも、実際にきちんと実力が評価されるかどうかは、参加してみないと何とも言えないが。

 ただし、ノベリズムは明らかに長編を欲しがっている雰囲気が見て取れる。最低限報酬保証システムからもそれは明らか。
 どのジャンルに相当するかよくわからない作品や短い作品など、いろんなものをどんどん投稿する場としてはアルファポリスの方が気楽な気がする。

 もし私がノベリズムを利用するなら、ノベリズムに投稿するために小説を書かなければならないだろう。今まで書いた作品を投稿することはないと思う。
 いずれにせよ、契約作品になりたいんだったら、他のサイトに投稿していない作品でなければならないだろう。他所で無料で読める作品に金を出す人はいないだろうし。


 有料コンテンツがちゃんと売れて、作家に収入として還元され、サイトが存続していけるかについては未知数なところがある。確かに今のところノベリズムの作品の質は他のサイトに比べると高いように感じるが、そもそも読者はそうした質の高さを求めているのだろうか? 少なくとも、質の低いテンプレ小説を無料で消費することで満足している読者は、わざわざノベリズムで金を出してまで小説を読まないだろう。
 かといって、金を払ってでも良質な小説を読みたいと思っている読者が、ノベリズムの作品の質に価値を認めるかも怪しいところ。私は今のところ、金を出しても読みたい作品はなかった。この辺は、編集者が付いて手を入れてから書籍化する方に分があるかもしれない。


 最低限報酬保証システムにも危うさを感じる。ほぼ毎日3000字以上の新話を投稿せねばならないという制約によって、旧話の改稿をする時間を奪い、字数の水増しをする事態になりかねない。コンスタントに作品が投稿される代わりに、質が落ちてしまうのである。古今東西、小説家を急がせるとろくなことにならない。

 私は『荒野のカップメン』を4〜5日に1回ペースで書いていたが、それでもやはり質の低下を感じたし、しかし、とにかくコンスタントに書き続けなきゃならないということで、問題点に目を瞑ったところも多々あった。もっとも、あの作品の場合、カップメンを作って戦うという設定自体に無理がありすぎるのが根本的な問題だったわけだが。普通に西部劇を書きゃよかった気がしてならない。


[2020.10.08 追記]
 ノベリズムに投稿されている作品の質が比較的高い、と書いたが、よく読んだらそんなことはなかった。似たようなシチュエーションの作品だらけになっていないだけだった。

 今のところ、ノベリズムのランキングは、1位から10位まで全部「追放ざまぁ」ばかりとか「スローライフ」ばかりとか、そういったことはない。また、長文タイトルも少ない。
 似たような小説ばかりにうんざりしていたところでノベリズムのランキングを見ると、質が高そうに見えてしまい、その印象に引っ張られていた。
 しかし、ちゃんと読んでみると、確かにテンプレートからは外れているが、提示している世界観やキャラクターに魅力があるかというと、特にないのである。これだったらわかりやすい分、テンプレ小説の方がマシと言える。

 ノベリズムの小説を読んでいて、テンプレが好まれる理由がわかってきた。やはり、素人の小説は下手なのである。下手にオリジナリティを出されると、何を書いてるんだかわからない、読みにくい小説になってしまう。内容を理解するだけで相当真面目に読み込まないといけない。そして、読み込んで理解したところで面白いわけでもない。
 だったらいっそ、ろくに読まなくてもわかる紋切り型の金太郎飴の方がマシ、ということである。

 世の中にはあまりにも、真面目に読んでも報われない、つまらない小説が多すぎる。その現状に読者が飽き飽きして、頭を使わなくても読める小説ばかり求めるようになった、ということ。


 そもそも、テンプレは必ずしも悪いものではない。『サルでも描けるまんが教室』でも、テンプレに沿って漫画を描くことを推奨していた。あれはギャグ漫画という側面もあるので、鵜呑みにするべきではないが。

 私はもともと、あまりジャンルや題材にこだわりはない。大事なのは技術で、技術さえあればなんでもうまく書けると思っている。それが本当なら、テンプレべったりな小説を書いてもうまく書けるはずである。

 ……が、私の中の隙間産業的思想が、流行ものを書かせてくれない。


[2020.10.20 追記]
 調べてみると、今のところノベリズムの契約作品はプロの作品らしい。質が高く見えた理由のひとつはそういうことだったわけである。
 ただ、今のプロは雑誌の新人賞を通過しているわけではなく、なろうなどで投稿していて書籍化の声が掛かった、というタイプの作家が多いから、素人の投稿作品とそう大きな差があるわけではない。また、編集による校正、校閲が入っていないか、チェックが甘いために、冗長な箇所が散見する。プロの作品がプロらしく見えるのは、編集の手によるものが少なからずある。

 契約作品をざっと読んだ感じだと、『第四大戦』は圧倒的に優れている。作者の来歴を調べて納得した。2003年に第7回角川学園大賞を受賞している。公募を勝ち抜いただけのことはあるわけである。
 ただ、プロローグ後の主人公とヒロインらしき人物との会話シーンなどがかなりダルくて失速している。男主人公のライトノベルは、ヒロインが登場した瞬間につまらなくなるケースが結構ある。これは他の人の作品を読んでいるときだけでなく、私自身が書いていてそう感じることがある。そこをうまく乗り越えられる人は巧いと思う。
 あと、ちょろちょろと入る、どうでもいい知識のひけらかしは、編集が関わっていればカットされていたんじゃないかなと思う。必要ないのが多い。

『魔球転生』はなんとなく古いタイプのライトノベルっぽい。調べてみたら『それゆけ! 宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ』の作者だった。なるほど。

 他は大して素人と差はない。どう見ても導入で失敗していそうなのに、あれがナウなヤングにはバカウケするのだろうか。あれの良さが分からないのは私の感性が古いからなのか? よくわからん。もっとも、私はもともとマイナーなものを好む傾向があるから、あまりアテにはならない。


2020.10.05 マスク生活

 外出時にマスクをするようになって、半年以上が経過した。

 私はいままで、自分が風邪などでない限りはマスクをすることはなかった。マスクが感染症の予防として、そこまで効果があるとは思っていなかったからである。自分が菌やウイルスに感染している時に、他人を飛沫感染させるのを防ぐ効果はあるだろうけど、自分が健康なときにマスクをしたって、さして予防にはならないと思っていたのである。

 しかし、外出時にマスクを日常的にするようになって、その認識は変わりつつある。すこぶる調子がいいからである。喉が痛くなったりしないし、花粉やらホコリやらでくしゃみが止まらなくなったりもしない。
 眼鏡が曇ったりなどのデメリットもあるが、健康面のことを考えると、新型コロナの流行に関わらず、外ではマスクを付けている方がいいような気がしてきた。

 あと、マスクを付けていると、口臭に気をつけるようになるというメリットもある。マスクをすると自分の口臭が直撃するので、昨日食べたにんにくの臭いがだだ漏れだったり、朝に歯磨きをサボったりすると自滅する。となると、自然と気をつけるようになるわけである。

 新型コロナの流行以前は、マスクを付けていると不審人物扱いされた。しかし今なら堂々とマスクを付けられる。この風潮は案外悪くないのかもしれない。

 ただ、ゲームセンターでマスクを付けながらギタドラとかをするのは、なかなかしんどいものがある。特にドラムは結構キツい。


2020.09.27 連載小説を書いてみる

 3ヶ月ほどかけて、連載小説を投稿した。全20話を約90日かけて投稿したので、4〜5日に一度の投稿ペースだった。

 私はずっと疑問に思っていた。素人の連載小説なんか誰が読むのか、と。
 雑誌の連載小説なら、読むところがなくなって暇になったら読むかもしれないが、ネット小説の場合は、わざわざその小説にアクセスして読まなければならない。面白いかどうか、完結するかどうかもわからない小説に、そんな手間をかける人がいるのだろうか、と。

 自分でやってみてわかったことは、やはり読者は通常、連載小説の形式を好まない。素人の完結するかどうかもわからない小説を長期に渡って追いかけたいとは思わないのである。
 あと、連載小説は評価を付け辛い。これからどうなるかわからない作品に対して星3つとか4つとか、どうやって決めるというのか。
 しかし、評価が付かないと埋もれるなろうやカクヨムでは、これは致命的である。ランカーは評価乞食をしている人が多いが、それにはそれなりに理由がある。読者は未完結の作品に評価を付けづらい。だからこそ「星1でもなんでもいいから適当に評価を付けてくれ」とおねだりする必要があるのである。

 小説投稿サイトで流行っている連載小説は、頭を使わず読めて、パターン化が心地良い作品が好まれている。
 普通、小説はステレオタイプ、紋切り型、テンプレート、ワンパターン……何と読んでもいいが、そうした作品は嫌われる。しかし、忙しい合間に適当に消費する作品としては、むしろそうした作品の方が都合がいい。
 韓国ドラマが「何を観ても同じパターン」「すんごい長いけど、何回か飛ばしても内容がわかる。早送りしてもわかる。いっそ最初と最後だけで観ても変わらない」といった特徴を備えているのも同じ理由。ああしたドラマでは、テレビにかじりつくようにして観ないと内容がわからなくなるようなものは不都合なのである。
 あと、こうした小説は毎日投稿するのが望ましい。毎日書けないような凝った小説は、そもそも望まれていない。毎日勢いで書くのである。


 投稿サイトで連載小説を連載してランカーを目指すなら、多かれ少なかれランカーと同じことをする必要がある。問題は、それが本当に望みなのか、ということ。
 ランカーを目指すならテンプレ小説を書くべきである。テンプレ小説を書くのが嫌なら、ランキングなど最初から無視すべきである。
 ランカーの小説を批判しながらランカーになりたいと思うのは矛盾している。
 自分の小説が優れているのに、ランカーのクソみたいな小説のせいで埋もれている、と思っているなら、公募に出した方がいい。

 これはゲームのランキングでも同じ。上位を目指そうとすると、まずはランカーと同じことをしないといけない。このスコアの稼ぎ方は美しくないとか思っても、ランカーになりたいならそれをやるべきである。パターンだけでは差が付かなくなる領域まで来て初めて、それ以上の何かが必要になる。
 どうしても自分の美意識が美しくないスコア稼ぎの仕方を許さない、ということなら、ランキングは無視して遊ぶべきである。


 ……というわけで、なんだかちょうどいいタイミングでカクヨムコンが2ヶ月後に始まるみたいなので、出せる作品が書けないか、考えている。


2020.09.02 小説投稿サイトを試用する[2020.09.29 追記]

 私は1年ほど、小説家になろうとカクヨムに作品を投稿してきた。
 投稿先を増やすと管理が煩雑になるので、これ以上増やしたくないと思っていたのだが、本当にこの2つが私にとってベストな選択なのかはわからない。
 というわけで、他のサイトも試しに使ってみることにした。

 今回見て回ったのは、ステキブンゲイ、pixiv、アルファポリス、エブリスタ、NOVEL DAYS、ノベルアップ+。
 このうち、エブリスタ、NOVEL DAYS、ノベルアップ+については、アカウントを取得して実際に少し利用してみた。

 ステキブンゲイは一般文芸に特化したサイトだが、投稿作品も読者も少ないし、質も特に高くない。アカウントを取得する意義を見い出せず、そのまま去った。

 pixivのアカウントはだいぶ前から持っているのだが、小説が投稿できることは最近知った。ただ、イラストを投稿するならともかく、小説を投稿するサイトとしては不向きな印象がある。今回検討してみたが、やはり投稿するのはやめておくことにした。

 アルファポリスは、他サイトに投稿した作品にリンクを張ることができるため、他サイトのPVを増やす目的で利用する手はある。だが、私はアカウントを取得しなかった。その理由は、現代文学やライト文芸のカテゴリに官能小説ばかりあるのにドン引きしたから。

 エブリスタは元々ケータイ小説の投稿サイトだったらしくて、今でもケータイ小説の形式の作品の方が喜ばれる傾向があるように感じた。アカウントを取得して作品を投稿したものの、すぐに削除することにした。私が利用すべきサイトではない。

 NOVEL DAYSは一見お堅い雰囲気のサイトだが、その一方でチャットノベルが投稿できることをウリにしており、何がしたいんだかよくわからない。一般小説とチャットノベルは別にした方がいいように思う。
 投稿者が少ないのか、やたらと同じ作者の作品が目立つ。投稿作品が少ない分、長いこと新着欄やランキングに載り続けるが、だからといってさほどPVが増えるわけでもないし、評価が付くわけでもない。ただ、PV0ということはない分、カクヨムよりはマシかもしれない。
 あと、なぜかトップページに活動報告やファンレターの更新情報欄がある。私信が公開されているようで、どうも居心地が悪い。そんなものを載せるスペースがあるなら、新着小説をもっと掲載すればいいのに。

 ノベルアップ+は、課金要素で儲けようとしている印象の強いサイト。金を払って広告欄で作品を広告できる他、応援ポイント(購入可)を青天井に付けることができ、いくらでもランキングを操作できる。
 おかげで、どうもこのサイトではランキングが信頼されていないらしく(当然だが)、少々評価が付いてランク入りしても読まれない。新着の間だけが勝負。

 カクヨムと小説家になろうについてもざっと書いておく。

 カクヨムは、投稿システムや作品管理については一番扱いやすい印象。ただし、投稿作品数に対して読者が少ない(新着欄から作品を読む人が少ない)ため、ただ投稿するだけだとPV0は当たり前。他のサイトなら何もしなくても多少は読まれるが、ここはマジで読まれない。
 ここで読まれるには、何らかの方法で評価を集めてランキング上位に着くか、他の作者と交流するか、自主企画に参加するなどの必要がある。
 ただ、そうやって無理矢理評価をかき集めたところで純粋な読者が増えるわけでもないので、営業活動で神経をすり減らすよりは、PV0でも構わないというつもりで利用した方がいいだろう。カクヨムで読まれようとすると人間性を失って亡者と化しやすい。ここには読者がいないと思うくらいでいい。

 小説家になろうは、システムが古くさく、作品管理がしづらい。作品の削除がしづらいし、一度投稿した連載作品の構成を変更するのも難しい。
 ただ、投稿数の多さのわりには読者も多いらしくて、新着作品はとりあえず多少は読まれる。PV0がデフォルトのカクヨムよりはマシと言える。投稿作品数の少ないNOVEL DAYSやノベルアップ+と同等程度にPVがある。ただし、評価やコメントが付くことは稀なので期待すべきではない。
 評価者やブックマークを付けた人が誰かは作者に通知されないので、後発の他のサイトよりは作者同士による馴れ合いが少ない。ないわけではないが。打算的な気持ち悪いお付き合いをしたくないなら、このサイトは居心地がいいかもしれない。あまりに反応がなさ過ぎて、さみしくて死んじゃう可能性もあるが。


 いろいろ見て回ったり、使ってみての結論は、なろうとカクヨムの併用という、現状のままで行くことにした。他のサイトを追加で利用するメリットが見当たらなかった。


[2020.09.20 追記]
 アルファポリスはPVなどからスコアを算出して、それに応じて広告費を還元するシステムがあるらしい。
 カクヨムにも似たようなものはあるが、カクヨムの最低ラインが3000円からなのに対して、アルファポリスは100 Amazonポイントから交換可能。ほとんど読まれない、どマイナーな小説を書いていても、100くらいなら貯められる気がする。
 というわけで、試しに投稿してみることにした。

 アルファポリスのランキングの仕組みは不明な点も多いが、PV数や、お気に入り、感想が付いた場合に上がる他、投稿直後、更新時、完結時にもポイントが加算され、ランキング上位に食い込みやすい仕組みになっているようである。
 ただし、投稿によるブーストポイントの効力は24時間だけ。その後は自力でランキングを維持しないといけない。
 24時間だけとはいえ、ランキング上位に表示されるのは悪くない気がする。少なくともカクヨムよりは読まれている。アルファポリスでは具体的なPV数は表示されないので、実際のところはよく分からないが。

 作者同士や、読者との交流は活発ではないようなので、広告収入を得るとか、書籍化を夢見るとか、実利的な目的で利用するサイトと割り切った方が良さそう。
 なろうやカクヨムと違い、読者から評価をもらうことを考えなくていいので、その点では気楽かもしれない。多数の人にお気に入り登録されないとランキング上位を維持できないのは変わりないが、いくら読まれても評価されない限りランキングに影響しないシステムよりは、読まれるだけで影響があるシステムの方が健全な気がする。
 現代文学、ライト文芸や大衆娯楽カテゴリのランキング上位にエロ小説がのさばっているのは、やはり気に入らないが。

 作品管理システムはそこそこ使い勝手が良いので、作品保管スペースとしてメインで使っても良さそうな気がしてきた。
 また、小説の本文中に画像を挿入できるので、文字精錬研究部のバックアップ先としても使える。


[2020.09.22 追記]
 投稿ブーストで一瞬だけランキング上位に行けると書いたが、それはマイナージャンルだけの話らしい。ファンタジーと恋愛カテゴリのランキングを見ると、24hポイントが5ケタないとランキングに入らない。
 実際にファンタジー小説を書いて投稿してみないとわからないが、これだと導線など無いも同然で、全く読まれないまま終わりそうな気がする。

 しかし、人物描写もへったくれもない小説があれだけ読まれるのはなんなのだろうと思う。あんなので満足できるのかね。エセ文学小説のように、どうでもいい描写で水増ししていないだけマシではあるが。
 もっとも、こちらも遠慮なく作品を投稿できるから気楽とも言える。上位ランカーの作品のデキがあれなら、たいがいの作品は許されるだろう。


 最近は追放ものが流行っているらしく、謎の理由で追放された主人公が仕返ししたりしなかったりする話が多い。
 復讐モノはいつでも人気のある題材だが、通常そういうのは、読者の復讐心を代行する内容になっている。悪徳商人を成敗したりとか、嫌味な上司をぶん殴ったりとか、嫌味な姑をイジメ返したりとか。
 しかし、小説投稿サイトで人気を集めている作品の中には、追放される理由がさっぱりわからんものがけっこうある。どう見ても有力な能力を持っている主人公を「使えない」と言って追放したりとか。

 従来、有力な人間を追放するタイプの作品は、その能力に嫉妬して追放する、というものが多かった。主人公がいたらランカー1位になれないから、ランカー2位の奴が罠にはめて殺そうとするとか。しかし今時の作品は、有能な人間を本気で「使えない」と思って追放する、というものが多い。
 こういう作品はもしかすると、読者の「根拠のない有能感」を満たすのかもしれない。「俺は周囲から無能扱いされているけど、実は有能なんだぞ」という、特に根拠のない自尊心を満たすのかもしれない。だから敵役を「主人公の有能さを見抜けない阿呆」にするのだ、と考えると、わからなくはない。

 本来ファンタジーは、現実とは関係がないことが特徴だった。特に日本人にとって、西洋風の世界はまさしく現実離れしていた。
 しかし、ビデオゲームの普及に伴い、今や多くの人にとってファンタジー世界は「現実」の一部になっている。ファンタジー世界で世界を救ったり、レア武器を求めて同じ怪物を殺しまくったり、ランカーを目指したり、パーティーから追放されたりといった経験をしたことのある人は多いだろう。
 今のファンタジー小説が泥臭いのは、そういう理由だと思う。


[2020.09.22 追記]
 現代文学カテゴリの1位の作品を読んだら、「目覚めよ!」や「ものみの塔」の全文コピペに数行の感想を付けているだけの作品だった。いろんな意味でダメだと思うが、どうやら1ヶ月近くお咎めなしらしい。
 この著者は約半年の間に500作以上投稿しているが、ほとんどが同じパターン。そりゃコピペに感想付けるだけなら量産できるだろう。
 もしかするとエホバの証人は著作権を主張しないのかもしれないが、こういうのはアルファポリス的にはOKなのだろうか。一応問い合わせてみた。

 というか、今まで誰も問い合わせなかったのだろうか。問い合わせたけど容認されているのか、それとも、誰も他の人の作品なんか読まないのか。ランカーの作品を読んだらますますランカーに点が入るから嫌、という理由で読まないのは、あのサイトの仕組みからするとありえる話だが。

 コピペの人は毎日10作前後、現代文学カテゴリに投稿している。正直なところ、エホバの証人の著作権侵害など私の知ったことではないが、ああなると荒し行為として迷惑である。
 エロ小説がランキングを席巻しているのは、個人的には不愉快だが、あのサイトのルールやマナーに違反しているわけではない。官能小説カテゴリを作ってくれた方が、利用者の誰にとっても幸せだとは思うが。しかし、あれは明らかにルール違反だろう。早期に対処してくれればいいのだが。


[2020.09.24 追記]
 明らかな著作権の侵害だから、すぐに対処するのかと思ったら、そうでもなかった。古いもので7ヶ月も放置されているから、アルファポリスとしては問題ないという判断なのだろうか。問題ないわけないと思うのだが。
 エホバの証人のサイトの利用規約を確認すると、エホバの証人のウェブサイトのすべてのコンテンツには著作権があるとして、他サイトへの掲載を認めないとしている。また、公式サイト以外への転載を許可することもないらしい。というわけで、あれが無許可だということは確定。

 アルファポリスが対処しないなら、エホバの証人に通報するべきかもしれない。


[2020.09.25 追記]
 アルファポリスのランキングを見ていると、あのサイトがなかなかの無法地帯であることがわかる。明らかな規約違反や迷惑行為が長期間放置されたままになっている例も少なくない。
 テンプレでなければ生きる資格すらないなろうやカクヨムと、無法地帯だがマイナー小説にもそれなりに読まれる機会のあるアルファポリスと、どちらがいいのだろうか。

 難しい問題だが、私は、作者が読者に必死でブックマークや評価を物乞いをするなろうや、作者同士が星を巡って醜い争いを繰り広げるカクヨムよりは、無法者が群がるアルファポリスの方がマシな気がする。
 結局アテにならない会員読者の評価でランキングが決まるよりは、PVで決まる方がまだマシと思える。

 なろうやカクヨムのシステムは会員読者の権限が強すぎる。本来、小説投稿サイトで小説を読むのに会員になる必然性などないし、作品に対して評価や感想を付ける必要もない。商業小説の作者に感想を送る人などそういない。たいがいの読者は購読するだけで、せいぜい自分のブログやツイッターで作品について言及するくらいである。それなのに、なろうやカクヨムでは、わざわざ会員になってまで作品に評価を付けようとする一部のコアなユーザーだけがランキングに影響を与えられるのである。
 むしろ、会員はランキングに影響を与えられない仕様の方がいいんじゃないかと私は思う。

 あと、私がなろうやカクヨムで気に入らないのは、作品一覧に2ページ目以降があるのがわかりにくいレイアウトになっている点。なろうは一覧の右下に小さく「作品一覧」と書いてあるだけだし、カクヨムは左に小さく「もっと見る」と出るだけ。直観的にわかりにくく、ぱっと見だと1ページ分しか作品が存在しないように見える。2ページ目以降に追いやられた作品の存在に気付いてもらいにくい。
 その点、アルファポリスは右上と右下に1、2、3……と、存在するページが表示され、数字をクリックすることでそのページに一発で飛ぶシステムになっている。これはよくある当たり前の仕様だが、なぜかなろうとカクヨムでは採用されていない。


[2020.09.27 追記]
 キャラ文芸カテゴリに沸いていた無法者は3日で駆除された。そのユーザーは、最初は作品を全削除されたものの、アカウントは残された。しかし、懲りずに同じ行為を繰り返したことで、最終的にはアカウントごと消された。あの様子からすると、どうやらアルファポリスでは、悪質なユーザーでもいきなりアカウント削除はしないらしい。1度か2度は警告止まりで、それでも悪質な行為を続けると消されるようである。

 一方、エホバの転載は、少なくとも私が報告してから5日間、放置されたまま。……ということは、アルファポリス的には、エホバの証人の公刊物の無断転載はOKという判断なのか? 怪しい宗教の記事には著作権を認めないということ? それとも、「引用」と言っておけば記事を全文丸写ししても許されるという判断なのだろうか。

 もう何を言ってもダメかもしれないが、今度は強めに抗議を入れることにする。
 今までは「著作権の侵害」ということで報告していたが、今回は「その他の違反」ということにして、小説でないものを現代文学カテゴリで毎日10作前後も投稿されると、書く方としても読む方としても迷惑だからなんとかしてほしい。また、宗教団体の勧誘パンフレットの記事を大量に投稿するのは、投稿者の意図がどうであれ宗教団体への勧誘行為に相当し、規約違反だから止めさせてくれ、という形で報告することにした。


[2020.09.28 追記]
 エホバの転載が全部ではないものの、削除されていた。一週間前に報告したものがようやく対応されたのか、それとも、昨日強めに抗議したことで、ようやくやる気になったのかはわからない。
 あるいは、私の報告とは全く関係ない理由かもしれないが。


[2020.09.29 追記]
 アルファポリスの24hポイント、完全には仕組みは理解できていないが、投稿、更新すると200pt、お気に入りに入れてもらうと1件あたり300pt付くようである。あとは、1PVあたり7pt(10PVあたり+1pt)? 自分で読んだ分もPVとして換算されているようである。

 驚きなのが、自分の作品をお気に入りに入れることができ、ちゃんと300pt付くこと。なんじゃこりゃ。
 しかし、自分で自分をお気に入りにした場合の300ptはすぐ消えるようである。

 自分の作品に感想は入れられないようになっているのだから、自分の作品をお気に入りに入れられないようにするのは簡単なはずである。なのにそうしておらず、かつ、一時的にとはいえランキング操作も可能とは、変なシステムである。


2020.08.29 Observer: System Redux(デモ版)

">Observer_"のリニューアル版が発売されるらしい。
 オリジナル版との主な違いは、画質が向上し、演出の一部を刷新。3つのサブクエストを追加。

">Observer_"についてはこちらで詳しく書いている。

http://rind.gozaru.jp/note/note2018_1.htm#20180815

 リニューアル版のデモがSteamで発表されていたので、プレイしてみた。

 注意点は、開発中のデモだからか、メニュー画面でコントローラーの操作が効かない。日本語字幕を表示するなどの設定変更を行うには、マウス操作で"SETTING"を開く必要がある。
 設定画面では、Y軸反転や日本語字幕の表示などの設定が可能なので、プレイするときには設定してからプレイするといい。ただし、プレイ中に2回入るデモムービーでは字幕の表示はされない。

 内容は、基本的にはオリジナル版と同じと考えていい。パスワードハッキングのやり方が変わっていたり、記憶チップに潜入したときの演出が若干わかり易くなっていたりなどの細かい違いはあるが、まあ同じもの。オリジナル版のプレーヤーがわざわざお金を出してまでリニューアル版を買う意義は感じなかった。

 ただ、画質がきれいになっているわりには、全体的にオリジナルよりも動作が軽くなっている印象があった。なので、オリジナル版でもさもさするのが気に入らなかった、という人は、あえてリニューアル版に乗り換える意味があるかもしれない。

 気に入らないのは、アナウンスによると、例の隠れんぼが追加されているらしい点。むしろ削るか、"SOMA"でいうところのセーフモードを追加したなら評価したのだが。隠れんぼはマジでつまらん。
 デモ版では隠れんぼのシーンもプレイできるのだが、鬼が近くにいるときのノイズが以前より視覚を妨害するようになっており、操作ミスを誘発しそうなくらい鬱陶しくなっている。開発者としてはあの隠れんぼがスリリングでいいと思っているのだろう。

 なお、オリジナル版をプレイしたことがある人なら、このデモ版には違和感を覚えると思う。というのは、デモ版では第二の被害者の記憶チップに潜入するところまで遊べるのだが、この潜入時の内容が、後に潜入する被害者の彼女の記憶のダイジェスト版になっているからである。「なんで男の脳内に潜入したのに、女の記憶の中に入ってるんだよ!」とか、「リミッター解除してない潜入のはずなのに、なんで隠れんぼがあるんだよ!」といったツッコミどころがいろいろある。
 たぶん、オリジナル版をプレイしていない人もわけわからんのではないだろうか。男の脳内に潜入したら、女の記憶が再生されるのだから。あまりにも脈絡がなさ過ぎて、「ストーリーがめちゃくちゃな作品っぽいから買うのをやめとこう」と思われてしまうリスクがあるように感じる。


2020.08.19 USB3.0、SATA3.0ポート増設

 USB3.0とSATA3.0ポートを増設した。

 まずはUSB3.0ポートについて。
 私が使用しているマザーボードには、USB3.0ポートが2つある。一応これで足りてはいるものの、複数のUSB3.0対応機器を使う際には、いちいち抜き挿しせねばならず、面倒くさいところがあった。できればあと2つ、ポートがあると便利になるのにと思っていた。

 マザーボードにはPCIe 2.0 x1のスロットが3つあり、そのうち2つはビデオカードと干渉するので使えないが、1つは使用可能。ここに増設ポートを挿せばその夢は叶う。
 ただ、私は、できればこのスロットにはSATA3.0の増設ポートを付けたいと思っていた。最近、SSDの使用枚数が増えてきたのだが、マザーボードにはSATA3.0ポートは1つしかない。なので、SATA3.0ポートを2つほど増設すれば、SSDの実力をより発揮できるようになるのではないかと。
 USB3.0にすべきか、SATA3.0にすべきか。どちらも差し迫って必要でないこともあって、私はずっと悩んだまま、この問題は放置していた。

 しかしあるとき、マザーボードの掃除をしていて、ふと気付いた。どうやらこのマザーボード、20ピンのUSB3.0用コネクタ(主にフロントパネルにUSB3.0ポートを増設するためのコネクタ)があるっぽいのである。
 マザーボードの説明書で確認すると、やはりUSB3.0増設用の20ピンコネクタだった。何年も使っているのに、全然気付かなかった。
 つまり、USB3.0ポートは20ピンで増設し、PCIeにSATA3.0増設カードを挿せばいいわけである。

 というわけでさっそく、USB3.0増設用にainex RS-003Bを購入した。リアに2ポート増設するタイプ。フロントでも良かったが、リアにはビデオカードのエアフロー用に1スロット分の空きがあるので、そこにこれを留めることにした。

 取り付け作業は単純で難しいことは何もなし。ただ、リアにネジ留めするのに少し難儀した。PCIeカードの場合、スロットにカードが刺さっているので大きく動いたりしないが、これは支え続けていないと倒れてしまうから、位置決めしてその位置を保持してネジ留めするのに意外とてこずった。
 動作は問題なし。増設したポートに外付けHDDを挿してベンチマークを走らせてみたが、ちゃんとUSB3.0相当の結果が出た。

 ただ、これを取り付けた直後、SSDの読み書き速度が異常に低下する不具合が起きた。再起動すると一時的に直るのだが、しばらくするとまた再発する。
 原因が何か、はっきりしたことは掴めなかったが、ひとつ明らかに異常だったのは、デバイスマネージャに表示されるSSDの型番が、以前取り付けていたHDDのものになっていたことである。これはWindows10ではよく知られた不具合のようで、デバイスマネージャで「デバイスのアンインストール」を行い、HDD、SSDを再認識させると直るらしい。実際、この処置で型番名は正しく表示されるようになり、また、速度低下の問題も起きなくなった。
 ただ、これはUSB3.0ポートを増設したから起きた問題ではないだろう。以前から度々起きていたのかもしれない。


 SATA3.0増設カードは、ELUTENGのSATA増設ボードを購入した。SATA3.0ポートを2つ増設できる。
 このボードについて、ひとつ問題なのは、PCIe2.0対応、という点。
 SATA3.0は、最大データ転送速度は600MB/s程度なのだが、PCIe2.0の転送速度は1レーンあたり500MB/s程度とされている。つまりPCIe2.0 x1だと、SATA3.0のスペックを最大限活かすことはできない。その点は承知の上で購入している。

 こちらは使えるようになるまで、いろいろ問題が起きた。
 まず、OSの入ったSSDをこの増設ポートに繋いで起動しようとしたら、認識してくれなかった。OSの入ったSSDはマザーボードのSATAポートに接続する必要があるようである。
 適切に繋ぎ直して起動したら、今度はOSの立ち上げ中にフリーズ。何が原因かわからず、何度か再起動すると、なぜか直った。フリーズした原因もわからないが、直った理由もわからない。ともかく、使えるようにはなった。増設ポートに繋いだSSDも、きちんと認識されている。

 Crystal Disk Mark 7でSSDの読み書き速度を確認すると、シーケンシャル読み書きについては、SATA2.0で繋ぐよりも100MB/s程度速くなった。ただし、マザーボードのSATA3.0に繋ぐよりは100MB/s程度遅い。ランダムアクセスに関しては大差ない結果だった。
 というわけで、増設ポートの性能はSATA2.5程度、といったところである。もともとPCIe 2.0 x1のスペックを考えるとSATA3.0のフルサポートは無理ということは分かっていたので、満足のいく結果である。

●Apacer AS340 960GB
Test: 1 GiB SATA300
[Read]
Sequential 1MiB (Q= 8, T= 1): 284.142 MB/s [ 271.0 IOPS] < 29430.05 us>
Sequential 1MiB (Q= 1, T= 1): 271.976 MB/s [ 259.4 IOPS] < 3851.31 us>

[Write]
Sequential 1MiB (Q= 8, T= 1): 272.171 MB/s [ 259.6 IOPS] < 30650.23 us>
Sequential 1MiB (Q= 1, T= 1): 262.137 MB/s [ 250.0 IOPS] < 3994.65 us>


Test: 1 GiB SATA600(PCIe 2.0 x1)
[Read]
Sequential 1MiB (Q= 8, T= 1): 405.622 MB/s [ 386.8 IOPS] < 20622.56 us>
Sequential 1MiB (Q= 1, T= 1): 385.057 MB/s [ 367.2 IOPS] < 2721.03 us>

[Write]
Sequential 1MiB (Q= 8, T= 1): 391.729 MB/s [ 373.6 IOPS] < 21321.99 us>
Sequential 1MiB (Q= 1, T= 1): 369.797 MB/s [ 352.7 IOPS] < 2832.68 us>


Test: 1 GiB SATA600(マザーボード)
[Read]
Sequential 1MiB (Q= 8, T= 1): 522.036 MB/s [ 497.9 IOPS] < 16035.85 us>
Sequential 1MiB (Q= 1, T= 1): 456.555 MB/s [ 435.4 IOPS] < 2294.20 us>
[Write]
Sequential 1MiB (Q= 8, T= 1): 507.889 MB/s [ 484.4 IOPS] < 16460.92 us>
Sequential 1MiB (Q= 1, T= 1): 342.730 MB/s [ 326.9 IOPS] < 3039.16 us>


2020.07.23 不退転の決意

 twitterを見ていると「不退転の決意」というワードがトレンドに入っていた。敗戦記念日も近い今、どこでそんな不吉な言葉が発せられたかと思ったら、安倍首相がオリンピック開催に向けて不退転の決意を示したらしい。

 自ら大日本帝国死亡フラグを立てるなんて、ついにイカレたのか? と思ってよく調べてみたら、安倍首相が表明したのは「東京五輪・パラリンピックの開催に向け、アスリートや大会関係者の入国に向けた措置を検討していく」という内容で、「不退転の決意」というのは産経新聞がネット記事に付けた見出しのようである。
 産経新聞は安倍寄りだと思っていたのだが、なぜ不利な印象操作を行ったのだろう。「不退転の決意」という言葉がカッコイイと思ったのだろうか。

 調べてみると、意外と政治・経済の場で「不退転の決意」という言葉はよく使われているようである。日々、いろんな政治家や経営者が不退転の決意をしている。消費税増税を決意したり、ゴミ袋有料化を決意したり。最近だと6月末に日産の経営陣が「不退転の決意」をしたらしい。
 また、政治・経済の記事でもよく使われている。この手の記者が好きな言い回しのようである。

 しかし本来、この言葉は、政治や経済といった場で安易に使うべきではない。政治・経済では強固な意思決定能力も必要だが、柔軟さも重要だからである。よりよい方法があるなら瞬時に考えを改められなければならない。
 また、政治家や経営者は、引き際を見極められなければならない。常に退くことが選択肢になければならない。
 たとえばオリンピックは、中止すると今までの投資分は無駄になるが、それ以上の損害は出さずに済むメリットもある。開催できるならそれに越したことはないが、無理となれば早く中止を決断した方がいい。開催できる状況ではないのに強行すれば、大きな損害を出すことになる。不退転の決意などすべきではない。

 政治家や経営者が不退転の決意をするのは、自分は無能で、組織の内情はヤバいですと表明しているようなものである。自分のリーダーがこういうことを言い出したら、退路を考えた方がいい。


2020.07.03 邪聖剣ネクロマンサーwithバロンとロミナ

 PCエンジンmini版『邪聖剣ネクロマンサー』を、バロン、ロミナをお供にしてプレイ。
 初回プレイでは自己紹介からして選んだらヤバそうな2人だったので候補にすらしなかったが、逆に、この2人をお供にしたら本当にどの程度ヤバいのかには興味を持った。

 初回をカオス、マイストでプレイした印象では、結局のところ、物理ダメージが通るのは主人公だけになり、仲間はサポートに回ることになりそうに見えた。
 MPが多く、使える魔法も豊富なカオス、ライムは間違いなく役に立つが、攻撃が当たらないバロンだって壁としては使えそうだし、ロミナがいくら弱いと言っても、バーンの杖係にすればなんとかなるんじゃないかと思った。

 ……現実は甘くなかった。

 バロンは確かに壁役にはなるが、あまりに素早さが遅いために敵の攻撃が連続攻撃になってしまい、他のキャラにダメージが飛び火してしまうことがある。そうなると壁の意味がない。しかも、レベルアップが遅い。

 ロミナは想像を超えて弱かった。全てのステータスが尋常でなく低い。「特に取り柄がない」という自己紹介は謙遜ではないどころか、盛っているとすら言える。取り柄がないというより、何の役にも立たないと言った方が近い。ロミナは王国の戦士の一人として紹介されるが、実は事務員かマネージャーかなんかで戦闘要員ではないのではないかと思えるほど酷いステータスである。
 バロンはレベルアップこそ遅いが、上がりさえすればHPと攻撃力だけはもりもり上がる。しかしロミナは、どれだけレベルアップしても弱い。
 ネットでの情報によると、ロミナの能力はLv30くらいから急上昇するらしいが、Lv30というとネクロマンサーを入手する頃で、下手するとラスボスを倒しているレベルである。つまり、最終盤までずっと弱いということになる。これは酷い。

 バロンとロミナをお供にしたときの最も効果的な戦術は、2人とも殺して主人公だけでプレイすることだろう。敵から得られる経験値は山分けになるので、2人が死んでいれば主人公は3倍の速さでレベルアップする。しかも、2人の装備は必要ないので、経済的にも3倍楽になる。
 しかし、それだと「バロンとロミナをお供にクリアした」とは言えないだろう。

 というわけで今回私は、誰かが死んだ状態で戦闘に突入するのは禁止、ということにした。誰かが死んだ場合は、次の戦闘までに復活させなければならない(蘇生魔法を使うか、すぐに飛行石等を使って町に戻って復活させなければならない)。それができない場合はリセットする(町でセーブはするので最初からやり直しにはならない)。
 あと、大きな影響はないが、グリフォン等の仲間を吹き飛ばす敵は優先的に倒すことにする。それでも飛ばされた場合は仕方ないということで。

 誰か1人でも死んだらダメとなった場合、問題になるのはロミナのHPの低さである。気を抜くとすぐ死ぬ。できるだけいい防具を持たせることである程度は対処できるが、魔法ダメージは軽減できないのでキツイ。ロミナにひたすら防御させるくらいしか手がない。実質2人パーティ状態である。
 しかしこれ、外なる神との戦闘での魔法2連続攻撃に耐えられるのだろうか。


 Lv1。ロミナのステータスの想像以上の低さに驚く。さすがにランダメリア周辺で戦う分には問題ないが、下手したらすぐに死にそう。
 普通ならLv4にもなればバーンの杖を取りに行って解呪可能だが、このパーティーだとロミナのHPが低すぎて危ない。そのため、Lv6まで上げてからヘラーシャに向かうことにした。

 さすがにLv6ならそう問題もなく、ヘラーシャに辿り着く。ロミナが死にかけたりはしたが。
 買える最強の防具をロミナに、ソードを主人公に装備させる。
 お下がりのクローをバロンに装備させたかったが、装備できないらしい。魔術士でも装備できるのに。変なところで制限のある奴である。
 魔法はライルをひとつ買う。2人合わせても3回しか使えないが、ないよりはマシ。
 あとは薬草をありったけ買って、バーンの杖を取りに行く。
 道中、ロミナはずっと防御。特にミオンを使っている奴の時は防御しないと危険。
 バロンは素手でソード持ちの主人公と同等のダメージを出せるが、すでに空振りが多め。

 ところで、ヘラーシャには「呪いを解いてやる」とか言いながらちっとも解けない無能な魔術士がいるが、こいつにミランダの像を持っていったらどういう反応をするのだろう。ちょっと気になる。

 準備が調ったので、バーンの杖を取りに行く。万全を期した甲斐はあって、バーンの杖の回収、解呪に関しては特に問題なく行えた。ミオンを連打されてロミナが死にかけたりはしたが。
 バーンの杖はロミナに持たせるが、現状では杖を使うよりは防御に専念させる。HPが最大値でも、瀕死状態なんじゃないかと思えるほど低い。

 まだ次の大陸に行くには不安材料だらけだが、最初の大陸でレベル上げするのは効率が良くないので、バロンにソードを買って、意を決してビレッタへ向かうことにする。

 ランダメリア-ビレッタ間のほこらには「バーンの杖がない奴は通さん」とか言っているじいさんがいるが、前回プレイしたときは、バーンの杖を持って行くと「バーンの杖を持って祭壇に立てばワープできる」的な説明をしてくれたと記憶している。
 しかし今回はなぜかセリフが変わらなかった。バグ? どうでもいいので無視して先に進む。


 Lv7。ビレッタに到着。ロミナの最大HPは未だに45で危険水域。
 この辺で、カオスがいないことの弊害を嫌というほど思い知ることになる。 このゲームでは、かなり強い敵でも、全力で戦えば1〜2戦は勝つことができる。カオスがいれば戦闘終了後に毎回、回復魔法でHPを全回復出来るので全力で戦える回数が大幅に増える。そのために強行突破もしやすい。
 しかし、このパーティーは回復手段が限られている上、攻撃魔法も使えない(主人公もロミナも意外と強力な魔法を使えるが、現状ではINTが足りない。仮に使えてもMPが少ないため攻撃に回す余裕がない)。じっくりレベルを上げ、装備を調えて、安全を確保してから進めるしかない。

 カオス・マイストパーティーのときは、タロネス周辺の敵は金稼ぎに最適に感じたものだが、今のパーティーだとフェンリルが毒攻撃を仕掛けてくるのが地味に脅威。特にロミナが毒を食らって防御力を落とされ、その後攻撃されると一気に瀕死になる。

 それでもなんとか敵を退け、タロネスとメノースの分岐点に。
 先にメノースに行こうかとも思ったが、薬草が切れていて危険なので、ここは無理しないことにした。


 Lv8。タロネスに到着。
 いまさら気付いたが、ここでホークの足取りが聞ける。「私を置いて行ってしまった」的なことを言っている娘がいる。
 ホークは主人公と同じく、外なる神と戦っている正気を失った変人勇者のようだが、結局、話の上でしか出てこないようである。私は初回プレイでハルモニアかどこかで彼のウワサを聞いた際、「代わりに魔王を倒してくれたら楽でいいのに」と心の底から思った。

 タロネスを拠点にして周辺で金稼ぎやレベル上げをしたかったが、毒攻撃をしてくる敵が多く、そのたびに毒消し草を消費することになってあまり効率が良くない。あと、ロミナへの攻撃のダメージが馬鹿にならない。
 本当はメノースでチェーンメイルが買えるまで我慢しようと思っていたが、ここでロミナにリングメイルを買って、メノースへ向かう。ロミナのお下がりのティールペルツは主人公に。


 Lv10。ロミナのHPが75になり、ようやくマシになってきた。これだけあれば、ひとまず初歩的な攻撃魔法を2発食らっても死なない。

 メノースに到着。シーマシルドを全員に買う。
 この周辺に出るアグミーは戦いやすいので、しばらくここでレベル上げすることにする。

 Lv12まで上げたところで金が貯まり、チェーンメイルを買って主人公に装備。ティールペルツをバロンに。
 防御力にも少し余裕ができたところで、カギをいくつか買って、タロネスやビレッタ東のほこらなどの錠付き宝箱の金を回収しに行くことにする。

 道中の敵が意外と楽に倒せたので、ついでに力のしるしの洞窟も攻略することにした。楽勝だった。だいぶ安定してきた気がする。
 そのまま、めがみのリングの洞窟も攻略し、リングを回収する。


 Lv14。ついにロミナのHPが100を越える。とはいえ、主人公のHPの半分以下ではあるのだが。
 メノース地下の洞窟を攻略しよう……と思ったら、中の敵にバロンが一撃で40も食らったので、慌てて引き返し、装備を調えることに。
 3人ともチェーンメイル、シーマシルド。主人公はトライデント、バロンはソードのまま。バロンはソードで充分ダメージを出せる。あまり強い武器を装備させてもオーバーキルになるし、空振りが多いので投資額に見合う効果はないと判断した。
 あと、スターサファイアは売却した。どうせ天空城なんか攻略不可だろう。万一行きたくなった場合、元あった宝箱にリスポーンしているとのウワサである。

 めがみのかざりは問題なく回収。タロネスにいる魔物の口を引き裂いて、水の女神だかなんだかから、さざなみの鐘をもらう。
 これで聖杯を回収できるようになったが、今の段階で聖杯を取るとアイテム欄を圧迫するので、今は取りに行かないことにする。

 ルオールにも行けるようになったが、そのためには橋のハイドラを3匹倒す必要がある。マイストがいたときは先制でさざなみの鐘が使えたが、このパーティーだとトリプル攻撃を1回食らうのは覚悟しなければならない。ロミナが3発とも食らったら絶対死ぬ。
 ひとまずシュルクに行き、ヘルムを買って、セーブして、とりあえず試しにハイドラと戦ってみることにした。
 運良くロミナに攻撃が行かなかったため、ハイドラを倒し、ルオールに行き着くことができた。


 Lv15。ルオール。
 魔術士がいれば、ここで念願のローブが買える。安くて防御力も高い優れものだが、このパーティーでは関係のない話。

 現状では、この周辺の敵と戦うのはかなり厳しい。主人公やバロンの攻撃は10くらいしか通らないのに、敵の攻撃で50くらい食らう。ここで安定して戦うにはシュタールとシーマアックスが必要だが、金が足りない。
 そもそも前回、カオス、マイストのパーティーで挑んだときでさえ、ルオールに到着したのはLv17だった。少し早く来すぎた感がある。
 そこで、飛行石で一旦メノースまで戻り、アグミー相手に経験値と金を稼いで出直しすることにする。

 ここまでは比較的楽に来たが、このパーティーの正念場はここからだろう。ここから先は、攻撃魔法に頼れないこと、ゼライルが使えないことがかなり痛い。その上、この辺から素早さが低いことの弊害が一気に出てくるはずである。


 ルオールに戻り、経験値稼ぎがてら、砂漠にあるハズレ洞窟もついでに攻略しておく。
 この洞窟は初回プレイでは散々苦労した。迷いまくった上に、結局重要アイテムは何もないというオチ。
 ただ、宝箱から2000GP程度回収できるので、全く無駄というわけではない。特に今はレベル上げ作業中なので、気分転換にもなっていい。
 洞窟を出る頃には主人公のLvは17に到達。金も充分溜まったので、再びルオールへ。

 ルオールで、全員にシュタールを購入。主人公にシーマアックスを買い、バロンにお下がりのトライデントを装備。これで、ルオール周辺での戦闘はほぼ問題なくこなせるようになった。ただ、バロンだけでなく、主人公までよく攻撃をミスっているのが気になるが。

 次はブロアイだが、あそこはごほうせい(五芒星?)がないと店がぼったくり価格になっているので利用しづらい。
 そこで、ブロアイを飛ばして一気にマジカルキーを取りに行けないか試してみることにする。危ないようだったら飛行石で戻る。

 実際やってみると、ひとつひとつの戦闘はなんとか勝てる。このまま行けばマジカルキーも取れるんじゃないか? と思った矢先に、ダーバッドとグラウザムの混成部隊に出くわした。ダーバッドがひたすら眠らせてきて、その隙にグラウザムが殴り放題してくる。何も出来ない。
 死にかけながらもなんとか撃退したが、回復アイテムが尽きたので飛行石でルオールに撤退するしかなかった。

 ダーバット、グラウザムのコンビに出くわさなくても、途中で回復アイテムが尽きた可能性は高い。現状ではグラウザムから30前後のダメージを食らうため、回復しながら進むしかないが、ゼライルがなく、主人公とロミナのMPも少ないので、薬草を限界まで持ち込んでも、マジカルキーまで到達するのは難しそう。
 ブロアイでドラゴンシルドなどを購入すれば話は変わるかもしれないが、ぼったくり価格で買うのは気に食わない。

 それで考えた。まず、ルオール周辺でレベル上げをして、セルスを使えるようにする。その頃には金も貯まっているだろうから、その金を持ってハルモニアに行くのである。ハルモニア周辺の敵には勝てないだろうからセルスを使って強行する。町に着いたら装備を調える。
 うまく行くかわからないが、少なくとも損はしないだろう。いずれにしても、現状ではレベルも金も足りていない。


 Lv20。ロミナの能力がマシになりつつある。HPも195になり、そう簡単には死ななくなった。今までは一般市民クラスだったのが、足の遅いマイストくらいにはなった。


 Lv21。INTの上昇具合からして、Lv21でセルスが使えるようになると踏んでいたのだが、Lv22にならないと無理らしい。
 ただ、このLvになると、ブロアイ周辺の敵にも対処できるようになるので、一度試しにハルモニアを目指してみることにした。

 ブロアイ・ハルモニア間の洞窟ではエンカウントせず。

 ハルモニア周辺の敵はさすがにまだ厳しく、現状では物理攻撃はほとんどダメージが通らず、こちらは100以上食らう。運良く、出くわした敵は全て単体だったため、バーンの杖で削り倒して進み、なんとかハルモニアまで到着。

 ハルモニア到着時、金は5万程度あった。問題はそれで、武器を買うか防具を買うか、である。ライトニーは買えるが、買ってしまうと防具が揃えられなくなる。
 カオス・マイストのパーティーだったら迷わずライトニーを買ったが、バロン・ロミナは常に回復手段に悩まされるので、防具優先の方が良さそう。
 ということで、盾をドラゴンシルド、兜をシーマヘルムへと更新し、主人公の鎧だけレジールに。

 装備を購入したところで、またブロアイ・ハルモニア間の洞窟からブロアイ方面へと引き返す。
 そして、そのままマジカルキーを取りに行くことにした。たぶん守備力が上がった今なら行けるだろうと踏んだ。
 すると、ものすごく運がいいことに、東の海岸線では全く敵に出くわさず、かなり楽々とマジカルキーを入手することができた。
 
 想定外に回復アイテムを消費しなかったので、そのまま、ごほうせいのある洞窟に入り、金と魔法の羽を回収する。ごほうせいを持っている迷惑なじいさんとの戦いは、今の攻撃力だとダメージが通らない可能性が高いのでやめておく。魔法の羽は主人公に装備させる。


 Lv22になり、セルスが使えるようになる。
 どうやらセルスの効果は、マップを移動したり、病院で治療したりしても残るらしい。つまり、病院で治療を受ける前に使っておくことで、通常よりも1回多くセルスを使える。


 ブロアイ周辺で経験値を稼ぎ、Lv24に。ライトニーが買える金額が貯まったので、再びハルモニアへ。
 主人公にライトニー。お下がりのシーマアクスをバロンに。

 このパーティーの数少ない利点のひとつは、金を節約しやすい点かもしれない。魔法はどうせ使えないのでほとんど買う必要がなく、バロンは主人公のお下がりでもだいたいなんとかなる。

 続いて、セルスの連発でハルモニア西のほこらに行き、魔法の羽を回収。ロミナに装備させる。これで多少はMP不足を解消できる。

 ライトニーを装備しても、依然としてハルモニア周辺での戦闘は厳しい。特にキルエを使ってくるラミアは危ないが、複数で襲われるとどの敵でもキツい。
 ただ、現状だと、主人公はセルスを3回使える。これでなんとかカルムートに行けないだろうか、と考えた。

 ライトニーを買ったばかりなので、カルムートに着いてもろくな買い物はできない。しかし、カルムート西にあるほこらでトルースを回収できれば、かなりの戦力アップになる。
 途中で死んだらやり直しになるが、ハルモニアでセーブするので、大して巻き戻しされるわけでもない。
 挑戦する価値はあると考え、一度やってみることにした。
 ……しかし、こういうプレイは、2回目以降だからこそできるやり方ではある。初回はどこに何があるかわからないし、ミランダの像の洞窟の隠し通路に至っては、ヒントをもらってなおわかり辛いから、この時点で行けるはずがない。

 ハルモニアで病院に行く前にセルスを使っておき、ミランダの像のある洞窟へ。途中でセルスが切れるが、かけ直しはせずに強行突破を試みる。
 セルスは洞窟とカルムート周辺で使いたい。あの辺の敵は現状では勝てないだろうからである。ミランダの像の洞窟周辺の敵もキツいが、ここでセルスを使っているようでは絶対にカルムートには辿り着けない。

 インスマウスからバロンが2回攻撃をもらったり、レジール装備の主人公ですら70台のダメージを食らったりなど、かなり危険な局面は多かったが、出会った敵のほとんどはダーベロス単体か2体止まりで、なんとか対処できた。ダーベロス2体+グリフォンとかが出たらたぶん終わっていた。

 ミランダの洞窟内は、マジカルキーで扉を開けるところまでは敵に出くわさないように祈りながら進み、そこからはすぐにセルスを使い、最短距離でカルムート側への出口へ向かう。金も像もエルサーパも無視。どうせエルサーパなんかINTが足りなくて使えない。
 結局、セルス2回でミランダの像の洞窟を突破。残り1回を使って、カルムートに到着することができた。

 ここまで来れば、トルースの回収は楽。病院で治療する前にセルスを使っておけば、ほこらまでに4回分のセルスが使える。余裕で往復できる。
 トルースは主人公に、ライトニーはバロン。カルムートに戻ったらシーマアクスを売って、その金を元に盾と兜を新調した。
 カルムート周辺で戦うのはまだ無理だが、これで一気に戦力が向上した。ここから先はレベル上げも金稼ぎも、今までと比べれば格段に楽になる。

 トルースを得た今、Lv24ではまだ無理だが、そろそろネクロマンサーのことを考える段階に来ている。今まで後回しにしてきた聖杯や本やらを回収しながらレベルを上げ、装備を調えていくことになる。

 ……しかしここで、非常にまずいことに気付いてしまった。

 パーティーの持ち物枠は24。現状、主人公は装備で6つ、バロンは3つ、ロミナは4つの枠を使用している。これに、さざなみのかね、マジカルキー、バーンのつえの3つを足して16枠。
 これに、3つの聖杯と本、ごほうせいの5つを足したら21。1人1つしか物を持てないことになる。

 これは非常にまずい。このパーティーは魔法に頼れない分、消費アイテムの重要度は高い。特にネクロマンサーのある洞窟は長丁場かつ敵も強いので、薬草や魔除けの水、飛行石、できれば松明も持ち込みたいくらいである。それなのに3枠しか余裕がないの?

 3枠のうち1枠は飛行石でほぼ決まり。あれがないとネクロマンサーを回収した後に帰還が困難になる。主人公がゲルニダンを使えるようになるのはLv29だが、そもそもゲルニダン用にMPを残せる余裕があるとは思えない。
 残り2枠は薬草? となると、魔除けの水なしで行くことになるわけだが……あの洞窟ってキルエとか使ってくるのいなかったっけ?

 このパーティーの山場は越えただろうと思っていたのだが、むしろここからが本当の試練なのかもしれない。


 聖杯と本を集め、装備を調えるためにカルムート周辺でベスティーマクス相手に金稼ぎをする。
 Lv28になり、主人公がゼライル使用可、ロミナがゲルニダン使用可に。
 ロミナがここに来て急激にINTが上がってきた。ゲルニダンが使用できるようになったことで飛行石は必要なくなった。また、ごほうせいを捨てることで1枠増やした。
 それぞれに買える最強の防具を装備させ、主人公にはサクシード、バロンにトルーズを装備。
 準備が調い、いよいよネクロマンサーを復活させに行く。

 ……が。
 すっごい気合いを入れたにもかかわらず、結局、ネクロマンサーを復活させて祝福を受けるまで、一戦もしなかった。セルスが最後まで持ったのである。前回、洞窟をマッピングしていたのが役に立った。
 レジェルダーも回収。バロンに装備させる。

 というわけで、ついにラストダンジョンに突入できるようになったわけだが……このメンバーでLv28では絶対アザトースは倒せないだろう。
 とりあえず、ラストダンジョン前で回復してくれる水の女神の近くでレベル上げをする。

 しかし、どこまでレベルを上げたらラスボスを倒せるのだろうか? ゼライルが主人公しか使えないのは痛い。ボス戦では薬草を使うしかないが、果たして持つのか。
 イーガスも主人公のみ。バラムは使い手なし。
 ロミナはゼライガスが使えるらしいが、一体どれだけレベルを上げたら使えるようになるか想像も付かない。


 Lv29。とりあえず一度、邪神どもと戦ってみる。
 まずはツァトゥグァ。クトゥルフでは基本的に、海にいて触手がうにょうにょしているほど危険という法則がある。ソグソトースやアザトースは海じゃなくて宇宙だが、クトゥルフ世界では「宇宙」には「うみ」とルビを打つのだろう。
 ツァトゥグァは森の精霊みたいなものなので、触手うにょうにょよりはマシ。

 ……だが、無理。全滅した。
 こいつはバラムを連打すれば無力化するのだが、このパーティーにはバラムの使い手がいない。すんごいキツい。そもそもLv29で戦う相手ではなかったのかもしれない。レベル上げに専念する。


 Lv31。主人公がイーガス使用可となる。
 ツァトゥグァ再戦。
 あれから作戦を考え直した。隊列をバロン、ロミナ、主人公にして、バロンが攻撃役、ロミナはずっと防御して盾役。主人公はゼライルで回復役として、隙があったら攻撃する。
 レジェルダー持ちのバロンは90程度のダメージは与えられる。時間はかかるが倒せないこともない。
 主人公を回復に専念させることで、だいぶ戦いやすくなった。なんとかツァトゥグァを撃破。Lv32にレベルアップ。

 Lv32。ナイアラトテップ戦。クトゥルフの邪神の中ではわりと良く出てくる迷惑な奴。アザトースの不出来なかわいい息子という設定らしい。アザトースを喜ばせるためにいろいろやらかすのだとか。迷惑な奴である。私は観ていないので詳しく知らないが、以前には美少女化してアニメにもなっていたようである。きっと観たら正気を失うアニメだったのだろう。
 こいつはツァトゥグァよりも楽勝。魔除けの水で魔法を反射していたら勝手に死ぬ。
 アイテムを補充するために一旦町に戻る。

 Lv34。ハストゥール戦。原作だとハストゥールは名前が出てくる程度で具体的になんなのかはよくわからない。wikiによると「闇に囁くもの」初出だそうで、「そうだっけ?」と思って読み返してみたら、確かにヨグソトースやアザトースなどと共に列挙されていた。ただ、あれじゃ名前なのか地名なのか、あるいは別の何かなのかもよくわからない。後にいろいろあって、風を司る者ということになったらしい。
 戦い方はこれまでと同じ。自分のキルエで勝手に死ぬ。

 Lv35。ロミナのHPは555になり、ラミール使用可に。もはやロミナは役立たずではない。ただ、ゼライルが使えないのは依然として大問題ではある。

 ヨグソトース戦。ヨグソトースは、宇宙とか空虚とか、そんなようなもの。物質的な存在を持っていないっぽいので、本来なら戦ってどうこうできるものではない。もっとも、今まで戦ってきた連中も、人間が戦ってどうにかできる存在ではなかったが。
 1回攻撃しかしてこないが、めちゃくちゃ素早いため、結果的に2連続、3連続攻撃になってしまう。まずは先頭のバロンを防御に専念させ、主人公がイーガスを連発して素早さを下げる。
 数回重ねがけに成功すると、主人公とロミナへの攻撃は1回攻撃になるので、こうなったらだいぶマシ。
 あとはラミールをかけておくと、たまに自分で唱えたシリバで眠る。

 バロンは死んでしまったが、ロミナを盾にして主人公でひたすら攻撃し、なんとか倒した。
 戦闘終了後、ゲルニダンで町まで戻ってバロンを蘇生。

 ついに残るはアザトースのみ……だが、アザトースは魔法反射でダメージが入らないので、かなりキツい。現状のまま戦ったら、アイテムが尽きて倒しきれない可能性が高い。
 イーガスの成功率が高ければ、だいぶ楽になるはずだが、前回、主人公とカオスの二人がかりでかけまくった経験からすると、成功率は低め。
 できればロミナがゼライガスを使えるようになるまでレベル上げすべきだが……


 Lv35。アザトースに挑戦。
 アザトースはヨグソトースよりわけのわからん存在。この世界はアザトースの夢に過ぎないとか、知性を失っているとか、いろいろ言われているが、そもそもアザトースを知覚した人間が存在するかも疑わしいし、仮に知覚した上で生きていたとしても、正気を保ってはいないだろう。そのため、文献で言われていることの全ては憶測に過ぎない。
 本作の魔空王アザトースは、クトゥルフの邪神らしくうにょうにょしているが、ネクロマンサーでダメージを与えることができる。

 作戦は、バロンを先頭にして盾役。アイテムの続く限りは回復と魔法の水を使う。主人公は、最初はイーガスを唱えてアザトースの素早さをいくらか下げて後攻撃に。ロミナは基本的に防御に専念しつつ、バロンの補助を行う。

 この連携はまあまあうまく機能したのだが、途中でアイテムが尽きてしまい、ロミナの魔力も切れて、回復やラミールの維持が出来なくなってしまった。
 もっとレベルを上げる必要がある。


 Lv38。ラストダンジョンには単体の敵が必ず出現するマスがあるので、そこでレベル上げを行った。
 ロミナは未だにゼライガスを使えない。おそらくLv43は必要じゃないかと思う。
 だが、そんなにレベルを上げるのも大変なので、ここで再びアザトースに挑戦することにした。

 作戦はほぼ同じ。ただ、前回やられた際の感じからすると、アザトースに複数回イーガスをかけるのは難しいようなので、1回かけたら攻撃に転じることにした。

 今回はレベルが上がっていることもあって、HPに余裕があり、前回よりは少し楽な展開。しかし、ラミールをかけ忘れたせいでバロンが死んでしまった。
 またやり直しか……と思ったら、なぜか、バロンがいなくなって2人の方が戦況が安定した。もしかすると、バロンを回復させるために手数を必要としなくなった分、戦いやすくなったのかもしれない。主人公は、HPが減っていたらゼライル、減っていなければ攻撃。ロミナはラミールのかけ直しか防御。このルーチンで戦い続ける。

 やがて、ロミナのMPと魔除けの水が尽き、力が及ばなかったか……と諦めかけたとき、なんと、主人公が必殺の一撃を繰り出した。1200くらいのダメージを叩き出し、アザトースを撃破。まるで漫画のようである。


 というわけで、主人公とロミナLv38、バロンLv34で、アザトースを倒し、世界に平和が訪れたけど、主人公がネクロマンサーという外なる神をも屠る危険物をその辺に埋めてしまったせいで、それを掘り返して悪用しようとする人が現れるのでした。めでたしめでたし。


 バロンとロミナのパーティーは、有力な魔法が使えないので厳しいのは厳しいが、2回目以降のプレイで攻略手順を知っているなら、そこまで無茶な編成ではないな、という印象だった。ただまあ、やはりカオスとライムの魔道士コンビを仲間にした方が楽だし楽しい気はする。


 忘れていたが、主人公の名前について。

 このゲームでは4文字で主人公の名前を付ける必要がある。デフォルトの名前はたぶんなし。また、使えるカタカナにはいくらか制限がある。
 私は基本的にデフォルトの名前を使うが、デフォルトの名前がない場合はたいがい「えにくす」にしている。ハドソンのゲームだろうが容赦なく勇者えにくす。
 ただ、畏れ多くもアザトースを討伐しようというイカれた勇者には、それなりの名前を付けるべきと考え、今回は特別に「セト」と名付けた。
 セトはエジプト神話における戦争の神。時代によって守護神とも悪神ともされる。要は、困ったときには軍神扱いして崇め奉るが、平和になったら煙たがられる存在ということである。本作の主人公の名前としてふさわしいだろう。また、アザトースを殺るならこのくらいの格の神が出張る必要があるだろうと思った。


2020.07.02 PCエンジンmini購入

 さんざん悩んだ挙げ句、PCエンジンminiを購入した。
 実際に購入したのは最近ではなく、発売2週間前くらいに予約し、発売日には届いている。ただし、一緒に頼んだターボパッドは発売が遅れて1ヶ月待たされることになった。

 実のところ、PCエンジンminiには、私が入れて欲しかったタイトルはほとんどなかった。
 私の願望としては、まず、『ネオ・ネクタリス』か『マジカルチェイス』が入っていれば、他がどんなに酷いラインナップでも買い決定。
 あとは『イースIV』、『風の伝説ザナドゥ』、『エメラルドドラゴン』、『空想科学世界ガリバーボーイ』、『サイバーナイト』、『ラングリッサー』、『グラディウスII』、"R-TYPE"、『パラノイア』、『沙羅曼蛇』、『ビックリマンワールド』あたりが欲しかった。

 最初の発表では、欲しかったタイトルで収録されていたのは『グラディウスII』だけ。「"R-TYPE"もないのかよ、終わってるぜ」と思っていたが、後に海外版タイトルも収録されることになり、これで"R-TYPE"と"Psychosis"(海外版の『パラノイア』)が追加された。
 あと、『銀河婦警伝説サファイア』が入っているのは、意外だったがプラス要素といえる。

『沙羅曼蛇』は海外版のみの収録。海外版にはターボパッドも付くので、海外版を買った方がいいのではないかとも思ったが、『天外魔境II』を捨てるのは惜しい気もした。それで、日本版+ターボパッドを予約することに。

 日本版には『ときめきメモリアル』も入っているが、あれはどうでもよかった。マゾゲー過ぎて私には合わないからである。
 プレイしたことのない人は、あれを女の子とイチャイチャするだけの軟派なゲームだと思っているだろうが、実際は違う。あれは目当ての子に好かれるためだけに金を稼ぎ、勉強し、身体を鍛え、さらには登場する女の子全員に優しくせねばならないゲームなのである。誰かをえこひいきすると女子グループの間で悪いウワサが広まって大変なことになる。本命の子とだけ付き合うより、何股もかけた方が評判が良くなるという謎仕様。マゾいホストゲーと言った方が正しい。
 熱狂的なプレーヤーの多いゲームだが、私には何が面白いかわからない。プレイしていて修行僧のような気分になったのを覚えている。

 そもそも私は恋愛ゲームが好きでないのかもしれない。『ラングリッサーIII』でも、伝説の木の下でヒロインから告白されないと真のエンディングに辿り着けなかったのがウザかったし、『スターオーシャン セカンドストーリー』の好感度システムも面倒に感じた。
『グランドセフトオートIV』では、野郎同士なのに、頻繁にデートを重ねないと、せつなさが募って爆弾が爆発する。意味わからん。まさかギャングの抗争を描いたバイオレンスゲーで野郎相手にときメモをさせられることになるとは思わなかった。でも、普段は街中で銃をぶっ放しているひげ面のおっさんどもが他愛もないことでキャッキャしている姿は微笑ましいものがあり、男女の恋愛を描いたゲームよりも面白い気がした。
 ……それはともかく。


 予約してからも、本当に買う価値があったのか、金の無駄だったんじゃないかと悶々としていたが、発売直後に裏技が発表されると、一気に事情は変わった。
 ソフト起動時にコマンド入力することで『グラディウス』と『ファンタジーゾーン』はnear Arcadeバージョン、『ソルジャーブレード』は非売品版がプレイできるのだが、特に注目は『ファンタジーゾーン』のnear Arcade版。これだけで買う価値はあった。

 PCエンジン版『ファンタジーゾーン』は、BGMが酷すぎてやる気が失せる代物だった。移植としてはそう悪くないデキなのに、BGMで台無し。オリジナルに忠実でなくてもいいから、せめて聴くに堪えるBGMでさえあってくれれば……と思ったものだが、その夢がついに叶うときが来たのである。この感激は元PCエンジンユーザーでなければわからないかもしれない。もっと早く発表していれば、売り上げにも大きく影響したのではなろうか。

 BGMがマトモになっただけでも感涙モノだが、5面のBGMはメロディあり版となし版が交互に流れる仕掛けになっている他、グラフィックも調整されている。
 グラフィックは、前半ステージだけ見ると「ちょっと色味が違うかな?」という程度の修正に留まっているが、7面、8面の背景は劇的に良くなっている。


 本体について。
 本体のサイズは、元々PCエンジンが小型のハードだったこともあり、さほど小さくなった感じがしない。あと、私はコアグラフィックスIIのユーザーだったので、白エンジンは特に懐かしくない。
 日本版だけターボパッドが付いていないのは勘弁して欲しかった。そういうつまらないこだわりは誰も得をしない。コアグラ以降のPCエンジンはターボパッド標準装備だったんだから、miniだって標準装備すべきだった。

 内部の機能は他のミニとかクラシック機とだいたい同じ。画面サイズ調整機能やどこでもセーブ&ロード機能を備え、1つのソフトにつき4箇所セーブ可能。
 ゲームを起動する際、Huカードを本体に挿入するアニメーションがあったり、CDドライブの駆動音が用意されているなど、変なところで凝っている。

 パッドの使用感は、オリジナルと比べると少し違和感がある。全体にちょっと堅いのか? 使っていると慣れてくるので大きな問題はない。


 プレイしたゲームについてざっくりと。


『天外魔境II』

 PCエンジンを代表するRPGだが、私は特に思い入れはない。

 久々にプレイしての感想は……こんなに空振り多かったっけ?

 どうやらこのゲームでは、敵とのレベル差が開くと与ダメージ量や命中率に補正がかかるらしい。レベル上げせずに進めていくと、空振りが多発するようになる。
 かつてプレイしたときはこんなに空振りしたイメージはなかったのだが、きちんとレベル上げしていたのだろうか?

 空振りしまくりながらでも無理矢理突破する方法はあり、実際、私も中盤までは強行していたが、あるときキレた。もうこんなクソ空振りゲーなんか1秒もプレイしたくなくなった。

 それで、レベルを上げることにした。ガーニンを倒した時点でレベル40台後半くらいだったのだが、調べてみると、その時点での敵のレベルは60前半。10以上も離れていた。というわけで60まで上げたところ、空振りしなくなった。
『天外II』は低レベルクリアに挑戦する人が多いゲームだが、私はご免である。あの空振り地獄には耐えられない。

 エンカウント率は「高い」と評されることが多いが、私はさほどでもないように感じた。やたら出るときと全く出ないときがあり、極端な偏りがあるように感じるが、総じてそう高くない。フィールド上での移動速度が速いことを考えたら、むしろ低い方だと思う。
 エンカウント時に読み込みがなく、戦闘もスピーディーなのはいい。敵全体にかかる術を使うと1体ごとにエフェクトが表示されて面倒だが、気になるのはそれくらい。


 戦闘システムについては、術力の制限が厳しい一方で、秘剣不知火や青海波の剣などを使えば強力な術を使い放題なのはバランスを欠いていると思う。術力のリソース管理をして、ようやく絞り出した術力で攻撃術を唱えるより、何も考えないで秘剣不知火を連発する方が有利なのはゲームとしてどうなんだと思う。また、これらを使えば絹の不殺の誓いを無意味にすることが出来るのも納得がいかない。
 四水の鏡など、一点物のアイテムに強力な術の効果があるのはまだいい。しかし、店で何個でも買える上に、誰でも術力を消費せずに使い放題の秘剣不知火の存在は、どうも納得がいかない。

 もっとも、納得がいかなければプレーヤーの方で禁じ手にすればいいわけなので、私は店で購入した術効果のある装備の使用を自主的に禁止してプレイしている(カブキが持ってくる秘剣不知火は使用可)。覚醒前の絹が自分の手でダメージを与える行動を取るのも禁止。不知火などの使用や砲撃などか該当する。鳥などの召喚系や地獄はアリ。
 もうひとつ、百鬼夜行の箱から手に入る、霊薬の効果がある防具の使用も禁止。これは術力を無限に回復可能になるからだが、今回私がプレイした際には、術力回復の霊薬は「血」だったので影響はなかった。

 あと、リスポーンする宝箱からのアイテム多重取りも禁止してプレイしている。このゲームではバグなのかなんなのか知らないが、一部の宝箱の中身が復活する。これによって黄金虫の卵や霊薬などを無限に取得できるのだが、これもゲームバランスに大きく影響する。黄金虫の卵では無限に金稼ぎができ、霊薬が無限に取れると術力のリソース管理をする必要がほぼなくなる。


 ストーリー面では、敵味方ともに、キャラクターの個性を前面に出そうとしているのが特徴。
 味方側は、勝手にパーティーから抜けたり、戦いたがらなかったり。カブキが勝手に抜けるのは想定内だから問題ないが、絹が抜けたときは「お前もかよ!」と思った。このイベントは覚えていたが、絹が抜けることはすっかり忘れていた。
 仲間が勝手に抜けるのは困りものだが、プレイに緊張感が生まれるので、後から冷静に評価すると、悪くない演出だと思う。
 ただ、それは、後でパーティーに帰ってくることが前提で、いきなり抜けて永久に帰ってこない演出は嬉しくない。そういうゲームには開発者の独善を感じる場合が多い。『天外II』の縁切洞や『カブキ伝』のサングエ戦のように、事前に死亡フラグを立てまくっていれば、抜けるんだろうなという覚悟ができるので、まだいいのだが。

 敵側の味付けは、イベントだけ見るとコミカルだが、村人の話などを聞くとエグかったりする。
 肉助やデューク・ペペなどはわかりやすいサイコ野郎だが、菊五郎は、イベントで見せるふざけた印象と、城や赤目村でやっていることのサイコパスっぷりのギャップが激しくて、「こういうキャラだったのか」と驚いた。かつてプレイしたときは見落としていた点である。
 この後、キャラクターの個性を前面に出したRPGは増えていき、特に『ファイナルファンタジーVI』の発売以降はその傾向が強まった印象があるが、『天外II』はそうしたキャラゲーRPGの先駆けだったと言える。

 登場人物がやたらと死にまくるので、「こんなハードなストーリーだったか?」と途中から疑問に思っていた。特に、エビス丸がいきなり死んだことになっていたのは驚いた。
 ただ、百道三太夫が大した理由もなく死んだあたりで、「あれ? こいつらって後の作品に出てきてなかったっけ?」と思った。死んだように見えて実は生きていましたパターンか? と思って調べてみたら、はっきりと「遺体」と表示されるし。
 その後、ホテイ丸まで景気よく死んでしまうので、どうケリを付けるんだこのシナリオは? と、首を傾げたのだが……エンディングを見て納得した。なるほど。当時のジャンプのパターンなのね。死亡確認とか神龍とか。
 そういうばこの頃って、死んだ人が生き返る話が多かったよなと、ちょっとノスタルジーを感じさせるご都合主義的展開であった。


 欠点はあるにせよ遊べるし、プレイしている時はそれなりに楽しいのだが、どうもあまり心に残らないゲームでもある。プレイ後に振り返っても、大して思い出が残っていない。
 理由はよくわからない。『天外II』のシナリオは、イベントが豊富なわりにテンポが早いのが特徴だが、そのせいでひとつひとつのイベントの印象が残りにくいのかもしれない。


『スナッチャー』

 PCエンジンユーザーならプレイ必須とされるコマンド選択式アドベンチャーゲームだが、実は未プレイ。
 その理由は、難度が高いと思っていたからである。人間に化けている殺人ロボの正体を見破るゲームと聞くと、ワンミス即死しそうな気がしないだろうか。昔は、ちょっとしたことですぐ詰んだりゲームオーバーになるアドベンチャーゲームが多かった。その類いだろうと思っていたのである。

 実際にプレイしてみると、思っていたものと全然違った。難度はかなり低めで、少なくとも捜査パートで証拠品を取り忘れるなどして詰むことは(たぶん)ない。
 たまに戦闘パートが入ることがあり、ここでは下手すると死ぬが、難しくない。
 戦闘パートはあくまで、ゲームに緊張感を与えるためのガジェットという扱いになっている。

 結局のところ、このゲームは推理アドベンチャーというよりはデジタルコミックに近い内容と言える。
 ただ、手掛かりをメモする必要があったり、現場で採取したサンプルを分析したり、モンタージュ写真を作成したりなど、捜査している気分にさせる要素は盛りだくさんで、プレイしていて楽しい。

 ただ、ACT2の後半に入ると、犯人が聞かれもしないのにべらべら自白を始めるシーンがあって、その辺からちょっと疑問符が湧いてくる。本来ならあの自白内容は、プレーヤーが捜査する過程で掴むべき情報だったような気が。
 また、せっかく「誰がスナッチャーか?」という証拠を積み上げていくのに、結局、その証拠を突きつけて追求するシーンもないままに、勝手に犯人が本性を表したりするのもいただけなかった。

 そして、ACT3では、『メダルギアソリッド2』を彷彿とさせる、長い自白シーンが……

 調べると、ACT3は、原作のパソコン版『スナッチャー』では削られてしまったACT3〜5のシナリオをダイジェストにして詰め込んだ内容らしい。そう聞くと、この形で良かった気もする。
 もしACT3のシナリオを完全な形で再現したとすると、スナッチャーと延々戦ったり、地下迷路をさまよったりと、刑事ゲーとしての本質から外れた内容になりそうだからである。そうなるくらいなら、プレーヤーは何もせず、見てるだけで話が進む、この形の方がいい。


 これを当時、フルプライスで買っていたら、ボリュームの少なさにがっかりしたかもしれない。ただ、miniに収録されているゲームとしてなら充分に楽しめた。
 できればもっと、誰がスナッチャーかを捜査して突き止める過程をたくさん楽しみたかった気持ちはある。巨大な陰謀を暴くとかいう話になると、刑事モノとしては大味になってつまらなくなるんだよなと思った。


『ニュートピア』

 PCエンジン版『ゼルダの伝説』とよく言われるゲーム。オリジナルは未プレイ。

 前評判通り、システム周りはほぼ『ゼルダの伝説』と同じ。ただ、『ゼルダの伝説』は、良くも悪くも最初期の箱庭ゲーであることが最も大きな特徴なのだが、『ニュートピア』はそこを踏襲していない。そのため、プレイした感じはかなり異なる。

『ゼルダの伝説』は、広大なフィールドに放置され、わけがわからない状態から手探りで進めていく。最初からほとんどのところに行け、中盤に攻略するダンジョンにも入れるが、たいがいは返り討ちに遭ったり、アイテムが足りなくてどうにもならなくなる。
 あまりにわけがわからなくて投げ出す人もいるわけだが、そこを辛抱強く進めていくことで、「ああ、あそこはこのアイテムを使えばいいのか」などと、気になっていた箇所の攻略法が徐々に見えてくる。そこに一番の面白味がある。

『ニュートピア』は、フィールドが3つに区切られていて、一定のタスクをクリアすることで次のフィールドに進めるようになっている。また、次に何をすべきかを教えてくれる人がたくさんいるので、迷うことがない。ダンジョンの仕掛けも単純で、悩むようなところはほぼない。
 プレイしやすい反面、謎を解く喜びがなく、淡々とプレイすることになりがち。楽しくないんだけど、行き詰まりもしないからプレイを続けているという、何とも妙なプレイ感覚だった。

 ただ、終盤になると難度が上がり、フィールドも複雑になるので、「もうこんな面倒な道中はやり直したくないぞ!」という後ろ向きなモチベーションのおかげで、不覚にもボス戦でけっこう白熱してしまったりはした。

 特に面白いゲームではないが、ちゃんとクリア出来るように作られている点は評価すべきだと思う。この頃のゲームは一部のマゾゲーマーしかクリアできないような酷いゲームが多かったから、それらよりはずいぶんマシである。

 しかし、このゲームの最強装備が「さいきょうのけん」「さいきょうのよろい」「さいきょうのたて」なのは、なんとかならなかったのだろうか。いくらなんでも手抜きが過ぎると思う。


『ニュートピアII』

 続編が出るくらい、前作は売れたということなのだろうか。

 アクションが強化され、敵の種類が多彩になり、戦闘が面白くなった。高いところを飛んでいる敵と地上にいる主人公とに接触判定があったり、魔法を当てたときの敵のノックバックの仕方が変だったりと、いろいろ不満はあるが、そこはひとまず良しとする。ともかく、前作の砂を噛むようなプレイ感ではなくなったことは大きな進歩である。

 ただし、ダンジョンの仕掛けがやたらと面倒になった。敵を全滅させた上で石を動かさないと先に進めない部屋が多すぎる。
 さらに、中盤以降のダンジョンでは、鍵などの重要アイテムが隠し部屋に置かれていることがあり、怪しい壁を片っ端から爆破する作業も追加される。

 序盤から面倒さが際立っているが、先に進めば進むほど、どんどん面倒になっていく。謎解きが難しいのではなく、ただ面倒なのである。いちいち足止めを食っては敵を全滅し、フロアにある石を片っ端からひとつずつ押す作業を繰り返すことになる。

 私はもう、途中で嫌気が差してプレイするのをやめた。途中とは言っても、ラスボスの城突入直前くらいまではやったのだが……普通ここまで来たら、とりあえず我慢してクリアしようと思うものだが、このゲームに関してはそう思えなかった。
 ダンジョンの仕掛けは前作くらいシンプルにして、戦闘アクションを中心に組み立てた方が良かったと思う。


『イースI・II』

 さんざんやったゲームなので、もういいかなと思ったりもしたが、『ニュートピア』をプレイしていると無性にやりたくなった。

 もはやストーリーとかには興味が持てず、適当に序盤をプレイしていた……はずだったが、宝箱の鍵をもらったところで、突然一気にヤル気が出てきてしまった。「おおっ、これで気になっていた宝箱が開けられるぜ!」と。
 面白いRPGは、こういうところがうまいと思う。気になる仕掛けを見せておいて、後にアイテムが手に入ったときに「あそこで使えばいいのか!」とプレーヤーが自発的に試したくなるように持って行く。

 というわけで、やる気満々で神殿をクリアし、廃坑に突入。

 ……ヴァジュリオン(廃坑のボス)で行き詰まった。

 倒し方はわかる。コウモリが集まって正体を現し、翼を広げた瞬間に体当たりすればいいのだろう。しかし、当たり判定があるのが一瞬しかなく、それ以外の時に接触すると、こちらが大ダメージを受ける。

 十字架とか聖水とか、こいつを倒す専用のアイテムでもあるんじゃないかと思い、廃坑と神殿を探索し直したが、取りこぼしは何もなさそう。どうやらガチであれを倒さなければならないらしい。昔の私はよくこんなのを倒したもんである。

 何度か戦っているうちにコツを掴んで、倒すことができ、これで後は楽勝だろう……と思ったら、今度はダームの塔のトラップがエグくて何度も死ぬことに。
 店売り最強装備を買いそびれていたため、銀装備を失ったときに詰みかけ、銀の盾の宝箱のトラップにはきっちり嵌まって死に、壁から突然出てくる敵には「またドギか?」と勘違いしている隙に殺され、鏡のワープ先に待ち伏せしている敵に殺され。
 ……いくらなんでも気を抜きすぎな気がする。以前プレイしたことがあるゲームだからと舐めていたかもしれない。しかしある意味、今回のプレイが一番ダームの塔を満喫したとも言える。

 それら数々の罠をくぐり抜け、ようやく突破したと思ったら、次は鬼面的なボス(ヨグレクス & オムルガン)で行き詰まる。昔の私はよくこんなのを倒したもんである。
"II"のダレスも似たような行動パターンだったりするが、実はこの鬼面の方が強くなかろうか。レベル次第ではあるが。

 ダルク=ファクトも強い印象が全然なかったのだが、今回、たぶん人生初の敗北を喫した。挑戦時のレベルが低かったのかもしれない。おそらく昔の私は入念にレベルを上げて臨んだのだろう。それで強い印象がなかったのかもしれない。

『イースI』が厳しいのは、体当たり攻撃しかないからである。常にハイリスク。遠距離攻撃があればかなり簡単になるし、『ゼルダ』みたいに剣を突き出せるだけでも大きく違ったはず。『ゼルダ』や『ニュートピア』をプレイしている時は「なんだこのクソ短い剣は。使えねえ」と思ったものだが、『イースI』をやっているとあれがどれだけ有り難いものだったかわかる。


 PCE版はダームの塔攻略後、そのまま『II』のオープニングに繋がり、レベルが持ち越されるのが特徴。そのためにPCE版は、全体のゲームバランスが再調整されている。
 後に日本ファルコムが出した完全版では、オリジナルのバランスを保つためか、『II』へのレベル持ち越しはない。
 実際のところ、レベルを持ち越しても初期化されても、プレイ自体に大きな変わりはない。だが、レベルが持ち越された方が気分としては嬉しいのも確かである。

『II』は攻撃魔法が使えるのでかなり楽。難度はそう低くはないのだが、ダメージ覚悟でボスに突撃する必要がないだけでも心理的にかなり余裕ができる。

『II』で唯一難儀したのは、精霊の衣を取り損ねたこと。溶岩地帯でHPが回復できずに苦労して、「いくらなんでも、そろそろヒールリング的なやつがあっても良くないか?」と思った。それでさんざん探し回ったのだが……氷壁の側面にある洞窟の入り口はわかりにくくて困る。

 あと、鉄鉱石も取り損ねて、ラミアの村まで初期鎧で通すことになってしまった。なんかものすごくダメージを食らうんだけど、このゲームってこんなに厳しかったっけ? と思っていた。
 あとで攻略サイトで鉄鉱石の位置を確認したが……あんなところにあったのね。


 古いゲームだし、何度もプレイしたゲームだから、いまさらやっても面白くないだろうと思っていたが、結構楽しんでしまった。
 しかし、これをプレイすると、続けて『イースIV』もやりたくなる。もちろんThe Dawn of Ysのほう。まだ持っていると思っていたが、いくら探しても見つからない。


"Psychosis"

『パラノイア』の海外版。変な横スクロールシューティングゲーム。
 日本版との違いは、2面と3面の順番が入れ替わっていることと、一部表現の変更。日本版だと、1面の最初に出てくる敵が交尾していたり、ステージクリアすると悪魔が中指をおっ立てたりするのだが、そうした表現が規制されている。

 このゲームは、少なくとも1周するだけなら決して難しくはないのだが、地形や背景、敵キャラクターの表現が変で、何に当たり判定があるか分からないせいで謎の死を遂げることが多い。初見殺しもいくつかあり、一度死ぬと立て直しが困難。で、やられる度に最初からやり直すことにうんざりして投げ出す、というパターンが多い。

 しかし、背景やBGMの絶妙な変さは一度体験する価値はある。海外版では下品な表現が規制されているので若干面白味は減っているが。


『グラディウスII』

 未だにオリジナルのソフトを持っている。本体は壊れて使えないが、エミュレーター上で動かせる。
 それだけに気になるところがあるのだが……オリジナルと音量バランスが違う気がする。ボイスの音量が大きすぎて、BGMが小さめになっている気がする。

 アーケード版をプレイしたことはないので、どの程度忠実な移植かは知らないが、CDDAを使用したBGMの高品質さは感動モノである。
 PCE版では追加ステージがあるが、カットしてオリジナルと同じにできるモードもある。

 このゲームは、シューティングがそんなに得意でなくても、頑張れば比較的容易に1周はできるバランスなのがいい。シューティングはヘタクソお断りなゲームが多く、そのために衰退したわけだが、やはり下手でも多少は遊べるようにして欲しいもんである。


『超兄貴』

 このゲームのサントラは、盤面が粉を吹くほど聴きまくっている。今はmp3化してパソコンに入れているので、CDの劣化を気にする必要はなくなった。

 で、ゲームについてだが……横スクロールシューティングとしては、わりとまっとうなデキなのだが、道中が短い上にボスの耐久力も低いため、せっかくの怪しい演出の数々をじっくり見る暇なくどんどん進められてしまうのが欠点である。道中が30〜40秒程度で、前半のボスは数秒で沈む。せっかくの個性的なボスも、ちゃんと見る間もなくいなくなってしまう。
 もっとじっくりと筋肉ムキムキの野郎ばかり登場する、このゲームの怪しい世界を見せつけるようにすれば良かったように思う。演出の仕方次第では伝説的な名作になれたゲームだったと思う。……まあ、このままでも伝説にはなったが。

 しかし、今プレイしても"Next Stage 男の海"のところで吹いてしまう。ここで出るとわかっていても字面のインパクトがすさまじい。


"R-TYPE"

 日本版は"I"、"II"に分かれていて、"I"がたしか4面までだったか。最後に出てくるパスワードを入力することで続きから遊べる仕様だった。
 海外版では完全版になっている。これは海外版を収録して正解だろう。

 アーケード版はプレイしたことがないので比較はできないが、後にいろんなハードに移植された"R-TYPE"と比較した限りでは、この移植度はかなり高いようである。ただ、上下に少しスクロールするのは、おそらくアーケード版ではなかった仕様だったはずだと思う。当時でこのデキなら文句ないだろう。

 また、PCエンジン版では、アーケード版ではボツになったボスが登場する。これは結局、PCエンジン版のみの要素になった……のか? 私はいくつかのハードで"R-TYPE"をプレイしたことがあるが、たぶん他の移植版では見かけなかった気がする。なにぶん昔のことなので記憶が定かではないが。

 今プレイしても、反射レーザーは新鮮に感じる。反射レーザーって、敵が使うイメージが強いから、自機で使えるとワクワク感があるような気がする。私は対空レーザーが強いとわかっていても反射レーザーばかり使ってしまう。


『スーパーダライアス』

「スーパー」と付くが、実際にはアーケード版「ダライアス」の1画面版なので「ダライアス1/3」と言った方がいい気がする。CDDAによってBGMは完全再現。

 このゲームを難しくしているのは、自機の弾の同時出現数に制限があること。連射パッドを使うとバースト射撃みたいになって隙ができてしまう。かといって連射パッドなしだと異常に堅い敵がいて辛い。
 あと、ショットとミサイルでボタンが分かれているのも微妙にキツい。I・II同時押しをずっとやっていると、手が痛くなってくる。


"Lords of Thunder"

 今まで知らなかったタイトル。日本版は『ウィンズ・オブ・サンダー』というらしい。
 甲冑に身を包んだ剣士が空を飛び、暗黒神の手先をなぎ倒していく横スクロールのシューティング。ステージの最初に属性を選択したり、お買い物をして自機をパワーアップ出来たりできる珍しい仕様。

 なにより素晴らしいのが、BGMがメタルサウンドだということ。ネオクラシカル的なメタルと空飛ぶ甲冑剣士との相性は抜群。脳みそがとろけそうになるクサメタル的世界観は最高である。難度は選べるが、デフォルトだとさして難しくなく、ノリで適当にプレイしても大丈夫なのもいい。
 これはやっていて文句なく楽しい。君も正義のセイクリッドガーディアンとなって七つの鍵を手に入れ、守護竜の加護を得た聖剣を手にして邪悪な暗黒神を打ち倒すのだ! ……いや、実際、どういう設定なのかはよく知らないのだが。


『銀河婦警伝説サファイア』

 タイトルはアレだが、その実体はガチな縦シュー。『トリガーハート エグゼリカ』みたいなもんである。ゲームシステムは全然違うが。
『銀河お嬢様伝説ユナ』とは何も関係ない。外伝か何かだと思って買った人は驚いたことだろう。

 オリジナル版は結構やり込んだ。私はシューティングは得意ではないが、とりあえずクリア出来るくらいにはやった。あと、前半ステージのスコア稼ぎなんかにもチャレンジしていた。
 このゲームでは、ショットを撃たないことで溜め攻撃をすることができ、これで敵を倒すことでボーナスが得られるようになっている。また、敵を素早く全滅させることで追加の敵を登場させることもできる。これらを駆使してスコアアタックを行う。

 久々にプレイしてみたが、あまりに腕が落ちていて驚愕した。スコアアタックどころではない。普通になんかやられる。1面で全機失うくらいダメダメになっていた。

 どうもこのゲームは普通の縦シューとは勝手が違うような気がする。このゲーム独特の仕様に慣れないと全然うまく行かない。

 アーケードカード専用ゲームということもあって、疑似3Dを駆使したポリゴンっぽい演出がいろいろ入るのが特徴。今となっては驚くようなものではないし、当時にしても「無理にポリゴンっぽくする必要あったのかなぁ」と思いはしたが、そこはそれ。

 BGMが全編ハードロックでなかなか良いが、時間犯罪専門の婦警パイロットの活躍を描くという設定やシチュエーションとはあまり合っていない気もする。


"J.J. & Jeff"

『カトちゃんケンちゃん』の海外版。PCエンジンのゲームとしてはかなり有名なタイトルだが、プレイしたのはこれが初めて。
 海外版ではキャラが変わっている他、オナラ攻撃がスプレー攻撃になっており、いちいち後ろを向いて致す必要がなくなっている。これはプレイしやすくていいかもしれない。スプレーを使うときの姿勢や表情で、これがもともとオナラだったことは丸わかりである。

 キャラゲーだし、たぶん簡単なんだろう……と思ってプレイしたのだが……1-1でいきなり行き詰まる。どう見てもジャンプで届かない位置に次の足場がある。何度やっても死ぬ。
 どうなっとるんじゃコラ! と思ったが、どうやら隠し部屋に行くとヒントが聞ける仕様らしい。海外版なのでヒントは英語テキストで表示されるため、面倒でちゃんと読んでいなかった。どうせギャグネタかなんかだろと思い込んでいたのである。

 心を入れ替えてちゃんと英文を訳すと、どうやら、切り株の上でキックをすると足場が出現するらしい。これでなんとか1-1をクリアした。しかし、最初からコレだと先が思いやられる。

 そして……1-2がなんかムズい。いやまあ、もともとあまりやる気なくプレイしてたこともあって、プレイが雑だったこともあるのだが、それにしてももう少しサクサク進めるものだと思っていた。キャラゲーなんだし。
 カトちゃんケンちゃんのキャラクター目当てに買う人は、クソムズい難度なんか求めていない。手軽に遊べて楽しいゲームを所望しているに決まっている。だからきっと、適当に遊んでもクリアできる楽しいゲームなんだろうと思っていた。
 しかし実際には、序盤からかなり本気でプレイしないと先に進めない。1-1から全力かつ本気で取り組まないとすぐ死ぬ。キャラゲーとしてこの難度は如何なものだろう。世の中には始まって数秒でロンドン市民(に化けた犯罪組織のメンバー)に殺されるシャーロック・ホームズのゲームもあるが、そういうのは良くないと思う。こういうゲームは少し簡単めにすべきではなかろうか。もはやキャラクターの愉快な姿に笑っていられる余裕など全くない。ギャグ要素などムカつくだけで不要なくらいである。泣きそう。

 いずれ、ガチでアクションゲームを攻略したくなったときにやり直そうと思う。


"Bomberman '93"

 海外版『ボンバーマン'93』。おそらく違いはテキストだけ。
 私は対戦ゲームとしてのボンバーマンシリーズでは"93"が一番好き。ボムキックとラインボムが追加されて対戦に面白味が増した一方で、過剰なパワーアップや演出などは控えられている。"94"以降はルーイが登場するのだが、あれはゲームの展開を冗長にしていると思うのである。その後はいらん仕掛けがどんどん増える一方。対戦ゲームとしては"93"が一番バランスが取れていた。
 慣れてくるとそうそう死ななくなるので、そこをどうやって崩すかが醍醐味であり、見どころでもある。白熱した勝負が展開しやすい。

 しかし、このゲームをプレイしていると苦い思い出が蘇る。私はハドソンキャラバンのボンバーマン大会に参加したことがあるのだが、その際、爆弾を蹴りまくっていたら、実況の人に「友達をいじめちゃいけないよー」とか言われたのである。で、私がやられたら因果応報的なことを言っていた。あれにはいろんな意味で失望させられた。
 ゲームのルールや基本的な駆け引きすら理解していない人に実況を任せるくらい、ハドソンはあの大会に力を入れていなかったのである。ゲームや参加者を馬鹿にするにも程がある。

 それはそれとして。PCエンジンminiで対戦しようとすると、いろいろ追加購入する必要があるのでなかなか厳しい。『ダンジョンエクスプローラー』や『スーパー桃鉄II』もあるので、プレーヤーを確保できるなら買う価値はあるかもしれないが。


『スーパー桃太郎電鉄II』

 私は桃鉄シリーズをプレイしたことがない。もしかしたら、誰かの家でちょろっと触ったことはあったかもしれないが、きちんと最初から最後まで通してプレイしたことはなかった。よって、これが初めてのまともなプレイ。

 とりあえずCPUと5年で何回かプレイしてみたが、どうも運ゲー過ぎてどうしようもないゲームのような気がした。たまたまうまく目的地に着いたりして、金が稼げないことには不動産の買いようもなく、どうにもならない。

 しかしそのうち、年数が短すぎるからそうなるんじゃないのか、と思えてきた。それで25年でプレイしてみると、多少は運のなさを戦術でカバーできる要素が出てきた感じがした。少なくともCPU相手なら、そこそこ勝てる道筋が見えてきた気がする。

 ただ、なんというか……どうも私はこのゲームは合わない気がする。これだったらファミコン版の初代『いただきストリート』の方が好きだった。モノポリーに株の要素を追加したゲームで、運はもちろん重要だが、どこにどう投資するかの判断が問われるゲームで、頭脳戦をしている気分になる。実際は結局運ゲーなのかもしれないが、少なくともそういう気にさせてくれるところが面白かった。

『スーパー桃鉄II』は、どうもあまり頭を使って勝つという感じがしないというか、あまりに不確定要素が多すぎて、あんまり頭を使ってもしょうがないような感じがするというか……
 カードにしても、妨害する相手を選べないし、自分にデメリットが降りかかることもあって、博打要素が強い気がするのである。ここぞというときに妨害カードを使っても、ちゃんと効果を発揮する保証がなさ過ぎるのでアテにできない。そういう点での戦術性のなさというか、せっかく戦術を組み立てても失敗率が高いというか、そこらへんがどうも気に入らなかった。あいつを独走させたらまずいと思っても、どうにもしようがない。逆に、独走態勢を築いてしまえば、よほど運が悪くない限りそのまま押し切れてしまう。
 結局ところ、誰かの足を引っ張ることを考えるよりは、ひたすら自分の利益と、自分が不利益を被らないようにすることのみに注力した方がいい感じで、対戦ゲームをしている感じがしない。
 妨害する相手を選べるなら、独走するなどして目立つことがデメリットになるので、勝つのが難しくなって面白くなると思うのだが。

 ……まあ、CPU相手にプレイしただけなので、対人戦だとまた違うのかもしれない。


『邪聖剣ネクロマンサー』

 オリジナル版はプレイしたことはないが、夜一人で遊んじゃダメなことは妙に覚えている。

 オリジナル版はバックアップ機能を備えておらず、天の声バンクにも対応していない。セーブしようとするとパスワードを書き留めなくてはならないが、このパスワードがひらがな、カタカナ、英語混じりで最大64文字。私がプレイしなかった主な理由はコレ。この点は、PCエンジンminiならその場セーブ&ロードできるので解決する。
 もちろん、ヌルゲー化を良しとせず、当時の難度でプレイしたい勇者はパスワードを書き留めてプレイするといい。

 勇者が魔王を倒すために剣を探すというどうでもい……王道的なシナリオだが、魔王の名前が「アザトース」なのがクトゥルフ的に考えると恐ろしい。アザトースは不浄なる宇宙を創成した邪神で、人間がどうこうできる存在ではない。アザトースと戦うというのは、ビッグバンを生み出したエネルギーと戦うとか言っているのと同じで、完全に常軌を逸している。町の中にはちょくちょく魔王退治に出向く主人公達を止めようとする人がいるが、きわめて常識的な反応である。主人公達はすでに正気を失っており、だから外なる神や怪物達を直視しても発狂しないのかもしれない。

 もっとも、本作のアザトースは、クトゥルフのアレとは設定が異なるようである。ただ、たまに登場して頭の悪い発言をするのは原作通りと言えなくもない(アザトースは知性を喪失しているとされる)。アザトース戦の直前にはツァトゥグァやヨグソトースなども出てくるが、名前を使っているだけで、特にクトゥルフっぽい何かがあるわけではない。
 ただ、仲間が死亡したり逃げてばかりいると仲間の正気度が下がり、一定確率で逃げ出すようになるらしいので、その辺はクトゥルフっぽいと言えるかもしれない。説明書にはその説明は全く書かれていないが。

 旅の出発前に5人の候補から2人の仲間を選ぶことになるが、私はマイストとカオスにした。ハドソンのゲームは素早さが重要なことが多いし、補助魔法がやたらと強いことも多いからである。
 実際、マイストの行動順の早さは何かと便利だったし、カオスのグフトス(毒攻撃)には相当助けられた。このゲームでは毒状態になると攻撃、防御が低下するので、敵を毒状態にすることで貧弱な装備でも戦えるようになる。
 ただ、中盤以降、マイストの物理ダメージはほとんど通らなくなるので、だったら魔法使いのライムを入れた方が良かったかもしれないと途中で思った。

 装備の効果がやたらと高いため、できるだけいい装備が売っている町に辿り着くことが何よりも重要(町に着きさえすれば、その周辺で金稼ぎすることは難しくない)。しかしそのためには、全力で戦ってようやく勝てるかもしれないレベルの敵と対峙する必要がある。
 ひたすら逃げて無理矢理到着する手はあるが、先にも書いたように逃げを多用すると逃げ癖が付くらしいので、私はやらなかった。エンカウントを数回キャンセルできる魔法を使う手もあるが、そこそこレベルが上がらないと使えない上に、消費MPが莫大で連発できない。
 私は、全力で敵を倒しながら強行突破することにした。このゲームでは、バーンの杖や魔法の威力が高めなので、それらを駆使すれば、かなりレベル差のある敵でもなんとか倒せる。なので、飛行石を持っておいて、とにかく行けるところまで強行し、行き止まりだったりMPが尽きたりしたら撤退を繰り返す。

 戦闘まわりのシステムは『天外魔境II』とよく似ていると思った。低レベルでも工夫次第で勝てるバランスや、魔法が強力な代わりにMPが少ない点、エンカウント率の偏り(1歩でエンカウントすることもあれば、10秒以上エンカウントしないこともある)、術効果のある道具がやたら強い、など。

 戦闘システムに関しては、キツイしバランスがいいとはとても言えないが、そう不満が大きいわけでもなかった。
 ただ、装備の性能バランスはもっとうまく調整して欲しい気はする。いくらなんでも大雑把すぎる。せめて次の町の周辺でもそこそこ戦える程度の性能の装備は売っていて欲しい。
 あと、魔法ダメージが軽減しようがないのも問題。ラミール(魔法反射)を使えばいいわけだが、消費MPが大きすぎてザコ戦でいちいち使っていられない。魔除けの水を用意するにも、ネクロマンサー取得直前だとアイテム欄に余裕がない。

 装備を含めて1人8個しか物を持てないのに、重要アイテムがやたらと多いのも困りもの。ネクロマンサー復活のためには4つのアイテムが必要で、その他の重要アイテムも含めると8つか9つ欄を占有する。さらに装備で3つか4つ欄を食う。一番厳しいネクロマンサー復活直前には、自由に持てるアイテムは1人1個くらいしかない。
 ネクロマンサーを手に入れると、馬鹿みたいな火力が手に入るだけでなく、一気にアイテム欄が4つ空く。ものすごく楽になるのだが、ゲームバランスが極端すぎる。

 謎解きに関しては、ほとんどのものについてはわかった……というか、適当にその辺の洞窟に入っている内にいつの間にかクリアしていたのだが、ミランダの像のあるところの隠し通路はもっとわかりやすくして欲しかった。像のある部屋のどこかに隠し通路があるのかと思ったら、全然違うところにあるし。
 せめて、あからさまに怪しく窪んでいるとか、目印くらいは付けてほしいもの。ネクロマンサーのある洞窟の隠し通路はちゃんとわかりやすくなってたのに(いやしかし、そもそもあの通路は隠す意味がない気がする)。

 レジェルダーは未発見でクリアした。あれはありかを知らなきゃ取れないだろう。クリアしてから攻略サイトを見て取りに行ったが、特に必要ない気もした。マイストの攻撃力が上がっても、終盤には攻撃する機会があまりない。

 ミゲルシリーズのあるところは自力で発見はしたが、敵が強すぎて回収できなかった。しかし、なぜあのダンジョンだけBGMが違うのだろう。確かラストダンジョンやラスボスって汎用BGMだったような。


 後味が悪いとされるエンディングは、私は「まあ、そりゃそうなるわな」くらいにしか思わなかった。何しろ攻撃力500の剣なんだから、そりゃあ掘り起こしたい人は出てくるだろう。世の中には「本当にこんな剣を巡って争う価値があるのかよ」と思えるような伝説の剣が多いが、ネクロマンサーは本当に欲しくなるほど強い。
 地中に埋めるんじゃなくて、また聖杯に戻したり、攻撃力120に戻したりできなかったのだろうか。

 それよりも、主人公が何の報酬も求めずに放浪の旅に戻る方が衝撃的だった。普通、世界に平和をもたらした主人公は、なにがしかの報酬を得ることが多い。富や権力を得ることもあれば、平和な暮らしを取り戻したり、嫁さんをもらったりすることもある。
 しかし本作の主人公は、本当に何も報酬を得ていない。旅に出る前と出る後で、彼の境遇は全く変わっていない。一番の報酬であるネクロマンサーは自ら手放してしまった。
 なぜ報酬を求めないかについては、エンディングで主人公が語っている(主人公が喋るシーンはここだけ)。「欲望は人をダメにするから何も欲しくないのだ」と。
 こんな悟りを開いている主人公は初めて見た。さすがアザトースを殺りに行くだけのことはある。きっと善なる方向に正気を失っているのだろう。


 はっきり言ってクソゲーに片足を突っ込んでいるゲームだと思うが、なぜかまたプレイしたくなる変な魔力のあるゲームでもある。今度はこの仲間でプレイしてみようとか、なぜかいろいろ挑戦してみたくなる。この辺も『天外II』に似ている。


 ところで、私のクリアレベルは主人公が34だったのだが、これはもしかして低過ぎたのだろうか? 金稼ぎの過程で結構レベル上げをしたつもりだったが、それでも旧支配者や外なる神との戦いでは、ラミールを使う間もなく先制の魔法2連撃でいきなり仲間が死んでやり直しになることが多く、酷い運ゲーだなと感じた。
 結局、カオスは最後までゼライガスを使えるINTに届かなかった。


2020.06.22 SanDisk SSD PLUS 2TB

 SanDisk SSD Plusの2TB(SDSSDA-2T00-J26)を購入。最近は100GB超の容量を食うゲームも出てきて、1TBでは足りなくなりつつあった。
 また、この際HDDから脱却するのも手かと思い、現在使っているHDDの中身をSSDに移せるよう、大きめの容量のSSDを買うことにした。

 現在SSDを買うとなると、主要なのはSeagate、Crucial、SanDisk(WDはSanDiskと中身は同じ)あたり。この辺はどれを買ってもだいたい同じようなものと考えていい。
 以前は台湾メーカーが安くて高性能なSSDを出していたが、日本と韓国のごたごたで煽りを受けたのか、値上がりしている。また、台湾製SSDはほとんどが1TBまでで、それ以上の容量のものは滅多に見かけない。
 サムスンも現状では選びにくい感じがする。

 メーカーを選んだら、次に考えるのは3D NAND採用のを買うかどうか。3D NANDの方が読み書き速度、省電力、信頼性に優れるが、同じ容量でも少し高くなる。
 たとえばSanDisk(WD)だと、Plus(Green)は2D NANDでUltra(Blue)は3D NANDを採用している。
 読み書き速度や発熱、寿命を気にするなら3D NANDにした方がいい。

 私は安い方を購入することにした。すでに3D NAND採用のSSD(Apacer AS340 960GB)を使っているので、ゲームプレイに支障があるほど速度に問題があるようなら、そちらをメインにすればいい(実際にSDSSDA-2T00-J26で重いゲームをいくつかプレイしてみたが、特に問題ないように感じる)。


 今回はOSの入れ替えなどの作業はないので、取り付けは問題なく完了。CrystalDiskMark7.0.0によるベンチマーク結果は以下の通り。

Test: 1 GiB SATA600
[Read]
Sequential 1MiB (Q= 8, T= 1): 553.782 MB/s [ 528.1 IOPS] < 15118.95 us>
Sequential 1MiB (Q= 1, T= 1): 472.087 MB/s [ 450.2 IOPS] < 2219.07 us>
Random 4KiB (Q= 32, T=16): 127.747 MB/s [ 31188.2 IOPS] < 16373.83 us>
Random 4KiB (Q= 1, T= 1): 17.645 MB/s [ 4307.9 IOPS] < 231.19 us>

[Write]
Sequential 1MiB (Q= 8, T= 1): 484.262 MB/s [ 461.8 IOPS] < 17231.29 us>
Sequential 1MiB (Q= 1, T= 1): 416.497 MB/s [ 397.2 IOPS] < 2515.22 us>
Random 4KiB (Q= 32, T=16): 106.181 MB/s [ 25923.1 IOPS] < 19702.20 us>
Random 4KiB (Q= 1, T= 1): 30.956 MB/s [ 7557.6 IOPS] < 131.41 us>

 パッケージに書かれている最大読み出し速度は545MB/s、書き込み速度450MB/s。実際にシーケンシャル読み書きではそのくらい出ている。
 ランダムアクセスは、3D NANDを採用しているApacer AS340 960GBの方が約2倍速い。

 なお、実際に約800GBのSteamのデータを移したときの書き込み速度は、最大362MB/s、平均は計測したわけではないが、グラフを見た感じだと270MB/s程度だった。
 作業中、温度が52度程度まで上昇し、CrystalDiskInfo上で黄色信号が付いた。52度なら問題ない気もしたが、そのときケースを開けていたので、一応サーキュレーターで冷却しておいた。
 普段使っているときは50度まで上がることはない。長時間書き込みをしたことが原因だろう。


 今回のSSD購入でHDDは実質必要なくなった。ただ、使わないのもなんなので、読み書きが遅くても問題ないデータストレージ用に付けたままにしている。


2020.05.12 スープラリバイバル

 JSPORTSで「スープラリバイバル」と称して、2001年JGTC最終戦、MINEを放送していた。
 なにしろ「スープラリバイバル」なので、スープラが年間チャンピオンになるのはわかっているのだが、観ていると、勝つはずのauスープラがいきなりスピンして最下位に落ちる。そのうえ大して速くもなく、得点圏内に入れそうもない。
 ここからどうやってチャンピオン獲るのさ、と思っていたら、総合2位と3位のNSXが接近しだしたので納得した。ああ、NSXの同士討ちか、と。

 SUPER GTでは、ホンダはなぜかよく同士討ちする。優勝とかチャンピオンがかかっているときにホンダ同士が接近すると、ヤバい雰囲気が漂ってくる。そして、だいたい予感通りぶっ飛んでいく。

 結局、2台のNSXが競り合った結果、1台は自滅、1台はスローダウン(競り合ったせいかは不明)して得点圏外に落ち、auスープラは何一つ活躍することないまま年間チャンピオンを獲るという、なかなか酷い展開だった。何年か前のル・マンのようである。LMP1がみんな修理ピットインだのリタイアだのして、あわやLMP2が優勝しそうになったアレ。

 この頃のレースを観ていると時代を感じる。今ならセーフティーカーかフルコースイエローが入るような状況でもそのままレースを続行しているし、ヤバい運転に対してもペナルティが全然出ないし、ピットでタイヤを立てて置いてるし(今だとペナルティ)、リタイヤしたドライバーがコースを横断しているし。

 このレースでは結局、GT500もGT300も、チャンピオンを懸けて競り合っていたクルマが自滅して、何も争っていなかったクルマがタナボタチャンピオンを獲っている。レベルの低いレースである。実況は大興奮していたが、私は観ていて白けた。ぶっ飛んで終わらすのは素人でもできる。コース内で決着を付けてこそプロだろう。逆に言えば、この20年間でSUPER GTもずいぶん進化したんだなと思う。

 しかし、この頃のドライバーラインナップを観ていると、後にニッサンやトヨタで活躍するドライバー達が、わりとホンダ所属なのが面白い。この頃のドライバーがそのままホンダに所属していたら、めちゃくちゃ強力な布陣になっただろうに。ホンダって他のメーカーに比べて待遇が悪いのだろうか。それともあまりドライバーを飼い続けることに執着しないのか。
 放出したドライバーと残留したドライバーを見比べると、なんとなくホンダはクレバーさよりもクレイジーさを重視している印象がある。

 MINEサーキットはHot Versionかなにかで観たことがあるだけで、まともにレースしているのを観たのは初めてかもしれない。観ているとたびたびSUGOと錯覚した。狭くて抜きにくくて、一見行けそうでも行っちゃダメなシチュエーションが多いのが似ている。


2020.05.01 メーデー

 2020年5月1日。今日はメーデーということもあり、Twitterでは「メーデー」がトレンド入りしています。

「トレンド入りするほどみんなメーデーに関心があるのかね?」

 twitterを見ているのは涼格朱銀。ネット歴20年のベテランです。

 当時、日本ではCOVID-19――通称「新型コロナウイルス」の感染拡大により、国民には政府から自宅待機が要請されていました。涼格もそれに従い、家でごろごろしながら、暇だったのでtwitterを見ていたのです。

「さて、どんなつぶやきがあるかな?」

 涼格が「メーデー」で検索すると、そのほとんどは『あつまれどうぶつの森』のイベントに関するつぶやきでした。メーデー旅行券をもらってイベント地へ行けるようです。

「あの日は特になんてことはなく、私は普通にネットサーフィンをしていました。たしか、メーデー旅行券って、途中で墜落しそうだよな、と思ったのを覚えています」

 そのときです。TL上に、予想外のものを発見しました。

「おい。見てみろ。おかしなものが紛れ込んでいる……DC-10……ピトー管……これは?」

 一見何気ないつぶやきですが、熟練した調査官の目にはすぐにそれが、ナショジオで放送されている「メーデー 航空機事故の真実と真相」ネタであることがわかりました。

「メーデーから救難信号を想像する人は多い……そのこと自体は不思議ではない……しかし、これは明らかにあの番組に影響を受けたつぶやきだ……だが……なぜ?」

 この発見により、調査の方向性が変わります。

「Googleで検索だ! 何かある……」

 そのとき、Googleから回収された検索結果の報告が届きます。

「よし、それでは早速見てみよう。……なんだ、これは?」

 すぐに「メーデー」は一定の知名度があることが判明しました。調査官の知らないところで、いつの間にか「メーデー」が某所で視聴されていたのです。「メーデー民」なる言葉まで存在するようです。

 さらにはどういうわけか、BEA――フランス航空事故調査局の建物を段ボールで再現した者まで存在し、しかも、それがBEAによって接収されていたというのです。

「航空機やパイロット、あるいは航空会社に関心が集まるのは普通ですし、航空機を再現しようとする者がいることには驚きません。しかし、事故調査機関の建物を再現する人が現れるとは意外でした」

 しかしひとつ、疑問が残ります。

「なぜBEAなんだ? NTSBやAAIBじゃなく。日本人ならJTSBでも作ればいいんじゃないのか?」

 その答えは、さらに衝撃的なものでした。

「この調査結果について詳しく言うことはできませんが……ひとつだけ言えるのは、私はしばらく腹痛と呼吸困難に陥った、ということです。たしか私はあのとき、こう思ったと思います。『もう助からないぞ』と。それほど驚くべき、調査結果でした」

「今回の件で、我々は教訓を得ました。信じがたいことですが、どうやらメーデーネタはそこそこ通じるようです。『シートベルトを締め、席にお着きください』とか『V1、回転』とかも通じちゃうんです、たぶん。もしかしたら事故調査小説とか書いたらバカウケするのかもしれません」

 しかし、忘れてはなりません。5月1日のメーデーは5月祭のことであり、労働の日のことなのです。番組の「メーデー」とは一切関係ありません。


2020.04.20 ゲーム中にパソコンの電源が落ちる

 しばらく起きていなかった、突然パソコンの電源が落ちる症状が再発した。ゲーム中にのみ起きるが、特に高負荷な時に落ちるわけでもない。

 パソコンの電源が突然起きる問題は、いわゆるKP41問題と言われて、最近のWindowsではよくある。私のパソコンでも何度も起きている問題。原因となる要素が多すぎて、なかなか絞りきれない。

 高速スタートアップはもともと切っているから関係なし。
 電源ユニットは交換したばかりなので、原因になっている可能性は低い。容量も十分ある。
 家の配線の問題の可能性も低い。最近ブレーカーを増設したので、以前よりも環境は良くなっている。
 省電力機能をオフにしても起きる。
 パソコン内部を掃除したが改善せず。
 グラフィックドライバを更新したが改善せず。
 帯電の可能性を疑って頻繁に放電してみたが、放電直後にも起きたので関係なし。
 メモリやドライブやシステムのチェックをしたが異常なし。
 USB機器の接続を最小限にしてみたが改善せず。

 なかなか原因がわからないので、一度マザーボードの配線や接続から再チェックしようかと思い、メモリやグラフィックボードなどを外してみることに。
 その時、グラフィックボードの放熱フィンにホコリが溜まっているのが目に付いた。
 そういえば、パソコン内部の清掃をしたとき、グラフィックボードを外さずに行った。そのため清掃が充分ではなかったのである。
 今度は徹底的にエアダスターでホコリを飛ばし、ついでに端子も清掃して挿し直し、テストしてみたところ、症状は起きなくなった。つまり今回は単純な、GPUの熱暴走が原因だったらしい。

 普通ならこの原因にはもっと早く気付いても良さそうなものだが、Windowsに対する不信感が強すぎて、問題を難しく考えすぎた。あと、GPUの熱暴走が原因でパソコンが落ちたのは今回が初めてだった。CPUは以前にもあったのだが。最近のGPUは高性能化している分、発熱も上がっている、ということだろう。


2020.04.15 Xbox oneコントローラーの買い換え

 Xbox oneコントローラーが故障した。

 一年半前、PCで使っていたXbox360コントローラーのアナログスティックの入力が怪しくなってきたので、コントローラーを買い換えることにした。
 同じ360コントローラーを買うつもりだったが、いつの間にか純正品は販売終了しており、ライセンスも切れたらしく、コピー品しか売っていない。
 コピー品でもちゃんと使えれば文句ないが、実物を見ずに買う気にはなれず、仕方なくXbox oneコントローラーを買って使っていた。

 Xbox oneコントローラーは、アナログスティックが若干高いのを除けば満足していた。360コントローラーより十字キーの入力が正確になっているのがいい。
 しばらく使っていたらトリガーボタンがきしむようになったが、それはシリコンスプレーを吹いて簡単に直せた。

 だが、ある日突然、右スティックが勝手に下入力するようになった。多少のブレならデッドゾーンの設定でなんとかなるが、チェックしてみると、90%近くまで勝手に下入力されていた。さすがにこれではどうにもならない。
 ダメモトで分解、清掃してみたが、直らず。また、分解した際に確認したが、見た限りでは物理的な故障ではなかった。センサーの故障とか、そんな感じだろう。直すには部品を交換しなければならない。最近私は半田付けに失敗していることもあって、自力修理は諦めた。

 Xbox oneコントローラーは5000円以上する。また1年半で壊れるかもしれないと思うと買うのが億劫になるが、かといってコントローラーは、粗悪品を買うと全く使い物にならないのも事実。
 今後は、家電屋で展示品などがあれば、安いコントローラーの使用感を確かめておくべきだと感じたが、ともかく今回はXbox one純正品を買い直すことにした。

 アナログスティックが壊れやすいのはマイクロソフト製に限らず、PS4やNintendo Swichのコントローラーでも話題になる問題のようである。どこのだったら壊れにくいということもないらしい。特に今回壊れたやつは"SEKIRO"で酷使したので、一年半という寿命が短かったかどうか、何とも言えない。


2020.04.05 Borderlands 3

[2020.04.25 アップデートにより変更された仕様について改稿]
 Steamにて"Borderlands 3"が発売されたので購入。Epic Gamesとの契約で、PC版は半年間、Epic Gamesストアの独占だった。
 それに対抗してか、Steamでは発売直後から大幅割引しており、AmazonでPS4版を買うより少し安い価格で販売開始した。

 先にざっと感想を書くと、システム面は改良されて、シリーズ伝統の面倒くささの一部は改善されている。難易度は易しめで適当に撃ちまくって遊べて楽しい。ただし、高難度モードでは装備の厳選が面倒くさい。
 ストーリーは、本編はイマイチ。サイドストーリーには面白いモノもあり。DLCは本編より面白いから、本作を買うならシーズンパス込みのものを推奨。
 ティナやクラップトラップなどの面白サイコキャラは、出てくるし、出てきたらちゃんと面白いが、出番は少ない。
 総合的には、メインストーリーに期待しなければ、シリーズのファンならまあ楽しめる。


 システムまわりは、基本的にはシリーズとして正統進化した感じ。ファストトラベルがどこからでもできるようになったり、取り損ねたレアドロップ品を自動回収するシステムができたりなど、全体的には従来より遊びやすくなっている。


 1周にかかる時間は前作の3倍くらいになっており、初回で40〜50時間かかる。この長さで2周、3周するのはちょっとなあ……と思っていたのだが、1周目をクリアするとメイヘムモードというのが追加され、このモードをオンにすることで、敵のレベルやドロップの質が上がるようになっている。つまり、何周もプレイする必要はなくなった。
 もっとも、4キャラ作るなら結局4周することになる。


 難度は、従来よりも易しくなった。今までは中盤で苦しい時期があったが、今作は特に厳しいと感じた戦闘はなかった。後半はプレイヤーの火力が高すぎてボスも楽勝。
 ただ、一部のボスが途中で無敵状態になることがあって、それがうざったい。無敵状態が解除されるまで何も出来ない。
 また、ゲーム後半から「聖別者」という強化バッドアスが登場するのだが、一部の聖別者が異常に堅い上に、うざい攻撃や無敵シールドを装備していて非常に鬱陶しい。

 今作はいまのところ、週に1度はなにがしかのイベントやホットフィックスが導入されている。頻繁にゲームバランスがいじられているので、先週強力だった武器が来週も強いとは限らないという、不安定な状況に置かれている。Steamで発売されるまでに様々なスキルや装備が弱体化されまくったらしく、先輩プレーヤー達の心は荒みきっている模様。


 メイヘムモードは1から10まであり、敵のライフやシールドが大幅に強化される他、様々な効果を及ぼすMODが最大4付く。
 どのMODが付くかはランダムだが、何回でも再抽選可能なので、気に入らない場合は変更可能。ただ、ある程度組み合わせは決まっているようなので、完全に好みのMODだけで固めることはできない場合がある。
 同じレベルでも、メイヘムが高いほうが高火力の武器が落ちる。そのため、極限まで高性能の武器を求めるならメイヘム10に挑まなければならない。シールド、グレネードMOD、アーティファクト、クラスMODはメイヘムなしでも10でも変わらない。


 今作のVaultハンターのスキルは、従来のキャラを複合させたような能力になっている。たとえばFL4Kだと、Zer0のステルス、モーデカイのブラッドウィング、ゲイジのデストラップなど。そこからスキルを組み合わせることで、多様なビルドを組むことができる。
 裏を返すと、今作のVaultハンターは旧キャラの能力の焼き直しになっており、新鮮味がないとも言える。"Pre-Sequel"のキャラや、"2"のDLC新キャラ(ゲイジとクリーグ)の能力がかなり個性的だたことを考えると、この辺はちょっとつまらなくなったか。

 今作は、固有のスキルの性能が控えめで、クラスMODや、各装備にランダムで付く聖別者特性の効果が高い。たとえばゼインの青ツリーの最深スキルは「アクションスキルを発動するとキルスキルが発動する」なのだが、DLC1でドロップするクラスMODには「射撃時に一定確率でキルスキルが発動する」効果が付いている。最深スキルより効果が高い。また、クラスMODには「武器ダメージ+28%」とか「アサルトライフルダメージ+35%」などの効果がランダムで3つ付く。「精度アップ」などの外れ効果がかなり多いが、当たり効果だとスキルポイント5つ分に相当する性能がある。
 そのため本作では、有用な効果が付いているクラスMODやアーティファクトを拾うことがかなり重要になっている。しかし、理想のクラスMODが拾える確率は1%もない。わりと馬鹿らしい仕様である。
 ただ、クラスMODやアーティファクト、聖別者特性の厳選が必要になってくるのは高いメイヘムのときだけなので、メイヘム1ならその辺は適当でも楽しく遊べる。


 メインストーリーは、個々のエピソードには面白いものもあるのだが、悪役のカリプソツインズが悪役としての魅力に欠けることや、味方でストーリーを引っ張っていくリリスやエヴァが面白いことを言うキャラではないことから、いまいちな印象を受ける。
 ティナやクラップトラップなどが絡んでくるシーンは面白いのだが、出番が少ない。

 あと、このゲームにネタバレも何も無いと思うから書いてしまうが、"Pre-Sequel"で不評だった展開をまた繰り返している。
"Pre-Sequel"で、リリスはローランドが死んだ責任をアテナに押しつけて処刑しようとした。実際は、アテナはむしろリリスに裏切られた側であり、ローランドの死とも関係ない。
 この展開はプレーヤーにも不評だったし、後にブリックから厳しく咎められている。
 それと似たような展開をエヴァがリリスに対してやっている。
 本来あのシーンは、タイリーンの悪役度を高めるためのものだったはずである。なのに、ヘイトがエヴァに集まってしまい、せっかくの見せ場を取られてしまっている。

 そもそもカリプソツインズは、かわいそうなくらい頭空っぽで、大した狂気も野望も妄想も抱いていない。馬鹿なYouTuberが迷惑なチャレンジを動画配信しているようなもので、相手をしていると空虚な気持ちになる。それに、やっていることと言えば、リリスやハンサムジャックの下手な焼き直しに過ぎない。やっていることがつまらないのである。
 さらに展開をつまらなくしているのが、リリスの指揮官としての無能さ。カリプソツインズの見え透いた罠にいちいち嵌まりに行くのである。どうにかならんのか、これ。
 途中でこの双子は仲間割れしかかるので、これでようやく面白くなるのかと思っていたら、何もなかった。本当につまらん悪役である。

 本作で出てくる悪役なら、カタガワJr.のほうがまだ面白い。リースとお友達になりたくて企業を乗っ取ろうとするイカレたサイコ野郎で、まさしく"Borderlands"らしい悪役と言える。ただ、このキャラもハンサムジャックの二番煎じ感が漂っていることは否定できない。


 一方、サイドストーリーやDLCのシナリオのデキは本編よりもいい。もともと"Borderlands"にシリアスな展開は似つかわしくなく、DLC程度の短編の方が合っているように思う。"2"にもそういうところがあった。カリプソツインズも、短編の悪役としてなら充分役目を果たせたと思う。


 各Vaultハンターについて。
 FL4Kは、殺戮の衝動に目覚めた元司書ロボという、よくわからんキャラ。自己紹介や返事は簡潔なことが多いが、たまにどこぞの本で覚えたらしい、持って回った変なセリフ回しをしたりする。狩り大好きということでZer0と話が噛み合うのが面白い。物騒な物言いも多いが、Vaultハンターとは思えないほど優しくていい奴である。

 戦闘では、ペットを常時連れているのが特徴。ターゲット逸らしの他、ダウン時に復活してくれるようになるスキルもあって、ソロでは非常にありがたい。
 アクションスキルは3種類からの選択式だが、実用的にはステルス状態になれるフェイド・アウェイが頭ひとつ抜けている。Zer0ほど劇的なダメージは出せないが、発動中に3回射撃でき、全てクリティカル扱いになる。ゲリラ・イン・ザ・ミストを取ると、持続時間が短くなり、ダメージボーナスが減る代わりに射撃回数の制限がなくなり、連射武器も扱えるようになる。
 ライフ回復とダメージアップスキルが充実しており、1周目はかなり楽なキャラだが、高メイヘムになると、急速にライフやシールドを回復するスキルがないことで、脆さが露呈してくる。立ち位置を工夫して、こまめにシールドやライフを回復しながら、チャンスに重い攻撃を繰り出す必要がある。
 また、FL4Kの火力を最大限まで引き出そうとするとキルスキルの発動が必要になるため、ボス戦では先に取り巻きを倒すなどの工夫も必要。


 アマーラは武闘派セイレーン。アストラル体の巨大な腕を召喚できる。ジョジョに出てきそうなキャラである。そして結構ノリがいい。戦闘関係のイベントでノリノリになるのはFL4Kと似ているが、それ以外のイベントではわりと冷静にツッコミ側に回ることが多い。

 アクションスキルは3種類からの選択式だが、最終的にはマヤのフェーズ・ロックと同等の性能である、フェーズ・グラスプを使うことになるはず。他の2つは単純にダメージを与えるスキルだが、あまり強力とは言えない。それよりはグラスプで敵を拘束して銃撃を加えた方がいい。
 アマーラは他のキャラのように、ターゲット逸らしや緊急回避の方法を持たないため、ソロだと厳しい。
 ライフスティールスキルを取ると安定してくるのだが、そのスキルはツリーの奥深くにある。序盤は厳しく、中盤以降から徐々に楽になってくるタイプ。
 近接攻撃特化キャラにすることもでき、そうすると前作のアテナのように、アクションスキルと射撃と格闘を織り交ぜながら戦う、なかなか面白い戦い方ができるキャラになる。私はこのビルドのアマーラが好きだが、現在最強なのはクラスMODの「スピリチュアル・ドライバー」に特化したビルド。シールドを回復しながら超高速で走り回り、ものすごいダメージが出せるというチートキャラになる。修正されないところを見ると、バグとかではないらしい。さすが"Battleborn"でコケたGearboxである。


 ゼインはフリント一族なのだが、一族とは敵対関係にあることもあって、それに関するセリフはほとんどない。クラップトラップやリリスとは、もうちょっとフリント一族絡みのセリフがあっても良さそうなものだと思うのだが。よく知ったかぶりをする調子のいいじいさん。あと、変人が好きらしく、頭のおかしいキャラが出てくるとVaultハンターの中で一番はしゃぐ。

 戦闘では、アクションスキルを2つ装備できるのが特徴。ただし、2つ目を装備するとグレネードが投げられなくなる。グレネードを自動投擲するスキルがあるので、グレネードMODを装備することは無駄にならない。
 アクションスキルの内、バリアとSNTNLは名前や見た目通りの性能だが、面白いのはデジクローン。ローランドから伝統のタレットみたいなものだが、自分と位置を入れ替えることができ、これによって設置位置を変更できる。また、位置入れ替えで発動するスキルや聖別者特性もある。
 ゼインのスキルの多くはアクションスキルの発動かキルが条件になっており、とにかくアクションスキルを発動し続けていないとゼイン自身はかなり弱い。いかにして2つあるアクションスキルをやりくりするかがポイントとなる。
 ……が、DLC1で取れるクラスMODには、射撃しているだけで全てのキルスキルが発動するという酷い効果が付いている。これがあればアクションスキルを長時間維持することが可能になり、ようやく前作のウィルヘルムやティモシーっぽい戦い方ができるようになる。裏を返すと、これだけ阿呆なクラスMODを作らねばならないほどゼインは辛かった、ともいえる。


 モズは、ブラドフの私設軍隊の出身……ということで、もっと革命的なセリフを言うキャラかと思ったら、そういうセリフは全くなし。脳天気な調子で物騒なことを言う天然っぽいところはあるが、今作のVaultハンターの中では一番常識的な反応をする。あと、すさまじいスルースキルを発揮することもよくある。変な奴を相手にしたら、だいたい見なかったことにする。
 声優の演技に違和感があったので調べてみたら、VTuberが声を当てているらしい。VTuberと言っても中の人はプロの声優だろうから、演出に問題があるのか。VTuberのキャラとしてモズに声を当てるという、二重の演技を要求された結果なのかもしれない。

 戦闘では、アクションスキルでロボに搭乗するのが特徴。搭乗中は事実上の無敵状態となる。ロボが破壊されてもモズはダウンしない。ただし、使えるのは備え付けの武器のみで、大柄なために移動に制限がかかる。
 無敵状態で撃ちまくれるのは大きなメリットだが、装備が整ってくると、生身で銃を撃った方が火力がある。生身で戦ったらすぐにケリが付くはずの相手に長々と弾を撃ち込み続けることになり、これだったら降りた方が良くないか? となってくる。かといって、これで火力まで高かったら無敵のチートキャラになってしまうので、難儀なアクションスキルを作ってしまったもんだなあと思う。
 生身のモズは、シールド強化スキルとマガジンサイズアップ、弾薬回復スキルに優れ、分厚いシールドを纏って高火力武器を撃ちまくれるのが長所。反面、火力アップと回復手段に乏しく、ライフ最大値を伸ばすスキルはない。
 爆発関係のスキルも豊富だが、自爆しやすくなるので扱いが難しい。

[2020.04.07]追記

 いまさら気付いたが、本作のクラスMODは、ブースト対象のスキルにポイントを入れなくても発動している。モズのスキルをリセットして、ブラッドレターを装備しただけでHPが減ったことで気付いた。
 FL4KのSt4ckbotが、赤、青、緑ツリーの深い層のスキルばかり対象になっているので、ずいぶん使いにくいなあと思っていたが、ポイントを振らなくていいならかなり有力。あと、フレンドボットも青ツリーにポイントを振らずに使えるなら結構便利ということになる。ガンマバーストの意味がさらに薄れてしまうが。

[2020.04.08]追記

"Borderlands Science"という、謎のパズルゲーが追加された。これは腸内細菌のゲノム解析をゲーム化して、プレーヤーにデバッグをさせようという試みらしい。ゲームばっかりやっている社会のクズどもを有効活用しようという、なかなか斬新な発想。さすがはバンディットを轢いてバイオ燃料にするゲームである。

[2020.04.25]追記

 アップデートにより、メイヘムが2.0にバージョンアップ。今まで4段階だったのが、10段階へと変化した。また、今まではメイヘム1でも4でもドロップする装備の性能は同じだったが、2.0からは銃の性能が向上するようになった。銃以外のものは変化無し。

 最大4つ付くMODは、死神だのダメージ床だのランダムでエレメント属性無効だの、ろくなものがない。
 私は「ダメージ+25%、操作性、集弾性-100%」「敵のダメージ、発射速度+30%」「敵がエレメンタルで繋がれる」にして、FL4Kは「クリティカル+25%、非クリティカル-50%」、他は「クリティカル-75%」にしている。
 実用的にはイージーMODを「頭の大きさ+100%」にして、ベリーハードMODを「クリティカル+25%」にするのが一番楽。ただ、ことあるごとにデカ頭の自キャラを見るのは私には耐えられない(笑)

 FL4Kはもともとクリティカルを狙うキャラなので、非クリティカル-50%はさほど問題にならない。他のキャラだとこのペナルティは重いので、クリティカル-75%のほうにしている。せっかくクリティカルを狙っても旨味が少なくなるのでつまらないが、他のMODはもっと酷いから他にしようがない。

 アマーラ、ゼインについては高火力が出せるからさして問題ないが、問題はモズ。アップデートで一部のスキルが強化されたが、それでもメイヘム10だと火力が足りない。火力が足りないとキルスキルが発動できないので悪循環。
 ただ、実際は、モズの火力が低すぎるわけではない。ほとんどの敵は問題なく倒せるのだが、一部のバッドアスがやたらと堅すぎることが問題。ロブなどの一部の火力高すぎ兵器を使えば倒せるが、もうちょっとまともに戦いたい。
 いろいろ試してみたが、メイヘム10で充分な火力を出そうとすると、ブラスト・マスターでないと厳しいようである。シールドゲージはOPQ、ライフゲージはカオサンで削る。問題はアーマー。ガトリン透視能力でも一応いけるが、操作性-100%MODのせいで当てにくい。できればコロッシブかクリオのバイナリイオンレーザーが欲しい。バイナリなしのイオンレーザーは手に入れたが、あれだと火力が足りない(註・これを書いた時点では、カオサンは無属性のみだと思っていた。コロッシブカオサンを使えばいい)。
 回復はヴァンピール頼み。一時期、ヴァンピールは回復したりしなかったりと不安定だったが、こっそり修正されたらしく、ちゃんと機能している。

 メイヘム10をやっていて気になるのは、聖別者ミリタントと聖別者ゼロットがクソうざいこと。今までは簡単に倒せていたので気にならなかったが、メイヘム10だと異常に堅いせいで、嫌と言うほどこいつらに付き合わされる。あいつらに限らず、聖別者や一部のバッドアスは異常に堅いので調整すべきだと思うが、Gearboxはそうした微妙な調整をしそうにない。ロブで倒せるからいいだろ、くらいに思っていそうである。

[2020.04.27]追記

 HP50%以下で150%レディエーションダメージを追加する聖別者特性付きのイエローケーキを拾った。青緑モズにブラッドレター+デスレスでHPを減らして持たせてみると、適当に撃っているだけで何もかも吹き飛ぶようになった。
 いままでの鬱憤を晴らせてすんごく楽しいが、弱体化されそうな気がする。どうせGearboxには微妙なバランス調整なんか無理だから、このまま適当に吹き飛ばせるようにしておいて欲しいものではあるが。

 ただ、このビルドを元にいろいろ試してみると、イエローケーキを使わなくても、火力と回復のバランスが取れるようになってきた。こんな感じ。



 クラスMODはブラッドレター(決死+2、シンレッド+2、ファランクス+1、武器ダメージ、ライフ最大値、ブラドフ発射速度)。
 シールドはトランスフォーマー。
 アーティファクトは知識の真珠(ライフ最大値、ライフ回復)。

 ベースは青赤モズだが、M10になって発動しにくくなった赤ツリーのキルスキルを省いて、その分、今回のアップデートで強化された緑ツリーのスクラッピーと再分配を取っている。
 OPQシステム使用時の自爆を避けるために、ファイア系スキルは取っていない。
 デスレスがない分は、二重のライフ最大値アップとライフ回復で補填。

 このビルドのキモはクリティカルとグレネード投擲による弾薬とライフ(ブラッドレターなので実際はシールド)の回復。ある程度クリティカルを狙える技術が必要になるが、うまく回せば安定する。
 火力は、青ツリーに決死+真珠+スクラッピーと、さすがにこれだけ重ねれば充分出る。
 アイアンベアはM10では火力不足もいいところだが、緊急回避手段としては優秀なので悪くはない。


 150%レディエーション特性付きでダブルのイエローケーキを拾った。早速モズでぶっ放したが、ここまでくるとオーバーキル気味になる。……モズでこんなことを言う日が来るとは思ってなかった。
 もともと、ほとんどの敵は1発で消し炭にできる。聖別者などの特別堅い敵には連発すればいい。弾が2倍になると、不要に弾を消費してしまい、無駄に自爆しやすくなり、発熱もしやすくなる。

 ただ、カタガワJr.みたいなめんどい敵を短時間でボコるには有効。開幕に1〜2発撃ち込むだけで、ビルドによっては瞬殺できるかもしれない。私の場合は3分の1ほどライフが残るが、あとは他の武器に持ち替えて本物の位置を特定し(ちょっとだけシールドを削ればわかる)、そこにイエローケーキを1発撃ち込めば倒せる。
 普通に戦うとかなり時間がかかるボスなので、1分かからずに倒せるのはありがたい。

[2020.04.28]追記

 ゼインとアマーラはメイヘム10でも問題ない……と書いたが、本格的にやってみると、ゼインは結構厳しかった。
 防御面では申し分なく、よほど下手を踏まないと死なないが、問題は火力。SNTNLやデジクローンの火力がメイヘム10では全然通用しない。SNTNLはもともとオマケみたいなものだったからいいとして、デジクローンの火力をアテにできなくなったのは痛い。かといってバリアではターゲット逸らしができないし、さして火力が上がるわけでもない。
 ゼインは、ベリーハードMODをダウンで即死にしてもいいかもしれない。火力の下がるMODを付けて聖別者と戦うと戦闘が終わらない。……というか、いちいち抽選するのは面倒だから、どのMODを使うかは手動で選ばせて欲しい。どうせ気に入らないMODがある限り再抽選を繰り返すのだから、ランダムでも手動でも結果は同じである。
([2020.05.06 追記]デジクローンにはプレイングベアラーを持たせておくと結構いい仕事をしてくれる。イエローケーキは敵の足元で分裂弾が炸裂するように狙わないとダメージが出ないのでデジクローン向きでない。バックバーナーの方がより良さそうだが、現状のバックバーナーにはM10のボーナスが乗っていないので使い物にならない。ゼイン本人の火力は、ダメージ高めの新武器に発動中200%聖別が乗ればある程度解消するが、そんな都合のいい物はそうそうドロップしてくれない。せっかく200%聖別が付いたと思ったらダメージ4000台のバーストカオサンだったり。カオサンは属性が付くと結構火力が下がるので、無属性で6000後半のが欲しいところ。ダブルは1発あたりの火力が激減するから要らない。ダブルカオサンは一見強そうだが、実はハズレだと思う)

 アマーラは相変わらずドライバーでヘルショックを持っておけばだいたい戦えるが、今回追加された武器や聖別者特性の一部が使いづらいことで優位が失われている。
 特に、自爆の危険があるためにOPQシステムと相性が悪いのが残念な感じ。今回のメイヘム2.0では、火力が大幅に上がった一方で防御力は上がっていないので、自爆するとだいたい即ダウンする。
 カオサンは一見自爆判定がありそうだが、調べてみるとなかった。サンドホークは敵に当たったときのみ爆風が発生するようで、自爆する。
([2020.05.06 追記]いろいろ試してみたが、現状だとドライバーより赤青フェーズザーカーの方が扱いやすい気がする。ドライバーは1対1での戦闘が得意だが、現状では強力な敵がごろごろ出てくるので、タイズ・バインドを連発して、しっかりクリティカルを狙った方が有利なことが多い。あと、ドライバーアマーラの秘密兵器、セブンス・センスにM10のボーナスが加算されないのも痛い)

 モズは厳しいと思っていたが、今回追加された武器や聖別者特性の多くはモズの火力を大幅に強化するもので、装備が整ってくるとかなり楽になってくる。

 FL4Kは一番楽。今回追加された要素の多くで恩恵に与れる。エレメンタル属性に縛られないことから、影響の少ないメイヘムMODの数も多い。

 なお、各キャラの使い勝手については、M10、カルテルイベントオンでドラウツでの戦闘を基準にしている。カルテルイベントのウルトラバイオレットは現状のドラウツよりずっと簡単で、どのキャラもそう苦労せずに周回できる。バッドアスのロボ犬だけやたらと堅いが、面倒なのはそれくらい。

[2020.05.01]追記

 英語音声がどうなっているのか気になってざっと確認してみたが、実は日本語音声はかなり良く出来ている。

 日本語音声だとカタガワJr.や「ライズ&グラインド」のバリスタロボはかなり特徴的なしゃべり方をするが、英語版だとつまらないキャラになっている。カタガワのヤクザ口調や、バリスタロボのウザい口調は日本語版のアレンジらしい。
「沼のブラザー」のチャドさんは英語版でもあんな感じ。うまいぞーとは当然言わないが。

 モズは英語版だと全然違うキャラだった。日本語版だと天然ボケの脳天気な感じだが、英語版だともっとタフな傭兵らしい声をしている。日本語版アマーラをより強靱にした感じ。ただやはり、共産革命的な感じはなし。
 英語版のモズはカッコイイが、面白味はあまりない。日本語版モズのアレンジの仕方も悪くないのかなあ、という気がしてきた。
 エリーも英語版だともっとタフな感じ。あらやだーとか言いながらショットガンをぶちかます感じとは少し違った。

 そういえば、ハンサムジャックも日本語音声の方が悪役声だったりする。英語音声の方はもうちょい軽いというかチャラい感じ。
 ミスター・トーグは、"2"の英語版だとピー音が入りまくっていた。"2"のDLC2で「放送禁止用語を言うとピー音が入るせいで個性が立たなくなるから、常に叫び続けないといけないんだよ!」みたいなことを言っていたが、日本語音声だと放送禁止用語自体を言っていなかったから、あのくだりはわかりづらかった。今作では日本語音声でもちゃんと「ファック」を連呼している。

 初代を英語音声でプレイした私としては、クラップトラップやマーカスのオリジナル音声を久々に聞けて懐かしかった。ただ、英語音声のクラップトラップは、本編よりもプロモーション映像の方を思い出してしまう。
 日本語音声のクラップトラップは、本編については何の不満も無いが、プロモーション映像のスティーブとの絡みについては、英語版の方が断然いい。日本語版音声だと優しさがありすぎて、放送禁止用語を連発するあの感じがない(笑)

[2020.05.06]追記

 再抽選するのが億劫なのでなるべくメイヘムMODを切り替えたくないのだが、ダメージ減デバフMODを付けると、どうしてもゼインやモズで火力不足が気になる局面が出てくる。それで仕方なく、マシなMODはないか、いろいろ試してみた。

 エレメンタル無効系のMODは論外。無属性武器を使えばデバフを無効化できるが、使える武器がかなり制限されるし、アーマーゲージ削りの際に支障が出る。クリオ無効でアーマーゲージを持った敵がコロッシブ無効になったりしたら、うんざりするほど面倒になる。

 死神は対処は簡単だが、延々追っかけてきて面倒くさい。ゲームが間延びしてクソつまらん。聖別者ゼロットが常時いるようなウザさ。

 ダウン即死も厳しい。死なないように消極的な戦いをしなければならず、ゲーム展開がつまらなくなる。

 残るは無敵化ドローン。これもウザいし、たまにドローンが壁に埋まっていたりして倒せなかったりする。
 ただ、初期の頃と比べてドローン付きの敵の数は大幅に減っている。確かメイヘム2.0稼働初期は、8割くらいの敵がドローン付きだったが、いまだと1割程度しか付いていない。これなら対処可能だし、この程度でダメージ減デバフを付けなくて済むならアリかもしれない。
 というわけで、しばらくドローン付きでやってみることにする。

[2020.05.10]追記

 無敵化ドローンでしばらくプレイしてみたが、なかなか悪くない。ドローンを倒すことでキルスキルが発動すると考えれば、デメリットばかりでもない。ただ、撃墜するためにそこそこ精度の高い武器が欲しいので、ビッグ・キック・エナジー(射撃ダメージ+25%、操作性-100%、弾の拡散+100%)との相性は悪い。

 現在、全てのキャラで、スレイヤー、モブのメンタリティ、チェイン・ギャング、バディ・システムにしている。スレイヤーは聖別者に止めを刺したりするのに結構便利だった。


 最近はノーピューピューが結構いい気がしてきている。モナークは強力だが、弾のバラつきが酷くて、かなり敵に接近しないと真価を発揮できない。もっと集弾性が良くならないのかね、と思っていたのだが、ノーピューピューはまさしく集弾性の高いモナークだということに気付いた。ファイア属性しかないのが問題だが。150%ラディエーションの付いたのを拾ったのでモズで使ってみたら、かなり良かった。

[2020.05.11 追記]
 ……と思っていたら、なんか突然ドローン付きの敵の数が増えた。今まで1割程度だったのが2割程度になっている。この数ならまだ対処可能だが、ややウザくなった。
 前から感じていたが、どうもGearboxはちょくちょく告知無しで確率をいじっている気がする。少なくとも無敵化ドローンについては、実装直後と今とでは明らかに付く確率が変わっているが、告知されていない。ゲームバランスに関わる変更については、きちんと告知して欲しいもんである。


2020.03.16 ライザのアトリエ

 Steamにて『ライザのアトリエ』を購入。

 i7-3700、GeForce GTX 1060 6GB、メモリ16GB、SSD使用で、1980x1020解像度、影だけミドル、他全てチェックあり設定で、ほぼ60fpsが出ている。昼のクーケン港だけ少しfpsが落ちる。
 FXAAをオフにするとかなり軽くなるが、キャラクターの線のジャギーがけっこう気になる。それよりは影の品質を落とした方が良さそう。

 私が遭遇した不具合はひとつだけ。ゲーム中にチュートリアルボタンを押すと、ウェブページのヘルプに飛ぶのだが、そこからゲーム画面に戻る際にカーソルが効かなくなることがある。粘っていたらそのうち動くようになるので、セーブしてないなら諦めて強制終了しない方がいい。


 アトリエシリーズは初期のマリーとエリーのみプレイしたことがある。マリー、エリーの頃のアトリエシリーズはSLGとしての要素が強く、傭兵を雇って採取に出掛けたり、依頼をこなして金を稼いだり、妖精さんをコキ使いながら、制限年内に高度な錬金術を駆使した制作物を作ることが目的だった。
 その後、アトリエシリーズがどう変遷していったかは知らないが、少なくとも『ライザのアトリエ』はRPGになっている。パーティメンバーは固定、ストーリーは一本道。制限日数なし。


 本作の錬金術は『スカイリム』で言うところの錬金術と鍛冶と付呪を共通のシステムにして、より複雑にした感じになっている。草や鉱物を採取してしてきて調合して……というプレイ感覚も『スカイリム』に近い。

 採取は、採取道具によって採取できる素材が変わる。木にオノを使えば木材が取れて、棒を使うと木の実が落ちてくる。
 見慣れた場所の見慣れた草でも、採取道具が増えれば新たな素材が取れることがある。これが楽しい。フィールド自体はオープンワールドのゲームと比べれば狭いが、プレイが進むごとに新たな発見があるようにすることで、密度を上げている。
『スカイリム』や"RDR2"で草を引っこ抜くだけで楽しい人ならまず楽しめる。

 調合は、とりあえずは基本となる素材を混ぜるだけでブツは完成するが、素材の品質や、混ぜ物を増やしたりすることで、完成後の性能に大きな違いが出るようになっている。ヘルプ等で説明されていないイレギュラーな調合の仕方もいくつかあって、それを探し出すのも楽しい。面倒くさい人のためにオート調合システムもあるが、調合の面倒くささを楽しめない人は、そもそもこのゲームをプレイすべきではないだろう。
 武器や防具の制作では、こだわり出すと何十という素材をひとつひとつそれ専用に調合して組み合わせていくことになり、かなり壮大な計画になる。このゲームの戦闘は楽なので、実用上はそこまでする必要はないが、こだわろうと思えば無駄にこだわれるシステムはいい。

 レシピの多くは、初歩的なレシピから発展させることで発見できるようになっている。
 主要な素材のレシピの開発で躓くと、多くの制作物が作れない状態になって死活問題になる。ただ、ボトルネックになっている制作物をどうやって作ればいいかを推測するのも錬金術の楽しみというもの。


 戦闘システムはリアルタイムのコマンド式。FF7とかで採用されているアレだが、テンポが速くて最初は戸惑う。プレーヤーは一人だけ操作できて、他のキャラは勝手に戦う。
 いろいろ複雑なシステムが付加されているが、基本的には適当にぶん殴っておけば勝てる。キャラクターが弱い序盤だけ気をつければ、後はそんなに大変ではない。

 錬金術で作った薬や爆薬は、装備しておくとポイントを消費して使用するシステムになっている。ポイントは、帰還したりすることで回復する。薬や爆薬そのものは消費されない。要するに、FFで言うところのマテリアを自作してスロットに装着して魔法を使っている感じに近い。
 ポイントの制限が厳しいので多用はできないが、苦労して作った超高性能爆薬が使っても消えないのは嬉しいシステムかもしれない。


 仕事の依頼人は自分で探す必要がある(初期アトリエシリーズでは、依頼人の方からアトリエにやってきた)。依頼人を探すのは、序盤はどこにいるのか解りづらくて大変だが、ストーリーが進むと、ファストトラベル画面でどこで依頼が受注できるかわかるようになって楽になる。
 宝探しは、ファストトラベル画面では確認できないが、アトリエにある地図で位置を確認できる。……このシステムに気付かないと大変。


 このゲームを買う際に懸念だったのは、登場人物の性格が胸くそ悪いという評価が多かったこと。代々小さな島から出ないで暮らしている連中の閉鎖的で陰湿な感じが描かれているとかなんとか。
 あんまり鬱なシナリオは嫌だなあと思っていたのだが、実際には大したことなかった。前半に親子げんか、子供同士のけんか、嫌味な村の指導者といった、子供時代によくあるうざい話がところどころ入るものの、島全体が陰鬱としているわけではない。
 そもそも、このゲームの本筋は採取と調合で、ストーリーはオマケみたいなもんである。採取と調合が楽しければ、ストーリーが多少気に入らなくても問題にならない。
 ストーリーについての詳しい話は後に書く。


 総評は、『スカイリム』で錬金術や鍛冶が楽しい人や、"RDR2"で草を引っこ抜くのに喜びを感じられる人なら間違いなく楽しめるゲーム。逆に、ああいうのが面倒な人はやめておいた方がいい。


 というわけで、ネタバレありでのストーリーについて。

ネタバレありの話

 ストーリーの前半では、ライザたちは新米ということもあって、親から「遊んでないで家の手伝いをしろ」などと言われたり、ボオスから嫌味を言われたりと、一部の人の視線が冷ややかである。ああした反応は、プレーヤーとしてはちと辛いところかもしれないが、あの時点ではライザたちには実績も何もないのだから、ああいう見方をされるのは当然だろう。
 一方で、サブイベントでは普通に村人たちはライザに依頼をしてくるし、依頼を達成すると素直に喜んでくれるから、私はメインストーリーでの冷ややかさはあまり気にならなかった。

 その後、竜を退治することで多少評価されるようになるが、その評価は功績に見合っているとは言えず、また、助けたボオスには妬まれて、陰口を広められる。
 ここがこのゲームのストーリーの底の部分といえる。漁師に不漁をなんとかして欲しいと頼まれ、餌を作ったけど効果がなくて使えない奴呼ばわりされた挙げ句に、不漁の原因をライザ達に押しつけてくるくだりである。
 この辺は確かにプレイしていて嬉しい展開ではないが、ライザの仕事の仕方にも問題があるので、一概に漁師の言動を非難できない。
 ライザは不漁という問題を解決するコンサルタントとして雇われた身であり、成果がなければ批判されて当然である。問題が解決しない以上、努力したことは何の評価にもならない。これが王宮付きの錬金術士だったら、責任を問われて首を刎ねられていたかもしれない。嫌味を言われるだけで済んだのはマシなほうである。
 また、依頼された仕事を充分にこなしていない内から、外界の魔物に気をつけろという、具体的にどう気をつければいいかわからない警告を発したのもよくない。こうした、クライアントにとって都合の悪い警告は、信頼関係が築けてからすべきである。どうしても警告したいなら直接言うのではなく、護り手を通して伝えるべきだっただろう。

 クーケン島は閉鎖的な村ということになっており、作中でも度々その点をライザたちは批判しているが、私は閉鎖的とは感じなかった。
 掟を破っても何のペナルティもなく、わりとこっそり島の外に行っている村人も多い。外部から商人も来ているし、よそ者や錬金術を特段嫌っている様子もない。若干その辺でうるさいのは村長とモリッツだが、彼らも外界の魔物を倒した途端に好意的になったところを見ると、偏見に凝り固まっているというほどでもない。

 私はあの島の住人は、閉鎖的というよりは、良くも悪くも子供っぽいのだと思う。目先の利益しか考えず、島の遺跡や歴史などには興味が無く、噴水が枯れても原因を調査しようともしないし、ライザたちが決死の戦いを挑んでいても誰も気付かない。その代わり(ボオスを除けば)陰謀や裏切り、妬みなどとは無縁で、ライザたちが仕事をする分にはちゃんと評価してくれる。
 ライザたちやボオスの精神年齢が見た目よりも低いのは、プレイした人なら気付いたと思うが、あれは島の住人の特性なのだろう。


 ストーリーに関して私が気に入らないのは、ボオスの性格設定周りだけ。
 ボオスは、前半と後半で性格にギャップがある。前半は口先だけの人間で、ライザやレントではなく一番弱っちいタオを集中的にいじめて、実力で敵わないとみると陰口を広めて間接的にライザたちの力を削ごうとする陰険卑劣虚勢姑息野郎である。
 しかし、竜にボコられたり、キロに助けられたりした経験を経ることで、自分のへっぽこ具合を嫌というほど認識して、陰険卑劣虚勢姑息野郎を卒業しようとする。ここまではいい。

 しかし、話によると、ボオスは小さい頃、ライザが溺れかけているのを助けようとして大人を呼びに行き、その行為が「逃げた」と誤解されたことがあったという。これはおかしい。
 この話が事実だとすると、ボオスはもともと騎士道精神を持ち合わせていたことになる。そんな人物が陰口を広めるという手口を使うだろうか? どうもこのくだりには納得がいかない。

 おそらく、陰口のエピソードか、ライザを助けるエピソードか、どちらかが後付けの設定なのだろうと私は思う。
 考えられるパターンその1は、陰口を広めたのはもともとはボオスではなかった可能性。当初のシナリオでは、島の連中が錬金術を気味悪がってウワサが自然発生した、という筋書きだったが、それだと島の雰囲気が陰険になりすぎてよろしくないということで、ボオスの策略ということに変更した。
 その2は、ライザが溺れかけたとき、ボオスは助けを呼びに行ったんじゃなくて、マジで逃げた、という設定だった可能性。開発途中で設定が変わり、「実はあのときボオスは大人を呼びに行っていた」という設定が後付けされた結果、矛盾が生じてしまったのかもしれない。
 その3は、そもそも脚本家は、ボオスとライザたちがケンカしている理由を考えていなくて、途中で理由が必要になったからライザが溺れた件を追加したが、そのせいでボオスの性格設定に矛盾が生じているのに気付かなかった、という可能性。
 私はその1が本命だと思っている。シナリオが暗くなりすぎるのを回避するために、ボオスに損な役回りを負わせたのだろう。


 ライザがいくらなんでも短期間で錬金術士として成長しすぎじゃないか? というのは少し気になったが、クリント王国の錬金術士が何も無いところからああした大掛かりな装置を発明したのに対して、ライザは故障した実物を見た上で、それを修理したり改良するだけなので、そこはそんなに無理はないのかな、とも思った。
 また、錬金術そのものも、昔と比べて発展しているとも考えられる。器具は当時の物をそのまま使っているが、技術や知識の体系は整備されて、初学者でも理解しやすくなっているのだろう。

 クリント王国が総掛かりで失敗した作戦を、ライザたち6人で成功させてしまうのも非現実的なように感じるが、クリント王国の人間がクーケン島の人々のように子供っぽかったのだとしたら、ありえなくもない。
 きっとクリント王国の連中は危機的状況に陥っても、ひとつにまとまらなかったのだろう。全員で一丸となって作戦を遂行すれば女王を始末することは可能だったが、統率が取れずに失敗した、ということなら充分ありえる。

 私はライザが農家の娘だという設定を知ったとき、農業と錬金術は相性がいいなと思った。実家の畑だのヤギの餌だのを改良して、高品質な麦やミルクが取れるようになれば、それを調合にも活かせたりする。『アストロノーカ』的展開があるのか? と期待していたが、ちっともそういう方向に話が進まないのは意外だった。

「うに」が木になっているのは懐かしかった。無意味にたるを調べられるのもシリーズの伝統になっているようである。ただ、今作のたるの多くは、ぶっ壊して素材を採取するためのものなのだが。

"RDR2"から続けてこのゲームをプレイしたわけだが、どうも別のゲームをプレイしている気がしなかった。"RDR2"でも、もっぱら素材を求めて草を引っこ抜いたり、動物を殺して皮を剥いだりしていたからだろう。キャラクターの言動がガキっぽいのも共通している。
 ライザを操作しているときも、どうも私はアーサーを操作している気分が抜けなかった。アーサーにしては走るのが速いし、素早く草を引っこ抜くし、ファストトラベルをするのにいちいち焚き火をしてムービーを20秒近く見る必要がなかったりして、ずいぶん快適なわけだが。
 プレイしながら、そのうち野生馬が出てきて乗れたりしないのかね、とか、わけのわからないことを思ったりしていたが、そういえば『ワイルドアームズ3』のヴァージニアは馬に乗っていたか。ヴァージニアはライザと方向性は似ているが、完全に振り切ってしまっているぶっ飛んだリーダーだった。あれに比べればライザはかなり常識的な気がする。


 プレイアブルキャラについて。
 本作は6人パーティで戦闘に出せるのは3人だが、結局私はクエストをこなすのを優先したため、6人をまんべんなく使った。前半はライザ、レントに後衛をローテーションというシフトだったが、後半は戦闘関連のクエストが多いレント、リラ、アンペルという組み合わせが多かった。終盤はライザの戦闘関連のクエストがなくなることもあって、ライザはずっと補欠。ラスボス戦にも参加しなかった。
 クエストをひととおりこなした後は、レント、ライザ、アンペルの組み合わせでほぼ固定。

 クラウディアがあの格好でちゃんと戦えるのは、ものすごいギャップがある。日本のゲームでは、およそ戦闘に向かない格好で戦うのは珍しくないが、それにしてもクラウディアの一般人っぽさは飛び抜けている。しかも得物はフルート。クラウディアが戦うことに比べたら、クーケン島の秘密なんかなんでもない。

 前衛はどのキャラも使いやすく、大きな差はないように思う。ただ、ライザの万能さはひとつ抜けている。攻撃から回復までなんでもこなす上、高品質のアイテムを開発できるようになると、シエルライトからのアイテム使用で暴力的なダメージを与えられるようになる。錬金も鍛冶も魔法も撲殺もお任せという、ドヴァキン並の万能さ。

 後衛はアンペルが優秀な気がする。通常攻撃の火力は高めだし、時間関係のスキルも使いやすい。フェイタルドライブでほとんどの敵をブレイクできるのもいい。

 このゲームの仕様上、プレーヤーが動かすのは後衛の方が都合がいい。つまりはタオ、クラウディア、アンペルの誰かを操作するのが理に適っている。
 なのに、なぜか前衛を操作して攻撃ボタンを連打しがち。攻撃ボタンを連打するだけなら、NPCに任せても同じなのに。


2020.03.03 山積みしていたティッシュがなくなる

 2月27日に近所のセブンイレブンに行くと、nanacoに一定金額チャージしたらティッシュが1箱もらえるキャンペーンをやっていた。セブンプレミアムの黒い箱のやつで、お一人様1日1箱という制限だった。
 2月1日から29日まで開催しており、なくなり次第終了ということだったが、27日時点でティッシュは山積みしており、余ったらどうするんだろと思っていた。
 せっかくなのでチャージしてティッシュをもらった。普段使っているティッシュの2倍以上の値段なだけあって、すべすべの手触りだった。

 3月1日の夜にその店を訪れると、山積みしていた黒箱ティッシュが店内から消えていた。それは別におかしいことではない。キャンペーンのディスプレイとして積んでいたのだから、キャンペーンが終わったら引っ込めるだろう。
 しかし、ティッシュコーナーで通常販売していたものまで全部なくなっていた。さらに、他のティッシュも全滅。となると、あの山積みしていたティッシュは全部売れたらしい。

 2週間くらい前だったか、中国だかで、紙製品がなくなるというデマが流れてトイレットペーパーを買いだめする人が殺到したというニュースを聞いた。
 私はそのニュースを聞いて、同じことは日本では起こらないと思っていた。外国でデマが流れたというニュースをすでに聞いているのだから、冷静に対処するだろうと。
 私は日本人を買いかぶっていたらしい。

 現在、ホームセンターやスーパーやドラッグストアや、あらゆる店を回っても、マスク、アルコール洗剤、トイレットペーパー、ティッシュペーパーがない。強盗にでも遭ったかのように全滅である。
 私がボールペンの耐アルコール性を調べるときなどに愛用しているカビキラー アルコール除菌キッチン用も、2月下旬には普通に置いてあったが、「アルコール」と名が付いているのが徒となり、いまでは全滅している。
 ほとんどの店で「紙製品がなくなるというのはデマです」といった張り紙がしてあったが、実際に紙製品コーナーが空っぽになっているのを見ると「まあっ、やっぱりなくなってるじゃないのっ!」となるのだろう。
 デマだとわかっている人でも、こうなってくると、当面困らない程度には買い溜めしようという気持ちに流れやすくなってしまう。

 今回の新型コロナウイルスは、季節性インフルエンザよりも警戒が必要ではあるが、ものすごく危険ということもない。広まり出したら一気に感染者数が増え、医療機関に患者が殺到して機能が麻痺するから警戒されているが、致死率は高くないし、個人がすべき予防策は季節性インフルエンザと同じである。
 マスクをしていない人や咳をしている人にケンカを売る事件も発生しているが、たとえ周囲に感染者がいても、自分自身が正しい予防措置をとっていれば、感染リスクは大幅に抑えられる。感染するのは他人のせいではなく、自分の予防措置が適切でなかったからである。
 この程度のウイルスで政府も国民も混乱している現状を見ると、もっと危険なのが流行したらどうなるのだろうと心配になる。暴動でも起きるんじゃないのか。

 WHOは、ホットゾーン以外の渡航や貿易の規制をすべきではないという見解を示している。
 その理由は、過去にそうした規制をしても、感染拡大防止に大した効果がなかったというデータがあるからだそう。
 また、事実上の経済制裁を課されるとなると、感染実態を隠す国が出てきて、効果的な感染拡大防止策が取れなくなるというデメリットもあるらしい。
 素人考えでは、こういう場合は一時的に渡航や貿易をシャットアウトした方が感染を防げるような気がするが、言われてみると納得する。
 ……となると、感染者の出ていない地域の学校にまで休校要請を出した政府の措置は適切だったのだろうか。


2020.02.28 RED DEAD REDEMPTION 2

 Steamにて"RED DEAD REDEMPTION 2"が発売されたので購入。

 私の動作環境はWin10最新バージョン、i7-3770、GTX1060 6GB、メモリ16GB、SSD使用と、ほぼ推奨環境を満たしているが、それでも1080pで60FPSを出すにはパフォーマンス重視のグラフィック設定にする必要があった。
 ただ、高画質設定と、パフォーマンス重視設定での画質の差はほとんど感じられない。
 それよりも、意外に影響が大きいのはAPIの選択で、VulkanのほうがDirectX 12より軽くてきれいな画質になる。同じ設定でもDX12だとFPSが落ち、少しのっぺりした印象になる。
 ただ、Vulkanを使っていると、セーブデータの読み込みの際にクラッシュすることがある。その場合は一時的にDX12にすることで読み込みに成功する。


 オンラインモードは未プレイ。ストーリーモードのみクリアしての感想は、とにかく何をやってもボリュームと密度がすごい。ただし、インターフェースはいまいち洗練されておらず、変なところでリアリティにこだわっているせいで、無駄に時間のかかる部分がある。

 本作は100GBも容量を食うが、それに見合った内容が実際にある。メインストーリーを追うだけでもすごいボリュームだが、フィールドが広大な上にイベントや発見物が詰まっており、探索しがいがある。
 狩猟や釣り、宝探し、考古学研究、動植物の調査、ギャンブル、犯罪など、なにをやるにも内容が充実している。メインストーリーを放置して狩猟生活するだけでもかなり楽しい。

 メインストーリーをほったらかして遊びたい人にとって問題なのは、メインストーリーを進めないと釣りができなかったり、デッドアイの機能に制限がかかったり、一部の地域を探険できなかったりすること。
 サイドクエストやチャレンジの多くは、完遂するにはメインストーリーをほぼ終わらせる必要がある。
 では、さっさとメインストーリーを終わらせてからフリーに遊べばいいかというと、そうもいかない。時限クエストも多いし、何より、メインストーリーを終わらせると金持ちになってしまい、狩猟やギャンブルやギャング狩りや犯罪行為などで金を稼ぐ必要がなくなる。そうなると、ちまちま金を稼ぐ喜びは大きく削がれてしまう。
 どのくらいメインストーリーを進め、どのくらいほったらかすかは、このゲームをプレイする上でとても悩ましい問題である。

 何かと時間を食うゲームだという点も、忙しい現代人にとっては問題。
 ファストトラベルは、ないよりは大幅にマシではあるものの、行きたい場所に一瞬で行けるようにもなっておらず、たいがいはそこから5分や10分、馬で移動する必要がある。
 アイテムクラフトでは制作に1個5秒ほどかかり、まとめて作ることができない。薬を10個作りたかったら50秒かかる。
 特に面倒なのが狩猟で獲物を狩った後。大型の獲物は一頭しか馬に積めず、また、死骸は時間が経つと腐敗してしまうので、腐る前に罠師やキャンプなどに持ち帰る必要がある。ファストトラベルと使うと、たまに積んだ獲物が消失する不具合が起きるので、貴重な獲物を積んでいるときは使いたくない。そのため、一頭狩ったら馬で戻って、罠師に売却しては猟場に戻り……という往復を強いられる。

 インタフェースは微妙に使い勝手が悪い。使いたいアイテム、装備したい武器を簡単に呼び出して使うことができない。
 また、勝手に装備を外してしまったり、馬に積んでいたはずの衣服がなくなってしまったりなど、プレーヤーの意図に反することが度々起きる。

 フィールドでは考古学的発見や植物の採取などができるのだが、貴重な化石や花ほど発見しにくい。イーグルアイという機能を使うと、周辺にある注目ポイントを光って報せてくれるのだが、化石や花はイーグルアイを使ってもなお見落としやすい。この辺はもう少し改良してくれてもいいと思う。
 私は200時間プレイして、フィールドは散々歩き回ったが、それでもなお、化石は5つしか見つけられなかった。結局、残りの25個は攻略サイトで位置を調べたが、大まかな位置がわかってなお、見つけるのに苦労した。

 チャレンジは順番にしか解禁しないのが面倒くさい。魚を全種類釣って図鑑を埋めた後で「魚を11種類釣れ」みたいなチャレンジが解禁すると二度手間になるうえ、どの魚を釣ったかを紙に書いて記録しておかなければならなくなる。
 チャレンジにはいろいろ面倒なものが多いが、意外と厄介なのが「ブラックジャックで3ヒットして3回勝て」。3ヒットしたらたいがいバストしてしまう。
 私がやった感じだと、ブラックウォーターが3ヒット勝利しやすかった。他の場所だと何時間かやってようやく1回勝てただけだったが(ただし、その時はチャレンジが解禁してなかったからノーカウント)、ブラックウォーターだと1時間ほどで3回勝てた。場所によってカードの出方の確率が異なる気がする。
 ドミノの3連勝も厄介。これは、サンドニで相手が1人の時にやるのが簡単だった。ドローだと1勝するまでに時間がかかりすぎるし、オールスリーは相手の加点を抑制するのが難しい。オールファイブで、ドミノを目指すよりも点数を稼ぐこと、稼げないときは敵の加点を妨害すること(端の合計点を低くするなど)を考えてプレイする。

 いろいろ問題はあるし、万人向けではないが、オープンワールドのゲームが好きなら定価でも納得できるくらい充実したゲームである。


 以下はネタバレありの話。

ネタバレありの話

 本作は前作の前日譚なわけだが、私はチャプター4までそのことに気付かなかった。前作をプレイしたのもずいぶん昔のことで、キャラクターの名前などを忘れていたからである。
 あと、前作におけるダッチギャングの様相と、チャプター4までのダッチギャングの内情はかけ離れているので、どうも結びつかなかった。チャプター6に入るとインディアン部族をそそのかしたりし始めて、前作のダッチギャングらしくなってくるのだが。


 マイカの裏切りについては、私は本当にマイカが裏切ったかどうかを疑っている。
 マイカはクソ野郎だが、最後までダッチに心酔しており、裏切る動機がないように思える。裏切っておきながら忠臣ぶる器用さもないだろう。
 そもそも、マイカが裏切ったという情報はミルトンからもたらされたもので、他に証拠がない。ミルトンがダッチギャングの結束を崩壊させるためにウソをついた可能性もある。
 マイカがダッチギャングを崩壊させるきっかけを作ったことは事実だが、そのマイカを拾ってきたのはアーサーの日誌によるとダッチだから、結局はダッチのせいということになる。ダッチがマイカを加入された時点で、ダッチギャングは終わったのだと思う。

 仮にマイカが本当に裏切ったとした場合、その動機は、邪魔者を減らした上でダッチと組んででかいことをしたい、ということだと思う。マイカは常々、使えない女子供を引き連れているのを良く思っていなかった。病気になるとアーサーも軽んずるようになる。ただ、ピンカートンに情報を流すことで、マイカの望みがうまく叶うのか? という点はすごく疑問。
 むしろ私はピンカートンに情報を流したかどうかよりも、アーサーを消そうとしてコルムに情報を流したんじゃないかと疑っている。あの和平交渉はおかしすぎる。ダッチも和平なんて無理と気付くべきだと思うが。


 モリーが裏切ったかどうかはわからないが、モリーには動機があるし、酔っ払っていたとはいえ大々的に自白もしている。自白した以上は、その自白が本当か嘘かは関係なく、処刑されてもやむを得ないだろう。
 ただ、ダッチがサンドニでの銀行強盗の計画の詳細をモリーに漏らしたとは考えにくいとも思う。盗み聞きした可能性はある。

 裏切り者がいたかどうかに関わらず、ダッチの仕事はめちゃくちゃで、大きな仕事をする前に騒ぎを起こして警戒を強めているのだから、そりゃあ失敗するだろう。
"GTA V"では大強盗の計画前には事前に下調べをして下準備をし、メンバーを厳選した上で行っていたから、アレに比べてしまうと、ダッチの計画のいい加減さが余計に目立つ。
 ただ、サンドニでの保安官側の手際は良すぎたので、モリーが何かバラした可能性は結構あると思う。マイカがバラした可能性はないだろう。メリットがないし、下手したら自分も死ぬ。


 ダッチは「仲間の逃亡資金のために金が要る」と言っていたが、実際はそうではないように思える。単に失敗したまま逃げるのが嫌だっただけだろう。
 ダッチは度々、犠牲になった仲間に対して「できることなら代わってやりたい」と言っていたが、あれはかえって、自分が一番かわいいことがよくわかる、空々しい台詞に聞こえた。あの言葉が本心なら、ミルトンの取引を受け入れ、自首することで仲間を救っても良かったはずである。

 ダッチが変わったか否かは作中でよく話題にされていたが、もともとダッチは二面性を持った人物なのだろうと思う。利己主義でナルシストであると同時に、仲間思いで紳士的でもあるという。
 ジョンのことを裏切り者だと疑っており、肝心なときに助けようとしなかったが、それでいながら「我が息子」と言い続けたのは、端から見ればめちゃくちゃだが、彼の中では矛盾していないのだろう。
 ダッチはモリーを撃たなかったし、裏切り者と疑っていたジョンやアビゲイルも撃たなかった。終盤ではアーサーのことを煙たがっていたが、自分から始末しようとはしなかった。敵に殺されるなら「しょうがない(これ幸い)」と見捨てるわけだが。
 こうした言動は変に見えるが、プレーヤーがダッチを操作していて、善人プレイしようとしていることを想定すれば合点がいくと思う。自分で味方を処刑すると名誉ゲージが下がるし、あからさまに助けようとしないのも下がるから表面上は助けようとするけど、やむを得ない事故で死ぬならゲージは下がらないから好都合というわけ。実はプレーヤーもやっていることである。

 ダッチが最後にマイカを撃った動機は謎だが、ダッチはマイカが裏切り者だとは考えていなかったように思える。そう思っていたならさっさと撃っただろう。
 単純に、ダッチギャングが崩壊した責任を、ジョンとマイカのどちらに押しつけるかを天秤にかけただけではないか。ダッチからすればどっちもどっちで、もしマイカかジョンが先に撃てば、撃った奴を撃って両方とも始末したかったが、なぜだかどちらも先に撃とうとせず、自分で決断しなくてはならなくなった(ジョンがマイカを撃たなかったのは、マイカを撃ったら自分がダッチに撃たれることを察知していたからだが、マイカが撃たなかったのは「ジョンは殺すには惜しい」からだったのはイカれていて面白いところ。あの局面で、まだダッチやジョンと組みたがっていたらしい)。最終的にはアーサーの一票でマイカに決まったような気がする。ああいう優柔不断さ、責任を回避しようとするところがダッチにはある。


 私は序盤、メインストーリーをほっぽり出して狩猟生活を営んでおり、金にはまあまあ余裕があった。犯罪なんかやらかさなくても充分生きていけるのに、なんでつまらん強盗とかせにゃならんのかと思っていた。
 なので、高利貸しの取り立てミッションの際、貧乏人を殴って小銭を稼ぐなんて馬鹿らしいから、代わりに払ってやるという選択肢はないのかね、と思った。乞食に小銭をめぐんでやることができるくらいだから、借金を肩代わりするくらいできても良さそうなのに、そういう選択肢がないのを不審に思っていた。
 選択肢がなかった理由はアーサーを結核にするためだったわけだが、めでたく結核になった途端、借金を肩代わりする選択肢が選べるようになるのは、なんか一貫性がないと思った。プレイヤーの意志を反映できるなら、最初から反映して欲しいもんである。反映できないなら最後まで反映できないようにして一本道にするべきだろう。
 そういえば、アーサーと激しく殴り合ったマイカは結核に感染しなかったのかね?


 アーサーはたびたび「ジョンがもっと賢ければ」みたいなことを日誌に書いているが、エピローグに入ってジョンが操作できるようになると、いわんとしていることがわかってくる。
 ジョンは偽名すらまともに名乗れず、銀行から金を借り、牧場を経営する。アビゲイルは本名で郵便を受け取っている。あのバカップルはピンカートンに捕まえてくれと言わんばかりである。アーサー編でもあの家族はたびたび捕まっていたが、ジョン編での間抜けっぷりを見ると、その理由がわかる気がする。仲間がいる内は助けてもらえたが、いなくなるとどうなるかは前作の通り。


 私は金に困っていなかったこともあり、犯罪行為はほとんどしなかったが(通報しようとする奴や、喧嘩を売る相手を間違えた奴を殺したり、縛って水没させたり、オオカミのいる森に放置したりはした)、強盗チャレンジをクリアするために仕方なくやった。
 やってみて驚いたのは、意外と名誉ゲージが下がらないこと。ひたすら馬車強盗やら列車強盗やら店強盗を繰り返し、保安官や通りすがりの一般人を撃ち殺しまくり、縄で縛った人を馬で引きずり殺し、4つの州での懸賞金の合計が1500ドルを越えるほどの悪逆の限りを尽くしても、名誉ゲージは1段階しか下がらなかった。
 むしろ、農民を威して金を奪ってから見逃してやると、名誉ゲージが1段階上がるという珍現象が起きた。さすが、ギャングの考える「名誉」は一般常識から外れている。
 あと、無実の人間を縛って線路に放置しても名誉ゲージが下がらないのも珍妙である。


 実績「芸の極み」解除は、途中までは自力でやったが、最後のリスの剥製の場所はさすがに自力ではわからなかった。ノーヒントであれをわかれというのは無理だろう。死骸集めは、シマリスがなかなか出てこないのが厳しかった。他のリスはやたらといるのに。


 ワピチインディアン居留地の近くにある、7つの男性像に囲まれた仕掛けも、自力では解けなかった。
 指の数がそれぞれ2、3、4、5、6、7、8になっているところまではわかったが(腕が破損している像の腕はどこかに落ちているらしいが、私はそれは発見できなかった。ただ、他の像の指の数を数えたら、なくなった腕の指の数は容易に推測できる)、これを押す順番だと解釈してしまい、1がないことをどう解釈するかで詰まった。
 少し離れたところにある壁画が一応のヒントになってるが、あれもわかりにくい。鳥の尾羽の数が像の指の数と対応しておらず、それがなぜなのか、もしかしたら腕だけでなく、指も紛失している像があるのかとか、余計なことをいろいろ考えすぎてしまう。
 結局あれは、素数の指の像のボタンを押すのが正解。ヒントの出し方が悪いと思う。


 宝探しはほぼ全て自力で発見したが、オースティン・ミラーの銃だけはネットで調べた。あの地図じゃわからんよ。ミラーは地図描くの下手すぎ。


 ブラックウォーターにある謎の暗号は自力で解いた。
 私は最初に暗号文を3つだけ発見したが、それでわかったことは、文字の種類は5つということだった。
 暗号で文字の種類が5つの場合、真っ先に試してみるのはポリュビオス暗号表である。6つだったら点字。2種類ならバイナリコードやモールス信号とか。
 というわけでポリュビオス暗号表を使っていろいろ組み合わせを試すと、暗号文の1つが"Blesse"とデコードできた。ここまでくればあとは簡単。
 デコードしてわかったことは、暗号文は他にもある、ということ。ブラックウォーター中を探し回って6つの暗号文を見つけ、いろいろ組み合わせを試した結果、"Blessed are the peacemakers Ayauhteotl"と解読できた。
 このゲームでは、この手の謎めいた文章はチートコードになっているのだが、入力しても何も起きなかった。特に意味なし?
"Blessed are the peacemakers"はマタイ伝5章9節からの引用で、前作のジョンの墓にも刻まれていた言葉。Ayauhteotlというのは前作のゾンビDLCの登場人物。
 ジョンの墓にこの銘が刻まれているのは、シングル・アクション・アーミーの愛称が「ピースメーカー」であることと引っかけての皮肉だと思われる。本来は「平和をもたらす者は幸いである」といった意味なのに「銃を持つ者は幸いである(復讐できるから)」といった真逆の意味になる。


 動物図鑑埋めは、カリフォルニアワシミミズクとフロリダパンサーでてこずった。

 タカ類は、適当に鹿の死骸を放置しておくとやって来るので楽だが、フクロウ類は面倒くさい。探すと夜でも見つからないくせに、移動中に空を見上げると、昼でも飛んでいたりする。
 カリフォルニアワシミミズクは西部にしか出てこないらしい。私は東部で延々探して出てこなくて、アルマジロ周辺でうろうろしていてようやく飛んでいるのを見つけた。

 フロリダパンサーは、ヒョウのいるところでランダムに出現するらしい。ヒョウ自体がレア動物だが、そのさらにレアなのがフロリダパンサー。一度見かけた時は襲われてすぐに殺してしまったので調査できなかった。
 襲ってくる動物は、襲撃されると調査できなくなるが、毒矢や毒ナイフを使うと瀕死状態になってゆっくり調査できる。

 ヘラジカは、見つけること自体はそこまで大変ではなかったが、いっつも凍った湖の中で泳いでおり、氷に引っかかって陸に上がってこないのが大変だった。そのまま殺すと皮が剥げない。縄をかけてほどくと逃亡モードに入るので、それを利用して誘導し、陸に上がったところでライフルのエクスプレス弾でヘッドショットを決めることでなんとかした。

 ハトは意外とレアらしいが、私はローズにいるネコが何かくわえているので、何かと思って調べたらカワラバトだった。オビオバトもレアらしいが、私は知らないうちに調査完了していた。たぶん、フクロウやサギを探しているときに、ついでに調べたのだろう。

 サギの羽を延々集めるのも大変だったが、あれは地図上の"Kammasa River"の"K"から少し東にある沼地(絵がいっぱいある家のあるとこ)の、家のそばでキャンプして寝ると、起きる度に周辺にサギがリスポーンしまくっていて楽になった。

 植物のランとかは自力での発見は諦めてネットで調べた。自分で見つけたのはモカシンフラワー2つとゴースト2つだけ。
 レア植物は、収集イベントが始まるまでは入手個数に制限がかかることがあるらしい。たとえばゴーストは3つ採ると、イベントが始まるまで4つ目が出てこなくなった。


 雄鹿の枝角のアクセサリーの効果は、ネット上の攻略サイトでの情報も錯綜していて解りづらい。
 私がプレイした経験からすると、星0.5個分のランク減少を抑える効果があるようである。
 星0.5個ってなんだよ、と思うだろうが、どうも動物のランクは単純な3段階ではなく、同じ2つ星でも「損傷の少ない星2」と「損傷の大きい星2」があるように感じる。
 たとえば、一部の小動物は、小動物用の矢でヘッドショットを決めない限り、星3のまま死骸を確保できない。ヴァーミントンライフルでヘッドショットを決めても星2に下がってしまう。しかしこの星2は、雄鹿のアクセサリを持っていると、拾った際に「最良」に補正される。
 一方、通常矢を使って小動物を狩ると、やはり星2に下がるのだが、これは拾っても「良質」のまま。つまりこの星2は、ヴァーミントンライフルを使って殺したときよりも損傷の激しい星2なのだろう。
 なお、小動物をヴァーミントンライフルでヘッドショットを決めずに殺した場合、やはり星は2なのだが、これは補正されたりされなかったりする。というわけで、補正値は0.5くらいなのかなあ、と私は思っている。少なくとも、単純にランクを1つ補正するわけでないのは確か。


2020.02.27 アメリカで有名な炭酸飲料

 酒の輸入販売を行っている店で、日本では馴染みが薄いが有名な炭酸飲料が並べられたコーナーがあったので買ってみた。

 まずはルートビア。"Fallout: New Vegas"に出てくるサンセット・サルサパリラの元ネタ。様々なスパイスやハーブが入っており、もちろんサルサパリラも入っているとか。
 味は普通。気が抜け気味の甘い炭酸飲料といった感じで、特徴的な味ではない。
 ただ、香りが包帯くさいというかなんというか、病院で嗅ぐ薬品のようなにおいがかなりきつい。ネットで調べると「湿布のにおい」と表現されていたが、まさしくそんな感じ。湿布そのものは特に嫌なにおいではないが、それを口に入れるとなると話は別。口の中で湿布のにおいが広がる違和感がどうしても拭えない。
 飲めなくはないが、もういらない。

 インカコーラ。ペルーの飲み物だが、コカ・コーラ社と契約して全世界展開しているとか。日本人は南米の水を飲むと下痢をするので、ブラジルなどに行ったらインカコーラを氷なしで頼む以外に安心して飲めるものはないと聞いたことがある。
 味はスコールに、少しパイナップルっぽい味を足した感じ。要するに乳酸菌飲料的な味がする。私はわりと好きな味。
 ただ、着色料に黄色4号が使われているのはいただけない。黄色4号がどの程度人体に害を与えるかは不明だが、着色料ごときで余計なリスクを負いたくない、というのが私の基本的な考えである。そこまでして色を付ける必要なんてない。もともとはレモングラスで色づけしていたらしいが、その方がよかった。
 これを飲むならスコールやミルージュソーダで充分かな、と思う。

 ドクターペッパー。まずいというウワサもよく聞く飲み物。これもサルサパリラが入っているらしい。最近はガストのドリンクバーにあったりすることも。
 味は、栄養ドリンクや、子供用の風邪薬と似ている。甘いけどちょっと薬品くさいアレ。ただ、リゲインやオロナミンCほどではなく、ほのかに薬っぽい、といった感じ。栄養ドリンクの味が好きな人なら好みかもしれない。
 香りも、ほのかに薬品っぽいが、そこまで強烈ではない。
 ルートビアに比べたら断然一般人向けで、ウワサに聞くほど強烈な飲み物ではなかった。栄養ドリンクっぽい炭酸飲料が飲みたいならアリだろう。これがマズイと言っている人も、一度ルートビアを飲めば意見が変わると思われる(笑)

 セブンアップ。これはサントリーの自販機でわりと見かけるし、飲んだこともある。今回買ったのは直輸入版だが、サントリーから出ているものと特に違いは感じなかった。
 ライムとレモンの香りと、パンチのある炭酸が特徴。口に含んだ瞬間に感じる香りや炭酸は鮮烈だが、すぐに消えて、後味はほとんど残らない。この後味の残らない感は、スプライトやキリンレモンなどにはない特徴。口の中がねっちゃりした感じにならないのはいいかもしれない。ただ、カロリーはそれなりにある。


 これら炭酸飲料を飲み比べて感じたのは、コカ・コーラがいかにジャンクな食い物に合うように調合されているか、ということだった。今回飲んだ飲料にしても、今回紹介しなかったペプシコーラなどにしても、飲料単体でおいしいということはあるが、食べ物とのコンビネーションという点では弱い。
 コカ・コーラを飲むとピザが食べたくなるし、ピザとかハンバーガーとかポテチとかを食べていると、コカ・コーラが飲みたくなるのである。あの飲み物はヤバすぎる。


2020.01.19 2020年センター試験現代文

 新聞にセンター試験の現代文の問題が載っていたのでやってみた。相変わらずクソっていた。

 現代文のテストでいうところの「読解力」とは、出題者様の問題文を読み、出題者様のおつむを理解して、出題者様がお気に召す答えを選ぶ能力、ということである。
 一方、課題となっている本文については、できるだけ読まないことが求められる。課題文を最初から最後まで読んでいたら時間が足りなくなる。まずは問題文を読み、問題文から本文の内容を類推しつつ、問題を解くのに必要な部分だけをピックアップして本文を読むのが現代文の正しい解き方である。あと、註釈は本文を読む前に絶対目を通す。
 現代文の問題を解くとき、本文の作者などどうでもいい。我々にとって絶対神は出題者様のみである。作者が白と言っても、出題者様が黒と言うならそれは黒である。
 本来の意味での読解力なんかなくてもいいし、むしろまともな読解力は邪魔になることもある。

 私は「重宝がられる」の意味で「一目置かれて尊ばれる」を選んで誤答だった以外は正解だった。正解は「頼みやすく思われ使われる」。
 このミスは、現役時代なら絶対しなかった。出題者様の意向を疑い、自分のセンスを信じてしまったが故の愚行である。

 課題文は原民喜の「翳」で、件の文章はこうなっている。

 きっと魚芳はみんなに可愛がられるに違いない。炊事も出来るし、あの気性では誰からも重宝がられるだろう、と妻は時々噂をした。

「重宝する」は「便利で役立つ」と「大事にする」という意味がある。
 片方の意味のみで使うこともあるが、ここでは両方の意味が込められていると考えるのが適当だろう。
 なぜなら、妻は魚芳を心配しており、その裏返しとして「彼ならみんなの役に立つし、いい人だから大丈夫だ」と、半ば自分に言い聞かせているわけである。
 というわけで、ここでの「重宝がられる」の言い換えとして適当なのは「頼られて大事にされる」といった感じだろう。

 しかし、選択肢には「頼られて大事にされる」がない。

 1.頼みやすく思われ使われる
 2.親しみを込めて扱われる
 3.一目置いて尊ばれる
 4.思いのままに利用される
 5.価値が低いとみなされる

 4と5は論外。1は「大事にされる」のニュアンスがない。2には「頼られる」のニュアンスがないし「大事にされる」ニュアンスも弱め。3は「重宝」の意味からズレがあるが、一応「頼られる」「大事にされる」のニュアンスを持っている。

 というわけで3にしたのだが、これは当然、正解は1。
 なぜなら、出題者様が信じるのは辞書だけであり、ここは辞書的に正しい言葉を選べばいい。その結果として文脈のニュアンスが変になっても何の問題も無い。作者の意図など、現代文のテストでは無意味だからである。

 というわけで、出題者様の解答を鑑賞してみよう!

 きっと魚芳はみんなに可愛がられるに違いない。炊事も出来るし、あの気性では誰からも頼みやすく思われ使われるだろう、と妻は時々噂をした。

 ……この文章が変だと思わない奴は読解力が無いね。
 ちなみに私の解答だとこうなる。

 きっと魚芳はみんなに可愛がられるに違いない。炊事も出来るし、あの気性では誰からも頼られて大事にされるだろう、と妻は時々噂をした。

 しかし、こんなものを解かせて、一体どういう人材を国や大学は求めているのかと疑問に思う。

[2020.01.21]追記

 小説の問題では、もうひとつ酷いのがあった。

 そうした、暗い、望みのない明け暮れにも、私は凝っと蹲ったまま、妻と一緒にすごした月日を回想することが多かった。

 という一文に対する出題者様の解釈がコレ。

 戦局の悪化に伴って災いが次々に降りかかる状況を顧みず、『私』は亡き妻への思いにとらわれ続けていた。

 主人公は現実を顧みなかったのではない。耐えていたのである。「凝っと蹲る」のは、逃避じゃなくて痛みに耐えるポーズに決まってる。ここで主人公が現実逃避していたと受け取るのはセンスないと思う。
 だいたい、妻の死亡通知に対して返事がなかった人を気に掛けているくだりがあっただろうに。妻への思いに囚われているなら、他者のことを気に掛けている余裕はないだろう。

 出題者もよくわかっていないのであれば、こういう微妙な解釈の問題なんかテストで出さなきゃいいのにと思う。


 私はもう関係ないからいくらでも文句を垂れられるが、受験者の皆様は、テストに文句を言っても点は取れない。読解力のある人ほど、現代文のテストにはうんざりさせられると思うが、工夫することで楽しく解けるようになる。
 たとえば、TRPGの『パラノイア』をロールプレイしているようなシチュエーションを想定するといい。
 出題者はイカレたコンピューターで、居もしない危険思想の持ち主を探すために、頻繁にああしたテストを出すわけである。もし答えを間違えたり、問題のミスや誤りを指摘すると、反逆者として即刻銃殺される。あと、あなたのクリアランスは「市民」レベルだから、「市民」が知り得ない知識を披露することも反逆罪となる。

 これは冗談に聞こえるかもしれないが、冗談ではない。現代文のテストは、訳の解らない命令を出す阿呆な上司の意図を正しく理解し、素直に従う立派な役人を生み出すための装置である。この日本で出世したかったら、こうした処世術が必要になるということ。
 もちろん、自分が出世して上司になったら、現代文の出題者のような物言いをして、自身の責任を回避しつつ、部下の忠誠度と「重宝度」を推し量るのである。言うまでもなくこの「重宝」には「大事にする」の意味はない。有能な部下はさんざんコキ使って辞めたくなるように仕向けるのだ。出世されたら自分の地位が危ない。

 現代文の出題では「最も適当なものを選べ」とある。これは、仮に選択肢の全てが間違っていたとしても、その中から一番マシなのを選べ、ということ。この文言によって出題者は責任を回避し、全ての責任は選んだ受験者にあるようになっている。
 私は今回、「重宝がられる」と「顧みず〜とらわれ続けていた」について批判したが、正解はどれか、ということなら、文句なくこれで合っている。読解力があるとかえって混乱するひどい問題だが、正解が存在しないとか、正解の根拠が薄いとか、そういうことはないから「ひどい問題だったから全員正解にします」みたいな措置はないだろう。ひどい問題でも容赦なく点を取るべし。文句は大学に入ってから言え。





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